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感想メモ:ジャイロボール

ジャイロボール
ジャイロボール
  • 著者: 手塚 一志
  • 発売元: ベースボールマガジン社
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2007/06

★★★☆☆

著者の手塚一志氏が提唱したジャイロボール。
海外のマスコミなどから「魔球」と騒がれ、
「超曲がる変化球らしい」などと情報が錯綜してきた。
そこで、本家として正しい情報を伝えるために書かれた本。

ジャイロボールについては、
だいたい以下のような理解でよい。

  • ジャイロボールは左右への変化はない、ストレートの仲間
  • しかしストレートのようなバックスピンではなく、
    回転軸が正面を向く(アメフトのボールのような回転)
  • 4シーム、2シームの2種類がある
  • 4シームは空気抵抗が小さく、伸びるように感じる
  • 2シームは空気抵抗が大きく、変化しないのになかなか届かない
  • 4シームを投げることがあるのが松坂、2シームを投げることがあるのが川尻、渡辺
  • 投げ方は、スライダーやカットボールが近い
  • オーバースローよりも、サイドやアンダースローの方が投げやすい

実際にこういうボールを投げる人を見たことがないので、
どれくらいすごいのかがわからないのだが、きっとすごいのだろう。

変化球というのは実はかなり奥が深くて、マニアックなもの。
ボールの縫い目が、ボールの変化に重要な役割を果たす、
ということは知っておいても良いかもしれない。
オススメ度は★3つです。

実際に役立てる(ジャイロボールを投げる)ことができるようになる人は
ほとんどいないだろうが、野球やスポーツが好きな人は、雑学として。

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感想メモ:小娘たちに飛距離で負けないための授業

小娘たちに飛距離で負けないための授業―物理の力で宮里藍を抜け!HS40で250ヤード打法 (ゴルフダイジェスト新書)
小娘たちに飛距離で負けないための授業―物理の力で宮里藍を抜け!HS40で250ヤード打法 (ゴルフダイジェスト新書)
  • 著者: 八木 一正
  • 発売元: ゴルフダイジェスト社
  • 価格: ¥ 900
  • 発売日: 2006/09

★★★☆☆

パワーは体重に比例するから、華奢な女子プロゴルファーよりも
その辺の男性の方がパワーはあるはず。
なのに、飛距離ではかなわなかったりする。
それは、体の使い方が違うからだ。

著者は物理の先生で、ゴルフのスイングを物理的に分析した本。
「スーパージャイロ打法」という打ち方を提唱されているが、
手塚一志氏の「バッティングの真実」などで言われている「ダブルスピン」のこと。
背骨の第1軸と、両腕を軸にした第2軸の二つの回転を使ってホニャララ、という話。

また、「頭を動かすな」などの常識が、現実とは違っていることが示されている。

藍ちゃんがスタートの位置から最も右に寄った時の頭の位置は、
なんと22センチも右(飛球線後方)です。
それもダウンスウィングからインパクトの前後にボールが飛ぶ方向とは逆向きに、
頭を移動しながらスウィングしているではありませんか。

飛距離を伸ばすと言うと、ついウエイトトレーニングと安易に考えがち。
しかしそれ以前にやるべきことはある。
理にかなった体の使い方をすること、
そしてそれ以前に、体の力を活かせるスイングができる体にすること、
体の一部分を酷使していると、練習を重ねれば重ねるほど、
負担がかかってケガにつながってしまうからだ。

などと、ゴルフも別にやらない私が書いてみるテスト。

特に深く考えることなくしている動作の、
物理的な意味を知っておくのはよいことだと思います。
メンタル面は、インナーゲームがオススメです。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:野村克也 知略と戦略

野村克也 知略と戦略
野村克也 知略と戦略
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2009/11/05

