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感想メモ:日本でいちばん大切にしたい会社

日本でいちばん大切にしたい会社
日本でいちばん大切にしたい会社
  • 発売元: あさ出版
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2008/03/21

★★★★★

 「この会社を大切にしたい」確かにそう思わせる会社が紹介されている本

 社員の7割が障害者の日本理化学工業、48年増収増益を続けた寒天メーカーの伊那食品工業、義肢メーカーの日本ブレイス、地域に生きるお菓子メーカー柳月、全国からお客様がやってくる家族経営の杉山フルーツ。どの会社にも共通することは、お客様だけを見ているのではないということ。そのことを、著者は「五人に対する使命と責任」という言葉で表現している。

 五人とは1.社員とその家族、2.外注先・下請け企業の社員、3.顧客、4.地域社会、5.株主である。中でも、上に挙げた会社に共通しているのは、顧客だけでなくまず社員を大事にしていること、だからこと社員がその会社で働いていることに感謝と誇りを持っていることである。このことこそが、これらの会社を業績面でも光らせていることなのだろう。

 しかしそれが、難しい。周りを見回してみて、社員が感謝と誇りを持ってイキイキと働いている会社がいくつ思い浮かぶだろうか。残念ながらそのような会社は多くないというのが現状だろう。

 どの会社の紹介も感動的な話が多いのだが、それだけでなく働くということについても考えさせられる本。万人にオススメできる良著。★5つ。

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感想メモ:「食糧危機」をあおってはいけない

「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks)
「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks)
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,150
  • 発売日: 2009/03/26

★★★★★

 データに基づいた説得力のある議論

 人口増加。資源の枯渇。低い食糧自給率。食糧危機を煽る風説は、世間に一定の理解を得ている。しかしその内容は正しいのか?と聞かれれば、「知らない」というのが普通の人の答えだろう。一方、その問いに「否」と答えるのが本書である。

 著者は農水省で世界の食料生産見通しなどの研究を行い、現在東大農学部の助教授をしている識者。タイトルは軽いが、しっかりとデータに基づいた議論がなされていて説得力がある。

  • 中国、インドなどの経済成長での食糧消費増加で食糧危機?→NO
    →肉を食べる量が増えるという仮定に基づいている。中国の飼育用食糧はブラジル産大豆のしぼりかすで賄われた。インドは肉を食べない。
  • 人口爆発で食糧危機?→NO
    →アジア主要国の出生率は既に2以下。
  • 食糧生産量は限界?→NO
    →世界に休耕地は多い。生産効率化も進んでいる地域の方が少ない。食糧生産量は需要に合わせられているだけ。
  • バイオ燃料で今後食糧不足に?
    →NO。アメリカのバイオ燃料施策は農業保護。トウモロコシはブラジルのサトウキビに価格競争力で勝ち目がない。
  • 食糧自給率はカロリーベース。肉の消費量が増えると、飼料が輸入に頼っているため計算上自給率が下がるという寸法。

 まとめると、食糧は余っている。買ってくれるところがないから作らないだけ。生産余力は十分ある。食糧の入手先は多様。全ての国が同時に輸出を禁じることは考えられない。よって食糧危機は来ない。

 あらまぁ。食糧危機説って農水省のプロパガンダなの?

 ということでおもしろかった。良著。オススメの★5つ。


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感想メモ:ザ・マインドマップ

ザ・マインドマップ
ザ・マインドマップ
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 2005/11/03

★★★★★

 マインドマップの元祖トニー・プザン氏による、マインドマップの公式紹介本。マインドマップの情報は溢れているので説明は省くが、非常に使えるので知っておいて損はないと思う。ただプザン氏によると「マインドマップとは呼べない、マインドマップ的なもの」も多いので、まずはこの本で本家の言う「マインドマップ」とはどういうものかを知っておくと良いだろう。

 本家のマインドマップは、色は4色以上、絵を使う、枝を自由な角度に伸ばす、など少々厳密。ただ、その方が脳へ定着しやすいということなのだろう。ただしいつでも丁寧にマインドマップを作る余裕があるとも限らないので、個人的にはわかった上で簡易版のマインドマップ的なものを描くのはありだと思う。

 試してみた感想としては、学生の時に知っていたら、ノートのとり方が全く違っていただろうし、理解の質も上がっていたろうに、と思う。勉強だけなく、様々な「考える」シチュエーションでマインドマップは非常に役に立つ。学生も社会人もとりあえず読むべき。★5つ。

 ちなみにプザン氏が認めるマインドマップ作成ソフトは「iMindmap」だけだそうだ。ただ、残念なことに、Mac版は現状使い物にならない。

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感想メモ:決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法

決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)
決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)
  • 発売元: 朝日新聞社
  • 価格: ¥ 756
  • 発売日: 2007/05/11

★★★★★

 なんとなく会計を勉強したい、という人にとてもオススメできる本。私が読んだ「わかりやすい会計の本」の中では最も良い。その理由は、B/S、P/L、CSを「つながり」を持って説明していることにある。

