- ゆらぐ脳
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- 発売元: 文藝春秋
- 価格: ¥ 1,300
- 発売日: 2008/08/07
★★★★☆
最先端の脳研究と池谷氏のグチ
最先端の脳の研究内容の紹介と共に、池谷氏の独創的な脳研究へスタンスが
かいま見られる。
そのスタンスは、脳研究の主流である分子生物学的な考え方から離れる。
「仮説の検証」というからも一歩距離を置き、
意図せずに得られる「偶然」の結果を、意図的に起こしやすくしている。
- 目的を明確に定めたら分からなくなることも多いのではないのか
- ともかく何が起こるか分からないから、いろいろ試してみなければ
- 他分野の発表にこそヒントが転がっていまる
- 私のモットーは「科学的な論理を詰める」よりも
「好奇心」を先に走らせること
他にも、一般に信じられている学説が実は覆されているというトリビアも。
- 男女の一日に使用する単語数は女性が3倍多い、わけではない
- 脳梁の太さは女性の方が太い、わけではない
脳梁の話は思い切り信じてました。
池谷氏の著書は昔のものから読んでいるが、Scienceの、
しかもarticle(すごいやつ)で論文が掲載されたりと、
研究者として着実にステップアップしているようだ。
思考も徐々に変化しているのが読み取れ、過去の著作を読んでいる
人にとってはおもしろいところだろう。
そうでない人にとっては、脳と科学について軽く読める本
(本人は「グチを集めた」と言っている)。★3つ寄りの4つ。
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