★★★★☆
「本を読む」ことについてもう一度考えてみる
本書では、読書を4つのレベルに分けている。
- 初級読書
- 点検読書
- 分析読書
- シントピカル読書
1.は、読んだ内容を理解することができるという、読書に必要最低限のレベル。
2.は、本の内容を素早く把握することができるという、斜め読み、拾い読みといったレベル。
3.は、内容を丁寧に検討し、著者の主張を検証しながら読むレベル。当然時間がかかる。
4.は、同じトピックに関して複数の本を読むレベル。その分野に関する理解が深まる。
私の考えでは、この2.分析読書をできるかできないかが、
その人の読書量に大きく影響する。
というのも、全ての本を精読していたら、
「本を読む」ことの時間的、精神的なコストが、
非常に大きくなってしまうからだ。
読むべき物は読む、読まなくていい物(少なくともその時点では)は軽くスルーする、
というメリハリが、本と付きあっていくために重要だと思う。
読書が人生に与える影響が大きいと考えるならば、
この点検読書を身につけることが、
人生に影響を与えるものすごく大きな一歩になる。
その分析読書のキモだと思われる部分を紹介しておく。
- 精神というこのすばらしい人間の道具は、
ただ目を通して必要な情報が与えられさえすれば、
本の一目でひとつの文または一つのパラグラフさえも
つかみとることができる。
- だから、読者の精神の働きを妨げる目の固定や逆戻りを
まず第一に修正しなくてはならない。
幸いなことに、これは簡単に直せる。・・・
- 目を固定する癖をなおすには自分の手を使うだけでよい。
自分の手をページの上において、
それを段々早く動かす練習をする。
確かにこれだけでかなり早く読めるようになる。
かつ、そこそこ文意が把握できることに気づくだろう。
実は、もっと早くやっても結構把握できる。
(参考:フォトリーディング)
1978年の本だが、内容は現代でも全く通用する。
これは良著であることの証だろう。★4つ。
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