感想メモ:徹底予測 これが新成長ビジネスだ!

徹底予測 これが新成長ビジネスだ!—日本をリードする55のフロンティア
徹底予測 これが新成長ビジネスだ!—日本をリードする55のフロンティア
  • 発売元: 日本経済新聞出版社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2007/05

★★★☆☆

 日本で、今後10年GDPを1%成長させる可能性を秘める先端技術を紹介している本。IT・ライフサイエンス・ナノテクなどの技術を、社会面・生活面での成長ビジネスにするための、筋道を紹介している本とも言える。

  「大予測 日本の3年後、5年後、10年後」「2015年の日本—新たな「開国」の時代へ」など、同じ日本の将来について政策的な面も語っている本とは毛色が異なり、技術トレンドの紹介にフォーカスを当てている点が特徴。

 基本的にどの項目も、先端技術とその応用についての紹介なのだが、現状その技術がどの程度の実力であるかについては詳しく書かれておらず、描かれている未来における実現可能性がよくわからない。

 小項目いっぱい本によくあるように、項目ごとの関連がないため、流して読むだけでは頭に残りにくい。ああ、こういう技術が育ちつつあるのだな、という感想を持てればよいのではないか。★3つ。


関連エントリー

その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:2015年の日本—新たな「開国」の時代へ

2015年の日本—新たな「開国」の時代へ
2015年の日本—新たな「開国」の時代へ
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/12

★★★★☆

 似たテーマの本として「大予測 日本の3年後、5年後、10年後」を以前読んだが、今回のこちらの本の方が頭に入りやすかった。その理由としては、全編の内容が関連しあっている(互いに言及もある)こと、章毎のまとめがあること(結構大事)、一つの項目についての説明が豊富で具体的であることが挙げられる。

 内容は、1〜2章で日本の現状と今後の説明、3章で日本と似た境遇だが成長を続けているイギリスの事例紹介、4章以降は「新たな開国」の提言。

 主張はクリアで、これまでの日本は1億人という均質な市場のみを見ていても成長してこれたが、今後は労働人口も総人口も減っていくため、成長を見込むことはできない。非製造業もグローバル化を考えないといけませんよ(第三の開国をしましょう)、ということ。

 データも豊富で、国際競争力を持つ人材育成のために大学を強化すべき、外国観光客の地域へ直接誘致を伸ばすべきなどの主張にも説得力がある。

 ただし、金融危機以前の本なので、かなり前提条件が変わってしまった。イギリスは大きく沈み込み、「イギリスを見習おう」とは言いにくい状況になった。日本の強みとは何なのか、考え直す材料ともできるだろう。

 全体を通じて、読む価値はある。★4つ。


関連エントリー:

その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:大予測 日本の3年後、5年後、10年後

大予測 日本の3年後、5年後、10年後
大予測 日本の3年後、5年後、10年後
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2006/10/31

★★☆☆☆

 日本の政治・経済・医療・教育などについて、識者たちが将来を予想している本。1項目につき2〜3ページずつ。

 「そうだろうな」と思う項目もあれば、「それはどうかな」と思う項目もあるのだが、説明が短いので妥当か判断できない。また章によって執筆者が違うことから、微妙にテイストも異なっていて一貫性に欠け読みにくかった。結局のところ、疑問を持ったという記憶は残ったのだが、内容はあまり記憶に残っていない。

 個人的な印象だが、こういう「項目+短い説明」が多く並んでいる概論タイプの本は、頭に残りにくい。むしろ薄くても、一つのトピックについてストーリーを伴って説明している本を読む方が、最終的には理解が早かったりする。

 ということで★2つ。


関連エントリー:

その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:適当日記

適当日記
適当日記
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,000
  • 発売日: 2008/02/01

★★★★☆

 「適当日記」だけあって、さすがの適当さだ。まだ読んでないけどさ。
↑といった感じの適当な文章が踊る本。(ちゃんと読みましたよ)

 文字になっていても十分おもしろいですな。強いて言えば、フォントいじりが逆効果だと思った。いじらなくても落とし所がわかるにに、ここで笑え!と強制されているようで微妙だった。

 他にも「適当」シリーズはいろいろ出ているらしいのだが、「適当手帳」は使用がためらわれるネーミングだ。「適当必勝祈願御守り」とか「適当定規」とかも、あったら相当手に取ることをためらわれることだろう。

 ざーっと羽毛のように軽く読めるので、重い本を読む気分じゃないときにでも。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

2008年紹介した本の売上ランキング

2008年から本の紹介を始めてみた。数えてみたら43冊くらい。
で、どれくらい紹介した本を買ってもらえたのかを調べてみたところ、結果が予想外だったのでおもむろにランキングを発表だ!