★★★☆☆

野村監督の本は何冊か読んでいるが、やはりこの人はすごい。
日本の野球界の監督としては、トップの実力の持ち主だろう。

選手としても超一流だった。
人がやっていないことをやってきた人。
パイオニアだ。

そのベースは、やはり知性。
だからこそ、他の人に対しても知性も評価するのだろう。

どういう人を本物というのか、自分なりに考えると、
ああ本物だ、と感じるのはやはり『知性』ですよ。

他の人がそうしているからと言って鵜呑みにせず、
自分が正しいと考えた道を追求する姿勢。
自分の頭で考えて、実行する。
当たり前のことだが、なかなかできないものだ。
しばらく意識してみようと思う。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:八月のトルネード

八月のトルネード
八月のトルネード
  • 発売元: ベストセラーズ
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2009/05/16

★★★☆☆

野茂英雄の渡米、2009年第2回WBCの優勝など、
野球についての記事をまとめた本。

今では、日本人メジャーリーガーも10人を超え、珍しいものではなくなった。
その一人目が野茂だったのは、良いことだったのだと思う。
メジャー両リーグでノーヒットノーランを達成したことなど、
野茂の功績は、イチローに次いですごいものだと思う。

他にも、駒大苫小牧、清原、山井の完全試合目前の交代など、
色々な話が出てくる。野球好きの人であればおもしろく読めるでしょう。
オススメ度は★3つです。

野茂すごいなぁ。

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感想メモ:君ならできる

君ならできる
君ならできる
  • 発売元: 幻冬舎
  • 発売日: 2000/09

★★★☆☆

小出監督がシドニー五輪直前に書いた本。
選手との接し方や指導法、
指導者としての信念などが書かれているのだが、
やはり高橋尚子についての話題が興味をそそった。

その高橋のことだが、「シドニーで金を取る」と書いてある。
実際、ぶっちぎりで金を取ったのは周知の通り。
すごい。

高橋が走るのが好きでたまらないとは知っていたが、
練習量は有森の倍ほどで、男子でもできないくらい
ハードな練習を積んでいた、という下りは驚いた。
しかも、ほうっておくと、練習後に勝手に
走りに行ってしまうというから尋常ではない。

有森も、これ以上できないというくらいの練習を積んでオリンピックに臨み、
そしてメダルホルダーとなった。
しかし、金メダルを取る人というのは突き抜けているのだなぁ。
高橋が特別なのかもしれないが。

私たち監督も人間、ときにはカーッとすることもある。
だが、自分が好きでやっているのだから、
「もう嫌だ」と思ったらそれで終わりだ。
そうではなくて、「ああ、これで遊ばせてもらっている。
人生を好きにさせてもらっているんだな」
と思えば、苦にならなくなる。

ちなみに高橋がなぜQちゃんと呼ばれているのかのエピソードを
この本で初めて知ったのだが、驚愕した。
高橋尚子、そんな人だったとは…
知らない人は、自分で確かめてみて欲しい。

他にも、レースのタイムをかなりの精度で予測したりと、
素人にはよくわからない小出監督の力量も垣間見えて、
本当にすごい人なのだなと感じられた。

スポーツ好きな人、指導をしている人は
何かしらの気づきが得られるでしょう。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:平直行の格闘技のおもちゃ箱

平直行の格闘技のおもちゃ箱
平直行の格闘技のおもちゃ箱
  • 発売元: 福昌堂
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2006/01

★★★★☆

私はあまり詳しくないのだが、
「技のおもちゃ箱」の異名をとった平直之氏。
センスにあふれた人なのは確かだろうが、
いくつか注目すべき点があった。

生活費を稼ぐため、飲食店でバイトをしているときの話が出てくる。
複数のオーダーに対し、手早く、それでいて質の高い料理を提供しなくてはいけない。
一瞬で段取りを決め、複数のことを同時にこなす。

おもしろいことに、著者はここに格闘技との共通点を見い出す。
格闘技も、攻撃に100%集中してしまう人は強くなれない。
攻撃しながらも防御を考え、その次の行動も瞬時に
判断し続けなければならないからだ。

