感想メモ:図解 グズをなおせば人生はうまくいく

図解 グズをなおせば人生はうまくいく
図解 グズをなおせば人生はうまくいく
  • 発売元: 大和書房
  • 発売日: 2005/01

★★☆☆☆

 待ち合わせはいつもギリギリ。余裕をもって着くことはまずない。
 全てに腰が引けていて、行動を起こせない。
 掃除しようと思うのだけどめんどくさくてはや半年。
 回転は速いが早とちりで、結局時間がかかる。
 あれもこれもやろうと思い、結局必要なこともできない。  

 というように、グズを
「先のばしグズ」「及び腰グズ」「のんびりグズ」「せっかちグズ」「よくばりグズ」
の5つのタイプに分け、それぞれどのように克服すればよいかを説明している。
私はあまり当てはまらなかったのだが、強いて言えば「せっかちグズ」になるようだ。

 グズのタイプにより対策も異なるのだが、大体共通するのは以下のような点だった。

  • 時間の見積もりをする習慣づけのため、時間割をつける
  • 目的やメリットを認識することでやる気を出す
  • 人のせいにせず自分のために動く

 「図解」なので、おそらく本編のダイジェスト版なのだろう。
そのため、項目間のつながりがわかりにくかったり、一つ一つの項目の密度が薄く感じたりした。
先に本編を読んだ方がよいのかもしれない。★2つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:社会化した脳

社会化した脳
社会化した脳
  • 発売元: エクスナレッジ
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2007/10

★★★☆☆

 脳には、社会的な能力を司る、特定の部位があるのだという。
例えば、危険を察知する部位、人の表情を読み取る部位、
信頼できるかどうかを判断する部位、人の視線を読み取る部位、などなど・・・

 こういった部位が損傷を受けた人は、これらの行動/判断がうまくできなくなってしまう。
fMRIでの脳の活性の観察などから、こういったことが明らかになってきているとのこと。

 それでは、これらの部位の働きを効率良く調整、あるいはトレーニングする方法がわかれば、
社会的なスキルの改善への効果的な対策となる・・・のかな?★3つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:脳は眠らない

脳は眠らない 夢を生みだす脳のしくみ
脳は眠らない 夢を生みだす脳のしくみ
  • 発売元: ランダムハウス講談社
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 2006/03/16

★★★★★

 脳科学の歴史と現在に至る流れを、ジャーナリストである著者が研究者たちを取材し、まとめた本。

 研究者が書いた本ではないので、一つの立場からの見方だけではなく、
複数の考え方について紹介されており(前に紹介した「夢に迷う脳」の内容も含まれている)、
意見の対立についても書かれている。
例えば、古典的なフロイト心理学派の夢分析と、精神医学からの夢の見方との対立など。

 トピックとしては

  • 夢が脳のどこから発生しているか
  • 夢の持つ機能
  • 明晰夢(「これは夢だ」とわかっている夢)

など。特に夢の機能については一読の価値あり。

 睡眠が、記憶の形成や学習に重要な役割を果たすのは広く知られている。
これは人間だけでなく動物にも当てはまるらしい。
例えば、鳥は眠っているときにも歌を歌い(脳の活性で測定)、
それによって上達しているそうだ。

 人間も、音楽家やスポーツ選手は、練習の1,2日後にパフォーマンスが向上するが、
これは睡眠にが関わっているらしい。
夢は現実の復習やリハーサルでもあるのだ。

 睡眠が大事だというのは誰もがわかってはいるだろう。
この本を読むと、なぜ大事なのか理解が深まり、また興味もわく。
夢や睡眠についての本の中でも、内容も網羅的でかつ読みやすい。
とてもおもしろかったので★5つ!

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:夢に迷う脳——夜ごと心はどこへ行く?

夢に迷う脳——夜ごと心はどこへ行く?
夢に迷う脳——夜ごと心はどこへ行く?
  • 発売元: 朝日出版社
  • 価格: ¥ 2,415
  • 発売日: 2007/07/18

★★★★★

 「脳は起きているときは働いていて、寝ているときは休んでいる」
という一般的な考えは、実は全く違っている。
寝ているとき、特に夢を見ているときの脳は、覚醒時とはモードが違うだけで、
実は活発に活動しているのだ。

 驚いたことに、夢を見ている時の脳の状態は、
薬物などで幻覚を見ている精神錯乱状態の患者と「全く同じ」特徴を示すという。
違いは、起きているときにもイレギュラーに発生するか(精神錯乱)、
あるいは寝ているときに規則的に現れるか(正常な夢)だけだ。
これらは「似ている」のではなく、脳は「同じ」状態である・・・。

 というような、脳と心と睡眠についての説明が、
睡眠に関する研究で長年第一人者であり続ける著者により、
脳科学の研究成果を踏まえつつも、わかりやすく述べられている。