1位 決定版 真向法—3分間4つの体操で生涯健康 (健康双書)

決定版 真向法—3分間4つの体操で生涯健康 (健康双書)
決定版 真向法—3分間4つの体操で生涯健康 (健康双書)
  • 発売元: 農山漁村文化協会
  • 価格: ¥ 1,200
  • 発売日: 2004/11

堂々の1位。真向法万歳!!
なんで?ウチって真向法サイト?
確かに、真向法について書いたのだが、激しく予想外と言えよう。
体を柔らかくするコツ(真向法すごいよ)

2位 股関節のチカラ 真向法でからだ革命

股関節のチカラ 真向法でからだ革命
股関節のチカラ 真向法でからだ革命
  • 発売元: ベースボール・マガジン社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/06/20

なんとのワンツーフィニッシュ。なんで?ウチって以下略
ニーズがあるなら続編書こうかしら。

3位 音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと

今度はアレクサンダー・テクニーク。何てマニアックなサイト。
感想メモ:音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと

4位 アイデアのつくり方

アイデアのつくり方
アイデアのつくり方
  • 発売元: ティビーエス・ブリタニカ
  • 価格: ¥ 816
  • 発売日: 1988/03

やっとまともに紹介した本が出てきた。薄くいけどステキな本。
感想メモ:アイデアのつくり方

5位 STUDY HACKS!

STUDY HACKS!
STUDY HACKS!
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/02/28

次は勉強本。Lifehack系ですな。うまく使えばよろしいかと。
感想メモ:STUDY HACKS!

あとは同着が多いので省略。

書評は自分の脳ミソに本の内容を刻み込むために始めたわけだが、あわよくばサーバ代払えるかな?と思ってたところ、おかげさまでサーバ代を払ってもうまい棒を10本単位で大人買いできるぐらいのお小遣いができました!ありがとうございます!

「ほんたった」最強伝説

★★★★★

今回は本じゃなくてモノの紹介。

 本を読みながらPCで文字入力しようと思うと、両手を使わず本を開いた状態でキープしたい。しかし、PC周りはあまりスペースがないなので、書見台みたいなデカイものを置きたくない。ぼんやりとこんなニーズを持っていた私だが、ついに「これだ!」というものに巡りあえた。それがこの「ほんたった」だ。

 「ほんたった」名前は脱力系だが機能はきっちりしている。左右からストッパーでページをはさんで押さえ込む形だが、このストッパーが左右それぞれ大小2 つずつある。大きい方で大まかにページを押さえ込み、小さい方で行ったり来たりの細かいページ送りをするという形。小さい方だと、片手でページを差し替えたりもできる。

 今までは異常に大きなクリップを試してみたり、重りがついた洗濯ばさみのようなものを使ったりしていたのだが、どちらも本が平置きになるので、机の上の面積を食ってしまいじゃまだった。「ほんたった」は、文字通り本が立つので、机の上に占める面積が小さくなるのもうれしいところ。

 本を開いてキーボードを打つことがある人には★5つ。ぜひ試してみて欲しい。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:日本の選択

日本の選択
日本の選択
  • 発売元: 講談社インターナショナル
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/03/01
  • おすすめ度 4.0

★★★★☆

 知日派のイギリス人2人が日本の将来について熱く語りあっている対談本。著者は「日はまた沈む」「日はまた昇る」の著者ビル・エモット氏と、ピーター・タスカ氏。

 やはり日本人とは異なる視点で語っているのが興味深い。例えば、二人ともが日本の財政に問題ないと考えている。財政赤字はほとんどが対内的なものなので気にするな。貯蓄はいずれ使われるので、財源は自然と豊かになるから、財政は現状維持で問題なし、むしろ問題は増税を示唆して消費に水を差すことの方、というのだ。自分がマスコミの情報を鵜呑みにして、あまり自分で考えていなかったと気付かされた。

