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タイトルから「ハーバード白熱教室」の二番煎じ?と
想像される方がいるのも自然なことだろう。
しかしその予想は、いい意味で裏切られた。
著者は、1980年生まれの若さでありながら、
ハーバード大学で日本史を教えている、北川智子さん。
その講義は、学生からの絶大な支持を受けているそうだ。
しかし北川さんの大学での専攻は、数学と生命科学。
なんで?どうしてそうなった???
内容は、ハーバードで教鞭を取るに至ったストーリー、
ハーバードで教えている講義の内容、
ハーバードの講義のシステムなど。
北川さんが教える日本史も興味深いし、
本の構成もわかりやすい。
講義の内容については、本書を読んでもらうとして、
私の印象に残ったのは、北川さんの、講義に取り組む姿勢。
そして、人生に対するスタンスのようなもの。
必死すぎて、何をどう教えたかよく覚えていない。
とにかく知っていることをしゃべり、
学生の質問と興味の向く方向へ授業をもっていった。
楽しむことに徹した。(p41)
楽しむことを忘れたくなかった。
笑う余裕も忘れたくなかった。
このクラスのオリジナリティーは、
私という人間の面白さにあると信じて教室の演壇に立った。
その自信だけは絶対に失ってはいけないと、いつも誓った。(p50)
ハーバードで、世界一賢い学生たちに対して講義をするということは、
相当プレッシャーがかかることと予想される。
しかしそこに、悲壮感はない。
教えることの意義、使命感を、常に第一に置いているからなのだろう。
私は、日本という国が、世界に誇る文化や慣習を持つ、
素晴らしい国だと信じている。
しかし、経済の状況や中国の台頭などから、
世界の日本への注目度は下がってきている。
しかしそれは日本の価値が下がっているというよりも
プレゼンテーションの問題であり、
世界に貢献できる日本の価値はいっぱいある。
そんな中、ハーバードという世界の頭脳が集まる場所で
これだけの評価を受けつつ日本について教えるということは、
ものすごく価値がある。
これはもう、国としてバックアップすべきじゃないかしら?
予想以上にすばらしい本でした。オススメです。
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