感想メモ:かんたんストレッチで外反母趾・巻き爪が治る本

★★★☆☆

外反母趾は、親指を広げれば良い、というものではない。
それでは対症療法であって、解決には至らないからだ。

実は、外反母趾というのは、親指やその手前にある
第1中足骨の”ねじれ”を伴うもので、
単純に親指が外側を向いているというものではない(p18)

足の甲の中にある中足骨の乱れが、外反母趾の原因。
その解決法として、足の歪みを正すために、
ストレッチをしましょう、流れだ。

各種ストレッチが紹介されているのは当然として、
体について、役立つ知識も書かれていた。



つま先、特に親指を反らすと土踏まずが持ち上がっていきます。
これをウィンドラス(巻き上げ)機構と言います。
これは足の構造をより強いものにして、
瞬発力を高めたり、歩く時に足首を安定させる作用があります(p16)



ストレッチは寝る準備を終えてから行い、
終わり次第早めに就寝できれば、
ストレッチ後の正しい状態が安定しやすくなるでしょう(p55)



マッサージやストレッチは
少し物足りないくらいがベスト(p56)

足の状態に不安を持っている人、
体や健康に興味がある人にオススメです。

感想メモ:4つのエネルギー管理術

ジム レーヤー,トニー シュワルツ
阪急コミュニケーションズ 2004-10-22
¥ 1,785

★★★★★

「パフォーマンスを左右するのは、
時間管理の前にエネルギーの管理」

「がんばってる感」と「パフォーマンス」は一致しない。
頭ではわかっていても、つい「がんばってる感」にひたってしまう。
残念ながらそれは、自己満足以外の何物でもない。

そのためのポイントが、
「パフォーマンスアップのための休息」
を意識的に取り入れるということ。

限られた時間に全力投球し、
そのあとは完全に心身を解き放って回復をはかるー
それからまた、新たな挑戦を続けていく。
これが理想形である。(p20)

ライフスタイルを変えるのは難しい。
そこで、儀式の力を借りる。

儀式の存在によって私たちには
無意識に行動できる領域が増え、その分、
主体的な判断が必要な部分にエネルギーを
集中的に注ぎ込むことが可能になるのである。(p24)

エネルギーは消費と回復のサイクルが重要。

「とびきりのアイデアを思いついたとき、
あなたはどこにいましたか」という質問がある。…
一番多かった答えは「シャワーを浴びていた」「ベッドの中」
「散歩をしていた」「音楽を聴いていた」などだった…
「仕事中だったと答えた人はほとんどゼロに近かった」(p145)

後半、本の内容は、人生において何を目標とするのか、
といったミッションステートメント的なところにも及び、
読み手によっては、人生を変える力を持った一冊。

なんだか疲れている…
自分をコントロールできていない気がする…

そんな人に特にオススメです。
スタンフォードの自分を変える教室」と併せて読むと、
更に理解が深まるでしょう。

ジム レーヤー,トニー シュワルツ
阪急コミュニケーションズ 2004-10-22
¥ 1,785

感想メモ:修身教授録

森 信三
致知出版社 1989-03-01
¥ 2,415

★★★★★

昔の日本人は、今の日本人が失いつつあるものを
持っていたように思う。
逆ももちろんあるのだろうが、失った部分ものの中に、
とても大事なものがあるような気がする。

それは、過去に日本を訪れた外人が、
驚きをもって本国へ伝えた言葉に含まれるようなもの。
それは、果たして現在にも言える言葉なのだろうか?

ふと考えてしまう。

その根底にあるのは日本文化の流れ。
それを伝えてきたものの一つが「修身(道徳)」という
科目であったように思う。

今の教育の現場で、どういった授業が
行われているのかは知らないが、
この「修身教授録」は、その中でも
特上のものであることは間違いない。

「人生二度なし」など、
襟元を正さざるを得ない言葉が並ぶ。

かく自分に対して必然的に与えられた事柄については、
ひとり好悪の感情をもって対しないのみか、
さらに一歩すすめて、これを「天命」として
謹んでお受けするといつことが大切だと思うのです。(p13)

平素自分が受けている恩恵については、
その程度が深いものほど、かえって容易に
気付きがたいのが常であります。(p25)

かくして人生の根本は、何よりもまず真の志を
打ち立てるところに始まるわけであります。(p54)

真に志が立ったら、自分に必要な一切の知識は、
自ら求めて止まないからであります。(p92)

