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感想メモ:インナーゲーム

インナーゲーム
インナーゲーム
  • 発売元: 日刊スポーツ出版社
  • 発売日: 1976/07
新インナーゲーム―心で勝つ!集中の科学
新インナーゲーム―心で勝つ!集中の科学
  • 発売元: 日刊スポーツ出版社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2000/06

★★★★★

スポーツがなかなか思い通りにいかないのは、
経験者なら誰しも感じていることだろう。

うまくいかない理由を分析し、「次は気をつけよう」と思うのだが、
気にすればするほど手が縮こまって、全体のバランスが崩れて
ミスを繰り返してしまう…

一方で、何をやってもうまくいくような無我の境地、
いわゆる「Zone」という状態も存在するらしい。
経験的にも、うまくいっているときの感覚というのは、
後で聞かれても覚えていなかったり、イメージが浮かんで
それに従っていたりするので、言葉では表現しづらいものだ。

すると、次の疑問は誰しもが興味のあるところだろう。

しかしながら、この”無我夢中”の境地は意識的に作り出せるのだろうか。
どうやったら意識的に”無意識”状態に達することができるのだろう。

この本にはテニスコーチである著者がたどり着いた方法が書かれている。
ポイントは、自分を2つに分けること。
セルフ1、つまり自分に命令し、ついでに自分をののしったりする自我。
セルフ2、つまり命令を受けて実行する自分。寡黙に命令を実行する。
色々理不尽な命令や罵倒を受け、しばしば混乱する。
詳細は、ぜひ実際に本を読んでみて欲しい。

もう一つ、興味深かった点がある。
最後にある、「スポーツに臨む姿勢」についての話だ。
何のためにスポーツをするのか、ということだ。
自分を高めるため?相手に勝つため?友達を作るため?健康のため?
この問いに対して、著者は一つの見解を出している。

「勝つために」プレーすることは、実にすばらしいことだ。
私は試合の勝負は気にしないが、常に勝とうとしている。

こちらも詳細は、実際に本を読んでみて欲しい。
読む価値がある。

実はこの本の初版の発刊は1976年。
登場するプロ選手の名前は当然ながら時代遅れなのだが、
議論の中身については、全くもって現在でも通用するものばかり。
それだけ、スポーツとは精神的な要素が大きく、
その精神面のコントロールこそが難しい、ということだろう。
新版(2000年)が出ているので、今読むならそちらの方がよいだろう。

スポーツをする全ての人にとって、読む価値がある本
オススメ度は★5つ!

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感想メモ:最新スポーツビジネスの動向とカラクリがよーくわかる本

★★★☆☆

スポーツは自分でやって楽しんだり、健康を維持したり、
観て楽しんだりと色々だ。
ではその裏側は一体どうなってるんだろう?

と思ってざっと読んでみたが、あまりカラクリはわからなかった。
相撲と野球は年配の人が好きだが、
若い人になると人気が下がりサッカーは逆の傾向だとか、
プロ選手は一部の人以外引退後が厳しいとか、
マネジメント側の人が足りないとか、
スポーツ関連にも資格が色々あるとか。
結構残ってるか。

また、以下のような雑学的な知識が身についた。

・最もプロ選手が多いスポーツはゴルフ。約4600人。
 次が競輪で約3600人。次がボクシングで約3100人。
 野球は約700人、サッカーは約1000人。
 →結構意外

・運動の実施率は年々上がっている
 →健康が気になる人が増えているのかな

・アメリカのフィットネスクラブ参加率が15%を超えて世界一
 オランダが同じくらいの二位。日本は3%
 →15%って相当多いのでは。

スポーツが好きな人は、ざっと目を通してみると、
へぇ〜という発見があるのではないだろうか。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:運動会で1番になる方法

運動会で1番になる方法―1ヶ月で足が速くなる股関節活性化ドリル
運動会で1番になる方法―1ヶ月で足が速くなる股関節活性化ドリル
  • 発売元: アスキー
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2004/10

