感想メモ:竹田和平の強運道

★★★★☆

日本一の個人投資家と言われる竹田和平氏。

戦後の焼け野原から数々の事業を興し、
投資を続け、日本一に到達したという、
その実績を支えてきた信念は、
どのようなものなのだろうか?

人を許すと思うのではなく、
むしろ、自分を許す。(p185)

とくにむずかしいことを考えなくても、
わくわくさえしていれば、
ちゃんと自分の目標は見えてきます。(p185)

自分を犠牲にして他人に尽くすこととは違います。
自分のできる範囲で、思いやりを与えてあげればいい。
まずはそこからです。(p201)

自分の体調や限界をよく知ったうえで、ビジネスに臨むー
健康だと、つい見落としがちになりますが、
経営者の責任をまっとうするうえで、
これほど大切なことはないのかもしれません。(p61)

顧客のことを考えるのはもちろんだが、
その前に、自らの動機の部分から見つめ直し、
自分を整える、ということを重視しているように感じた。

さすがだなぁ、と思わされる部分が多かった。
色々な分野の、達人の頭の中を知ることができる。

本はありがたいなぁ。

感想メモ:逃げるお金に続け

邱 永漢
グラフ社 2011-05
¥ 1,365

★★★☆☆

邱永漢氏のサイト上でのコラム「もしもしQさんQさんよ」
( http://www.1101.com/Q/index.html )のうち、
2009年11月から2010年2月分の内容を書籍化したもの。
なんと34冊目!

時系列に並んでおり、当時の経済状況や、
その当時の考えが書かれている。

事業家でもある邱永漢氏。
中国とでの新規ビジネス立ち上げのストーリーなど、
興味深い話が多い。

経験豊富な氏の言葉は、
経験豊富な商売のセンスに基づいていて、
なるほどなー、と思わさせられる。

さし当たり必要なことは、財布の紐をしっかり
締めなおす人たちにお金を使わせることです。
そのためには「お金を使ったら税金を負けてやる」
という政策を打ち出すのが一番効果があります。(p33)

世界で通用するのは、日本人のサービス精神であって、
日本料理ではありません。(p65)

邱永漢氏は2012年に亡くなられた。
ご冥福をお祈りします。

邱 永漢
グラフ社 2011-05
¥ 1,365

感想メモ:楽しい子育て孫育て

学習研究社 2011-03-08
¥ 1,500

★★★★★

子育てに悩みがない人というのは、
ほとんどいないのではなかろうか。

「育児は育自」とはよく言うが、
自分の精神的な未熟さを、
思い知らされることこの上ない。

そんな「子育て」に対する心の持ち方について、
小林正観氏が語る子育て論。

天才を育てた母親たちは、
「あなたはあなたのままでいいのよ」
という態度を貫き通しました。(p4)

「子育てに気合いをいれないこと」
「子育てをしないこと」
が、一番の子育てである(p6)

冒頭のこの部分だけでも、
この本を読んだ価値はあると思えた。

しかし人間、いとも簡単に忘れてしまうもの。
繰り返し手に取り、自分の軸を設定し直すという
使い方ができる。

すばらしい。また読もう。

<追記>

心に響く言葉が多かったので追記。

親の指導の通り、教育の通りにしていくのではありません。
親のやった通りに真似をし、そのようなやり方を身につけていきます。(p26)

他人とくらべられないようなもの、
あたたかさとか、優しさとか、思いやりとか、やわらかさとか、
他人との協調性とか、そういうものを評価してあげてほめる(p34)

子供は自分の描いたシナリオ通りに伸びていこうとする、
それを親は見守るだけ、応援支援をするだけ。

親の思いが強ければ強いほど、子供の邪魔をしているのです。(p53)

親はありとあらゆる反応を、子供の前で否定的なものにしないこと、
肯定的なものにすること、すべてを喜びにとらえ、
幸せにとらえるような考え方、感じ方を子供に示していくと良い(p57)

ストレスをためないですむ方法はあります。
「自分の思い通りにしようと思わない」こと。(p112)

人間が「怒り」を感じるのは、
「いやなものを無理やりやらされたとき」なのです…
「努力を」強いられると「怒り」が湧くのです。(p115)

正しいものが勝つのではなく、
「あたたかいものが勝つ」のです。(p119)

人生をせわしなく生きている人ほど、悩みが多いらしい。
いつも何かに追われていて、何かをしなくてはいけなくて、
いつも悩み苦しみを抱えているようです。(p173)

学習研究社 2011-03-08
¥ 1,500

感想メモ:「最高の授業」を世界の果てまで届けよう

★★★★★

トップの教師による映像授業を、
優秀な先生の数が足りない途上国に持って行く。

アイデアとして思いつく人はいるかもしれないが、
実際に実行できる人が、一体何人いるだろうか?

