感想メモ:反省 私たちはなぜ失敗したのか?

反省 私たちはなぜ失敗したのか?
反省 私たちはなぜ失敗したのか?
  • 発売元: アスコム
  • 発売日: 2007/06/15

★★★☆☆

 鈴木宗男と佐藤優が「反省」をキーワードに、いわゆる国策捜査で逮捕された件と、そこに至る状況について振り返っている。

「外務省の官僚があそこまでひどいと予想できなくて反省」というように、反省と言いつつ反省ではない記述も多いのだが、まぁそれは大した問題ではあるまい。

 この本に書かれている外務省官僚の姿というのは、何割か差し引いて考えてみも、相当ひどいものだ。一般ピーポーである私には、外務官僚の裏の姿など検証できないので、「そういうものなのかねー」と思うしかないわけだが、まぁ幾分かは真実も含まれているのだろう。知らんけど。

 どれぐらい本当だかよくわからないので★3つ。別の立場からの記事も読んでみたいものだ。


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感想メモ:「残業ゼロ」の仕事力

「残業ゼロ」の仕事力
「残業ゼロ」の仕事力
  • 発売元: 日本能率協会マネジメント 出版情報事業
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2007/12/22

★★★★☆

 衝撃的なタイトルだが、トリンプを19期連続の増収増益に導いたという実績に裏打ちされている。以下のような内容だった。

  • 残業を前提条件とするから効率が下がる
  • 欧米に比べ日本のホワイトカラーの仕事の効率は低い
  • 効率を上げる余地は絶対にある!仕事のスピードは努力すれば必ず上がる
  • 自分でデッドラインを切ることでスピードを意識する
  • 「会社にとって正しいこと」を優先
  • まずやってみる、結果に修正をかけていく
  • 小さな失敗は問題としない。最後に成功すればいい
  • 良いことはためらいなくパクる
  • 出来た時間は自分の人生のために投資する
  • 仕事は結果を出すゲーム。のめりこまずに冷静に引いて見る

 単純作業以外の仕事の効率は、工夫次第で数倍以上にできる可能性があると思う。著者は奥さんがフランス人であるということも残業0という考え方に大きな影響を与えているようだが、日本は「長く働く=美徳」とする風潮が根強く、法律で休暇取得が義務づけられているヨーロッパとは背景が異なる。

 社長自らがこのパラダイム転換を果たそうとしても何年もかかるというのに、従業員が勝手にパラダイム転換を起こしても、「なんだアイツは」的な目で見られるリスクは高い。まずは少しでも効率を上げる余地がないか、自分のやり方を見直す機会とするのが良いだろう。


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感想メモ:フリーエージェント社会の到来

フリーエージェント社会の到来—「雇われない生き方」は何を変えるか
フリーエージェント社会の到来—「雇われない生き方」は何を変えるか
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 2002/04

★★★☆☆

 フリーエージェント社会が今後の趨勢か?

 組織で働くのではなく、フリーランスのように個人で働くことを「フリーエージェント」と定義し、そのフリーエージェントがアメリカでは3300万人を超えるとしている。そしてフリーエージェント社会が今後の趨勢である、というのが主張。

 著者も語っている通り、その実現可能性というよりよ議論の土台としての主張だと思う。なぜなら、フリーエージェントとしての生き方が組織で働くよりもリスクが高いのは間違いなく、誰もがそのリスクを負って働くことを好むわけでもないからだ。

 フリーエージェントとして生きるには、組織で働くよりも多くの能力と行動力と根性を要する。それらを持つ人にとってはフリーエージェントは時間を有効に使える生き方となるだろうが、万人にはオススメできまい。

 しかしインターネットというツールがある現在では、フリーエージェントになる敷居は下がっているのは確か。セカンドライフとしてのフリーエージェントという意見、正社員と派遣社員(一種のフリーエージェント)の問題についてなど、考えさせられる意見も見られた。余裕があれば、知識として目を通しておくと良い感じ。★3つ。


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感想メモ:頭のいい段取りの技術

頭のいい段取りの技術
頭のいい段取りの技術
  • 発売元: 日本実業出版社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2007/12/20

