感想メモ:安保徹の病気を治せる医学

★★★★☆

健康は、失って初めてありがたみがわかるもの。
とは言っても失ってからわかったのでは遅い。
ということで、健康の知識は頭に入れておきましょう。

基本的な主張は、安保氏の他の著作と同じ。
交感神経、副交感神経の自律神経系が、
免疫系をも司っているということ。
(参考:体温免疫力―安保徹の新理論!
「やめてみる」だけで 病気は自分で治せる

以下、メモの抜粋です。

アメリカ人は副交感神経優位体質、
日本人は交感神経優位体質
低体温は万病のもと
頭痛がするのはストレスからの解放により
血流が戻ったせい。
痛み止めで止めれば同じことの繰り返しです。
原因を除かなくてはなりません。

安保氏の著作の中では専門的な話が多い部類。
一冊目は入門書的な方がよいかと思います。
オススメ度は★4つです。


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感想メモ:アリアドネの弾丸

海堂 尊
宝島社 2010-09-10
¥ 1,500

★★★☆☆

「チーム・バチスタ」の続編である螺鈿迷宮の更に続編。
田口センセイと白鳥氏のコンビが活躍する。
今回もキーとなるのはエー・アイ、MRI。
(オートプシー・イメージング:死亡時画像診断)

楽しく読んでいるだけで、MRIについての
基礎的な知識も身についてしまい、一冊で二度おいしい。

螺鈿迷宮を読んだ人は読むと良いと思います。
まだの人は、螺鈿迷宮を先に読んだ方がよいです。
オススメ度は★3つです。

伏線が色々張られていて、まだ続きが出そうです。

海堂 尊
宝島社 2010-09-10
¥ 1,500


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感想メモ:体温免疫力―安保徹の新理論!

★★★★☆

人間の体を病気から守ってくれているのは、精密な免疫システム。
そしてその免疫システムの働きは、体温に強く影響を受ける
体温が下がると、免疫の働きも下がってしまうのだ。

というのが「体温免疫力」というタイトルの示すこと。
冷えは、思ったよりもずっと良くないことみたいだ。

風邪などをひいているときは、
リンパ球が減って、免疫力が低下しています。
そこで体温を上げてリンパ球を増やし、
風邪などの病原体と闘おうとするのが、
発熱のメカニズムなのです。

すぐに解熱剤で熱を抑えてしまうのは良くない、
というのはこういう理由だったのだ。知らなかった!

皮膚病、アトピー、ガン、AIDSに対しても、
体温はキーになるそうだ。
免疫を司るのだから、不思議ではないのかもしれない。

他に意外だったのが以下のこと。

虫歯のほとんどがストレスをきっかけにできます。
なぜなら、唾液の分泌は、副交感神経の支配を受けているからです。

話を戻すと、体温を上げる簡単な方法は、お風呂に入ること。
体温+4℃程度のお湯で、リラックスして副交感神経優位にするといい。
お風呂が健康をつくるのですな。

オススメ度は★4つです。
読みやすく、ためになりました。

安保氏の理論については以下の本も参考になります。
「やめてみる」だけで 病気は自分で治せる


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感想メモ:整体入門

野口 晴哉
筑摩書房 2002-06
¥ 630

★★★★☆

著者の野口晴哉氏は、野口整体の創始者。
この本は野口整体のエッセンスをざっと説明した、
まさに「入門」編となっている。

その野口整体のエッセンスが、活元運動
以下の3つのステップからなる。

・邪気の吐出
両手で鳩尾を押さえて息を吐く。
老廃の気を全部吐き出すような気持ちで、
体をこごめるようにして吐く。3回。
鳩尾が弛んで欠伸が出たら終了。

・背骨ねじり
正座して、左(右)に捻って、脱力。7回。

・活元運動

1.徐々に息を吐きながら、
親指を握りしめ腕を上げ、
体をうしろへ反らしてゆく。

2.奥歯をかみしめ、
首から背骨に力をギューッと入れるようにして、
入れきって急に力を抜く。三回。

3.手を上向きに膝の上におき、
目をつぶります。
目をつぶって首を垂れる。
そして自分の背骨に息を吸い込むような、
背骨で呼吸するようなつもりでいる。
すると少しずつからだが動くような感じがして、
やがて動き出してきます。
あとはそのまま何もしない。
ポカーンとして体を自然に任せきる。

4.動き出したら、その動くままに、
動いている処に息を吸い込むようにすると、
もっと動きが大きくなってきます。
また長い時間動き続けることもありますが、
止めようとしないで、終わるまでやるのがよいです。

5.終わったら瞑目したままで、
しばらくポカンとしております。
一分でも二分でもよい。

もし途中でやめなければならない時は、
息を何回も吸い込んでこらえ、
徐々に運動が静かになって止まったら、
目を片目ずつ開ける。
目を開いたら、もう一回静かに息をお腹に吸い込み、
耐えてからゆっくり吐く。

他にも体僻、風邪の効用などの話題あり。
健康に興味がある人はぜひ。
野口晴哉氏はあの時代から潜在意識など
今も十分通じることを書いている。
本当に偉人だと思う。
オススメ度は★4つです!