われわれの人間生活は、その半ばはこれを読書に費やし、
他の半分は、かくして知り得たところを実践して、
それを現実の上に実現していくことだとも言えましょう。(p63)

人間の生涯を通じて実現せられる価値は、
その人が人生における自分の使命の意義を、
いかほど深く自覚して生きるか否かに
比例するとも言えましょう。(p91)

人間は自ら気付き、自ら克服した事柄のみが、
自己を形作る支柱となるのです。(p134)

われわれが気品のある人間になるためには、
何よりもまず根本のこころの曇りを
払うようにしなければならぬ…
しかしさらに大切なことは、慎独、
すなわち人間がただ一人いる場合にも、
深く己れを慎むということです(p332)

人間の性格上の問題としては、
自分の欠点を反省して、これを除くという努力が、
実はそのまま、長所を伸ばすということになるわけです(p351)

「一度しかない人生を、真剣に生きているか?」
と問われて、はい、と迷いなく言えるだろうか。

言葉というのは、発する人の全人格を通じてその重みを増す。
本も、もちろんすばらしいものだが、
講義の動画があれば、日本の教育にとって、
すばらしい財産になっただろうなぁ。

森 信三
致知出版社 1989-03-01
¥ 2,415

感想メモ:新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている

★★★★☆

ここでいう「仕組み」とは、
自分が働かなくとも、継続的に収入を生み続ける、
システムのこと。

その「仕組み」を作りあげた人たち10人を取材してから、5年後。
その人たちは、どうなっていたのだろうか?

なんと、10人中9人が、「仕組み」を働かせて
ビジネスを回し続けていた!

10年続く会社が5%と言われる時代に、この確率。
まぐれ当たりとは思えない。

読み進めてみると、それも不思議なことでは
なさそうだと思えてきた。

「仕組み」を働かせるビジネスを作り上げるのに、
全て計画通りに進む、という幸せなことは、
残念ながらほとんどない。

失敗し、原因を分析し、改良する。
このサイクルを繰り返し、その結果として、
「仕組み」のシステムができあがる。
つまり、既に変化に対応する力は十分持っている人たちなのだ。

先人たちは総じてみな、行動力がある。
いや、あるどころではない。
行動は異常ともいえるほど、速いのだ。(p297)

無鉄砲は承知。無理だとあきらめるのではなく、
ひとまずやってみる。
この一歩を踏み出すマインドが、遠回りのようでいて、
実は成功への近道なのである。(p298)

うまくいくべくして、うまくいっている。
ということなのだと読めた。

行動を速く。
小さく始めて、失敗のリスクを抑える。

これは、個人や小さな会社がビジネスを作り上げる上での、
鉄則とも言える。

経済的、時間的な自由を手に入れるのは、
こういう人たちなのだ、という参考になる。

他にもシリーズの本があるようなので、
読んでみようと思う。

感想メモ:スタンフォードの自分を変える教室

ケリー・マクゴニガル
大和書房 2012-10-20
¥ 1,680

★★★★★

やりたいことが、やれない。
意思力が負けてしまう。
誰でも経験があることだろう。

この「意志力」を強化し、
豊富な誘惑に負けないようにする。

そのヒントが、脳科学の知見を元に、
日常生活でも役立つ形で数多く提供されている。

おもしろいのは、一般的に信じられていることでも、
実験データで否定されていることがあること。
これは、知っているだけで人生が変わりうる。

意思力とはつまり、この
「やる力」「やらない力」「望む力」という
3つの力を駆使して目標を達成する力のことです。(p30)

意志力は消耗する。回復させることもできる

脳が自制心を発揮するために実際に必要なエネルギー量は、
1分につきブレスミント1粒の半分にも満たないといいます。(p103)

肉体の疲労は脳が体をだますための策略だということ…
もうダメだというサインを体が最初に出したあとも、
アスリートの肉体には、まだしばらく限界はこない…(p117)

道徳的によいことをしているような気分になると、
よいことをした分、悪いことをしてもかまわないような
勘ちがいを起こしてしまう(p163)

ドーパミンには報酬を期待させる作用があるが、
報酬を得たという実感はもたらさない…
ドーパミンの作用は行動を起こすためのもので、
幸福感をもたらすのではない(p173)

ストレスは意志力を蝕む

最も一般的なストレス解消法は、
実際にそれらの方法を行っている人びとから、
ほとんど「効果がない」と評価されました。(p203)

