- 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
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- 著者: 橘 玲
- 発売元: 幻冬舎
- 価格: ¥ 1,575
- 発売日: 2010/09/28
★★★☆☆
著者は投資の「黄金の羽根」シリーズの橘玲氏。
この本は、投資とは直接関係のない、
生き方の提案といった内容となっている。
- 日本企業は、評判社会でできている
- 評判がいい人が出世する
- 評判は努力とは比例しない
- 良い評判は築くのに時間がかかり、
悪い評判は一瞬で広まる。
こういった仕組み上の問題から、
日本企業で生きていくと、多くの人が不幸になる構造になっている、
というのが著者の指摘。
確かにそうである気がする。
おもしろかったのが、その補強のデータとして、
バブル期と現在の日本企業の従業員の会社への姿勢を比較し、
「日本人は昔から会社が嫌い」
としているデータ。バブル期だって会社が嫌いだったのね。
逆に意外なのが、むしろアメリカ人の愛社精神があるということ。
そうなのかー。
ムラ社会的な日本企業では、常にまわりの目を気にしながら曖昧な基準で競争し、
大きな成果をあげても金銭的な報酬で報われることはない。
会社を辞めると再就職の道は閉ざされているから、
過酷なノルマと重圧にひたすら耐えるしかない。
「社畜」化は、日本的経営にもともと組み込まれたメカニズムなのだ。
そんなカゴの中にいると窒息する。
外へ出よう、というのが著者の主張だ。
どうやって?というところは、実際に読んでみてもらいたい。
ただ、矛盾を感じるのは、前半の
「自己啓発は意味がない。
なぜなら自分は変えられないから」
としている部分。
そんなこと言ったら、著書が何を主張しようが、
読者は何も変わらないということにならない?
それでもいい、というのなら、この本は何のため?
頷ける部分と納得いかない部分のせめぎ合いの結果、
オススメ度は★3つとしました。
読み進められたし、結論については賛成なのですが、
前半の内容と矛盾するように感じてしまいました。
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