野口 晴哉
筑摩書房 2002-06
¥ 630


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感想メモ:スポーツ選手のための動作法

★★★☆☆

基本動作を見直すことでパフォーマンスも上がる

スポーツのパフォーマンスを上げるには、
反復練習、練習試合、筋トレ、イメージトレーニングなど
色々な方法がある。

一方、動作法というのは、
立ち方、座り方、体重の移し方など、
非常に基本的な身体の動きについての訓練を行うもの。

「元々スポーツやってる人でしょ?
そんなの今更やることなの?」
と思われるかもしれないが、
これが国体選手クラスでも成果が上がる、
というからおもしろい。

逆に言えば、日常生活の中での
立つ、座る、といった動きも、実は非常に奥が深い

ということなのだろう。

「日々是修行」という状態になれば、
練習時間がいきなり何倍にもなる。
むしろ、そうならなくては、競争の激しい世界で
抜きん出ることは難しいに違いない。

動作法については、こちらを参照されたい。
感想メモ:姿勢のふしぎ

動作法というものについて興味が湧いてきた。
一般受けはしないかもしれませんが、
個人的にはかなり興味深かったです。
ということでオススメ度は★3つです。


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感想メモ:iPadバカ

★★★☆☆

タイトルが秀逸。
自分が多少なりともiPadバカだと思う人は、
かなり参考になるだろう。

iPadは「とても色々なことができる道具」なので、
使う人によって、使い道がかなり違い、
必然的に一軍アプリも結構違うもの。

それだけに人の使い方を知るのは楽しいもの。
特に達人のそれには、とても興味ある。

読んでみて、やってみようと思ったことは以下の通り。

本なら「未読本」と「読んだ本」という
フォルダーに分けておくのです。

私はPDFを「未読」と、それ以外は分類してます。
ちなみに動画も同様に「これから観る」プレイリストを作って
管理してたりします。

・ノート術は、過去のノートの閲覧用に使う

ノートアプリについては、実は色々試してみたんですが、
結局のところの結論は、
『iPadはノートを「書く」のではなく「見る」のに使う』
というもの。同じ意見ですな。
いつか別記事で書く予定。

単なるアプリ紹介の羅列ではなく、やりたいことがあって、
その手段としてアプリが紹介されていたのがうれしい。
これは自分がiPod touchの記事を書いたときも心がけたこと。
第4世代iPod Touchをとことん使い倒す!私のiPod Touch活用法 – うむらうす

オススメ度は★3つです。iPadユーザーなら★4つ。
色々と参考になりました。ありがとうございます!


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感想メモ:インナーワーク

★★★★★

自分が持つ能力を十分に発揮し、夢中になって働く。
そんな「ワークフリー」の状態を実現するためには?

  • あなたはなぜ働くのだろうか?
  • どんな風に働きたいのだろうか?
  • 自分の人生のハンドルは、自分で握っているか…?

日頃考えない、というより
考えないようにしている質問に、
向き合わざるを得ない。

「セルフ1」と「セルフ2」

「インナー」シリーズの話のベースとなるのがこの考え方。
以前の著作である「インナーゲーム」は、
テニスコーチとしての気付きから、
「セルフ1」と「セルフ2」という考え方を提唱している。

簡単に言うと、
「コーチが生徒に技術を教える」
という一般的なやり方ではなく、
「生徒に質問し、気付かせ、能力を引き出す」
というスタイルの方が、高い成果が得られた
のだ。

詳細はこちらを参照のこと。
感想メモ:インナーゲーム

この考え方は、スポーツだけでなく仕事にも適用できる。
他人に対しても、自分自身に対しても。
というのがこの本の内容だ。

興味深い話が多かった。
以下、引用ばかりになってしまうが、
面白かったフレームワーク的なものを紹介していく。


ACTトライアングル(知覚、選択、信頼)

1. 知覚する(Awareness)
良い/悪いの判断を交えない
「悪いところを直そう」とするのではなく、
あることに気をつけてみるだけ。
例えば、1~10の10段階評価をしてみる。
直そうとしなくても、知覚するだけでも結果が改善する!