日常全てが上達のヒントになる。
何事でも、一流になる人というのは、こういうものなのかなと感じた。

もう一つ注目した点は、多くの達人に出会い、
そして様々なことを教えてもらっていることだ。
それは、平氏が深興味とい探究心を持っていて、
教える方も教えたくなってしまうのだろう。

そういった達人たちの言葉に触れることができるのも、この本の魅力。
例えば、次はアンディ・フグの言葉。

「いいか、できないって思うならやるな」
「できないことに、チャレンジする心が大切なんだ」
「できないことをあきらめないで、工夫して、
絶対できるようにする」
「もしできる可能性があっても、あきらめたらそこで終わる。
もう少しだけ頑張ればできたのに」
「これが、練習だ」

他にも良い言葉にたくさん触れられる。

そういった探究の末にたどり着いたのが、
「心と身体を合わせて闘う」
ということだそうだ。

考える前に身体が勝手に動くのだ。
やることを考えてから身体が動くのではない。
やってから、やったことに気がつくのだ。

自分にも、ふとひらめいて、後でやろうとしても
できないようなことができたという経験がある。
人間には元来すごい性能が備わっていて、
それを使いこなせる人が達人なのだろう。

と、格闘技とあまり関係がないことばかり書いたが、
ボクシング、空手、バーリトゥード、グレイシー柔術など、
主題の格闘技についても盛りだくさん。
そちらに興味がある人も、もちろん楽しめる。

予想以上に、おもしろい本でした。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:宇津木魂 女子ソフトはなぜ金メダルが獲れたのか

宇津木魂 女子ソフトはなぜ金メダルが獲れたのか (文春新書)
宇津木魂 女子ソフトはなぜ金メダルが獲れたのか (文春新書)
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 777
  • 発売日: 2008/10/16

★★★★☆

北京五輪で見事金メダルを勝ち取った、女子ソフトボール。
シドニーで銀メダル、アテネで銅メダルを取った時の、
宇津木妙子元全日本監督が語る、指導哲学。

という帯になっているが、それだけではない。
シドニー、アテネ、北京の裏側もわかり、おもしろい。

もちろん人間ですから、話しやすい選手と話しにくい選手がいます。
気が合う・合わないというタイプの問題もあります。
でも、選手にソフトボールに対する情熱があって、
指導者に実力主義と配慮があれば、そんな壁は簡単に乗り越えられるのです。
監督と選手が一度もぶつかり合ったことがないとすれば、
それはソフトボールに真剣に取り組んでいないからなのです。

新書サイズということもあり、一気に読めた。
この人は熱い。相当熱い。
確かに厳しいが、その中にも愛があるからこそ、選手は付いてくるのだろう。

スポーツをしている人も、そうでない人も参考になる部分が多いでしょう。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:伝説のプロ野球選手に会いに行く

伝説のプロ野球選手に会いに行く
伝説のプロ野球選手に会いに行く
  • 発売元: 白夜書房
  • 価格: ¥ 1,600
  • 発売日: 2008/09/20

★★☆☆☆

苅田久徳、千葉茂、金田正一、杉下茂、中西太、吉田義男、
西本幸男、小鶴誠、稲尾和久、関根潤三。
野球が好きな人なら、名前は知っている人が多いだろう。

が、実際にどういう球を投げる、どういうスイングをする、
どんなプレイヤーだったのかはあまり知らない。
ましてや、どういう人物なのかは知らない。

これらの人々に、実際に会いに行ったインタビューを
まとめたのがこの本。
会いに行くまでが大変だったり、会ってからも
機嫌を取りつつ話を進めるのが難しかったりする。
その過程も描かれているのがほほ笑ましい。
が、それはこの本を手に取る人の期待とは違う部分だろう。

オススメ度は★2つです。
彼らのプレイを知っている人や、野球好きなら+1補正です。

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感想メモ:イチロー心理

イチロー心理
イチロー心理
  • 発売元: 東邦出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2010/03

