感想メモ:君に成功を贈る

君に成功を贈る
君に成功を贈る
  • 発売元: 日本経営合理化協会出版局
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2001/12

★★★★★

中村天風氏が語る成功への秘訣

 中村天風氏の講演の内容を書き起こしたもの。
天風氏といえば、松下幸之助、稲盛和夫も師事した人物で、
天風哲学という言葉もあるくらいだから硬そうな雰囲気を感じていたが、
その言葉はどちらかというと軽妙。
それでいて、心に響く言葉が多かったため、メモした部分も多かった。

  • 一番先に必要なことは、「他人に好かれる人間にならなければいけない」ということであります。なんでもないことのようですが、これが、もう人生の一番の根本基礎なんであります。
  • 他人に好かれようと思ったら、何よりも自分があまり好き嫌いのないようにすることです。
  • 途中でやめず、幾度かしくじりを繰り返していても、努力すること。そうしていれば必ずうまくいくんですから。
  • 「絶対に他人に迷惑をかけない」ようにしなくてはダメです。
  • 自分のことをするときと同じ気持ちで他人のことをしてあげればいいんです。
  • 他人から受けた恩義はもちろん、どんなささいな事でも、他人の好意は常に大きな感謝で受け入れることです。
  • 何をする場合でも、現在恵まれている自分を感謝しなければいけませんよ。
  • 持たなくてもいい重い荷物を、誰にも頼まれもしないのに一生懸命ぶらさげていないか。
  • 何を志すにも自己向上を目的とし、しかも自他の幸福のためという広い意味を忘れてはいけない。
  • 言葉には、人生を左右する力がある。この自覚こそ勝利に導く最良の武器である。
  • 「困った」「悲しい」「腹が立つ」など消極的な言葉は絶対に口にしない。
  • 「正直・親切・愉快」
  • 「今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず」

 引用だらけになってしまった。

 巻末には、天風氏の金言100選と、日常で何を心がければよいかを記した
「日常の心得」のページがある。

 腑に落ちる部分が多かったので、日常の気持ちの持ち方も変わる気がする。
こういう本に出会うのが、自らの成長につながる読書であり、
これこそが読書の醍醐味だと思う。★5つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:松永真、デザインの話。+11

松永真、デザインの話。+11
松永真、デザインの話。+11
  • 発売元: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 価格: ¥ 2,205
  • 発売日: 2004/09/10

★★★★☆

松永真氏。
掲載されている作品を見ると、「日常性の美学」という言葉通り、
誰しもどこかで目にしているデザインたち。

その道ではとても有名なのだろうが、一般の人はあんまり知らない。
音楽における菅野よう子のようだ。

松永氏のデザインの受賞歴は、国内外問わず華々しい。
デザインという個性を競う業界の中においてすら、
彼を際だたせるものは何なのだろうか。

答えは、デザインにかける情熱と、対象をデザインする意味を考え抜く
姿勢ではないかと思えた。
それは、仕事に対する姿勢としても現れている。

  • つまらない約束は破るのではなく、まずサッサと果たしてしまう。
    その後に本当に自分のやりたいことを実行する。
  • 具体化したディテールを獲得して反論を実証することが最高の反発であり、
    そのことこそが、まさにデザインの意思表示だと思うのだ。
  • 誰に何を言われようと「今、自分にとって新鮮な」
    私にとって作品を作る目的が賞をいただくことでなかったからだろう。

以下雑感。

世の中は、デザインについて二分化していると感じる。
意識している人は常にしているし、していない人は全くしない。
デザイン意識があるものとないものの差が激しすぎる。

なぜデザイナーがデザインすると、妙な形で妙な値段になるのか。
逆に、なぜ日用品はセンスのないデザインが多いのか。
この本を読んで、それはスポンサーの有無なのだろうと思った。

一方で松永氏のように、日常品のデザインに対しても、
意味を突き詰めて考え、魂を吹き込んでいる人もいるとわかった。
日常を囲むデザインには、もっとセンスが良くなってほしい。

などと、デザインセンスのかけらもない自分が
しゃあしゃあと言うの図ここにあり。
★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:白い扉の向こう側

白い扉の向こう側 ようこそシルク・ドゥ・ソレイユへ
白い扉の向こう側 ようこそシルク・ドゥ・ソレイユへ
  • 発売元: ランダムハウス講談社
  • 価格: ¥ 1,300
  • 発売日: 2007/02/06

★★★☆☆

「サルティンバンコ」「O」などで有名な、シルクドソレイユ
サーカスというの創造性が求められる業界の中でも、
とびきりクリエイティブなショーを見せる集団。

本書は、現実のシルクドソレイユに基づいた小説という形で、
世界でも有数のクリエイティブな集団の人々や企業文化など、
舞台の内側を紹介している。

一企業を紹介する本でありながら、仕事に取り組む姿勢、
創造性を発揮するための心構えのようなことも説かれている。

・人生は短いんだ。だから、情熱を傾けられないことに時間を使う暇なんてないだろう
・外の世界に興味を持たないのは、すごくもったいないことだよ。発想の幅を広げるチャンスを逃しているわけだからね。
・創造性が命のこの世界では、お客さまに届く商品と自分たちとつながりを見失ってしまったら、死んだも同然。

