★★★★☆
iPS細胞の研究でノーベル賞受賞の山中教授と、
「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーの川口氏の
講演内容や対談。
どちらも努力だけで成し遂げられる成果ではない。
どちらも、周囲の声に左右されない、
ある種の信念のようなものが必要だったはず。
特に興味深かったのは、山中教授の経歴。
ずっとiPS細胞一筋なのではなく、
二回ほど大きな転換をして、たどり着いている。
逆に言えば、最初の専門一筋でやっていたら、
これほどの成果には結びついていなかっただろう。
不器用だった僕は通常なら十五分で終わるはずの手術が、
一時間経ってもまだ終わらない。
ジャマで役立たずの「ジャマナカ」と呼ばれていました(笑)(p55)
大きな流れで言うと、
二回の予想外な結果が出て幹細胞に連れていかれた、
という感じですね。(p57)
だけど本当に好きなものを見つけるまでは、
三日坊主で大いに結構だと思うんです。
もちろん一日でやめちゃダメですが、
三日坊主は「二日頑張った」というところがだいじなんですね。
それで三日目に展望が開けなければ、別の道へ行けばいいと。(p60)
でも一人じゃ絶対にダメです。それを支える人がたくさんいて、
その人たちのモチベーションが続くかどうかが大切なところで、
それを繋げるものは「心」しかない。(p72)
だから独創的じゃなくてもいいからまず実験に取り組んでみて、
その結果を色のない目で見られるかどうか。
独創力を発揮できるか否かは、
そこにかかっているんじゃないかと思います。(p78)
目の前のものを、これまでのものを捨ててでも、
掴むことができるか。その準備ができているか。
支えてくれる人はいるか。
そう言ったことが、大きな仕事をする上では
不可欠な要素なのではないかと感じた。
ページ数は少なくサラッと読め、
かつ気になるフレーズが多い本でした。
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