ストレスによる意思力の挫折を防ぐには、
誘惑に負けることなく気分転換のできる方法を見つける必要があります。
そして、自分を責めたり批判したりして自分をコントロールしようとするのは、
やめなければなりません。

ストレスを感じるとー怒り、悲しみ、自身喪失、
不安などのネガティブな感情も含めてー
脳は報酬を求める状態に切り替わる…(p205)

最も効果的なストレス解消法として、
「エクササイズやスポーツをする」「礼拝に出席する」
「読書や音楽を楽しむ」「家族や友達とすごす」
「マッサージを受ける」「外へ出て散歩する」
「瞑想やヨガを行なう」「クリエイティブな趣味の時間をすごす」(p207)

ストレスを感じているときの脳は、
どうすれば気が晴れるかについて正しい判断ができない(p207)

意志力を強める方法

意思力をてきめんに高める方法があります。
それは、呼吸のペースを1分間に4回から6回までに抑えること。(p74)

自分に厳しくしても意思力は強くならない…
自分への思いやりー自分を励まし、自分にやさしくすることー
は、やる気の向上や自制心の強化につながります…(p220)

驚いたことに、罪悪感を抱くよりも自分を許すほうが
責任感が増すのです(p221)

悪い習慣も好ましい変化も、ともに人から人へ
ウイルスのように感染する(p274)

悪習慣をやめる

「そんなことをするのは、あなたが絶対に
仲間になりたくないような人たちの習慣ですよ」
と言えばよいのです(p290)

ほんとうに心の平安を望み、自己コントロールを
向上させたいなら、頭に浮かんでくる考えを
コントロールすることは不可能だという事実を
受け入れる必要があります。
私たちにできるのは、自分が何を信じ、
何に従って行動するかを選択することです。(p333)


かなり多くの気付きが得られた、充実の一冊だった。
スタンフォードの人気の講義とのことだが、
確かに「人生を変える教室」なのだろう。

オススメです!

「やる気」については、以下にもたくさん書きましたので、
参照してみてください。

個別の本としては、以下がオススメです。

ケリー・マクゴニガル
大和書房 2012-10-20
¥ 1,680

感想メモ:一流選手の動きはなぜ美しいのか

★★★★☆

トップアスリートの動きというのは、
一般プレーヤーと同じようなことをしているようで、
中身は全く異なっていたりする。

それには、二つの意味がある。

一つが、そもそも行われている動作が、
トップアスリートと一般プレイヤーでは異なるということ。
これを「客観的動作」と呼んでいる。

もう一つが、同じ動作を行おうとしていても、
異なる感覚を持っているということ。
これを「主観的動作」と呼んでいる。

科学者が明らかにする客観的動作と、
動作をする当事者が
感じている主観的動作の間にはずれがあります。
このずれを「主観と客観のずれ」と言います。(p18)

トップアスリートと一般プレイヤーでは、
この両方の点で異なっているのだから、
同じようなことをしているようで、
中身も結果も全然違うのだ。

鎖骨の動きに制限をかける筋肉があります。
胸鎖乳突筋、大胸筋、僧帽筋…(p104)

前腕を内、外に回す動きの中心は、
指で言うと、 中指ではありません。
薬指が正解です。(p112)

膝を接地の瞬間にゆるめて、
からだをわずかに落下させ、
さっと支えるような感覚で
地面を効率よく押していきます。(p143)

着地へ向かう左脚が外旋しようとすれば、
右脚は内旋する。
これは、左脚と右脚が骨盤で
連結されているからです。(p166)

マニアックな運動好きを自認する人には、
かなりオススメ。
様々なトピックで、新しい発見があるはずです。

感想メモ:トップ1%の人だけが実践している思考の法則

★★★★☆

イノベーションを起こせるのと起こせないのなら、
起こせる方がいいに決まっている。

一方で、解決されるべき問題が困難だからこそ、
解決されていないわけで、簡単にクリアできるという
ものではない。

時間やコストはできるだけ小さく。
それでいて、勝率は上げたい。

どうすれば?

