感想メモ:教育者という生き方

★★★☆☆

教育に関わる10人の生涯をコンパクトにまとめた偉人伝。

ペスタロッチのメトーデ、
フレーベルによる幼稚園の開始、
教具を使ったモンテッソーリメソッドなど、
知らないことが多々あった。

彼ら全員に共通するのは、教育に対する情熱、熱意
順風満帆に進んで人生を終えた、という人はいない。

不運なできごと、周囲の反対などの逆境にあっても、
もがき、進み、最終的に乗り越えた結果が、
後世に残る偉業なのだろう。

「人は、思考の炎と発言の火花を用いて、
その目的への進路を切り開く」
「しかし、人は沈黙と行為を通じてのみ、
その進路を完遂し、自分自身を自分で完結する」(p41)
そして子ども同士の問題については、
自分が介入するのではなく、
子ども達で考え、解決させることにしました。
子どもたちの自主性や良心を信じ、
子どもたち自身で考え、解決させることにしました。(p76)
・子どもを育てる親の愛情で、子どもをしばりつけないこと。
・子どものときに民主主義的な考え方、自治の精神を身につけさせること。
・労働を尊び仕事を通じて、温かい人間関係をつくること。
・他人の人格を尊重できる人間に育てること。(p80)

教育に携わる人だけではなく、
子供がいる、またはこれからできるという人にも
オススメしたい本でした。


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感想メモ:一流の人に学ぶ自分の磨き方

スティーブ・シーボルド
かんき出版 2012-03-23
¥ 1,575

★★★★☆

「一流の人」というのは、何かが普通の人とは違う。

そしてその違いこそが、
一流の人を一流の人たらしめているのだろう。

その違いについて、成功者研究の専門家である著者が
「一流の人」「二流の人」という対比で
わかりやすくまとめてくれたのが本書。

なるほどなぁ、と思わさせるものが多い。

一流の人も二流の人と同様の信念を植え付けられて育つが、
成長過程で初期の刷り込みを意識的に変更する。

そのプロセスは「ポジティブな自己洗脳」と呼ばれている。(p24)
二流の人は人生という舞台の観客だが、
その原因は、信念を持てる仕事を
見つけようとしないことにある。(p36)
人はみな、この世で残された時間の中で生きていて、
いつかその時間がなくなってしまう。
だからリスクをとるべきときは今である。(p52)
一流の人は「純粋な楽しさ」を
職業選択の基準にする傾向がある。(p88)
求めるべきものは成功ではなく充実感である。
なぜなら、充実感を得ることができれば、
成功はたいていそのあとについてくるからだ。(p102)
一流の人は失敗を成功の条件とみなし、
失敗を教師として教訓を学ぼうとする。
彼らは言うなれば「失敗のプロ」だ。(p148)
では、どうすれば一流のレベルに達することができるのか。
まず、一流の人になると強く決意することだ。(p7)

いっぱいメモしてしまった。

我が身を振り返り、自分のあり方について
考えさせられる、良い本でした。

スティーブ・シーボルド
かんき出版 2012-03-23
¥ 1,575


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感想メモ:私が「白熱教室」で学んだこと

★★★☆☆

知識と知恵は違う。

私の感覚では、知恵は知識の上位概念で、
知識を活かすのが知恵。

私が本書で提示したいのも、
まさにそうした「生き方を決める勉強」です。
迷ったときに自分がどうすべきか、
どう対処すべきかを決める
本質的な勉強の必要性なのです。(p43)

著者は、高校からアメリカのボーディングスクール(全寮制の学校)、
ハーバードビジネススクール、シリコンバレーのGoogle本社、
というものエリートコースをたどっている石角さん。

学校では、知識を教えることに偏ってしまいがち。
でも、アメリカのボーディングスクールやハーバードでは
知恵を教えていて、アメリカの教育の方がいいですよ、
と言っているように読めた。

