- 英語と米語―その違いを読み解く (丸善ライブラリー)
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- 著者: 大石 五雄
- 発売元: 丸善
- 発売日: 1995/11
★★★☆☆
アメリカ英語(以下米語)とイギリス英語(以下英語)は、
発音が微妙に違ったり、綴りが微妙に違ったり、と
素人にはわかりにくい差があったりして困る。
ただ、なんとなく
「イギリスって伝統を重んじるんだから、
英語がアメリカに渡って変化したんだろう」
と思っていたら、驚いたことにそうでもなかった。
例えば英語では、伸ばす「r」をあまり発音せず、
米語での「アとエの間の音」が「ア」に近くなる。
この違い、変化したのは、米語ではなく英語の方なのだそうだ。
まず19世紀のコックニー地方の方言で変化し、
それがイギリス全体に広がったとのこと。
一方、米語的な発音を、ビートルズが歌として
イギリスに持ち込んだりという流れもあるようだ。
米語と英語では綴りも色々違う。例えば以下のようなもの。
labor:labour
theater:theatre
defense:defence
これは、18世紀にウエブスターさんという甲殻類が好きそうな人が、
(←それはロブスター←自らによる丁寧なツッコミ)
英語からの米語の独立を唱え、提案したものが
取り入れられたものであるそうだ。
scheduleの発音が、英語では「シェジュール」に近いが
米語では「スケジュール」みたいになったのも、彼の提案であるそうだ。
そして、こういったアメリカにおける改革は、
イギリスに影響を与えることはなかったと。
アメリカが変わった部分も、当然あるのですな。
以下、小ネタ。
- 「.」は米語ではperiodだが、英語ではfull stop
- 米語のfirst name, family nameは、英語では Christian name, surname
- OKはAll correctの意味のOll Korrectの略語という説
- 英語はBBC、米語はABCのニュースキャスターあたりが 話すのがスタンダードとされる
- アメリカ大西洋沿岸、南部では英語の影響が残っている。 なまりで、教養がないとみなされる
full stopとかsurnameとか、すごい基本的っぽいのに知らなかった…
他にも、言葉の細かい違いを挙げていけば、キリがないので触れない。
知識として、サラッと目を通しておいてもよいでしょう。
こういう違いを知らないと、失礼に当たる場面もあったりするのだろう。
今後、そんな場面に遭遇しないことを、信じてやまない。
オススメ度は★3つです。
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