間接部門でお客さまへのつながりを意識することなど、
サーカスという特殊な業界だけでなく多くの業界あてはまる内容も多い。
個々人のモチベーションや心構えについてなど、
誰しも参考になる部分に出会うだろう。

物語で軽く読める薄い本だが、内容は決して薄くない。★3つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:戦略プロフェッショナル

戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
  • 発売元: 日本経済新聞社
  • 価格: ¥ 680
  • 発売日: 2002/09

★★★★★

V字回復の経営」の三枝匡氏の初の著作(91年)の内容を
アップデートした文庫版。

大企業から異業種の関連会社へ出向し、短期間で事業建て直しを行うという、
実話に基づいたストーリー。
元は経営者向けの戦略トレーニングセミナーの教材として作られたものが
ベースだそうだ。

著者は、ビジネススクールで使われる「ケース」が、
必要最低限のことしか書かれず無味乾燥であることに強い不満があり、
このケースを作ったとのことだ。

内容は、経営コンサルタントが行うような、
事業分析、戦略の建て直しとその実行なのだが、
V字回復の経営と同じく登場人物の内面も含めて描かれているため、
ストーリーとしてしっかり頭に入ってくる。

セグメンテーションなど言葉としては一般的になっているもの、
その理念や現実に用いる際の例まで書かれているので、
「なんとなく知っている」以上の理解が得られるだろう。

章間に書かれている「戦略ノート」も、ストーリーの解説や戦略、
コンサルティングの知識が得られためになる。
実際にコンサルタントとして働いている人も勧めていたので、
内容も確かなものなのだろう。

読み物としても、ビジネスの知識をストーリーで理解する
教科書としてもおもしろい。
ビジネスに携わる人にはオススメの★5つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

1年経過

気付いたら、Socialtunesで読書管理を始めてみたから1年2ヶ月ほど経っていた。
読書メモの数はというと、200近くになっている。
週5は行ってないが、かなりいいペースであろう。

さて、いろいろ本を読んで、何か変わっただろうか?

答えは、変わった、だ。

人が一生をかけて編み出せる経験知というのは、さして多くない。
しかし本を読むと、人が何十年ものtry and errorをかけて編み出した知恵を
数十分〜数時間で習うことができる。これはおトクだ。

実生活でも、意見の裏付けを与えることができるようになり、
発言に説得力が増したと思われる。
また、ある事柄について考えるときに、他のケースからヒントを得ることが
できるようになった。知識が増えるほど、こういうケースは増えるだろう。

ということで、ありふれた言葉だが、本は読むべきと思った。

感想メモ:もう、不満は言わない

もう、不満は言わない
もう、不満は言わない
  • 発売元: サンマーク出版
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2008/06/05

★★★★☆

 自分が不平、不満を言っているのに気付いたら、
片手にはめた紫のブレスレットを逆の手に移す。
21日移し替えずにいられたら成功ーーー

 アメリカのキリスト教の牧師が始めた活動が、世界中に広まっている。
下のサイトで申し込めば、誰でもこの紫のブレスレットを送ってもらえる。
本には無料とあったが、申し込みが多いためか現在1$/個となっている。
http://www.acomplaintfreeworld.org/

 それで、不平不満を言わなくなると何が良いのだろうか?

 まず、人間関係が改善する。
いつも不平不満を言っている人と、文句を言わない人。
どちらの人と一緒にいたいか考えれば、当然だ。

 次に、考え方が変わる。口にする言葉というのは、精神にも大きな影響を与える。
「もうダメだ」と毎日1000回唱えれば、生きていく気力がどんどんなくなるはずだ。
逆に「ありがとう」と毎日1000回唱えれば、色々なことに感謝することができる、
幸せな精神を手に入れることができるだろう。

 結局、口にすることを変える習慣を付けることで、
考え方が変わり、生き方が変わる。こういう仕組みなのだろう。
こういうことを言っている人は多いし、実際そうなのだろうと思う。

 私も不平不満はなるべく言わないようにしているが、
その考えを新たにした。良い本。★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:なぜ私だけが苦しむのか

なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (同時代ライブラリー (349))
なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (同時代ライブラリー (349))
  • 発売元: 岩波書店
  • 発売日: 1998/07

★★★★★

 突然の事故、病気、自然災害。
そういったものに、不運にして自分、または近しい人が遭遇してしまったとき、
人はそのつらい事実をどう考えればいいのだろうか?
そして「なぜこんな目にあわなくてはいけないのか・・・」という問いに、
一体どう答えればいいのだろうか?

