感想メモ:なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか?

★★★☆☆

仕事でも家事でも、なんとなくやる気が起きずに、
やることを先送りしてしまった記憶は、誰しもあるだろう。
しかも、やってみると全然大したことはなくて、
なんでもっと早くやらなかったんだろう?
と思うことも、あったりする。

先送りの原因というのは、
「めんどくさい」とか「なんとなく気が進まない」といった
心理的なものであって、実際のタスクの大きさとは
必ずしも一致しなそうだ。

この本は、先送りのメカニズムを明らかにし、
心理学的なアプローチで、行動を先送りしてしまう原因を取り除くことで、
すぐに行動を起こせるようにしよう、というもの。
行動を起こすには「思考→感情→行動」の3段階がある。
それぞれの阻害要因を見つけて、取り除くのだ。

心理的なブロックには、5つのパターンがある。

  1. 完璧を目指しすぎてしまう
  2. 効率を求めすぎてしまう
  3. 結果を怖がりすぎてしまう
  4. もともとニーズがないことをやろうとしている
  5. 自分の可能性を狭くすることを恐れている

心理的なブロックの正体は「恐怖心」であるようだ。
「何をすればよいかわからない」「どれくらい大変かわからない」
という未知のであることに対する恐怖。
それも、そうとわかってしまえば、予想する、人に聞いてみるなどして、
案外簡単に取り除けたりする。
個人的には、これはとても大きな気づきだった。

オススメ度は★3つです。ありがとうございました。
タイトルに興味が憶える人は、読んでみると発見があるでしょう。
同じジャンルの本としては、下の関連図書をオススメします。

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感想メモ:「そうじ力」であなたが輝く

「そうじ力」であなたが輝く!
「そうじ力」であなたが輝く!
  • 発売元: 総合法令出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2006/02

★★★★☆

そうじをすれば、悩みや問題の解決、
仕事や恋愛の成功、収入アップ、夢が叶う…

などといきなり言われると、眉につばしてしまう人もいるだろう。
しかし実はこれ、他にも様々な人が言っていることだ。
例えば、カリスマ体育教師の原田先生の大人が変わる生活指導
外国でも、コーチングのタレン ミーダナーさんの人生改造宣言など。

私の理解は「そうじは潜在意識のクリーニングになる」ということだ。

例えば、部屋の中に、片付けなくちゃなー、
と見る度に思う場所があるとする。しかしやっていない。
この状態では、「やった方がいいことができていない」ということが、
その場所を見る度に潜在意識に刷り込まれていく。
これはよいことではない。

ハウスクリーニングをやっていた著者は、
成功していることと、部屋がそうじされていることの関係に
気づいたと言う。

そのうち私は、ただ単に汚い=不幸ということだけでなく、
どこの部分がヨゴレているかによって、
どういう問題点があるのかということに気が付いたのです。

逆に、「靴を揃える」「少しでもそうじをする」
ということを積み重ねていくことで、
小さな成功体験が積み重ねられ、自信が育くまれていく。

こういった細かいことの積み重ねが、いざという時の行動力をも左右する。
という話だと理解している。
誰しも、そうじをしよう、しよう、と思っていたところを、
片付けられたときの爽快感は知っているはず。

また、場が人の行動を変える、いわゆる「割れ窓理論」も
よく知られているところ。
汚いところは、そこにいる人間の精神にも影響を及ぼすのだ。

なので、大事だと思いますよ。整理整頓。
(机の隅の小山を見ないようにしながら)

紹介されているステップは、
「換気」「捨てる」「ヨゴレ取り」「整理整頓」「炒り塩」の5つ。
換気はあまり気にしていなかったので、
試してみようかな。

見ないようにしていたものたちと、少しずつでも向かい合う、
良い機会になりました。ありがとうございます。
自戒を込めて、オススメ度は★4つです。

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感想メモ:平直行が行く身体感覚の宝島

平直行が行く身体感覚の宝島―格闘技から武術への気づき
平直行が行く身体感覚の宝島―格闘技から武術への気づき
  • 発売元: BABジャパン
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2009/11

★★★☆☆

著者の平直行氏は「グラップラー刃牙」の主人公の
インスパイアー元の人物なのだそうだ。
グレイシー柔術を学んだ日本人の先がけだし、
総合格闘技、K-1の先駆者でもある。