 事業の流れとしては、「お金を集め」「何かに投資し」「利益を上げる」という3つがある。これがそれぞれ「B/Sの右側」「B/Sの左側」「P/L」との「つながり」がある。「B/Sの右でお金の集め」「B/Sの左で投資し」「P/Lで利益を出す」と考えれば、とてもスッキリする。

 またこの3つが、CSの「財務CF」「投資CF」「営業CF」との「つながり」もある。そしてP/Lの「当期純利益」がB/S右下の「繰越利益余剰金」に現れるという「つながり」もある。お金を集めるには「借りる」「資本を入れてもらう」他に「自分で稼ぐ」という手があるからだ。そしてこの「繰越利益剰余金」は新しい資産としてB/S左側に現れる。

 これらの基本を説明した後に、それを踏まえて架空の事業で財務3表がどう動くかをシミュレートする。この実践例を全てこなしたら、かなり身になるだろう。知識は、意味と関連性を考えることで定着しやすくなるという良い例。

 全ての社会人にオススメ。★5つ。


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感想メモ:報酬主義をこえて

報酬主義をこえて (叢書・ウニベルシタス)
報酬主義をこえて (叢書・ウニベルシタス)
  • 発売元: 法政大学出版局
  • 価格: ¥ 6,090
  • 発売日: 2001/02

★★★★★

子供が良い成績を取ったらごほうびをあげる。
企業業績と給料を連動させる。
こういった報酬による動機付けは、世の中に広く浸透している。

 報酬は、確かに短期的に人の行動をコントロールすることができる(行動主義)。
しかし、
「報酬が行うのは報酬そのものに対する欲求(外的動機付け)」
であり、
「行動そのものを行う喜び(内的動機付け)を生み出すことはない」
というのが著者の主張である。

そればかりでなく、報酬の弊害は大きい。

  • 報酬を与えられない場合、罰として作用する
  • 人間関係を破壊する:他人の足を引っ張ることが自分の利益に繋がる
  • 冒険に水をさす:求められること以上のことをするのは無駄になる

 そして報酬の最も大きい弊害は、
対象への興味を損なうことである。

私は、全ての報酬が悪だとは思わない。
子供の勉強などを思い返してみれば、
きっかけは報酬だが、やがて内的動機付けが生まれてくる、
というケースもあると思うからだ。

そして、報酬をなくすことはできそうもない。
ならば、報酬の害を最小限にするにはどうしたらいいだろうか?

  • 報酬は小さくこっそりと
  • 相対評価にしない
  • 課題と似たものに
  • もらう方に選択の余地を

つまるところ、子供や従業員が、
勉強や仕事自体を楽しむようにするには、
どうしたらよいのだろうか?

その鍵として3つのCが紹介されている。 

  • 協力(COLLABORATION):チームワーク
  • 内容(CONTENT):意味があると感じられること
  • 選択(CHOICE):やり方を自分で決められること

である。

つまるところ、人間は、
意味がないと思われることをやらされるのは嫌い
で、
意味があると思えることを、
仲間たちと、自由に(と思えるように)やれると一生懸命になる

ようだ。

なんとなくわかってはいたことだが、
理解が深まってとてもおもしろく読めた。
オススメ度は★5つです!
ちょっとお高いので、図書館などで。

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感想メモ:脳が教える! 1つの習慣

脳が教える! 1つの習慣
脳が教える! 1つの習慣
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2008/07/05

★★★★★

 目標を達成したい。何かを成し遂げたい。
そのときに効果を発揮する「1つの習慣」。それが、

「小さなことから始める」

ということだ。

 なぜだろう?
脳は、大きな変化を必要とする大きな目標を立ててると、
脳は難しく感じて抵抗する「ようにできている」のだ。
生物として、生存確率が低くなることは避けたいだろうから、
そうなってしまっているのだから、しょうがない。

しかし「ダイエットする」という大きな目標を、
「珈琲に入れる砂糖の最初の一杯を少なくする」
というような小さな目標から始めれば、
一歩目を楽に踏み出すことができる。

 この「一歩踏み出す」ことが大事なのだ。
一歩出てしまえば、二歩目を出すのは一歩目よりもずっと簡単。
そして三歩、四歩と続けていくのも、難しいことではないのは、
誰しも経験があることだろう。

つまり、0歩と1歩の間の谷をいかに超えるかが肝心で、
そのためには「1歩目を小さくすること」が非常に有効なのだ。

 他にも

  • 「自分に小さな質問をする」
  • 「脳はイメージと行動を区別できない」
  • 「小さな行動を起こす」
  • 「小さなごほうびを与える」

 など、おもしろい内容が続く。

 「目標の最初の一歩は小さく」と覚えておくだけで、
自分をコントロールする上でもとても実用的。

「小さなことからコツコツと」は、
脳科学的にも正しいことだったのだなぁ。
オススメ度は★5つです!