★★★☆☆

著者は東大の深代教授。
陸上短距離では、アフリカ系を除くと
世界で最も速い記録を持っているのは、実は日本人。
それは近年の研究の結果、体幹と股関節を活かすことが
重要だとわかってきたから。
そこで、紹介しているドリルに従って
股関節を活性化させると、足が速くなりますよ!
という内容。

股関節を活性化させるとは、腸腰筋を使うということ。
腸腰筋は足を上げる筋肉だが、一方太ももの筋肉でも
足を上げることはできる。
更に、腸腰筋は身体の奥深くにあるので意識しにくい。
従って、腸腰筋を活性化させようとしていたつもりが、
実は太ももが鍛わってましたこんにちは!
ということになる危険性がかなり高い。

正直、本を読んだだけで正しいトレーニングができるとは思えない。
そういう人のためにDVDもあるよ!
ということなのかもしれない。

体幹と股関節が重要、という内容自体は同意なのだが、
この本を読んでマスターできる人は一握りだろう。
ということで、オススメ度は★3つです。

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感想メモ:打撃の神髄-榎本喜八伝

打撃の神髄-榎本喜八伝
打撃の神髄-榎本喜八伝
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2005/04/27

★★★☆☆

イチローよりも早いペースで1000安打を達成した、
元祖安打製造機。
波が大きかったようだが、
稲尾や榎本に対してのみ、
肘に負担がかかるフォークボールを
投げていたというエピソードからも、
そのすごさは伝わってくる。

榎本のバッティングだが、
その完成には、なんと合気道が大きく
関わっている。
立ち方、体の使い方は合気道の師範から
教わってから、
バッティングの境地にたどり着いたそうなのだ。

いまでこそ、陸上の末續など
武道をスポーツにも活かすという流れがあり、
股関節の重要性も認識されている。
しかし当時は、やはり異端であったようだ。

榎本がその境地にいられたのは、
ごく短い間でしかなかった。
それは合気道の教えを体現できなくなったからなのか、
その教えに何かとても繊細な感覚のようなものが必要だったからなのか、
そのあたりはよくわからない。

榎本は今でいうと広島の前田が最も近いタイプだと思う。
コンスタントに結果を積み上げていく
イチローとの違いはどこにあるのか。
前田の場合は怪我に悩まされているが、
榎本の場合はどうなのだろうか。
知りたいところだ。

野球やスポーツが好きな人向け。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:「体幹」ランニング

「体幹」ランニング (MouRa)
「体幹」ランニング (MouRa)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2007/11/28

★★★☆☆

有森裕子らオリンピック選手から市民ランナーまで
数多くのランナーを指導してきた金哲彦氏。
体を効率良く使うことで、楽に、早く、
故障することなく走れるようになる、という。

体幹を使ったランニング。
とても理に適っていると思う。
重要なのは、丹田、肩甲骨、骨盤。
これらを活用するための簡単なトレーニングが紹介されている。

運動の本全般に関わることだが、
本で読んでどれだけ身につけられるかが問題。
幸い、この本に関しては、特集サイトで動画が豊富に観られる。
(特集が終わったようで見られません)
ランニング、金哲彦|「体幹」ランニング

内容についてもだいたい書かれているので、
本を買うよりもイメージがつかめて良いような気もする。
特に参考になったのが、下の2ページの動画。
ランニング、金哲彦|「体幹」ランニング(上から2つ目の)
第6回 実践編2〜さぁ、体幹で走ってみよう!

