感想メモ:ビジネスマンの父より息子への30通の手紙

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 1994/04/01

★★★★☆

 父から息子に贈る人生訓

 息子が大学に合格したときの手紙から、会社に入り、
仕事で成功したとき、失敗したとき、悩んでいるとき、
そして息子が社長となり、自分が引退するとき。

 人生の様々な場面で、人生の先輩として父が息子に贈る手紙。
その内容は、厳しくも、優しさにあふれている。
こういったアドバイスを親が子供にしてあげるということは、
当たり前のようでいて、決して多くはないと思う。

 この親子の場合、親が起業の経営者として成功を収めていて、
息子も同じ会社に入っている。
従って、父の言葉は、親の言葉であると同時に、上司の言葉でもある。
それがこの親子関係の特殊なところではある。

 そういった点を差し引いても、父の言葉は厳しくも適切なアドバイスである。
引用する言葉のレパートリーつを取っても、父が勉強家であることを感じさせ、
内容の説得力を増している。
それでいて、息子が受け入れやすいような気配りも随所に見られる。

以下メモ

  • しかし競争に勝つのは必ずしも動きの速い人ではない。
    勝つのは過去の競争から学んで、その教訓を活かす人である。
  • どのような攻撃力も、礼を尽くすことには及ばないと。

 続編として「ビジネスマンの父より娘への25通の手紙」もあるとのこと。
仕事をしている人には、なかなかためになる本だと思う。★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
  • 発売元: 二見書房
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2008/12/24

★★★★☆

GTDの入門書に最適

 日々、やらなくてはいけないことは多く、時間は限られている。
自然、積み残しは増えていき、何をしようとしていたか、
何から手を付けるのが良いのか、わからなくなってしまう。
忙しくなればなるほど、悪循環になる。

 そんな頭の中身を整理するのが、GTD(Getting Things Done)である。
一言で言えば、高機能のTodoリスト運用法である。

 Todoリストといえば、「重要」「緊急」の二軸を取って分類したり、
A,B,Cで優先順位づけをしたりするのが有名な方法である。
私もこれらの方法を試していたが、Cの項目がいつまでたっても手が付かなかったり、
「緊急」で「重要」なものしかできなかったりして、これでいいのかと不安を感じていた。

 GTDの考え方では、タスクの優先順位付けはしない。
そして仕事とプライベートも分けない。
すべてのタスクは同じプロセスで処理し、実行する。
GTDの仕組みについては、他のサイトや本を参照して欲しい。

 問題としては、一度流儀を身につけるまでのハードルが高いこと。
慣れれば半自動でこなせるようになるのだが、最初は苦労するかもしれない。
良い点としては、一度システムを構築してしまえば、
やることが整理されているという心の平安を得られるということ。

 同じ本の翻訳で『仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法』
という本が昔に出ているが、GTDに興味があって読もうとしたにも関わらず、
読みにくくて読めなかった。そこで本書にチャレンジしてみた。
監訳は「百式」の管理人田口氏で、デザインがほぼ一新されている。
イラストも文章もわかりやすくなっていて、読みやすかった。良い本。★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:ストレスフリーの仕事術

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
  • 発売元: 二見書房
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2006/05

★★★☆☆

 GTDについて知りたいと思って読んでみたら、
既にGTDを知っている人向けのヒント集のような本だった。

第5章にGTDの方法が簡単にまとめられていたので、
そこは参考になったものの、GTDについて知りたいときに読む本ではない。

「仕事を成し遂げる技術」の方が先であるようだ。
そちらを読んだ後にもう一度読み直したい。

追記)「ストレスフリーの整理術」の方が入門書として最適。
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:スーパー編集長のシステム小説術

スーパー編集長のシステム小説術―才能なんていらない!
スーパー編集長のシステム小説術―才能なんていらない!
  • 発売元: ポプラ社
  • 発売日: 2009/04

★★★☆☆

 出版社の文芸部門で30年間仕事をした著者が「小説の書き方」を説明している。

 ストーリーライン、プロットなど、小説を書いたことがある人や
書こうとした人には身近な話なのかもしれないが、
そうでない人には目新しい話が多い。

 しかし、読んでいると、自分には小説を書こうというモチベーションが
ないということに気がついてしまった。

自分にとっては★3つだが、必要としている人にとっては
もっと価値がある本であるはず。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:脳が冴える15の習慣

脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
  • 発売元: 日本放送出版協会
  • 価格: ¥ 735
  • 発売日: 2006/11

★★★★☆

 なんとなく頭がぼんやりしている・・・
集中力や思考力が落ちてきているように感じる・・・

 そんな状態を改善するのは習慣の改善である、
と脳神経外科医の著者は語る。
本書では、IT化により酷使される現代人の脳を改善する、
「時間的にも経済的にも負担にならない」脳に良い15の習慣が
紹介されている。

