★★★★☆
衝撃的な本だった。
管理は人のモチベーションを下げる。
自主性、主体性こそが最大のパフォーマンスを発揮する鍵である、
という理屈はわかっていた。
しかしそれは理屈上の話であって、
小さい組織では実現できても、
数千人規模の組織では難しいだろうと思っていた。
しかし、グループ社員数千人、
年商数億ドルという単位で、
そういった経営が既に実現していたとは!
しかも、その会社はブラジルにある。
ラテン系で、日本人よりもはるかに
自分の欲求に忠実な民族というイメージ。
ならば、異常な真面目さと勤勉さを誇る日本でも、
できるはずじゃないか!
大切な週末を、仕事に侵食されるのとはまったく逆で、
貴重な遊びの時間やプライベートな時間、家族との時間を、
平日の仕事の時間に持ち込むのです。
それをわたしは「一週間毎日が週末発想」と呼んでいます。(p13)
仕事に対して抱いている従来のイメージ
「単純な繰り返し作業、退屈、激務」を、
「仕事=心から楽しく、幸せと自由なもの」に
代えるだけのこと。(p16)
- 組織階層がなく、公式の組織図が存在しません
- ビジネスプランもなければ企業戦略、短期計画、長期計画といったものもありません。
- 会社のゴールやミッションステートメント(企業理念)、長期予算がありません
(中略) - 人事部がありません
- キャリアプラン、職務記述書、雇用契約書がありません
- 誰もレポートや経費の承認をする人はいません
- 作業員を監視・監督していません
自分が「やりたい」という意欲が持てない仕事は、
はじめからするものではない!(p92)
「コントロール」は、学習する人の興味を奪ってしまう。(p150)
「直観」、「幸運」、「失敗」、「セレンディピティー」
これらの四つは、ビジネス上最も大切なコンセプトです。
しかしながら、ほとんどの会社では、
「コントロール」という壁が障害となり、
これら四つとかけ離れた経営をしています。(p339)
コントロールしない。
責任をもった大人として扱う。
それが、自発的な組織作りの鍵であると読んだ。
とてもおもしろかった!
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