感想メモ:日本人の坐り方

矢田部 英正
集英社 2011-02-17
¥ 756

★★★☆☆

「正座」は、昔は「正座」ではなかったのだそうだ。
「正坐は近代以降の新しい坐り方」なのだ。

現代の茶道の常識からは考えられないことだが、
当時の茶の湯での正式な坐り方というのは、
右の足首を尻の下に畳み、左の膝を立てる
「立て膝」だった。(p29)

現在では、「正座」が「正しい坐り方」で、
他の座り方は正しくないかのように感じられる。

しかし、正座は膝への負担が大きく、
膝を壊す人も少なくない。

立て膝の方が、明らかに膝への負担は小さい。
昔は正座ではなかったのであれば、
何を守るための「正座」なのだろうか?

思いもよらなかった疑問だ。

また、以前はかなりのバリエーションがあった坐り方が、
現代の日常からは、大部分が消えてしまっている。
その理由の考察については、本書を読んでもらいたい。

身近なことなのに、「知らなかった!」が多い本でした。

矢田部 英正
集英社 2011-02-17
¥ 756

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