「やる気が出ない」
古今東西問わず、相当多くの人が悩まされていることではないでしょうか。
それだけ普遍的な問題ですので、先人たちの知恵も、
大量にストックされ、様々な本が出ているお題でもあります。
自分で試したら人生何回分もかかる経験知を、
本なら何個でも学ぶことができます。
とてもありがたいことです。
そこで、
「やる気を少しでもコントロールできるようになりたい!」
という人へ、私がメモした500冊くらいの本の中から、
オススメの11冊をピックアップしてご紹介します。
やる気、モチベーションについて考える上で、
外せないのがこの本です。
「外的報酬と内的報酬」の考え方は、
自分のやる気、他人のやる気、
全てに応用が効く考え方です。
簡単に言うと、こういうことです。
外的報酬:エサが欲しいからやる
内的報酬:やること自体が楽しいからやる
外的報酬は内的報酬を減らす、という話が出てきます。
これが「趣味を仕事にするな」といった話につながるのでしょう。
つまるところ、内的報酬をいかに呼び起こすか、
というところの勝負になってきます。
外的報酬をその呼び水にするのはありで、
この本も全ての外的報酬を否定するものではありません。
この本の問題点があるとすれば、かなり高価なことです。
価値がある本だとは思いますが、
図書館などで借りられるといいですね。
感想メモ:報酬主義をこえて | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
「内的/外的報酬」と同じぐらい大事な考え方を教えてくれるのが、
次の本です。
「インナー」シリーズの著者であり、
「コーチング」の源流でもあるガルウェイ氏。
「セルフ1」と「セルフ2」の考え方は、
知っておくと様々な場面で応用が効く考え方です。
大まかに言うと、以下のようなものです。
セルフ1:自分を批判し、管理する自分
セルフ2:実行する自分
いつも自分に怒られてビクビクしながら実行している、
かわいそうなセルフ2を、いかにのびのびと動かせてあげるか。
というところがポイントになります。
元々テニスのコーチが出発点ですが、
ビジネスのコーチにおいても、
すばらしい結果を出しています。
「働く」ということのみならず、
様々な気づきが得られるすばらしい本です。
感想メモ:インナーワーク | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
次に知っておきたいのが、脳のことです。
脳科学はとてもホットな分野です。
分析の性能が上がり、これまでわからなかったことが
どんどんわかるようになり、脳の様々な部分の働きが
明らかになりつつあるからです。
さらにおもしろいのは、
その研究の成果が日常生活にも活かせること。
やる気のコントロールも、その一つです。
人間の脳は狩猟時代から大して変わっていないので、
その頃に獲得したクセを引きずっていたりします。
そういったクセを知っておけば、
やる気のコントロールにも役立ちます。
有名なところでは、作業興奮などですね。
脳のことはおもしろい本がいっぱいあるのですが、
(参考:脳 | 読書メモ保管所:うむらうす -annex)
特にオススメするのは以下の2冊です。
なぜなら、人間は誰でも同じような構造の脳を持っていて、
脳のクセはほぼ変わっていません。
そんな脳のクセを踏まえた、脳をうまく使うポイントを
12個にまとめて説明しているのが、
この「ブレイン・ルール」です。
- 運動―運動で脳力がアップする
- サバイバル―人間の脳も進化をとげた
- 配線―脳は人それぞれに配線が異なる
- 注意―人は退屈なことには注意を向けない
- 短期記憶―繰り返しておぼえる
- 長期記憶―おぼえてなお繰り返す
- 睡眠―たっぷり眠ればよく考えられる
- ストレス―ストレス脳はふだんどおりに学べない
- 感覚の統合―より多くの感覚を刺激する
- 視覚―視覚はどんな感覚も打ち負かす
- ジェンダー―男性と女性の脳はちがう
- 探検―人はみな生まれながらのたくましい探検家
睡眠やストレスのところなど、
精神論では解決できない部分がある事は、
知っておくと良いですね。
付属のDVDが、上の内容を簡潔にまとめているのですが、
これが良くできています。
脳のことを知る基本として、読んでおくと良い本です。
感想メモ:ブレイン・ルール | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
こういった脳のクセを踏まえて行動する際の指針となるのが、
次の2冊です。
ポイントは、何かをやり遂げたかったら、
「小さなことから始める」
こと。これによって、一歩目のハードルを下げるのです。
なぜかというと、
脳は大きな変化に抵抗する「ようにできている」
からです。
そんな変わったことばかりしていたら、
生存確率が下がってしまうからなのでしょう。
自分も他人も、変化を怖がります。
色々理屈はつけるかもしれませんが、
「そういう風にできている」と折り込んでおいた方が、
無駄な努力をしなくて済みます。
感想メモ:脳が教える! 1つの習慣 | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
脳のクセを踏まえて行動する際の指針となるもう一冊の本が、この本です。
この本では、理性と感情の関係を、
「象使い」と「象」に例えています。
もちろん、力関係は象の圧勝です。
ポイントは、
「理性だけ、感情だけに頼って
自分や人を変えようとしても、うまくいかない」
ということです。
自分でも他人でも組織でも、変えたいと思ったら、
象使い(理性)だけでなく、象(感情)にも働きかけること、
なのです。
自分の理性が弱いのを責めても、仕方がないのです。
ホッとしますね。
豊富な実例を伴って、このことが説明されていて、
とてもおもしろい本です。
感想メモ:スイッチ! | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
さて、こういった知識を踏まえて、
実際の行動としてはどのようなことを
気をつければいいのでしょうか?