言っていることは非常に正論だし、
できればすばらしいに違いない。
ただ、本を読んでマスターできるかが問題。
やはり運動は、直接指導を受けないと難しい。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:東天の獅子 天の巻

東天の獅子〈第1巻〉天の巻・嘉納流柔術
東天の獅子〈第1巻〉天の巻・嘉納流柔術
  • 発売元: 双葉社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/10
東天の獅子〈第2巻〉天の巻・嘉納流柔術
東天の獅子〈第2巻〉天の巻・嘉納流柔術
  • 発売元: 双葉社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/10
東天の獅子〈第3巻〉天の巻・嘉納流柔術
東天の獅子〈第3巻〉天の巻・嘉納流柔術
  • 発売元: 双葉社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/11
東天の獅子 第4巻 天の巻・嘉納流柔術
東天の獅子 第4巻 天の巻・嘉納流柔術
  • 発売元: 双葉社
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/12

★★★★★

餓狼伝で有名な夢枕獏が描く、講道館設立当時の物語。
登場人物は、嘉納治五郎と講道館四天王、そして武田惣角や
他の古流武術家等。

現在の柔道とは異なる柔道の姿が底にはある。
かつての柔道というものは、このようなものだったのだろうか。
また、御式内という形で合気道も登場する。
合気道というのは、実戦向きではないと言われているが、
達人クラスになると極めて実戦向きだという気がする。
そして、この本でもそのように描かれている。

さすが夢枕獏、読み出すとぐいぐい読ませる。
どんどん読みたくなる筆力はすごい。
しかし私が本当にすごいと思ったのは、あとがきだったりする。

一日五〇枚、七〇枚を書くーーじきに六〇歳になるというのに、
こんなんでいいのかいなと思いながら、のってくると手は飛ぶように
動いてしまうのである。
脳内麻薬がさぞやたくさん出ていた事であろう。

やはりこの人も、仕事にものすごい情熱を持った人だと感じた。
格闘技が好きな人ならぜひよむべき。オススメ。★5つ。

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感想メモ:骨盤力

骨盤力 アスリートボディの取扱い説明書
骨盤力 アスリートボディの取扱い説明書
  • 発売元: ベースボール・マガジン社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2008/12/19

★★★★★

スイング系スポーツをやっている人は必読

シンクロ打法、ジャイロボールなどで有名な手塚一志氏による、
スイング系のスポーツ全般に通用する理論の本。

手塚氏と言えば日本の野球界でも有数の理論家であり、
かつ阪神などプロ野球選手の指導も行っているなど実績も文句なし。

これまでの理論のムダをそぎ落とし、シンプルにまとめた結果、
野球以外のスイング系全般に通用する理論となっている。
テニス、ゴルフ、バドミントン、卓球、バレーボール、ソフトボール、
ハンドボール、陸上・・・・

つまるところ、スポーツをやる人は読んでおいて損はない。
というか知っておくべき。

手塚氏の提唱するクオ・メソッドは、以下の6段階からなる。

  1. 骨盤帯3分割
    仙腸関節を動かす
  2. かませ
    弓状線を後ろに引き、後ろ足に乗る
  3. 弓状線から先端部までの連結
    骨盤から意識でつなぐ
  4. タメ
    開かないで平行移動し運動量を生む
  5. ブラッシング
    左右の骨盤を切り替える
    後ろに引いた右の弓状線を前に
    前にあった左の弓状線を後ろにすり合わせるイメージ
  6. パンチング
    腕の意識はゼロで腕を前に飛ばす

基本は、末端ではなく体の中心に意識を置くことだと考えて間違いない。
あとはダブルスピンも知っておくと良いが、ここでは紹介しない。

骨盤の操作に意識を集中する。
このことによるメリットは大きく2つある。

1つ目は、全身の力を使うことで大きな力を発揮できるということ。

体は、大きい筋肉ほど大きい力を発揮できる。
骨盤を起点として力を発揮すれば、腹筋、背筋など
胴体の大きい筋肉を使うことができる。
そのため、腕の力だけに頼る場合よりも大きな力を発揮できる。

2つ目は、調子を崩しにくくなるということ。

多くのスポーツで共通して言えるのは、硬くなって
手や腕を意識してしまうと、ろくなことがないということ。
手打ち、手投げという言葉がある通り。
誰しも思い当たる節があるだろう。

骨盤に意識をおいていれば、腕に意識が集中することを防ぎ、
全身のバランスを失いにくくなるということ。
実際、文中は「腕は完全脱力が望ましい」と書かれている。

手塚氏は「ピッチングの正体」「バッティングの正体」「魔球の正体」
からずっとチェックしているが、この「骨盤力」になって
理論的にもシンプルでわかりやすくなっていると感じる。