という問いに対する答えとして、
5Aサイクルのプロセスを早く回すこと、
というのがこの本の答え。

  • 顧客の抱える問題の「認知」(Awareness)
  • 問題解決のための従来と異なる「アプローチ」(Approach)
  • アイデアのスピーディーな「実行」(Action)
  • 仮説と実行結果の差異に対する「分析」(Analysis)
  • マーケットニーズに合わせた柔軟な「適応」(Adjustment)

お金も時間もかけた渾身の一撃でコケるより、
小さなトライアンドエラーで、
走りながら修正するということ。

より早く成功したいのであれば極端な話、
より早く失敗することです。(p35)

この方式は、大きな組織では難しい。
そこに、ベンチャーが付け入る隙がある。

多くの優れたビジョナリー・カンパニーの設立時の様子を調べると、
「とりあえず会社を作った、そして、アイデアを探した」
というのが実態だったのです。(p78)

立派な理念やアイデアがあれば成功するのではない。
成功するまで続けられる試行錯誤力と、変化対応力こそが、
成功のキーなのだろう。

P203のまとめが、簡潔にまとまっていて良い感じ。
ここを読んでから本文に戻った方が、
理解が早く深くなりそう。

ビジネスを立ち上げたい人に、特にオススメです。

感想メモ:ハーバード白熱教室講義録 上下

★★★☆☆

これからの「正義」の話をしよう
がヘビーだったということはすでに書いたが、
こちらを先に読んでおいた方がよかったのかも。

テーマはほぼ同じなのだが、
こちらはディスカッションの内容も収録しているので、
多少とっつきやすいからだ。

ただ、一回の講義の内容を数十ページにまとめているので、
しっかり理解しようと思うと、繰り返し読む必要がある。
そして私は、繰り返し読んでいません。

ということで、読んでなんとなく覚えているのは、
以下のところ。

ベンサムの功利主義は
「最大多数の最大幸福」という標語に
集約される事も多い。(p30)

他は率直に言って忘れました!

星の数は私には早かった、と言う程度の意味で、
響く人には★4,5個になるのだと思う。

感想メモ:望んでいるものが手に入らない本当の理由

★★★★☆

ナイナイアンサーで有名な、
性格リフォームの匠、心屋仁之助氏の本。

人間というのは、単純なようでいて、かなりめんどくさい。
行動しよう、と心に決めても、もっともらしい理由を作り出したり、
あるいはめんどくさくなったりして、実行できない。
じゃあそれをどうしようか・・・

悪いものはいらなくて、いいものだけ欲しい。
それは無理なんです。(p45)

その「イヤがっていること」を自分でやってみる。(p30)

自分が何を拒否しているかを考えると
わかりやすいかもしれません。(p39)

先にイメージの中で「失敗」を
終わらせてしまえばいいのです。(p124)

問題だと感じる出来事でも、よく見て、
「ああ、そうなんだ」と受け取って、
そのでひとまず、ひと区切りにしておく。(p139)

端的にいうと、
「おいしいところばかり取ることはできない」
ということ。
おいしくない部分も受け入れる覚悟をすること。
その覚悟ができたときに、人生が動き出す…

おもしろい本でした。

感想メモ:スティーブ・ジョブズ I・II

ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-10-25
¥ 1,995
ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-11-02
¥ 1,995

★★★★☆

言わずと知れた、スティーブ・ジョブズ伝。
ジョブズが亡くなってからちょうど二年。
やっと読んでみた。

10年来のMacユーザーである私は、
大体のストーリーは知っている。

ではこの本に何を求めたのかというと、
「彼が何を大事なことと考えて、Appleを動かしていたのか」
という部分。

その答えに近いものは、結局II巻の最後にあった。

「顧客が望むモノを提供しろ」という人もいる。
僕の考え方は違う。顧客が今後、何を望むようになるのか、
それを顧客本人よりも早くつかむのが僕らの仕事なんだ。(p424)

僕らは自分が持つ感才能を使って
心の奥底にある感情を表現しようとするんだ。
僕らの先人が遺してくれたあらゆる成果に対する感謝を
表現しようとするんだ。
そして、その流れになにかを追加しようとするんだ。(p430)

彼は、「すごい製品」、
そしてその「すごい製品を作る会社」、
それも「何代も続く会社」を作ろうとしていた。
そんな会社には、一流のタレントを揃える必要がある。

彼を完全無欠の人物ではないし、逆にただの人格破綻者でもない。
長所も短所もある、しかし偉業を成し遂げた人物として描かれていた。
ジョブズ本人もそれを望んでいたようだし、それでよかったのだろう。

おもしろかったです。

ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-10-25
¥ 1,995
ウォルター・アイザックソン
講談社 2011-11-02
¥ 1,995

読んできた本の内容をまとめて紹介。