次の本は、その一つのヒントを示してくれています。
行動科学では「人のやる気はフィードバックで左右される」と教えます。
フィードバックのやり方次第で、モチベーションを高めることができるのです。
この本は、そのフィードバックのキモを教えてくれます。
そのカギは「PST」(Positive , 即時 , 確か)。
組織の活性化についての本ではありますが、
この方法は、他人だけではなく自分のやる気の管理にも有効です。
他人のやる気を高められれば、自分のやる気もコントロールできますね。
感想メモ:短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
「やる気」について考えると、最終的には
「やる気を高め、その状態を継続させる」
という習慣づくりの話になります。
それが、
「褒める」「ポジティブ」「楽しい」
といった「プラス思考」的なキーワードが多く出てくる理由でしょう。
つらいこと、つまらないことは、楽しくないから続かないのです。
一方、「プラス思考」というと、
「精神論で根拠がないのに気持ち悪い」
といった反応を示す人もいるでしょう。
そういった人にも、そうでない人にもオススメしたいのが、
脳の研究としてプラス思考についてアプローチした、
以下の本です。
ポジティブでいよう!と思っても、
実行続けるのはとても難しいことです。
根性では感情はコントロールできないからです。
なのですが、誰にでもできるコツがあるそうです。それは
「今、うまく行っていることを探す。恵まれていることを探す」
というものです。
「脳は質問を与えると答えを探してしまう」
という習性をうまく利用しているものであるようです。
齊藤一人さんや和田裕美さんの本にあるお話も、
そういうことなのですね。
なんとなくそういうもの、と思っていたことも、
理屈を伴って理解できてきます。
ただ、「ネガティブは不要」という話ではありません。
ネガティブな要素も必要です。
だから、「3:0」ではなく「3:1」なのですね。
感想メモ:ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則 | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
ここまで紹介してきたような話を踏まえて、
読んでほしいのが以下の本です。
仕事でも勉強でも、楽しくできるかどうかは、
結局自分の考え方次第、ということです。
そんなこと言っても・・・と思うときに、
そのことを実現している人の話を読むのは、
良いアイデアです。
福島正伸さんの本は、
そういった話が多く紹介されていて、
勇気が出るし、感動します。
感想メモ:どんな仕事も楽しくなる3つの物語 | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
感想メモ:キミが働く理由 | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
次は、「やる気」を考える上で、やっぱり外せない名著です。
タイトルからはちょっとわかりにくいのですが、主張は
悩みの原因を分析し、悩みを断ち、
平和な精神状態を手に入れよう
というものです。
「やる気を阻害する悩みをどうコントロールするか」
というストレスコントロールの話、と言っても良いでしょう。
疲れを予防する方法についても書かれています。
疲労の多くの部分は精神的なものが原因で、
悩み、緊張、混乱なのだそうです。
これらをうまく対処することが、
やる気を維持することにつながるのです。
今もずっと売れている本ですので、
それだけ普遍的なトピックなのですね。
感想メモ:道は開ける | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
最後に、中村天風氏の本を紹介します。
中村天風氏の本を読んだことがない、という人は
この本から読まれると良いでしょう。
読んだことがある人も、
そのエッセンスが詰まっているので、
やはり読むとよい本です。
- 心のあり方が人生を決める
- 感謝と歓喜で人生を考える
- 消極的感情は潜在意識の不整理から
- 絶対的な積極心=平安を確保した心=強さを持つ心を持って生きる
- 常に心を監視し積極か消極かを見つめる
- 自己には厳然と、他人には寛容に
- 潜在意識を意識でコントロールする
- 言葉は強い暗示力を持つ
- 不平不満は口にせず感謝と喜びを
- 寝がけは心が無防備 おだやかな気持ちで
- 暇なときには心が喜ぶ想像を
- 手に入らないことより持っていることに感謝
指針は示されているので、
どれだけ実行できるか、
ということなのではないでしょうか。
感想メモ:ほんとうの心の力 | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
以上で、11冊の紹介は終わりです。
しかし実は、この先に大御所のような2冊がドーンと控えています。
一冊は、中村天風氏の総まとめ的な本である、「成功の実現」。
感想メモ:成功の実現 | 読書メモ保管所:うむらうす -annex。
もう一冊は、書評3000オーバーの本のソムリエさんの
人生を変えた一冊である、「地上最強の商人」です。
感想メモ:地上最強の商人 | 読書メモ保管所:うむらうす -annex
どちらも文句なしにすばらしい本なのですが、
お値段もすばらしいので、
「今こそが読むときだ!」
というタイミングが来るのを
じっと待つのがと良いと思います。
(あるいは図書館活用)
書き始めたら思いの外長くなってしまいました。
どれも、すばらしい本ばかりです。
もし、あなたがまだ出会っていないすばらしい一冊に出会う、
きっかけづくりのお手伝いができていれば、とてもうれしいです。
最後に、やる気に関しては、
「モチベーションを高めようという努力すら不要な事をする」
のが最強で、そのための本が「ソース」だったりしますが、
それはまたの機会に。(あるのか?)
(参考:感想メモ:ソース―あなたの人生の源はワクワクすることにある。)
「やる気が出ない…そんなときにオススメ。モチベーションをコントロールするために読んでおきたい11冊+α」への1件のフィードバック