★★★★☆

「段取りはサービス精神である」
「その根底にあるのは、絶対に成功させるという決意である」
なるほど。付け加えるなら「失敗を極度に嫌うプライド」か。

 ということで、常人にはマネできないほどの熱意で効率化を追求してきた著者が、効率化の精神やノウハウを紹介している。効率化のためのlifehack集として読むこともできるし、仕事やプライベートで的確に求められるアウトプットを出すヒント集としても読める。内容をざっと書くと以下のようになる。

  • ゴールを明確に設定する
  • 時間には余裕を持たせる
  • 文章やプレゼンではまずポイントを示す
  • トラブル回避のため事前の確認を徹底する
  • 複雑な工程は最も足が長いものを中心に据える(クリティカルパス)

 書かれている全てのことを実行するのは不可能だ(著者は家族旅行の下見に現地まで車で行ったとのこと)。従って、自分に合いそうなものをピックアップし、試してみることになる。ちなみに、私は「なるほど、試してみよう」と思うものが多かったので★4つ。

 ちなみに本書はdankogai氏が「1分で読了した」と言いつつ激賞している。買ってもらうためには褒めるのが最良の策なのはわかるが・・・


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感想メモ:スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活
スティーブ・ジョブズ-偶像復活
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 2005/11/05

★★★★☆

 Appleの創始者にしてAppleを一度クビになり、NeXT、Pixerの経営者を経てAppleに帰ってきたカリスマ。技術とデザインに長けた天才的な経営者、というイメージが彼にはある。しかし彼の内面はもっと複雑であるということが、この本を読んでわかった。

 彼の周囲の人を巻き込むカリスマ性を持つ一方で、自分と意見が合わない者なら、長年会社を支えてきた部下に対してすら、かなり厳しい、むしろ人の血が通っていないかのような仕打ちをしたりする。人を惹きつける魅力はあるのだろうが、彼の下で働くのは相当つらそうだ。

 彼のプレゼンテーションの才能は、掛け値なしに天性のものだ。一方、技術については、彼はさほど精通している訳ではないようだ。デザインに対するこだわりは尋常ではなく、それはしばしば技術的な限界を超えた要求となって現れ、結果として設計ミスの製品となって現れる。最近はかなりヒットが多いが、以前は売れないものを作っていたのだ。

 にしても、コンピューター、アニメ、音楽と3つの分野で大ヒットを飛ばした彼の業績というのは掛け値なしにすばらしいものだ。Appleに興味がある人は面白く読めると思う。ただし、長いので読むのに時間がかかるのが難点。


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感想メモ:空気を読む力

空気を読む力—急場を凌ぐコミュニケーションの極意 (アスキー新書 056)
空気を読む力—急場を凌ぐコミュニケーションの極意 (アスキー新書 056)
  • 発売元: アスキー
  • 価格: ¥ 760
  • 発売日: 2008/03/10

★★☆☆☆

 ただ空気が読める人になるというだけではなく、会議や飲み会などでそれとなく自分の評価を上げることができる技術の紹介。

 という触れ込みなのだが、事例の羅列に終始していて、一つ一つの密度が薄いため、印象に残らない。同じジャンルの本としては「ウケる技術」の方がずっと読後の印象が強い。

 コミュニケーションは相手の反応を予想するのが大事だとか、無茶ブリをされたときの対処パターンとか、拾えるところはあるのだが、特に内容に興味がある人以外にはあまりオススメしない。


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感想メモ:「手帳ブログ」のススメ

「手帳ブログ」のススメ
「手帳ブログ」のススメ
  • 発売元: 翔泳社
  • 価格: ¥ 1,449
  • 発売日: 2006/04/20

★★★☆☆

「シゴタノ!」の大橋悦男夫さんの本。

 「ブログを書く」目的をまずは「自分のため」と設定し、自分の考えや試行の記録、あるいは考えを発展させるツールとしての、ブログの活用を勧めている。

 内容は、ブログを作成する手順から、飽きず挫折せずに続けていくための心構えや方法について。体験に基づくノウハウやアドバイスが書かれている。

 しかし、私の場合長年サイトを持っており、動機も既に「まずは自分のため」というところに落ち着いている。飽きずに挫折しないということも、なんとなく乗り越えて来ている。なので、新しい発見満載というよりはむしろ「やっぱそうだよねー」という確認が多かった。ということで、これからブログを始める人をメインの対象とした本である。