 著者はユダヤ教のラビで、こういった問いを度々投げかけられてきた。
そして何よりも、彼自身が息子さんを早老症という病で、
14歳の若さで亡くしている。
この悲しい出来事から15年後、こういった不条理に苦しむ人々の助けになるために
本書を書いたという。

 彼のたどり着い答えは「神の大いなる意志である」あるいは
「神が必要とした」というようなものではない。
なぜなら、もし慈悲深い全知全能の神が存在するなら、
右も左もわからぬ幼い子の母親を奪い、悲しみに押しつぶしてしまうはずがないし、
逆に罪もない子供に過酷過ぎる運命を課し、その両親の心を砕いてしまうはずも
ないからだ。

 あなたなら、こういった境遇に遭遇してしまった場合、どう考えるだろうか?
あるいは周囲の人がそういう境遇に遭遇してしまった場合、どう声をかけるだろうか?

 誰しもが真剣に読まざるを得ないトピックで、誰しもが読む価値がある本。
★5つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:デザイン魂 (トム・ピーターズのマニフェスト 1)

トム・ピーターズのマニフェスト(1) デザイン魂 (トム・ピーターズのマニフェスト 1)
トム・ピーターズのマニフェスト(1) デザイン魂 (トム・ピーターズのマニフェスト 1)
  • 発売元: ランダムハウス講談社
  • 発売日: 2005/09/10

★★★★☆

 ドラッガーと並び称される(という人は少なくないが)
トム・ピーターズがデザインの重要性について熱く語る本。
必然的に、この本自体のデザインも相当凝っている
(一部黒地に濃い字で読みづらかったりするが)。

 「エクセレントカンパニー」の頃とは大分雰囲気が変わっている。
といっても悪い意味ではなく、むしろその前面に押し出された
熱いメッセージは、人に伝染し感化する力がある。

 それに「デザインにもっと気を使うべき!もっとこだわれ!」
というメッセージはとても共感できる。
常に心がけていたいものだ。

 ここで言われている「デザイン」とは、物理的な製品のものとは限らない。
いわゆる「user experience」やブランドのデザインも含まれている。
Appleは製品のデザインだけでなく、user experienceやブランドの
デザインも含めて優れている企業だ。

 個人的には、マニュアルを読まなくても使いこなせる製品、
あるいは読むのが苦痛ではないマニュアルに出てきて欲しい。

 以上、よいデザインがあふれる世界を祈って★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
  • 発売元: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2008/06/15

★★★★☆

 「知識-理解-応用-分析-統合-評価」というブルーム博士の思考の六段階モデル(3つにすると「空-雨-傘」)を元に、ビジネスと必要とされる7つの「力」を説明している。要するに、戦略系コンサルタントが使う知識の基礎を紹介している、「地頭力」に似たスタイルの本。

 基本的フレームワークを21個紹介しているページは、カラー図とともにまとまっているので覚えておくとよいと思う。切り抜いて持ち歩くために作られているのかと思った。「力」については、「地頭力」と比較しながら読むと、理解が深まるかもしれない。

 さすがアウトラインもしっかりしているし、内容の説明も簡潔である。その一方で、一つ一つの項目の解説が少なく、数が多すぎる気がする。こういった本は、読んだ知識を日常的に利用する習慣を付けてこそ、初めて意味が出てくる。それには内容が盛り込まれ過ぎている印象があるということだ。

 ということで、★4つ。勝間さんの本では、10倍シリーズの方が印象が強かった。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:ライフハックのつくりかた

ライフハックのつくりかた
ライフハックのつくりかた
  • 発売元: ソフトバンク クリエイティブ
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2007/03/27

★★★☆☆

タイトル通り、「ライフハックのつくりかた」について述べている本。
著者は、「IDEA HACKS!」「TIME HACKS!」「STUDY HACK!」等の小山氏。

lifehackとは、仕事や生活の効率を上げるためのコツのようなもので、
一つ一つはちょっとしたものだが、数が積み重なると
大きな差が出る、というようなものだと私は理解している。

そのため、一つ一つのlifehackは、すぐに使える
速効性のものであることが望ましい。
この点こそが、上記の「IDEA HACKS!」や「TIME HACKS!」が
大きな反響を呼んだ理由だろう。

しかし本書は、lifehackを作るための理念的な内容がメインで、
これは理念的であるがために、lifehack的な速効性には乏しい。
「lifehackを作るlifehack」ではない、とでも言えばよかろうか。

なので、lifehackを期待して読むと肩透かしを食らうだろう。
この時点での小山氏の興味を反映するものとなっているため、
私は完全には消化できていない。
上に挙げた他の著作ほど読みやすくはない。

ということで、「HACKS!」シリーズのような内容を期待していた
私としては★3つ(勝手に期待して外した私が悪い気もするが)。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

読んできた本の内容をまとめて紹介。