- 本当はヤバくない日本経済 破綻を望む面妖な人々
-
- 発売元: 幻冬舎
- 価格: ¥ 1,470
- 発売日: 2009/04/23
★★★★☆
「外需依存型国家である日本は、円高の影響で輸出企業が壊滅、経済破綻する!」
よく吊り広告などに載っていそうで、なんとなくそうなのかなぁと
思ってしまうようなフレーズだが、実は四重に間違っているらしい。
その間違いとは、以下の通り。
- 日本は他の先進諸国に比べて外需依存型じゃない
- 実効為替レートではまだ円高というほど円高ではない
- 輸出企業に影響への打撃は円高よりも需要減が大きい
- 通貨高で破綻した国はない(逆はある)
それぞれの主張はデータに基づいていて、説得力がある。
逆に、マスコミの議論の粗さが目立つ。
まぁ、マスコミはキャッチーな話の方が目を引くので、
正しさは二の次なのだろう。
マスコミの報道を見ていると、過去5年に数回は日本は崩壊していそうだが、
実際はなんとか踏ん張りつつがんばっている。
マスコミは、なぜ適当な理屈で悲観的な話ばかりしたがるのだろうか。
1.経営者は給料を抑えたい
→「経営環境は厳しい厳しい」と言っておきたい
→マスコミのスポンサーは企業(のトップ)
2.悲惨な話の方がウケるから
3.単に自虐好き/けなすのが好き
4.どっかの陰謀
まぁ検証できないのでどれでもお好きなもので。
マスコミの情報を鵜呑みにするのではなく、
データに基づいた知識を得ておくのは良いこと。
話もわかりやすいし、良い本だと思う。★4つ。
関連:
- 良い経済学 悪い経済学 ★★★☆☆
- 日本の選択 ★★★★☆
- 隷属国家 日本の岐路 ★★★★★
その他の書評などはこちら。
→Socialtunes – haru