マクスウェル・マルツ
きこ書房 2009-03-27
¥ 1,620
★★★★★
イメージトレーニングやセルフイメージについての本。
今でこそよく聞く?言葉だが、この本の出版は1960年で。
つまり、「セルフイメージ」の元祖っぽい本。
「道は開ける」「7つの習慣」にも影響を与えたそうだ。
著者は形成外科医。
整形手術をすると、引っ込み思案だった性格が変わり、
仕事もプライベートも大きく変化した、という患者さんが
何百人もいたそうだ。
一方、手術をして、気にしていた外見が
大きく変わったにもかかわらず、
以前と変わらず見た目を気にし続け、変化がない人もいた。
となると、重要なのは、見た目そのものではなく、
自分が自分をどう思っているか、
つまりセルフイメージの方なのではないか、
と気付いたのが研究の始まりなのだそうだ。
そしてその仮説はその通りだった。
自己イメージを変えるようにと教えられただけで、
学生の成績にもセールスパーソンの売上にも
奇跡的な変化が起きたのである(p33)
後には、経営者やオリンピック選手の指導まで
するようになった、ということだ。
自分がどのようなセルフイメージを持っているのかは、
日常生活を送っているだけでは自覚しにくい。
それでいて、自分の人生に大きな影響を与えているようだ。
目標やターゲットの決め方、
それに対する気持ちの持ち方、
習慣の作り方…学べることはとても多い本。
時間を取って考えてみることは、
かけたコストの割にリターンが大きい、
割の良い投資となるだろう。
以下、メモを取ったところなのだが、
すごい量になってしまったので、
興味がある方はどうぞ。
人間というのは、自分を取り巻く環境についての
知識や信念やイメージに対して反応するのである。
物事の実像に対してではなく、
物事について抱くイメージに従って、
感じたり行動したりしているのだ。(p81)
自分を、「他人」の基準で判断するのはやめよう。
あなたは、「他人」ではないし、
「他人」の基準に達する必要もない。
「他人」もまた、あなたの基準には達しないし、
達する必要もないのである。(p105)
人間の行動や感情は、思い込みから生まれる
ということを記憶に止めてほしい。
あなたの行動や感情を生み出した
思い込みを取り払うためには、
自分自身に「なぜ?」と尋ねてみる。(p116)
幸福は、心の習慣であり、心の態度である。
そして現在身につけて実践しなければ、
決して味わえないのである…
完全に幸せになりたければ、
「何々だから」幸せというのでなく、
理由など持ち出さず、ただ幸せでなければならない。(p145)
他人を頑固で意地が悪いと思うより、
たとえ間違っていても誠実だと
信じるほうが、人間関係がずっと円滑になり、
お互いを分かり合えるようになる。
だからこう自問してみよう。
「あの人にはこれがどう見えるのだろう?」(p165)
自分に対して抱く感情は、
他人に対して抱く感情と一致する傾向にある…
人に対して思いやりを強くすると、
自分に対する思いやりも必ず増す。
人をそれほど重要でないと思えば、
自分のこともあまり尊重しなくなる。(p169)
自分を受け入れるとは、現在の自分を、
長所だけでなく短所や過ちもすべて、
ありのままに受け入れることだ。
ネガティブな要素は自分の属性であって、
自分そのものではないとわかれば、
自分を受け入れるのはやさしくなる。(p177)
虚しさを感じるのは、
創造的な生き方をしていない証拠だ。
自分にとって大切な目標がないか、
あるいは大切な目標に向けて
才能や努力を傾けていないかの、
どちらかである。(p199)
気にするべきものは、
他人ではなく自分の反応なのだ。
人間は緊張すると、怒ったり、
不安を覚えたり、傷ついてうらんだりする。
しかしリラックスして反応をやめると、
傷つかずにすむのである。(p210)
他人の発言(あるいは視線)の真意に心を悩ませて、
どれほど多くの時間を費やしてきただろうか?
あなたが気をもんでいる一方で、
当の相手はとっくにその出来事を忘れ、
いろいろな人や場所や物事に
関心を移しているものなのだ。(p231)
創造的な行動を意識的に起こそうと頑張りすぎると、
逆にそれができなくなってしまう。
ただ目標や最終的な結果を決めるだけのほうが、
ずっと簡単で効果的だ。(p274)
ネガティブな感情は、意識的な努力や
意思のパワーでは追い払えない。
だが、別の感情でなら追い払える。
ネガティブな感情を正面攻撃で駆逐できなくても、
ポジティブな感情に置き換えることで
結果的に駆逐できるのだ。(p279)
マクスウェル・マルツ
きこ書房 2009-03-27
¥ 1,620