前著平直行の格闘技のおもちゃ箱は、
プロの格闘家として現役時代のエピソードが語られていたが、
この本では、引退してからのエピソードや考えなどが
書かれている。

その後は大気拳や操体法を学びながら、
道場を開いて教えたりしているそうだ。

操体法では、気持ちのよさにスイッチの秘密があるって教えて頂いてる。
身体は何かの症状疾患が起こる前に、歪みが起こってたりする。
歪んでる状態は、元々の体の状態からしたら異常な状態だから、
身体は元に戻りたい。身体は喋れないから、元に戻す動きを
気持ちよい感覚として教えてくれている。

前作は、プロの格闘家の考えや雰囲気に触れることができたが、
この本では、身体の使い方のコツなど、
より一般の人にも役立つ内容が多くなっている。
どちらを好むかは、読み手次第でしょう。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:君ならできる

君ならできる
君ならできる
  • 発売元: 幻冬舎
  • 発売日: 2000/09

★★★☆☆

小出監督がシドニー五輪直前に書いた本。
選手との接し方や指導法、
指導者としての信念などが書かれているのだが、
やはり高橋尚子についての話題が興味をそそった。

その高橋のことだが、「シドニーで金を取る」と書いてある。
実際、ぶっちぎりで金を取ったのは周知の通り。
すごい。

高橋が走るのが好きでたまらないとは知っていたが、
練習量は有森の倍ほどで、男子でもできないくらい
ハードな練習を積んでいた、という下りは驚いた。
しかも、ほうっておくと、練習後に勝手に
走りに行ってしまうというから尋常ではない。

有森も、これ以上できないというくらいの練習を積んでオリンピックに臨み、
そしてメダルホルダーとなった。
しかし、金メダルを取る人というのは突き抜けているのだなぁ。
高橋が特別なのかもしれないが。

私たち監督も人間、ときにはカーッとすることもある。
だが、自分が好きでやっているのだから、
「もう嫌だ」と思ったらそれで終わりだ。
そうではなくて、「ああ、これで遊ばせてもらっている。
人生を好きにさせてもらっているんだな」
と思えば、苦にならなくなる。

ちなみに高橋がなぜQちゃんと呼ばれているのかのエピソードを
この本で初めて知ったのだが、驚愕した。
高橋尚子、そんな人だったとは…
知らない人は、自分で確かめてみて欲しい。

他にも、レースのタイムをかなりの精度で予測したりと、
素人にはよくわからない小出監督の力量も垣間見えて、
本当にすごい人なのだなと感じられた。

スポーツ好きな人、指導をしている人は
何かしらの気づきが得られるでしょう。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:成功者の地頭力パズル

成功者の地頭力パズル あなたは、ビル・ゲイツの試験に受かるか?
成功者の地頭力パズル あなたは、ビル・ゲイツの試験に受かるか?
  • 発売元: 日経BP社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2009/11/19

★★★☆☆

マイクロソフトやGoogle、あるいはコンサル会社などの
採用試験で出題される、いわゆるフェルミ推定的なクイズが
全45問載っている。例えばこんな感じ。

「南へ1キロ、東へ1キロ、北へ1キロ進むと出発点に戻るような地点は
地球上に何ヶ所あるか」

ああ、知ってるよ。北極でしょ?
と思ったあなたは甘い。だって「何ヶ所」だもの。
これは答えを見てビビった。あなたもビビってください。

こういう問題を考える時の頭の使い方をしたのは、
学生の頃、特に小学生か中学生の頃だった気がする。
それ以上になると、純粋な知恵というより、
知識が必要とされる問題が増えるからだ。

とはいえ、大人の常識レベルは求められる。
つまり、手強いということだ。

論理パズルでは、欠落した情報は誰も与えてくれません。
だから、「何か欠けた情報があることを前提に、ありうる筋書きを
展開しなければならない。そうすれば、欠けた情報があっても
明瞭な結果に到達するだろう」という心構えができていないと、
突破口は見つからないということなのです。

これは何も論理パズルだけの話ではなくて、
現実世界のほとんどの問題に対して当てはまる。

おもしろいのだが、1問ずつ時間をかけて考えていくと、
読み終わるのにべらぼうに時間がかかるので、
後半はすぐ答えを見たりしてしまった。
でもおもしろかった。オススメ度は★3つです。
頭の体操にどうぞ。

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感想メモ:「情報創造」の技術

「情報創造」の技術 (光文社新書)
「情報創造」の技術 (光文社新書)
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 777
  • 発売日: 2010/05/18

★★★☆☆

情報はインプットするだけでは意味がない。
その情報をどう組み合わせ、加工してアウトプットするかが重要だ。
このことを編集と言うこともあるし、情報創造と言うこともある。

この創造する力が大きな武器になるのは言うまでもない。
言われたことをするだけではなく、作り出す力が必要だ。
このプロセスはセンスに任されがちで、できる人はできるし、
できない人はできないというのが私の印象。
では、どうすればその力が身につくのだろうか?

