感想メモ:予想どおりに不合理

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/11/21

★★★★☆

 行動経済学の本

 一般の経済学が「人は全ての状況を考慮して理性的に最適な経済行動を取る」と仮定しているのに対し、行動経済学は「そんなわけない。人はそんなに理性的じゃない。もっとテキトー」という前提に立つ。

 タイトルの「予想通りに不合理」は、人間は理性的じゃない=不合理な行動を取ること、その不合理さはランダムなのではなく、心理にもとづきある傾向を持っている、という意味である。

 この本では以下のような内容が紹介されている。

  • アンカー効果
     比較できるおとり(とても高いもの)を置くと、次に高いものがよく売れる
     どんな数字でも値付けのアンカーになる(保険証番号でも!)
  • 無料の力
     1円と無料には大きな隔たり。人は無料のものに対して理性的な判断ができない
  • 社会規範と市場規範
     報酬が支払われると、途端にやる気が減る(市場規範)
     プレゼントでは市場規範にはならない。お金は意味が違う
     「100円のお菓子」だと市場規範になる
     お金のことを口にしたり考えたりするだけで市場規範に!
  • 予測の効果
       おいしそうだと予測すると、やはりおいしく感じる
       まずそうだと予測すると、やはりまずく感じる

 行動経済学の本を読んだことがあれば、似たような話を見たことがあると感じるだろう。例えば「セイラー教授の行動経済学入門」など。こういった本を読んだことがある人には★4つ。ない人には★5つ。

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