2. 生徒に習得の選択権を残す(Choice)
生徒が、答えを与えられるのではなく、
学習と変化の主導権は自分が握っている、という自覚。

3. セルフ2を信じる(Trust)
持って生まれた能力を信じる。
ものごとを習得する際の主役は
コーチではなく生徒本人の内側の能力。

質の高い集中をするために

熱中し、時間も忘れて没頭するような集中状態。
子供の頃はしばしばそうなっていた記憶があるが、
大人になると少なくなっているような気がする。
あの集中力を取り戻すにはどうすればいい?

  • セルフ1の声には耳を貸さず、黙っていてもらう
  • セルフ1の気をそらす
  • 強制しない。集中は興味から生まれる
  • 評価や批評をしない
  • 必要十分な安全性(安心感)と必要十分なチャレンジ性(困難さ)

PLEトライアングル

  • Performance 能力発揮
  • Learning 学習
  • Enjoyment 歓喜

これらは対立するものではなく、
相互依存の関係にあるという。
そして、仕事に対して両立させるべきだと。

しかし残念ながら、業務において
従業員の歓喜を求める企業は多くない。

働くとは、自分の本質であるセルフ2の欲求のままに
「能力を発揮し」「学習し」「歓びを体験する」
ことだと再定義できれば、ワーク・フリーへ大きなステップになる。
その瞬間その瞬間に歓びを感じることが私のプライオリティだ。

楽しんで仕事したときほど結果も良いし、
周囲に対する貢献度も高い。
この「利己的」は、個人と会社両方の「利」のためなのだ。
仕事での歓びの質を高めるための第一段階は、
ただ単にその現状に目を向けることで十分だ。

楽しい方が良い仕事ができる。
きっとその通りだ。
それを測る方法が、エンジョイチャート

仕事中の心の状態  各状態の時間の比率(%)を記録してみる。
歓喜(8~10)
中間(4~7)
悲惨(1~3)

あれ・・・?歓喜がない・・・

動く能力モビリティ

1.自分にモビリティを認めよう。モビリティは誰もがすでに持っている
2.自分がどこに行きたいのか、最も明確な絵を描こう
3.自分の変化の中で変化する意欲を持とう
4.自分の目的をクリアに保とう
5.自分の動きと方向をシンクロさせよう

動く自由。
誰も束縛していないにも関わらず、
動く前からあきらめてはいるのはなぜだろうか?
あるいは、動けるという可能性について、
考えることすらないのはなぜだろうか?

インナーワークの第一のステップは、
自分が運転する車は「動く」ことが
できるのだと認識することだ。
2番目のステップは、その車は
「自分の車」であることを理解することだ。

可能性を閉じているのは自分自身だと
気付く事なのだろう。

STOPツール

  • STEP BACK
  • THINK
  • ORGANIZE YOUR THOUGHTS, AND
  • PROCEED

目的地を決めずに走り始めるのは、
汗はかけるが目的地に近づけたかはわからない。

例え数秒でも、何かを始める前にショートSTOPを取り、
それが本当にやるべきことかを考える。
これだけでも効果がある。

コーチング

・「入れ替わり」の技術
生徒の立場に立って考える。
生徒が「考えること、感じること、望むこと」を想像してみる。

だいたい、欠点を指摘されることは望んでおらず、
コーチが言ったことを上手くできるようにしてしまう。
その緊張がパフォーマンスを阻害しているとしたら?

・3つの対話
知覚のための対話:オープンな知覚ができるように
選択のための対話:義務よりも主体性を持てるように
信頼のための対話:内側の障害を取り除けるように

ハンドルを握るのは本人。コーチは助手席。

・コントロール

今コントロールしているのは何か
今までコントロールしようとしていたのは何か
コントロールしなかったものの内で、今後できるものは何か

・フィードバック
査定ではない。事実がどうなったかを質問するだけ。

「教える」とは知識を伝えることで、
長い時間を必要とします。
コーチングはそうした足し算ではなく、むしろ引き算です。
目標に向かう際に必要となるものを除去する作業です。

全く知らずに読んだのだが、
このガウェインのインナーゲームの考え方が、
コーチングの源流である
ようだ!