 以下、内容のピックアップ。

  • 毎日自分を小さく律することが、大きな困難にも負けない耐性を育てる
    →前頭葉の体力をつける
  • 夜の勉強は中途半端にやれ
    →寝ている間に情報が整理される
  • 時間の制約は判断を効率化させる
    →自分で締め切りを作る
  • 一日の行動予定表を書く
  • 問題解決に至るプロセスを書く
    書くことで脳内で組み立てようとしている情報を視覚化するのは、
    前頭葉の仕事を助けることになる
  • 些末な選択・判断を効率化させるルールを持っておくと、脳の力を有効に使える
  • 物の整理は思考の整理に通じている。忙しいときほど片付けを優先させよう
  • 脳の健全な働きを保つには、目を動かして積極的に情報を取ることが必要
    →一時間に一回は上下左右だけでなく遠くを眺める
  • MRで脳の画像検査をする

 うれしいことに、かなり実践していることが書かれていた。
お墨付きをもらえたような自信になった感がある。

 気をつけようと思ったのが、目を動かすこと。
これは意識しないとできない。
しかし、メガネをかけていると焦点がある視野が狭まるので、
目を動かしにくくなると思う。
とはいえ、メガネをかけていると脳の働きが鈍くなる、
というような話は聞いたことがないので、あんまり関係ない?

 日常の習慣を変えるべき、という考え方は同意。
そういう意味ではlifehack本とも言える。
目次も章毎のまとめもあり、内容を把握しやすく読みやすい本だった。
★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:やる気のスイッチ!

やる気のスイッチ!
やる気のスイッチ!
  • 発売元: サンクチュアリ出版
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2008/11/21

★★★★☆

やらなくちゃいけないことはあるのにやる気が出ない…
決心して始めたけれども、長続きしない…
そんなとき、どうすればいいのだろうか?

本書では、「夢実現プロデューサー」山崎拓巳氏が、
「やる気」を出したり、長続きさせるための「スイッチ」を紹介している。
山崎氏のこれまでの足取りについては「山崎拓巳の道は開ける」に書かれている。

その「スイッチ」の内容の例は以下のようなもの。

  • 夢は過去完了形
    夢は実現した姿をイメージする、の発展形
    達成してから2、3年は経つという落ち着いた気持ちをセッティングする
  • モヤモヤは原因をすべて書き出す
    文字に起こすと大したことなかったりする
    解決したすっきりした気分を想像してから取り組む
  • 過去は変えられる
    過去は解釈だから、というのはどこで読んだのか…
  • 意識への問いかけ方
    「どうしてないか」ではなく「どうしたらうまくいくか」にする
  • 変化はゆっくり、ひたすら反復
  • セルフイメージを上げるには、目指す人になったふりをして暮らしてみる
  • 悩みは解決されたときの気分を想像する
  • もしも自分欲求だけでは、心が動かなくなったら、「公」を加えたらいい。
    「欲」+「公」=「志」
  • やる気の正体は「集中」であって「興奮」ではない。
    興奮してテンションを上げるのではなく、集中して、「テンション高めの平常心」をキープする。
  • 目の前の小さなことを、ものすごく丁寧にはじめる。
    →作業興奮
  • そんなときは、自分をだましだまし、うまくちょろまかしてその気にさせる
  • 「やりたいこと」を探そうとしてもなかなか見つからない。視点を変えて「役に立てること」を探し始めると答はすぐにみつかる
  • 日常生活には「やらねばならないこと」が無数にあるが、その一つ一つに対して丁寧に、全身全霊で取り組んでいくことだ。必ず「ああ、このことが好きだな」と思うことが見つかる。
  • 落ち着く
    手首から先の力を抜く→肩の力も抜ける
    ゆっくり呼吸
    動作をわざとゆっくりに
  • 嫌いな人から学ぶ
    「この人のここが嫌だな」と感じたらこの要素と同じものが、自分にもあるんだと気づこう。

 読んで気付く人もいるだろうが、決して彼のオリジナルばかりではない。
ナポレオン・ヒルや脳科学や潜在意識やNLP的な内容が集められている、
というイメージの方が正しいだろう。
逆に言えば、そういうノウハウを一ヶ所で学ぶことができる。
上に挙げたような本を読めば、本書の内容と出会うこともあるだろう。

 というように様々なコツ(lifehackと言ってもいいと思う)がまとめられているので、
自分に合うと感じたものを試してみると良いだろう。★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:山崎拓巳の道は開ける

山崎拓巳の道は開ける
山崎拓巳の道は開ける
  • 発売元: 大和書房
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2006/02/22

★★★★☆

「夢実現プロデューサー」の山崎拓巳氏。
山崎拓巳公式サイト:凄いことはアッサリ起きる

 彼の人生は熱い。
 22歳での起業。現在は3つの会社の運営。
本業以外にも画家ではないのにNYでの個展を開き、
現在は講演やセミナーなどを年間200件以上こなし、
述べ150万人以上にスピーチをしているとのこと。

 この本では、著者の実体験をなぞりつつ、
人生を切り開くためのヒントが書かれている。
具体的には以下のようなもの。

  • メンターを持つこと
  • 自分の可能性に自分でフタをしないこと
  • チャンスを受け入れる準備をする
  • 既に起きた気持ちで生活すると現実がついてくる
  • 成功者と会う

