感想メモ: 光と物質のふしぎな理論—私の量子電磁力学

発売元: 岩波書店
価格: ¥ 1,050
発売日: 2007/06

posted with Socialtunes at 2008/06/01

 

★★★☆☆

QED(量子電磁力学)の内容を、ノーベル賞物理学者のリチャード・ファインマン教授が素人にもわかるように説明した講義の内容。こんな硬派な内容なので、量子力学に多少なりとも興味がある人以外には全くオススメできない。多少興味がある私でも、ファインマン図には興味が湧かず、途中からどうでも良くなった。

 とはいえ、へぇ〜な情報も色々と含まれていた。私の記憶に残ったのは以下の点。小学校で習うことは、近似であって正確ではなかったのだな、と。

  • 光は最短経路しか進まない、のではない!直進以外にも、考えられる全ての経路を進みうる(最短とそれに近い経路以外は互いにキャンセルされ、寄与が小さいだけ)
  • 鏡も、最短距離一点だけで反射するのではない!
  • 鏡を最短距離の部分だけを小さく残しても、反射する光は弱くなる!
    →他の部分も反射に寄与している
  • 二重スリットで「波束が収縮」する問題は、「粒子の存在確率は、最初の状態と最後の状態を正確に定義する必要がある」と考えると当たり前になる
  • 一枚目のスリットを通過した時点で測定を行えば、そこが「最初の状態」となるので、スリットを通る前に計算した存在確率とは「最初の状態」が異なるから

読み返してみると、やっぱり相当読者を選ぶようだ。

その他の書評などはこちら。
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