- BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”
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- 発売元: 日本放送出版協会
- 価格: ¥ 2,100
- 発売日: 2010/02/23
★★★★★
〜ややネタバレ注意〜
- 180cm超、90kgオーバー、
走ると故障して当たり前と診断された著者が、
どのようにして何十kmも走れるようになったのか? - 人は走るために直立歩行するようになった?
- メキシコの奥地で開催された、
ウルトラマラソンのトップ選手達と
タウラマラ族の選手達とのレースの結果は?
というコンテンツが織りなされている。
いずれも興味深いものばかり。
特に、「高価なランニングシューズを履くほど、
足を故障する確率が上がる」という話は衝撃的。
ショックを吸収するクッションがあると、
必要以上に踵を踏み込むよう、走り方が変わる。
そしてそれは、人の足が持つ自然のアーチ構造を
無視した走り方になってしまうというのだ。
「人は走るために直立歩行するようになった」
という主張もとてもおもしろい。
人間は動物と比べ、短距離走が速いわけではない。
しかし、そこそこのスピードでの長距離走においては、
かなりの能力を持っているのだ。
その能力を何に使ったのかは、読んでみてのお楽しみ。
更に、レースの話も熱い。
レースの開催に至るまでのストーリーもさることながら、
レースの模様は読んでいて興奮した。おもしろい!
というように、運動好きの私としては、
久しぶりに引き込まれるおもしろさだった。
ただし、本だから、架空の人物が追加されていたり、
脚色されているのかと思っていたら、
巻末にサイトの紹介がされていたので、見てみた。
→BORNTORUN.ORG – A RUNNING RE-EVOLUTION IS AFOOT – FAN SITE
すると、登場人物のサイトがあるじゃないですか!
Barefoot Tedのサイト→Barefoot Ted’s Adventures
Scott Jurekのサイト→Scott Jurek
Caballo Blancoのサイトも!!→Caballoblanco
そのサイト内には例のレースについても書かれている!!
→Canyon of dreams–March 5, 2006 Copper Canyon Run: Results
驚いた。
ホンモノじゃないですか。
そして、リンクを辿っていくと、
おそらく裸足に近い感触で走れるのであろう、
サンダルが売られている。
→Luna Sandals – Instructions
この形、どこかでみたことがあるような…?
ああ、草履だ。
日本にもかつて、恐るべき距離を走りまくる
長距離ランナー集団がいた。
言うまでもなく、飛脚。
彼らは当然、ランニングシューズなんか持ってない。
履いていたのは、草履だ。
仮に飛脚がランニングシューズを履いていたら、
故障が増えていたのだろうか??
今までランニングシューズの存在を
疑ったことなどなかったが、
こういう話を読むと、自分で試してみたくなる。
うーん、草履っぽいもので走ってみたい。
ということで、オススメ度は★5つです!
おもしろかった!
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