回内など知っているのといないのとでは、肘の故障にも繋がる。
手塚氏の本の中でもオススメの1冊。スポーツをやる人には★5つ。

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感想メモ:変化球習得メソッド

切れ味バツグン!! 変化球習得メソッド
切れ味バツグン!! 変化球習得メソッド
  • 発売元: 高橋書店
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2009/07/17

★★★★☆

変化球のリリースと球の回転を確認できる映像付き

DVDで、変化球のリリースと球の回転を映像で見ることができる。
変化球はスライダー、カットボール、カーブ、フォーク、2シームフォーク。

基本的に、なるべくストレートに近い投げ方で説明されている。
理由は、少年に無理なく投げられるようにするためである。
従って、慣れてきたら握りを変えたりするともっと曲がるだろう。
(特にスライダーなど)

この本のメリットは、ボールの握りやリリースの瞬間、回転のかかり方などが
動画で説明されているので、イメージがわきやすいという点。
これにより、今まで漠然と頭で持っていたボールの回転のイメージが、
現実とはかなり異なっていることなどもわかる。

野球経験者でも、ピッチャー以外は変化球の投げ方などまともに習わないだろうから、
こういった本で勉強するのは役に立つと思う。
野球をやっている人には★4つ。

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感想メモ:プロ野球の一流たち

プロ野球の一流たち (講談社現代新書 1941)
プロ野球の一流たち (講談社現代新書 1941)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 798
  • 発売日: 2008/05/20

★★★☆☆

 野村克也、中西太、大野豊、古田敦也、東尾修、渡辺俊介、山崎武司、工藤公康。
そうそうたる顔ぶれに対するインタビューが可能なのは、
著者の野球界での知名度の為せる技なのだろう。

 各人が語る内容は深く、また互いに異なる部分が多いことも興味深い。
しかし私が最も強く感じたことは、やはり野村の野球に対する洞察の深さなのだった。

 野球好きなら、おもしろく読める部分が多いのでは。★3つ。

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感想メモ:オシムの言葉

オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える
オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える
  • 発売元: 集英社インターナショナル
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2005/12

★★★★☆

 サラエボ生まれで元ユーゴ代表監督として、ユーゴをベスト8に導いた。
また、日本代表監督時代には任期中に脳梗塞で倒れ、
後任が岡田監督となったという経緯は記憶に新しい。

 しかし、サッカーにあまり興味を持っていない私は、
・オシム監督ってすごい人なの?
・オシム監督がどういうスタイルの監督なの?
ということを全く知らなかった。この本からは、こういったことが理解できる。

 監督の評価は、選手や他チームの監督に聞くのが良い。
厳しい監督であっても、結果が伴うのであれば選手は監督を評価する。
逆にやさしい監督であっても、結果が伴わなければ評価しない。
選手が一流の選手であればあるほど、そうである。
そしてオシム監督の選手からの評価は、前者である。

 オシム監督は「走るサッカー」を基本とするため、練習は非常に厳しい。
しかしついていくと、必ず結果が伴う。
そこで選手はやる気が出てくる。
そしてついて行けばいいのだと信頼する。

 さらに彼は、一人一人を非常によく見ている。
その結果、ストイコビッチなどの超一流選手をはじめ、
ユーゴの選手、日本の選手一人ひとりの信頼も厚い。

 こうした求心力を元にチームとしての方向性も定まり、
結果として、選手層が決して厚くないジェフにおいて、
3年でチームを優勝に導いている。
ユーゴ代表での結果をはじめ、実績も見事である。

 その裏にあるのは、数学者であるオシム監督の
サッカー哲学ともいうべき、ものの考え方である。
この点については本の中でふんだんに語られている。

 ということで、サッカーに興味がない私も彼はすごいのだなとわかった。
どうすれば人のモチベーションを上げ、成果を出すことができるのか。
そのヒントにもなる一冊。★4つ。

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