それはその通りかもしれない。
ただ、日本人に生まれて、その環境を享受できる人は
残念ながら限られるように思う。

著者は自身のことを「普通の女の子」というように
語っているが、いわゆる普通の女の子は、
高校から単身でアメリカの学校に行くという選択は
難しいのではないか。

ご家庭の教育方針があるのだろうと思ったところ、
お父さんがアメリカのロースクールを出ていて、
国際弁護士をされている方だった。

「恵まれた家庭環境」と書いては元も子もないのはわかるが、
かといって「普通です」というのも、ちょっと首をかしげた。

ネットを使った学習は可能性を感じるが、
こういった知恵の学習までは難しそう。
どうすればよいのだろうか。

日本でも、藤原氏の活動など教育についての希望の動きがある。
感想メモ:つなげる力

教育は大事です。


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感想メモ:社長のテスト

山崎 将志
日本経済新聞出版社 2012-06-23
¥ 1,575

★★★☆☆

車がつっこんで会社が火事に。

商品は?オフィスは?データは?
顧客対応は?資金繰りは大丈夫?

という事件とその後の展開を、
関係する3人それぞれの立場から描いたビジネス小説。

フィクションではあるが、
つい、自分だったらどうするか、
といった投影をしながら読んでしまう。

見えているものが違うと、
そこから下す判断も全く異なる。
恐いのは情報不足だなぁ、などと感じた。

400P弱のボリュームがある本だが、
気がついたら読み終わっていたので、
読み手を引き込む力がある本だった。

山崎 将志
日本経済新聞出版社 2012-06-23
¥ 1,575


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感想メモ:背筋は伸ばすな ― 姿勢のメカニズムとその治し方 ―

★★★☆☆

「背筋を伸ばす」

この本で一番興味深かったのは、
「舌が正しい位置にあると、上あごを支えている」
ということ。貝柱みたいなイメージだろうか。

舌が本来あるべき場所を手っ取り早く言いますと、
上あごのくぼみの中です。
ここを常に舌で満たすことが
できるようになるのが目標です。(p181)

頭は5kg近くもあるから、前に出てしまうと、
その重さを首の後ろの筋肉で支えることになり、
首や肩の筋肉が疲れてこり固まってしまう。

そこで、舌を貝柱みたいにしてみる。
強く押さなくてもいいらしい。
確かに頭が前に出にくい気がする。

ちょっとしばらく実験してみようかと思う。
おもしろい気付きをありがとうございました。


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感想メモ:最短で達成する 全体最適のプロジェクトマネジメント

★★★☆☆

なぜプロジェクトは遅れるのだろうか?

どうやらそれは、人の性質に関わるものであるらしい。

つまり、納期を守らなければいけないという
責任感があるから、人はサバをよむのだ。(p24)
プロジェクトにまつわる6つの問題行動
1. サバよみ
2. 予算と時間をあるだけ使う
3. 一夜漬け
4. 過剰管理
5. 早く終わっても報告しない
6. マルチタスク

確かに…

それに対し、「ザ・ゴール」で有名な
TOC理論(Theory Of Constraint:制約理論)
CCPM(Critical Chain Project Management)について、
数多く実践し、成果を出してきた著者の
知識やノウハウが書かれている。

印象的だったのは、ゴールドラット博士の以下の言葉。

TOCの考え方はあまりに日本の文化に自然なのだ。
だから、それがQCと同じように日本がいち早く取り入れてしまい、
ほかの国が追いつけないほどの競争力を手につけるのを、
本当に恐れたのだ。
『ザ・ゴール』を翻訳するのを許さなかった国は
世界でたった一つ日本だけ。
そして、翻訳された今、世界でもっとも私の本が売れているのも日本。
そして、その理論を進化させ、
成功事例をもっとも活発に出しているのも日本だ。(p210)