インナーゲーム – Wikipedia
現代の倫理道徳 Q&A<2002-44>

コーチングの技術を表面的に知るだけでも意味はあるだろうが、
その技術がどういった背景から生まれてきたのか、
セルフ1とセルフ2の考え方を知っておくだけでも、
理解の深さが全く異なるはずだ。


久々に、かなり時間をかけてじっくりと読んだ本だった。
最初はとっつきにくいかもしれないが、
読み進めるに連れて、どんどんおもしろくなってくる、
深い本でした。

「働く」ということについての様々な気付きを
数多く与えてくれる本でした。
オススメ度は★5つです!


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感想メモ:日本復興計画

★★★☆☆

震災から一年経ったが、その傷はいまだ深い。

震災直後から原発問題に関して
精力的に情報発信していた大前研一氏。
YouTubeの動画を観た人も多いだろう。
地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後(大前研一ライブ579) – YouTube
福島第一原発 現状と今後とるべき対応策 (大前研一ライブ580) – YouTube

この本は、その内容にその後の話を
プラスして書かれたもの。

印税は全て復興に充てるということで、
日本の復興のため、というすばらしい心意気で書かれている。

内容はというと、大前氏が実は原発の技術者だったということで、
原発についての話がわかりやすい。

原発については、色々な話が出過ぎていて、
素人には何が正しいのかわかりにくい状況に
なってしまっているので、
信頼できそうな情報というのはありがたい。

原発については、元内閣府参与の田坂氏の動画もオススメ。
田坂広志 前内閣官房参与 2011.10.14 – YouTube

オススメ度は★3つです。
今後の一刻も早い復興を祈ります。


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感想メモ:おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ

★★★★☆

サイゼリヤと言うと、かなり安いイタリアン、というイメージ。
しかし、ただ値段を下げただけでは、利益が出なくなってしまう。

安くてもきちんと利益をを出せているのには、
その裏に強烈な業務効率化、標準化への努力がある
のだ。

この本を読んで初めて知った。

ちなみに標準化のコツは、
従業員の中で一番優秀な人間がやっている"名人芸"を、
誰でもこなせるようにできないか、と考えることだ。

業務効率化をこういったところまで
考えたことがなかったので、参考になった。

経営者や店長の仕事は「考える」ことだ。
時間を作る基本はまず「整理・整頓」。
成功とはほとんどの場合”まぐれ”みたいなものなので、
そこから何かを学ぶのは不可能に近い。
失敗を繰り返し、その経験から学んでこそ、成功に近づける。

サイゼリヤの社長のお話なので、
飲食業界におけるサイゼリヤの打ち手についても
話が多いのだが、個人的には、上に挙げたような、
経営や業務効率化に関する話を興味深く読んだ。

オススメ度は★4つです。おもしろい本でした。
ありがとうございます。

参考:
「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」正垣泰彦 – 【本ナビ】本のソムリエの一日一冊ビジネス書評


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感想メモ:自分の答えのつくりかた

渡辺 健介
ダイヤモンド社 2009-05-22
¥ 1,680

★★★★☆

学生から社会に出て大事だと感じるのは、
「正しい答えなんてないのだから、
行動して試してみること」

だということ。そして
「一人では物事を動かせないから、
他人を動かす力」

この本は、
・情報を元に自分の考えをまとめて
・周囲の人を巻き込んで動かす
ための「知恵」の部分を伝えようとしている。

前作の「世界一やさしい問題解決の授業」と同様に、
子供(生物?)を主人公としたお話仕立てで、
若い人を対象にしているが、大人が読んでも全く問題ない。

以下の部分は、特に共感しながら読んだ。

人の意見に耳を傾け、何かを学び取る姿勢や
謙虚さは極めて重要だ。協調性も重要だ。
しかし、そういった姿勢を保ちつつ、
自立した考えを持つというのは別の話だ。
重要なのは、自分が育った環境の価値観を
無意識に受け入れるのではなく、
幅広い経験、価値観を試す決断を迫られる修羅場、
異なる価値観との衝突などを通じて、
自分の意志で己の価値観の核を一つひとつ形作っていくことだ。
人の意見は、口頭だろうが、書籍を通じてだろうが、
画像や動画を通じてだろうが、鵜呑みにしてはならない、
健全な批判的思考を持つ重要性を叩き込まれた。
社会に出たら、現実は複雑だ。そして、厳しい。
圧倒的な想像力、考え抜く力、心の優しさと強さ、
たたみ込む力、政治力などを身につけて、初めて理想は貫ける。

知識は触れているだけで得られるが、
知恵は体験を通じないと身につかない部分が多い。
この本は疑似体験を試みているのだと感じた。
オススメ度は★4つです。良著です。

渡辺 健介
ダイヤモンド社 2009-05-22
¥ 1,680


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読んできた本の内容をまとめて紹介。