リクルートから中学の校長となった藤原博和氏は、
編集力を鍛える勉強を行っていた。(参考:「つなげる力」)
要するに、答えがないことでも、自分の頭で考える習慣をつけるということだ。

なによりも、内容を考えること、情報を創造することに
社員の能力を集中させるべきです。

それも、なるべくたくさん。

つまり、どうしたら面白い企画がたくさん出せるのかというと、
面白いかどうかは人が決めることであり、自分では面白いと思わない企画でも、
とにかくたくさん出すべきだということなんです。

情報の受信だけではなく、発信を意識すること。
そして行動すること。

私はアンテナよりも情報を可視化する装置の方が大切だと思っています。
だから、重要なのは、アンテナを張り巡らすことなはなくて、
アンテナに引っかかった情報をもとに実際に行動を起こすかどうかじゃないでしょうか。

紹介されているのは、あくまで著者のやり方。
人それぞれ、その人に合うやり方というのがあるはず。
こういった本を読むことは、何かしらのヒントになるだろう。

☆やってみようと思ったこと

ツイッターも単にだらだらつぶやくのではなく、
今日したこと、見て感じたこと、そしてなぜそうしたのか、
そう感じたかを、140字でまとめる訓練に使えばいいかもしれません。

インプットはアウトプットを意識すること、そして行動すること。
色々な本に共通して書かれていることだけに、心がけようと感じた。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:平直行の格闘技のおもちゃ箱

平直行の格闘技のおもちゃ箱
平直行の格闘技のおもちゃ箱
  • 発売元: 福昌堂
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2006/01

★★★★☆

私はあまり詳しくないのだが、
「技のおもちゃ箱」の異名をとった平直之氏。
センスにあふれた人なのは確かだろうが、
いくつか注目すべき点があった。

生活費を稼ぐため、飲食店でバイトをしているときの話が出てくる。
複数のオーダーに対し、手早く、それでいて質の高い料理を提供しなくてはいけない。
一瞬で段取りを決め、複数のことを同時にこなす。

おもしろいことに、著者はここに格闘技との共通点を見い出す。
格闘技も、攻撃に100%集中してしまう人は強くなれない。
攻撃しながらも防御を考え、その次の行動も瞬時に
判断し続けなければならないからだ。

日常全てが上達のヒントになる。
何事でも、一流になる人というのは、こういうものなのかなと感じた。

もう一つ注目した点は、多くの達人に出会い、
そして様々なことを教えてもらっていることだ。
それは、平氏が深興味とい探究心を持っていて、
教える方も教えたくなってしまうのだろう。

そういった達人たちの言葉に触れることができるのも、この本の魅力。
例えば、次はアンディ・フグの言葉。

「いいか、できないって思うならやるな」
「できないことに、チャレンジする心が大切なんだ」
「できないことをあきらめないで、工夫して、
絶対できるようにする」
「もしできる可能性があっても、あきらめたらそこで終わる。
もう少しだけ頑張ればできたのに」
「これが、練習だ」

他にも良い言葉にたくさん触れられる。

そういった探究の末にたどり着いたのが、
「心と身体を合わせて闘う」
ということだそうだ。

考える前に身体が勝手に動くのだ。
やることを考えてから身体が動くのではない。
やってから、やったことに気がつくのだ。

自分にも、ふとひらめいて、後でやろうとしても
できないようなことができたという経験がある。
人間には元来すごい性能が備わっていて、
それを使いこなせる人が達人なのだろう。

と、格闘技とあまり関係がないことばかり書いたが、
ボクシング、空手、バーリトゥード、グレイシー柔術など、
主題の格闘技についても盛りだくさん。
そちらに興味がある人も、もちろん楽しめる。

予想以上に、おもしろい本でした。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:部下を定時に帰す仕事術

部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~
部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~
  • 発売元: WAVE出版
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2009/02/17

