- 骨盤力 アスリートボディの取扱い説明書
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- 発売元: ベースボール・マガジン社
- 価格: ¥ 2,100
- 発売日: 2008/12/19
★★★★★
スイング系スポーツをやっている人は必読
シンクロ打法、ジャイロボールなどで有名な手塚一志氏による、
スイング系のスポーツ全般に通用する理論の本。
手塚氏と言えば日本の野球界でも有数の理論家であり、
かつ阪神などプロ野球選手の指導も行っているなど実績も文句なし。
これまでの理論のムダをそぎ落とし、シンプルにまとめた結果、
野球以外のスイング系全般に通用する理論となっている。
テニス、ゴルフ、バドミントン、卓球、バレーボール、ソフトボール、
ハンドボール、陸上・・・・
つまるところ、スポーツをやる人は読んでおいて損はない。
というか知っておくべき。
手塚氏の提唱するクオ・メソッドは、以下の6段階からなる。
- 骨盤帯3分割
仙腸関節を動かす - かませ
弓状線を後ろに引き、後ろ足に乗る - 弓状線から先端部までの連結
骨盤から意識でつなぐ - タメ
開かないで平行移動し運動量を生む - ブラッシング
左右の骨盤を切り替える
後ろに引いた右の弓状線を前に
前にあった左の弓状線を後ろにすり合わせるイメージ - パンチング
腕の意識はゼロで腕を前に飛ばす
基本は、末端ではなく体の中心に意識を置くことだと考えて間違いない。
あとはダブルスピンも知っておくと良いが、ここでは紹介しない。
骨盤の操作に意識を集中する。
このことによるメリットは大きく2つある。
1つ目は、全身の力を使うことで大きな力を発揮できるということ。
体は、大きい筋肉ほど大きい力を発揮できる。
骨盤を起点として力を発揮すれば、腹筋、背筋など
胴体の大きい筋肉を使うことができる。
そのため、腕の力だけに頼る場合よりも大きな力を発揮できる。
2つ目は、調子を崩しにくくなるということ。
多くのスポーツで共通して言えるのは、硬くなって
手や腕を意識してしまうと、ろくなことがないということ。
手打ち、手投げという言葉がある通り。
誰しも思い当たる節があるだろう。
骨盤に意識をおいていれば、腕に意識が集中することを防ぎ、
全身のバランスを失いにくくなるということ。
実際、文中は「腕は完全脱力が望ましい」と書かれている。
手塚氏は「ピッチングの正体」「バッティングの正体」「魔球の正体」
からずっとチェックしているが、この「骨盤力」になって
理論的にもシンプルでわかりやすくなっていると感じる。
回内など知っているのといないのとでは、肘の故障にも繋がる。
手塚氏の本の中でもオススメの1冊。スポーツをやる人には★5つ。
関連:
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→Socialtunes – haru
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