 ブログへの取り組み方に一つの正解があるわけではない。長くブログを続けているサイトほど、中の人に共通するスタンスが見えてくるが、基本的に自分のサイトで何をするかは自由である。参考にするものはしつつ、好きなようにやればいいのでは、と思う。★3つ。


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感想メモ:良い経済学 悪い経済学

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)
良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)
  • 発売元: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2000/11/07

★★★☆☆

ノーベル賞受賞のクルーグマン教授の論文集

 前後に経済学関連の本をいくつか挙げているが、この本は古典的な経済学の立場から、巷にはびこるインチキ経済学を斬る、というスタンス。

 例えば、「アメリカが貿易赤字により賃金が低下した」というストーリーに意味はない、と説く。
アメリカの輸出入の額はGDPの10%に満たないので、貿易赤字だけでは賃金低下の1/20しか説明できない。
従って、不景気の主原因はGDPの90%を占める国内景気なのであり、
貿易摩擦というシナリオは、国外に悪者を作り出し人々の目をそらさせる、
不正確だが理解しやすいストーリーだと説いている。

 短編の論文集なので、各章の連続性がなかったりと読みにくい部分もあるが、
経済学のシロウトには新鮮な視点が提供されていておもしろい。


関連エントリー:

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感想メモ:脳を活かす!必勝の時間攻略法

脳を活かす!必勝の時間攻略法 (講談社現代新書)
脳を活かす!必勝の時間攻略法 (講談社現代新書)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 735
  • 発売日: 2003/06/21

★★★☆☆

 国Iに受かったりNHKのアナウンサーだったり議員の秘書だったり医者だったりする、スーパーマン的な肩書きを持つ著者の勉強法の紹介。

 「一日の時間=(24h – 睡眠 – 無駄な時間)×脳の活性度」

 上の式を前提として、効率化を図るという方針。睡眠は削る弊害が大きい。無駄な時間を削るのはほどほどに。一番重要なのは脳の活性度、従って脳の性質や特徴を理解することが重要ですよ、という主張。

 内容については、よくまとめられている書評があるので、こちらを参照されたい。
脳を活かす!必勝の時間攻略法

 こういった本は「ノウハウのピックアップではなく、理念を理解することが大事」という但し書きと共に書かれていることが多いが、結局はノウハウのピックアップにならざるを得ない。書かれていることすべてに、完全に同意できるというケースがあればいいが、そんなことはほとんどないからだ。

 人には好みがあるので、万人に合う方法というのは存在しないといってもいい。従って、自分の性に合いそうなものは試してみて、良ければ取り入れる、合わなければ捨てる、というのがこういった本の使い方なのだと思う。


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感想メモ:サブプライム問題とは何か

サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254) (宝島社新書 254)
サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254) (宝島社新書 254)
  • 発売元: 宝島社
  • 価格: ¥ 735
  • 発売日: 2007/11/09

★★★★☆

 ーサブプライム問題ー

 わかったようなわからないような、アレな感じですませている人が、結構多いのではないか。本書は「一般の人にもわかりやすいように」というコンセプトで書かれているため、問題の基本的な骨格が掴めるように大きな流れを説明することを重視している。実際、読んでみてわかりやすかった。

 ということで、サブプライムローン問題の流れをザックリ書くと、以下のような感じだ。

  • NINJA(No Income No Job and Asset:仕事・収入・資産がない人)な人たち向けの住宅ローン=サブプライムローン
  • サブプライムローンの支払いを証券化したCDO(Collateralized Debt Obligation:資産担保化証券)という非常に危なっかしい商品が、なぜかトリプルAの格付けをゲットしまくり
  • 銀行がこの危ない商品を、企業への融資に華麗に紛れこませる
  • これを見抜いたえらい人が「あれマジヤバい」と発言
  • みんな爆売り。抱え込んでいた銀行が天文学的に強烈なダメージを食らう
    →ドカーン\(^o^)/

適当なので、情報の三次ご利用の際にはきちんと本を読んで確認しましょう。

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読んできた本の内容をまとめて紹介。