日本が持つポテンシャルへの評価、
と受け取って間違いないだろう。
ともすると日本の悪い面ばかりに目がいってしまうが、
良い面を自覚することも必要だろう。

プロジェクトに関わるすべての人にオススメです。


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感想メモ:この世でいちばん大事な「カネ」の話

★★★★☆

「カネ」

それ自体は、交換可能な通過単位でしかない。
にも関わらず、「カネ」は多くの人にとって
特別な意味合いを持つ。

それは、家庭環境、仕事など、
様々な面で他人と比較してしまうことにより、
色々な思い出が残っているからだろう。

西原理恵子にとっての「カネ」もまた、
かなり強い意味を持っている。

家庭についての話はかなり壮絶。
しかし、家庭環境の再生産や、
仕事とお金との関わりなど、
考えさせられる部分が多かった。

過去の彼女自身、あるいは、
同じような境遇にある人に対して
語りかけているように感じた。

マイナスを味方につけなさい。
今いるところがどうしても嫌だったら、
ここからいつか絶対に抜け出すんだって、心に決めるの。
そうして運良く抜け出すことができたんなら、
あの嫌な、つらい場所にだけは絶対に戻らないって、そう決めなさい。
そうしたら、どんなたいへんなときだって、
きっと乗り越えることができるよ。
だって、わたしも、そうだったから。(p112)
「カネとストレス」、「カネとやりがい」の真ん中に、
自分にとっての「バランス」がいいところを、探す。
それでも、もし「仕事」や「働くこと」
に対するイメージがぼんやりするようならば、
「人に喜ばれる」という視点で考えるといいんじゃないかな。
自分がした仕事で人に喜んでもらえると、
疲れなんてふっとんじゃうからね。(p198)
自分が稼いだこの「カネ」は、
誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだ。
そう実感することができたら、
それはきっと一生の仕事にだって、できると思う。(p199)
いざというとき、大切な誰かを安心な場所にいさせてあげたい。
そう思うのなら、働きなさい。働いて、お金を稼ぎなさい。
そうして強くなりなさい。
それが、大人になるっていうことなんだと思う。(p228)

誰にも関係する「カネ」の話。
多くの人に気付きを与えてくれる、
重みのある本だと感じた。


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感想メモ:人生乗り換えの法則 望み通りの人生を創り上げるTAW理論

★★★☆☆

「思考の現実化」
ナポレオン・ヒルの本で有名だ。
しかし、それを人生に活用できている人となると、
ごく少数だろう。

「分相応」という言葉の元に、
望むことをあきらめてしまっている、
という人も多いのではないだろうか。

この本は、
「思考の現実化」の
自分の人生への影響を理解し、
人生を主体的に生きることで
人生をより良くしていこう

というメッセージだと受け取った。
ごもっともです。

いいことも悪いことも、
自分が引き寄せている。
事実自体に意味はなく、
自分の思考が意味付けしているだけ。

だとしたら、いいものと意味付けられる方が、
人生が良いものと感じられるはず。
そしてそれは、訓練次第なのですね。


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感想メモ:リーマンショック後の資産を守る不動産活用術!

白岩 貢,浅野 和治
ごま書房新社 2011-05-06
¥ 1,575

★★★☆☆

「資産を守る」ときに一番考えなくてはいけないのは、相続税対策。
親が元気なときうちには、話し出しづらい話題。
しかし、判断力があるうちに話を決めておかないと、
それこそ血のつながった兄弟で争い合う、ということも珍しくないそうだ。

著者の白岩氏の体験談はすさまじい。
まさに何も決めていない状態で父親が亡くなり、
誰も知らなかった資産が残された。
兄夫婦の裏切り、数年に渡る戦い。
心労から心筋梗塞にもなったとのこと。

相続税なんて関係ない、と思う方も多いだろうが、
控除が縮小する方向であるようだ。
都内に土地があれば、かなりの割合の人が関係してくるのではないか。

後半は、物納による相続税対策について事例が紹介されている。
知っているかいないかだけで、何千万という差が出る世界。
特に親御さんが土地を持っている方は、
一読しておく価値がある本です。

白岩 貢,浅野 和治
ごま書房新社 2011-05-06
¥ 1,575


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感想メモ:臆病者のための裁判入門

★★★☆☆

裁判の中でも、特に件数が多く、
年間100万件もある少額民事訴訟について。

裁判というと、弁護士同士が法廷で議論を戦わせるイメージがあるが、
少額民事訴訟では、少なくともどちらかが本人訴訟のケースが7割に及ぶ。
というのも、額が小さいため、弁護士が相手にしないから。

本書の前半は、オーストラリア人の友人が交通事故にあった際に、
保険会社の対応が明らかに不誠実だったため、
代理人として著者(橘玲氏)が関わったという一件について。
実例だけに、読んでいておもしろい。

訴訟というと、巻き込まれたことがない人が多いだろう。
しかし、一生巻き込まれないという保証はない。
いざという時のために、知っておきたいこと。

本書は体験談がメインなので、おもしろく読め、
その上知識も身につくという点でオススメです。


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読んできた本の内容をまとめて紹介。