行動すれば、事前に想定しなかったような、
様々な問題が起こる。
それでも、二十代の歳の若者たちが、
力を合わせて、ものすごい行動力で突破していく。

当然、楽しいだけではない。
恐怖も、プレッシャーもあるだろう。
それでも力強く乗り越えていく、
エネルギーはどこから来るのだろうか?

それは、こういうことなのだろう。

魂に一度ともった火は、消えることなく、
他の人の心にも明かりをともしていく。(p4)

心に火がついた人というのは、
勝手に進んでいける。止まれない。

そしてその「心に火を付けるもの」に出会うには、
待っているのではなく、探し続けなければいけない。
って、スティーブ・ジョブズが言ってた。

読んでいるだけで、その熱が伝わってくる、
熱い本だった。オススメ!

感想メモ:5%の人 時代を変えていく、とっておきの人間力

★★★☆☆

人の意見に左右される、95%の大衆ではなく、
自分の信じた道を貫き通す5%の人になれ、
と背中を押してくれる本。

自分が信じてワクワクすることを、
“カメ的”努力でコツコツやっていれば、
必ず誰かがそれを見ていてくれます。
そして、同じ思いを持った人が必ず現れるのです。(p96)

著者のの清水克衛さんは、
決して恵まれところではないではない立地に、
周囲の反対を押し切って書店「読書のすすめ」を出店。

今や、講演活動や読書普及協会設立など、
5%どころか、1%以下の人。

人間は自らを成長させようとする生き物です。
その成長スイッチになるのが、
尊敬の念であり、畏敬の念なのです。(p41)

つまり、”失敗したら私が恥ずかしい”ではなく、
“成功したらみんなが喜んでくれる”に変えたのです。(p89)

「読書のすすめ」の清水克衛さんだけあって、
巻末の「あなたが『5%の人』になるための本」リストは
読んでみたいと思う本ばかり。

本好きのあなたにオススメです。

感想メモ:なぜシロクマは南極にいないのか

★★★☆☆

なんで?

ということで読み始めたのだが、予想したような
「ライトな話題が並ぶ雑学系の本」ではなかった。

むしろ、進化論、大陸移動説といった理論が、
生物地理学をヒントにしていかに見出されたか、
ということを語る、骨太の本だった。

「銃・病原菌・鉄」の理論も、
生物地理学を元にしているそうだ。
既読の人は、イメージがつかめるかと思う。

で、タイトルの答えを書きたくてウズウズするのだが、
ネタバレになってしまうので、ヒントだけ。

北極に住むシロクマ(ホッキョクグマ)と、
南極に住む皇帝ペンギンとは、

両者が自然な形で接触することは今のところありえない(p5)

なんで?という疑問は、

それぞれの種がその場所固有の生物というより、
ある条件の環境に結びついているという思い込み(p7)

の産物なのだ。
「銃・病原菌・鉄」を読んだ人はわかるはず。

ここまでの内容は、第1章だけ。
残りもかなり濃い内容です。
読み込むには、時間と集中力が必要かも。
(私は斜め読みしてしまいました)

科学、生物好きの人にオススメです。

感想メモ:売り込まなくても売れる!実践編

ジャック・ワース,宇都出 雅巳,神田 昌典
フォレスト出版 2005-10-12
¥ 1,440

★★★★☆

「高確率セールス」という手法についての本なのだが、
本質はここに集約されている。

<高確率な見込み客>に時間を費やす事を学びましょう。
<低確率な見込み客>に対して時間とエネルギーを費やし、
あなたの人生をムダにするのは止めるべきなのです。(p226)

言い換えれば、

こちらの強みを高く評価してくれて、
高く買ってくれる顧客と取引する(p85)

ということ。

言われてみればその通りなのだが、
世の中の営業は、このようには動いていないようだ。

一般的な営業法とは異なる特徴的なポイントが、
いくつも見られた。
自分がこれまでに受けてきたセールスを考えても、
受ける印象が全然違う。

高確率セールスでは、オープンクエスチョンよりも
クローズドクエスチョンを多く用います。(p49)

中立で感情抜きのトーンでオファーを伝えて行きます。

<信頼と尊敬を確立するプロセス>において、
私たちは相手の人生に起きた「葛藤・衝突」を探します。
彼らがそれに対してどのように対処したか、
また現在その葛藤・衝突をつくった人に対して
どのように感じているのかを聞きます。(p205)

「もし私があなたの満足条件を満たしたら、どうしますか?」
という質問は必ずしてください。(p230)

営業に関わる人なら、読んでおく価値がある本。
もしかすると、かなりスタイルが変わり、
結果も変わるかもしれない。

ジャック・ワース,宇都出 雅巳,神田 昌典
フォレスト出版 2005-10-12
¥ 1,440

感想メモ:あした死ぬかもよ?