 二人の意見は他にも共通点があり、例えば中国を好ましく思っておらず、日本にアジアでのリーダーシップを取って欲しいと考えていること。そして、日本が今後成長を伸ばすには、国内市場だけでなくグローバル市場を相手にしていくべきということなど。

 イギリスは、過去に栄えた国で最近は落ち込み気味、という印象があるが、実はここ10年程3%近い経済成長を続けている(金融が原動力なのでダメージもでかいが)。従って、現在の日本がイギリスから学ぶべき点があるとすれば、それは何なのか。そういう点からも読むことができる。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:「感性」のマーケティング

「感性」のマーケティング 心と行動を読み解き、顧客をつかむ (PHPビジネス新書)
「感性」のマーケティング 心と行動を読み解き、顧客をつかむ (PHPビジネス新書)
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 840
  • 発売日: 2006/11/18
  • おすすめ度 4.0

★★★★★

 マーケティングは相手が人であるため、機能や価格だけで売れるかどうかが決まるものではない。人の「感性」を意識して訴えかけていくことで、価格競争だけでは説明できない結果を出すことができる、という本。

 いわゆるマーケティングでは、価格や機能などで競合に対して優位性を出し、セグメント化した顧客に対し広告を打っていく、というような手法をとる。しかしここでは顧客一人一人が人間であり、価格や機能以外のもの(例えば雰囲気や音など)に対しても影響を受ける存在であるという考え方は、あまりなされない。

 しかし顧客はあくまで人間である。人の感性に響くようなモノづくり、サービスを考えることで、価格競争を抜け出すことも可能となる。Appleのuser experience designは良い例だろう。

 ビジネスに関わる全ての人にオススメできる。良著。★5つ。


関連エントリー:

その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ: ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
  • 発売元: 三笠書房
  • 価格: ¥ 1,995
  • 発売日: 2006/05/08
  • おすすめ度 4.0

★★★★☆

 略しまくると「21世紀を生き抜くためには右脳だ!」ということを大前研一訳で熱く語っている本。

 中国とかインドとかで安く代行可能だったり、機械化できるようなことをやっていると、将来的におマンマ食い上げリスクが高まってしまう。そこで、交換が利きにくいことをやりましょう、それにはデザイン、人間の感情、情報の統合、物語、感性などの右脳の分野がキーですよ、ということ。

 この主張自体は頷ける。そして右脳には左脳にはない能力があるというのも確かにその通りだと思う。しかし結局のところ、じゃあどうやって右脳の活用を仕事などの実生活に活かしていくの?というところが問題になる。皆が芸術家やデザイナーになれというのは、現実的ではない。仕事の中で、右脳の分野を活用したアウトプットを出すことを心がける、というところが現実的な線だろう。どうやって?という疑問は尽きないが。

 主旨としてはわかるので★3.5個を繰りあえげて4つ。感性の重要性についてであれば、「感性のマーケティング」の方がわかりやすい。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:ヤバい経済学

ヤバい経済学 [増補改訂版]
ヤバい経済学 [増補改訂版]
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2007/04/27
  • おすすめ度 4.5

★★★★★

 アメリカで170万部販売のベストセラーの増補改訂版。原題は「Freakonomics」。

 「経済学」となっているが、対象がいわゆる「経済学」の範疇に留まっていないことから、経済学に興味がない人にもおもしろく読める内容となっている。

 例えば、相撲の千秋楽での勝率の不自然な偏りや、不動産広告の意味、犯罪率の低下には何が効いているのか、勉強ができる子の親はどんな人で何をしているか、白人と黒人の名前の変化の傾向、子どもにとっての銃とプールの危険性、などなど。読後の生活にも影響を与える本かもしれない。

 原題の「Freakonomics」と「ヤバい」の雰囲気の違いが気になるところだが、良著であることに変わりはない。オススメの★5つ。
 ブログはこちら→Opinion – Freakonomics Blog – NYTimes.com


関連エントリー:

その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

読んできた本の内容をまとめて紹介。