★★★☆☆

奥さんが病気で入退院を繰り返し、自閉症の長男を持つ。
6時退社で育児、家事、看病をこなさざるを得ない。

そんな中、仕事も家事も、効率的に、かつ密度を高めて行い、
東レの役員にまでなった著者の佐々木氏。
その仕事術と考え方が紹介されている。

仕事はほどほどに、というようなワーク・ライフ・バランスではなく、
仕事も家庭もどちらも考え抜いてマネジメントするには、
効率だけではなく、戦略的に、広角的に行う
「ワーク・ライフ・マネジメント」なのだそうだ。

要は、「すぐ仕事にかかるな。最短距離でゴールにたどりつくために、
もっと頭を使え、考え抜け」ということです。

最近とてもこれを感じる。
PCのモニタは脳に対してとても強い刺激なので、
方針を考えることなく作業をしてしまい、あとで思えば無駄だった、
というようなことが起きる。
考えてからやった方が、結果的に早く済む。

真に使える時間は30%と見積もらなくてはなりません。

邪魔が入ることを考えろということですな。
集中できる環境を確保できるのであれば、もっと多めに見積もれる。

会社の仕事は同じことの繰り返しであり、自分の出す知恵などたかが知れています。
先輩ほ優れた作品展を読み、あるいはそのことをよく知っている人に訊き、
その優れた部分を学んで応用したらいいのです。

必要がないのに、過去のフォルダを全部あさってみるという人は少ないだろう。
しかしそれが後のためになるということ。
一見遠回りに見えるが、未来への近道なのだろう。

内容としては、他の仕事術の本と重なる部分も多い。
オススメ度は★3つです。参考になりました。

☆マネしようと思ったところ
メールフォルダの命名法
→よく使うものは頭に英字など付けて上に来るように

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感想メモ:レジ待ちの行列、進むのが早いのはどちらか

レジ待ちの行列、進むのが早いのはどちらか―するどく見抜き、ストレスがなくなる心理術
レジ待ちの行列、進むのが早いのはどちらか―するどく見抜き、ストレスがなくなる心理術
  • 発売元: 幻冬舎
  • 価格: ¥ 1,155
  • 発売日: 2009/03/20

★★★☆☆

いいタイトルの本。
思わず読んでしまった。

中身も良い作り。
1枚のイラストに対し、2択の質問が一つ。
質問の次の行から解説が始まるのは考えものだが、思わず考えて答えを確認してしまう。
人間は質問されると答えを求めてしまうものだなあ。

内容については、心理学者による心理学の雑学紹介というテイスト。
単純な判断が多いので納得のいかない部分もあるが、雑学本だと割り切ったら気にならなくなった。

そして、キャッテルC・F知能テストというIQテストをやらせてみたところ、
「よく笑う子どもほど、知能が高い」ということが明らかにされたという。
男性の顔の対称性が高いほど、
彼女はオーガズムを感じやすいことがわかったというのである。

心理学者というのは色々なことを調べるものだなぁ。

ちょっとした雑学が身につきます。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:宇津木魂 女子ソフトはなぜ金メダルが獲れたのか

宇津木魂 女子ソフトはなぜ金メダルが獲れたのか (文春新書)
宇津木魂 女子ソフトはなぜ金メダルが獲れたのか (文春新書)
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 777
  • 発売日: 2008/10/16

★★★★☆

北京五輪で見事金メダルを勝ち取った、女子ソフトボール。
シドニーで銀メダル、アテネで銅メダルを取った時の、
宇津木妙子元全日本監督が語る、指導哲学。

という帯になっているが、それだけではない。
シドニー、アテネ、北京の裏側もわかり、おもしろい。

もちろん人間ですから、話しやすい選手と話しにくい選手がいます。
気が合う・合わないというタイプの問題もあります。
でも、選手にソフトボールに対する情熱があって、
指導者に実力主義と配慮があれば、そんな壁は簡単に乗り越えられるのです。
監督と選手が一度もぶつかり合ったことがないとすれば、
それはソフトボールに真剣に取り組んでいないからなのです。

新書サイズということもあり、一気に読めた。
この人は熱い。相当熱い。
確かに厳しいが、その中にも愛があるからこそ、選手は付いてくるのだろう。

スポーツをしている人も、そうでない人も参考になる部分が多いでしょう。
オススメ度は★4つです。

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読んできた本の内容をまとめて紹介。