★★★☆☆

見開き2ページの、1ページ目にイチローの言葉、
2ページ目にその解説、というスタイルで78項目並べられている。
「イチロー思考」シリーズの第5弾らしい。
ちなみに1〜4は、「思考」「頭脳」「哲学」「脳力」。
おそらくこれらの単語にはそれほど意味はないと思われる。

1ページの解説なので、当然深い話にはならない。
それでも、さすがイチローいいこと言った!
というところはあるので、そういう言葉を拾えばよいかと思う。

私が拾ったのは次の言葉たち。

「トレーニングって、なぜ、やるものなんでしょうか?
『これだけやったのだから』って、レベル低いですね」
「一番の逆境を経験できる機会なんてそうはありません。
すべてを困難な状況に持っていった上で目標を達成できたら、
その経験は大きな武器となりますから」
「僕は気に入った店を見つけると、そこに通い詰めになるんです。
もう、毎日のように行ってしまう」

イチローが昼食に毎日カレーを食べているというエピソードを
知っていた私は、上の話もなるほどな、そういう執着心が、
物事を凡人を遥かに超えるレベルまで突き詰める資質なのかもしれない、
と読んだわけだが、次の話を読んで仰天した。

「僕は去年のシーズン中、途中からカレーは食べてないんです。
日本から来てくれた昔からの知り合いの方に讃岐うどんを頂いたんですけど、
それがメチャクチャ美味しかったんですよ。今まで食べていたうどんと違って
コシがあって、僕のお昼はカレーからうどんになっちゃったんです。」

なんと!!
私の中ではイチローと言えばカレーだったのに!
それが讃岐うどんになってしまった。
ま、だからなんだと言う話ではある。

サラサラっと読めるので、イチローに興味がある人はぜひ。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:エースの品格 一流と二流の違いとは

エースの品格 一流と二流の違いとは (Clickシリーズ)
エースの品格 一流と二流の違いとは (Clickシリーズ)
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,050
  • 発売日: 2008/05/15

★★★☆☆

野村監督が語る、一流選手達の姿勢、哲学、
監督やコーチとして人を育てる方法など。

野球の選手としてプレイをし、また監督としてチームを導き
チームの優勝を目指す、という経験を通じての言葉だが、
他の分野にも全く問題なく通用する言葉が多い。
というのも、彼の哲学として、野球も人間形成が基本だと
しているからだ。

特に人を育てるという部分は、ほとんどの関係することであり、
頷ける部分は多いのではないか。

「根気よく、粘り強く」などと口にするのは簡単だが、そうはいかない。
人間は壁にぶつかると、都合のい理由を見つけて自分を騙し、納得させ、
あるいは逃避してその場をしのいでいくものだ。
そこからはもはや努力は生まれない。

物事に取り組む際の内面が、成果を左右するのは
どの分野でも同じであるようだ。

選手たちには「自分の可能性を自分で限定するな」と言いつけてある。
「どうせ俺はこんなもの」と思ったとたん、現状維持どころか
人間の力は落ちていく一方だ。

次の失敗についての考え方だって、
研究についても同じだし、ビジネスだって同じ。

私は、「失敗」と書いて「成長」と読むことにしている。
まさに読んで字の如し。失敗を生かせる者はそれを放置する者に勝る。
それが「変化」となって現れる。

次も同じく。

言い換えれば、他者と自分の「差」を明確に認め、
それをもとに独自の道を模索していくこと。
そして変化することを恐れず、勇気をもって行動していくことが
プロフェッショナルに求められる資質だと思う。
人は失敗して初めて自分の間違いに気がつくものだ。
その前に指示を出したところで選手は耳を貸さない。
(中略)
選手自身の知識欲、向上心が最高潮に高まった時を見計らい、
コーチは集中的に指導を行う。聞き入れ態勢が万全に整っているからだ。

野村監督関連の本はどれも結構おもしろい気がする。
やはり、あれだけものを考えてやってきた人の
頭の中を知ることができるというのが、
楽しいことだからなのだろう。
オススメ度は★3つです。野球好きは+1補正です。

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