 このあたりの話は、本田健氏が言うところとも重なる部分は多い。
それだけ多くの人が感じていることだということなのだろう。

 しかし本書を読んで一番感じるのは、
山崎氏が非常に密度の濃い人生を送っていること、
その人生は、様々な人との出会いを求め、出会い、
その出会いから成長を遂げることで成り立っていることだった。
自分をふり返ると、出会いは求めないと与えられないと反省した。

 人生のヒントとして読むこともできるし、著者の人生物語として読むこともできる。
個人的には、後者としての意味合いを強く感じつつ読んだ。
サラッと読めるが、心に残るものがある本。
ちなみにデール・カーネギーの名著「道は開ける」とは別の本なので注意。
★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:一冊の手帳で夢は必ずかなう

一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法
一冊の手帳で夢は必ずかなう – なりたい自分になるシンプルな方法
  • 発売元: かんき出版
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2004/03/24

★★★★☆

 手帳はとても便利なツールで、いろいろな使い方がある。
スケジュール管理だけでなく、TODOリスト、買い物メモ、
行動指針や目標を書く人もいるだろう。
この本では、手帳を夢を叶えるためのツールとしての使い方を紹介している。

 考え方自体は、他の本でも語られているように、

  • 目標を決める
  • その目標を紙に書いたり口に出して、潜在意識化させる

というもの。
そのツールとして、常に持ち歩き、良く目を通す手帳を使うのである。

 著者は、GMO創業者の熊谷氏。
彼が企業を志したのは20歳の時。
「35歳までに会社を設立、上場」という夢を手帳に書き、
実際に達成したのは35歳1ヶ月だったそうだ。

 本の前1/3が夢の実現についての手帳の使い方。
夢手帳、行動手帳、思考手帳について。
残りは仕事術、情報整理術、時間管理術などについて。

  • できない日があっても、できる日もある---手帳があきらめずに挑戦する気持ちを持続させ、年表が計画とのズレを埋めるための努力を促してくれます。
  • MTG TODOリスト
     …項目の左に□を書いてチェックボックスにする
  • いずれにせよ、頭に対して”放任主義”でいると、物事のポイントを捉えた集中思考が妨げられます。
  • (怪物経営者について)私がお会いしたみなさんに共通しているのは、やはり夢や目標を信じ、高いモチベーションを維持して、コツコツと努力をしておられることでしょう。
  • 一件につき、一リフィルにまとめる。

 頷ける内容が多かった。
例えば「思考の集中を中断する要素をシャットアウトする」などは、とても同感である。

 他には、「私の時間創造術」の「ながら行動」の徹底っぷりがすごい。

  • 「消耗品は高い安いにかかわらずまとめ買い」→買いにいく時間節約
  • 手帳をチェックしながら、トイレで用を足す
  • コーディネートを考える時間がもったいないのでポラロイドで撮って貼っておく

など。ここまでやると人生ゆとりがなくなったりしないだろうか・・・

 私は、自分の忘れっぽい脳みそを全く信用していないので、
記録は手帳に頼りまくりである。
そんな手帳依存度の高い人にオススメの方法。
ちなみに、バイブルサイズの手帳が必要とのこと。
★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!

お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!
お金でなく、人のご縁ででっかく生きろ!
  • 発売元: サンマーク出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2003/06

★★★★☆

 著者の中村氏は、ものすごくでっかく生きている。
誰が、23歳で返すあてがない2億円の借金をできるだろうか?
誰が、その2億を借りるのに長者番付の上から順に「お金貸して」と
頼みに行くだろうか?
そして誰が、実際に借りることができるだろうか?

 確かに、でっかく生きている。
そして、確かにそのように生きる可能性は誰にも開かれている。
しかし、中村氏のように生きられる度胸がある人は一握りだと思う。

 中村氏の度胸はどのように育まれたのだろうか?
氏の半生を読むと、持って生まれた気質にプラスして、
家庭環境と仕事の環境の両者が加わった結果だと思われた。

以下、メモ。

  • 「人を動かすのは情熱なんだな。知識も脳力も資格も方法論も関係ないのだ」と。
  • 「いいこと言うな」と思ったら、即実行が、僕の信条なのです。なぜなら、今日できないことは十年たってもできないと思うからです。
  • 最後の目標にたどりつきたかったら、目標を具体化したうえで、そこに本能をくすぐることをちょっとだけ付け足しておくと完璧です。そうすると、絶対に達成したくなります。
  • 「こうしなければならない」と思いながらやることには、お客様は決して喜んではくれないからです。

 他には、目標設定について、ボウリングのピンと三角マークのスパットにたとえて、
目標と目的には少し誤差があると語った人の話も印象に残った。

 中村氏のような激しい生き方をマネするのは、難しいかもしれない。
しかし、その接客の心構えを学ぶことは、誰にでもできる。
そういう視点で見るのであれば、学べることは多い本である。
★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

読んできた本の内容をまとめて紹介。