 睡眠時に脳はどう活動しているのか?
なぜ夢は覚えていられないのか?
なぜ夢は非現実的な設定なのに、その不自然さに気づかないのか?
読後はこのような疑問に答えが得られ、睡眠について理解が深まるはず。

 とてもおもしろかったので★5つ!オススメ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:海馬/脳は疲れない

海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス (ほぼ日ブックス)
海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス (ほぼ日ブックス)
  • 発売元: 朝日出版社
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2002/07/10

★★★★☆

 池谷裕二と糸井重里の対談本。サラッと読める。

 脳は誰もが持っている、それでいて何をするにも最も重要な器官である。
その性質や仕組みについて、もっと知りたいと思って読んでみた。

 脳については
「一般に信じられているけれども、脳科学の研究結果とは異なっている」
というケースがままあるようだ。
例えば睡眠について。

 普通の人は、「睡眠中は脳は休んでいる」と信じて疑わない。
しかし実際は、寝ているときも、脳は活発に活動しているそうな。

 例えば、記憶の固定。
これは主に睡眠中に起こっているため、
暗記物はきちんと睡眠を取った方が成績が良くなるそうなのだ
(一夜漬けは記憶に残らないというのは本当らしいですよ)。

 特にレム睡眠中は、その日にインプットした情報を高速に追体験して、
海馬が情報の要不要を取捨選択しているそうな。おもしろい。

 こんな「へー」的なマメ知識や、日常生活に取り入れられそうな
ノウハウもてんこ盛りでおもしろかった。★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:記憶力を強くする

記憶力を強くする—最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
記憶力を強くする—最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,029
  • 発売日: 2001/01

★★★★☆

 「歳をとると記憶力が悪くなる」「歳をとると物忘れが激しくなる」
というのは良く聞かれるフレーズだ。
しかし「それは誤解」と著者は言う。

 確かに歳をとると、神経細胞の総数は減っていく。
しかしシナプスの数は逆に増加していくというのだ。
このことは、歳をとると記憶容量は大きくなることを示している。

 ただ、年齢によって得意とする記憶の種類が変化するのだ。
若いうちは、脳は丸暗記のような記憶に適している。
それが歳をとるにつれ、丸暗記の能力は下がるが、
その代わりに論理だった記憶能力(エピソード記憶)が発達していく。

 つまり年齢によって得意とする記憶の種類が変わるだけなのだ。
従って、歳に応じた記憶の仕方をすることが重要だということになる。

 これだけでもかなり興味をそそられるのが、他に眠りや夢に関する記述もあり、興味深い。全体を通じては、まとめるのがうまく文章もわかりやすい。

 記憶は誰の生活にも密接に関わり、避けることはできない。
脳についての知識は、知らないと損だと思う。★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:ラストホープ 福島孝徳

ラストホープ 福島孝徳 「神の手」と呼ばれる世界TOPの脳外科医
ラストホープ 福島孝徳 「神の手」と呼ばれる世界TOPの脳外科医
  • 発売元: 徳間書店
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/03/20

★★★★★

ゴッドハンドと呼ばれる、脳外科医福島孝徳氏。

彼一人が年間にこなす手術数は、他の日本人全体の手術数を上回る。
更に、手術の成功率も抜群。
一体どうしたら、彼のような人ができるのだろうか。

才能、というのは必要条件だろう。
福島氏の場合、天性の手先の器用さというのはまずある。
そして尽きることのないエネルギー。これも天性のものだろう。

しかし、才能だけではこれだけの実績は残せないと感じる。
イチローにしても高橋尚子にしても、才能+たゆまぬ努力があってこそ、
天才と言われる実績にたどり着くのだろう。

その努力を支えるのはなんだろう。
そのヒントは福島氏の以下のセリフにある。

・Passion(情熱)
私の人生そのものがパッション。全身脳外科人生です。

・Love(愛)
天職としての脳外科を愛しています。もちろん妻や子を愛していますが、妻には「あなたは脳外科と結婚したひとよ」と言われたりします(苦笑)。

・Happiness(幸福)
自分がやりたいと思うことを続けてきて、こんなにもうまくいっている。そのことに幸せを感じるし、日々神様に感謝しています。

・成功(Success)
手術をして
最高の結果が出ること。それが私にとって唯一のサクセスです。

・Growth(成長)
一日一日、少しでもいいから進歩したい。どうやったら自分の手術がもっと良くなるかをいつも考えてます。それをやめたら私の成長は止まってしまう。

情熱。

これこそが、福島氏の努力を支えているものの正体だ。
自分がやりたいことを、愛していることをやり、その上で結果を残している。
おそらく彼は、人生幸せだと感じていることだろう。

「成功者の話を聞いても、自分の成功とは関係ない」
という意見もある。しかし私は反対の立場だ。

なぜなら、成功者の話には共通点が見られるということは、
進むべき方向はわかるということだからだ。
到達することは難しくても、近づくことはできる。
実行が難しいのと、不可能であるのとは全く別の話だ。

