- 良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)
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- 発売元: 日本経済新聞社
- 発売日: 2000/11/07
★★★☆☆
ノーベル賞受賞のクルーグマン教授の論文集
前後に経済学関連の本をいくつか挙げているが、この本は古典的な経済学の立場から、巷にはびこるインチキ経済学を斬る、というスタンス。
例えば、「アメリカが貿易赤字により賃金が低下した」というストーリーに意味はない、と説く。
アメリカの輸出入の額はGDPの10%に満たないので、貿易赤字だけでは賃金低下の1/20しか説明できない。
従って、不景気の主原因はGDPの90%を占める国内景気なのであり、
貿易摩擦というシナリオは、国外に悪者を作り出し人々の目をそらさせる、
不正確だが理解しやすいストーリーだと説いている。
短編の論文集なので、各章の連続性がなかったりと読みにくい部分もあるが、
経済学のシロウトには新鮮な視点が提供されていておもしろい。
関連エントリー:
- 感想メモ:ヤバい経済学 ★★★★★
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