感想メモ:突破者―戦後史の陰を駆け抜けた五十年

突破者―戦後史の陰を駆け抜けた五十年
突破者―戦後史の陰を駆け抜けた五十年
  • 発売元: 南風社
  • 発売日: 1996/10

★★★☆☆

著者は宮崎学。
という名前を聞いて思い出すのは、グリコ森永事件。
犯人とされていたような気がする。

という程度の記憶しかなかったのだが、
この本に書かれた半生を読んで、
犯人ではなかったらしいと初めて知った。
記憶はいい加減ですな…

宮崎氏は裏社会を生きてきた人だ。
日頃足を踏み入れる事のない世界の話は、かなり衝撃的だ。
ヤクザ同士の抗争の現場に居合わせたことのある人など、
ほとんどいないだろう。

いえ、特に居合わせたくはないです。はい。

で、そういう世界に生きてきた人というのは、
普通の人とはタフさが違う気がする。
しかしそれは、本で語られているように、
差別や犯罪、命の危険をくぐり抜けた代償として、
身につけなければならなかったもの。

日本人は甘い、タフさが足りないという意見がある。
しかし裏社会に生きる人たちは、
途上国に住む人たち以上にタフに見える。

過酷な環境に育てば、確かにタフにはなるだろう。
しかし恵まれた環境に育てば必ずスポイルされるわけでもない。
ものすごいタフな人たちもいる。
それは、過酷な環境に育ったからといって、
タフに社会を生き抜く人ばかり育つ話ではないのと同じだろう。

なんか話が遠くへ来てしまった。要は、
「治安の良い環境に生きるメリットを失わずに、
タフさを身につけるにはどうしたらよかろうか」

ということについて考えさせられましたよということ。

オススメ度は★3つです。
かなりボリュームがある本なので、
時間があるときに取り組むと良いと思います。

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