福島氏の言うように、
「一日一日、少しでもいいから進歩したい」
この気持ちを持ちながら生きていくことが大事なのだろうと感じた。
自分は、今日、少しでも進歩したか?
こう問いかけるだけでも意味がありそうだ。

他にも、医療制度に関する話もおもしろい。
私は、以下のように考えていた。
医療現場の労働環境が過酷なのは医者不足が原因なのだから、医者を増やせばいい。
でもそれは、医療業界側が絞ってきたという側面もある、と。

しかし福島氏の意見はこうだ。
日本は医学部に入った人のうち100%に近い人が医者になる(ドイツやフランスは10%程度)。
従って、数は足りている。ただ、カリキュラムに問題があり、
臨床の経験が不足している医者が大量に生まれている。
医者が足りないと感じられるのは、一部の限られた病院に医者が集中しているから。

氏の提案は以下の通り。
医学部は数を減らし、質を向上させる。
カリキュラムを刷新し、臨床経験を多く積ませる。
具体的には、一般教育と基礎医学過程を4年から2年に縮め、臨床を2年から4年にする。

ということで、いろいろとためになる良い本だった。★5つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則
面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則
  • 発売元: 大和書房
  • 発売日: 2009/01/15

★★★☆☆

面倒くさがりだからこそ、放っておいて後々面倒なことにならないよう、先に手を打つ。

という理屈で、面倒くさい事態を回避するために生活の効率を上げる、
55のコツが書かれている。
つまるところ、ライフハック本だと読んだ。

中には、確かにやっておくとよいけれども、
本当の面倒くさがりはあまりやらないような項目もある。
例えば「面倒くさいから聞く前に調べる」とか「面倒くさいから英語を勉強する」とか。
それはさすがに苦しいかと。

この本を読んでいて考えたのは、
なぜ人は面倒くさいことに弱いのだろうか、ということ。
そもそも人間の脳は、未来の大事なことよりも、
目の前のどうでもいいことに心を奪われるようにできているそうだ。

これは重要さの判断ができないわけではなく、
時間が先になると双曲線的にその重要さを割り引いて
認識してしまうからだそうだ。
つまり、目の前のちょっとしたことに、
未来のとても重要なことが負けてしまうということだ。
(参考:誘惑される意志
ギャンブルや締め切り前の掃除などが良い例。

つまり、
「後々のことを考えて、今のうちにやってしまおう」
と考えることは、本能に逆らう難行なのだ。

だからこそ、未来の事態の重要さをしっかり認識し、
段取りをしっかり組める人は、貴重で重宝されるのだろう。

ということで、私の感想としては、
「先のことを実感をもって想像し、モチベーションを失わずに行動をする/続ける」
仕組みづくりが必要かと思った。
それには、この本にも書いてある通り、脳科学や心理学の本がオススメ。
ということで、★3つ。

今更だが、著者はレバレッジシリーズの本田直之氏。
本田氏のlifehack系の本では、脳が教える! 1つの習慣がオススメ。(監訳だが)

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:あなたの話はなぜ「通じない」のか

あなたの話はなぜ「通じない」のか
あなたの話はなぜ「通じない」のか
  • 発売元: 筑摩書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2003/10

★★★★☆

話が通じない。

といっても様々なレベルがある。
理屈が通っていないというケースもあれば、
そもそも信用されていないというケースもある。

そんな中、自分のいいたいことを、
反感を買うことなく相手に受け入れてもらうにはどうすればいいだろうか?

そんな問いに、ベネッセコーポレーションで進研ゼミの小論文を担当し、
後に独立した山田ズーニー氏が自身の経験談を踏まえて語る。

  • 自分のメディア力を上げる
    「あの人が言うことなら確かだろう」と信頼されるメディアになる、ということ。
    それにはまず、自分がどう見られているかを意識する必要がある。
  • 相手にとっての意味を考える
    ダメ出しに感情で反発するのではなく、相手と共通する思いを探し、
    そこを土台にする。
    共通する思いがゼロ、というケースはまずない。
  • 論理
    基本は
    テーマ→問い→意見→理由
    の流れ。
    人の話を聞くときもこの流れでシンプルに考えると整理しやすい。
  • 問いの立て方
    適切な問いが思考を広げ、また目的を具体化する。
    問いを立てる力が非常に大事。
  • 問いを助けるツール
    ・5W1H。WHYは本質を問う。ここぞというときに。
    ・100本ノック
    テーマについて問いを100個考えてみる
    ・時間、空間、人の3軸
    過去現在未来、他社他業種他地方他国、自分相手先輩後輩など。

他にも、なぜ正論は受け入れられないのか?
もつれて感情的になりそうな相手に共感する/してもらうには?
など、誰しもが悩む問題に対して、
経験談を交えて実用的な答えを示している。

いくら自分が正いこと/良いことをしていると思っても、
そのことを周りの人に理解してもらっていないと不幸なことになる。
相手のことを考えましょう。
良い本。★4つ。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

読んできた本の内容をまとめて紹介。