ひすいこたろう
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-12-26
¥ 1,260

★★★★☆

「死」を考えることで、
「生」を考え直す。

というワークをする本。

そう考えると、何かを得ることが人生では
ないことがわかります。
天の迎えが来るその日まで、思い切り生きること。
それが人生です。(p59)

  • 人と違ったっていいんだよ
  • もっと自分に素直に、ありのままに生きていいんだよ。
  • すべての人と仲良くできなくたっていいんだよ。
  • 自分の意見を主張してもいいんだよ
  • 嫌なことは断ってもいいんだよ。
  • 楽しいことを優先してもいいんだよ。
  • 自分をもっと好きになって、もっと自分を信頼してもいいんだよ。

人生は、幸せになるのが目的じゃない。
幸せがスタート地点。幸せから夢へと向かうんです。
いまが不満だから幸せを目指すという人は、
夢を成し遂げても、そこに見えるのは、新しい不満です。(p160)

人が死んだあとに残るものは、
集めたものではなく、与えたものである。(p163)

人生最後の日から見たら、いま、あなたが
悩んでいる問題はどう映るでしょうか?
とるに足りないことだったと、
なりはしないでしょうか?(p219)

死んでから後悔しても遅い。

死すべき運命の人間にできるのは、
死んでから後悔しないように、
一日一日を丁寧に生きること。

これが「今を生きる」ということなのだろう。

人生の岐路にある人も、
なんとなく人生が停滞しているな、と感じる人も、
静かな所でノートと共に対峙する価値がある、
と思える本でした。

ひすいこたろう
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-12-26
¥ 1,260

感想メモ:ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣

★★★☆☆

ファーストクラス対応をされていた元CAさんが、
ファーストクラスに乗る人々の、
特徴やエピソードを語っている。
知らない世界の話は、おもしろい。

エピソードはいろいろあるのだが、
私が注目したのは、ファーストクラスに乗る人は
「喜ばせ上手」ということだというところ。

ファーストクラスでは、何かを配るたびに
「ありがとう」とひと言添えながら受け取ってくださいます。
これを私は「受け取り上手」と呼んでいました。(p179)

「ファーストクラスに乗る人」という
一人の人がいるわけではないが、ある程度共通点がある、
というのはおもしろいことだ。

「メモを取る」とか、すぐできそうなことも多い。
マネしてみようと思ったら、試してみるのも良いだろう。

感想メモ:死ぬときに人はどうなる 10の質問

ホスピスで緩和医療医として、
死を迎える数百人の人々と接してきた著者。

死が近づくとどうなるのだろうか?
知識を持っておくのは良いことだろう。

死ぬ直前は、一般的に苦しくないと言っていいようだ。(p56)

終末期であることに直面すると人は
「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」
等の気持ちを一個以上持ちうる(p98)

死の間際の患者さんにとって一番うれしいことは何か。
それはちゃんと会いに来てくれて、そのままを
受け入れてあげることである。(p106)

お見舞いに、アドバイスは要らないようだ。
特に、自分の容体を理解している人にとっては。

一方、人生についても考えさせられる。
特に心に残ったのは、以下の部分。

愛する人の名前は死ぬ直前には呼べない。
だから、それより前にたくさん呼んで欲しい。
そして、たくさん一緒の時間を過ごしてほしい (p53)

死の恐怖に堪える方法は死から強いて眼をそむけることではなく、
日々の生活の中で小さな死の別れを繰り返して
心の準備をしておくことであるということです(p201)

結局のところ、人生の意味など問うべきではなく、
自分自身がそれを問われているのだということに気がつくべきだ。
つまり一人ひとりが、人生からその意味を問われているのであり、
自分自身の人生のすべてを引き受ける、つまり責任ある生き方を
することによってのみ、それに答えることができるのだ(p206)

生きているのは、あくまで状態である。
どう生きるのか、そこが重要なのだと思う。(p230)

多くの人は、自分の死はないことにして過ごしている。
しかし、死があるからこそ、真剣に生きることができる。

大切な人も、自分も、いつか必ず死ぬのだから。

「あした死ぬかもよ?」と共に、オススメです。

読んできた本の内容をまとめて紹介。