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感想メモ:道は開ける

道は開ける 新装版
道は開ける 新装版
  • 発売元: 創元社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 1999/10

★★★★★

 デール・カーネギーの名著。
タイトルからは「成功のための秘訣が書いてあるのか?」と思うが、
実はそうでもない。

主題は
「悩みをどうコントロールするか」
というもの。
「悩み」をストレスと言い換えて、
ストレスマネージメントについての本と言っても良いかもしれない。

 悩みは想像以上に健康に大きな悪影響を及ぼす。
ストレスと胃潰瘍の関係は言うまでもなく、
心臓病や高血圧、その他様々な形で体をむしばんでいく。

一方、笑いが免疫を強めるなど、良い影響という形でも
精神と健康の関係は示されている。本書が語ることは、

悩みの原因を分析し、悩みを断ち、
平和な精神状態を手に入れよう

ということだ。

 第7部では、疲れを予防する方法についても書かれている。
疲労の多くの部分は精神的なものが原因で、
悩み、緊張、混乱
なのだそうだ。

疲労を抑制すれば、もちろん一日の中での活動時間も延びる。
時々短時間睡眠について話題になったりするが、
私は本書に書かれていることが一番有用だと感じた。

 本書は、日々の生活の助けになるlifehack本の元祖とも言える。
1984年の本だが、精神的な疲れがたまりがちな現代にも十分通用する内容だ。

 悩みと無縁な人などいないだろうから、
万人にオススメできるすばらしい本です。
オススメ度は★5つです。

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感想メモ:短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント

短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/09/29

★★★★★

 禁煙やダイエットは体に良いとわかっているのに続かない。
成果主義が従業員のモチベーションアップに繋がらない。
これらの理由と、どうすれば解決できるかを分かりやすく教えてくれる本。

 行動科学では、「人のやる気はフィードバックで左右される」と教える。
フィードバックのやり方次第で、モチベーションを高めることができるのだ。
この方法は、他人だけではなく自分のやる気の管理にも有効だ。

 やる気を高めるフィードバックの鍵は「PST」(Positive , 即時 , 確か)
禁煙やダイエットは「Positive」な結果が「確か」に得られるが、
はるか未来のことなのでモチベーションを喚起しない。
成果主義でも仕事に対するフィードバックが「即時」ではないので、
これまたフィードバックに繋がりにくい。

 逆に「PST」が満たされていれば、
フィードバックは高価なものである必要はないそうだ。

皆の前で賞状をもらえるとか、上司が一声掛けるとかでも構わない。
子供がご褒美としてシールを喜ぶのも、PSTを満たしているからなのだろう。

 「組織を変えるマネジメント」ということだが、
それ以上に自分のモチベーションの管理にも使えるな、ということ。
今後は自分へのご褒美もPSTを意識していこうと思った。

オススメの★5つです!

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感想メモ:隷属国家 日本の岐路

隷属国家 日本の岐路—今度は中国の天領になるのか?
隷属国家 日本の岐路—今度は中国の天領になるのか?
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/09/04

★★★★★

 著者はメルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」の著者北野氏。ニュースを追っているだけではわかりにくい国際問題について、考え方を与えてくれる本。

 日本の財政、外交、食料、エネルギーなどの各トピックについて、現状の問題点の指摘だけでなく、今後取るべき方策の提言まで踏み込んで行っている。その現実性についても、過去の他国の実例を引いているため、説得力がある。

 メルマガの方では、時事問題のに見方をリアルタイムで知ることができる。イラク戦争やグルジア問題などについて様々な予言をしていたが、かなり的中していた。こちらも合わせてオススメ。

 本もメルマガもかなり読みやすく書かれているため、お手軽に楽しんで国際感覚を養うことができる。しかし決して内容的が薄いということはない。多くの人に読んでもらって損はない、と思える数少ない本。★5つ。

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感想メモ:マッキンゼー流図解の技術

マッキンゼー流図解の技術
マッキンゼー流図解の技術
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 2004/08/20

★★★★★

 プレゼンでチャートを作ることがある全ての人にとって、
読んでおいて損はない本。

 チャートは理解を助けるための強力なツールだが、
使用法を誤るとその効果が得られず、更には見る側の理解を
妨げることになってしまう。

 この本では、効果的な図を作るための3つのステップが説明されている。
その3つのステップとは以下の3つ。

  1. 伝えるメッセージを決める
  2. 比較方法を見極める
  3. チャートフォームを選択する

 データの比較方法は大まかに5つしかなく、
それぞれのケースでどのチャートを使うとよいかが説明されている。

 こう書くとややこしそうだが、読んでみると図を用いて
シンプルに説明されており、とてもわかりやすい。
演習問題や実例も多く載っているので、適切なチャートを作る力もつくだろう。

 チャートはExcelからなんとなく作ってしまいがちだが、
その作業をあらためて見直す良い機会になった。
プレゼンをする全ての人にオススメ。★5つ。

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