★★★☆☆
西洋医学は科学なので、心や気など、定義のあいまいなものは対象となりにくい。
しかし心と体が影響し合っているという理解は、東洋医学では珍しくない。
そして西洋医学にも、主流ではないものの心の影響を重視する流派もあることは、
心はなぜ腰痛を選ぶのかでも紹介した通り。
からだとこころは確実にひとつのものであり、
どちらかがよくなれば、もうひとつのほうが自然に楽になっている。
科学的アプローチとは異なる西洋医学の例が、
この本で説明されているオステオパシーというもの。
考え方としては、体に流れるエネルギーがブロックされていることが、
からだやこころの異常につながるので、それを取り除く手助けをする、
というもの。
そのブロックや圧迫が長くつづくか、
または短時間でも深刻なものであれば、
不快や痛み、病気の症状となってあらわれることになる。
体の自然治癒力を助けるというのが基本スタンスなので、
抗生物質に頼るのは、耐性菌も出てきてしまうし
よろしくないというスタンス。
抗生物質はできるかぎり避けるにこしたことはない。
熱が三九・五度以下なら、どんなくすりものまないほうがいい。
子供の頃のケガやトラウマが大人になってからの体の歪みに
影響を及ぼしている、というところまではわかるが、
出産時の影響が強いとまで言われると、
データを見てみないとなんとも、と思ってしまう。
ただ、いわゆる西洋医学では対処できない症状に対しても、
効果を上げているという実績は確か。
例えば中耳炎に対しても、
このあたり、心はなぜ腰痛を選ぶのかで書かれていたTMSと共通点は多い。
悲嘆にくれることがなぜそれほど有害なのか?
なぜなら、そうした心理パターンが神経系のなかに
特定の想念の回路をつくりあげ、
それが全身の複雑な生理作用に影響するからだ。
わたしの経験では、運動のなかで一番いいのはストレッチである。
からだのバランスを左右する三大要因は、
気圧・感情の高ぶり・食生活である。
なんとなく整体に近い印象を持った。
(バキバキやるもののではなく、
体全体のバランスを重視する野口整体的な意味合い)
日本人の私はさほど違和感なく読めたのだが、
西洋の人には異端なのかもしれない。
オススメ度は★3つです。
関連:
その他の書評などはこちら。
→Socialtunes – haru