「小説」タグアーカイブ

感想メモ:マドンナ・ヴェルデ

海堂 尊
新潮社 2010-03
¥ 1,575

★★★☆☆

著者は「チーム・バチスタ」シリーズの海堂尊さん。
ジーン・ワルツのストーリーが、
別の人物の視点から語られている。

ジーン・ワルツは読んでいたので、
何が起きるかはわかっていたのだが、楽しく読めた。
適度に忘れていたから これはひとえに作者の力量だろう。

あるお話の別の面を見ることができるというのは、
普通は同人誌でしか実現しないようなものだ。
しかし海堂氏はこれを作者自身がやっているわけで、
「知られざる面を知ることができる喜び」
といったおもしろさがある。

このあたりにの小説の作りついては、
ジェネラル・ルージュの伝説に詳しい。

トピックはジーン・ワルツと同じく、
不妊治療、体外受精、代理出産など。
特に代理出産に対する国の精度の不満が、
登場人物の口を借りて痛烈に飛び出してくる。

これらのトピックについても、
AIの話と同様に、実社会を変わってくれることを
願わずにいられない。

ジーン・ワルツよりも軽い流れで、スッと読める。
あまり硬い本を読みたくないときに、よいと思います。
オススメ度は★3つ、おもしろかったです。

続編が医学のたまご

海堂 尊
新潮社 2010-03
¥ 1,575


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:母さんのコロッケ

母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
  • 著者: 喜多川 泰
  • 発売元: 大和書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2011/09/09

★★★★★

日頃は目の前のことに追われて、
「自分は何者なのか」
なんてことを意識することはない。

だからといって、それが望ましいのかと言えば、
そんなことはなく、むしろ望ましくないだろう。

自分は何者なのか?
何のために生きているのか?
何をしたいのか?

そんなことを、家族をさかのぼり、
自分のルーツを確認することで考え直す、
よいきっかけを与えてくれる。

どの世代が読んでも楽しめるとは思うが、
最も響くのは、子どもがいるが、まだ小さい、
という三十台前後の世代だろう。

タイトルからは、
泣きながらコロッケを食べたらしょっぱかった、
みたいなシーンが出てきそうだが、
そんなことはないので安心して欲しい。
って心配してないか。
ともあれ、オススメ度は★5つです。

喜多川さんの★5つ率はすごいですなぁ。
喜多川さんの本が未読の人は、
下の「関連」を参考に、
ぜひとも他の本を読んでみることをオススメします。

母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
母さんのコロッケ ~懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語~
  • 著者: 喜多川 泰
  • 発売元: 大和書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2011/09/09

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:流星ワゴン

流星ワゴン (講談社文庫)
流星ワゴン (講談社文庫)
  • 著者: 重松 清
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 730
  • 発売日: 2005/02/15

★★★★☆

重松清氏の小説。
本のソムリエさんの書評が★5つだったので読んでみた。

テーマは家族関係、特に父子関係。
なので、家族を持っているかいないかで、
響き具合が全く異なるはず。
家族を持ってから読んだ方がよいですな。

ネタバレになるので筋は書かないが、
泣かされるので、電車で読むと危険な本、
とだけ書いておく。

設定がどうのこうの、というツッコミもあるだろうが、
そんなことは置いといて、自分の心にどう響くか、
何を感じるかだけ考えればいいだろう。
だって、小説ってそういうものでしょう?

オススメ度は★4つです。
最近読んだ「永遠の0 (ゼロ)」に続き、
おもしろい小説でした。
あとこの本がよかったら、「四十九日のレシピ」もオススメです。

関連:


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:希望をはこぶ人

希望をはこぶ人
希望をはこぶ人
  • 著者: アンディ・アンドルーズ
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • レーベル: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2011/04/15

★★★★☆

ピンチに陥っている人の前にフラッと現れる、
謎の老人?ジョーンズ。
次々と人々を危機から脱出させる、
彼が教える「物の見方」とは?

心に感謝を持つこと。

失ったものに意識を向けると、
ますます多くを失うことになる。
逆に、感謝に満ちた物の見方は、
人生に幸せと豊かさをもたらすんだ。

人に好かれるようにすること。

    他人の言いなりになれと言ってるんじゃないよ。
    しかし、影響力のある人になりたいとか、
    人々の共感を得たいと思うなら、
    一緒にいて楽しい人にならないといけない。
    君に対する他人の評価はそれぐらい大切なんだよ。

    自分のやり方で愛情を表現しても、
    相手がそのやり方を理解できなければ、
    意味がない。

    愛情表現力の「方言」は四つある。
    (中略)
    自分がアイデアがを表現する方法と、
    自分が愛されていると感じる方法は同じであることが多い。

    その4つとは以下の通り。

    1. 承認の言葉
    2. 親切な行為
    3. 肉体的接触
    4. 質の高い時間を共有すること

    心を前向きに保つ方法。

    枕元にノートとペンを置いて、起き抜けの十分間で、
    自分がありがたいなと思っていることを書きとめてごらん。
    人の名前でもいいし、物でも気持ちでも、何だって構わない。

    内容としては、このサイトでも色々と紹介している
    成功」や「幸せ」タグの本たちと重なるものが多い。
    特に中村天風氏の本との一致を強く感じた。
    (参考:ほんとうの心の力)

    一方、生活の中で、どのようにその教えを
    活かしていくのか、という視点はおもしろい。

    喜多川泰氏の本や「仕事は楽しいかね?」と似たテイスト。
    あちらを楽しく読めた人は、こちらもきっと気に入るはず。
    架空のお話ではあるが、彼自身の体験がベースと
    なっているようだ。そんな人と会ってみたいなぁ。
    オススメ度は★4つです。おもしろく、ためになる本でした。

    関連:


    その他の書評などはこちら。
    Socialtunes – haru

    感想メモ:螺鈿迷宮

    螺鈿迷宮
    螺鈿迷宮
    • 著者: 海堂 尊
    • 発売元: 角川書店
    • 価格: ¥ 1,680
    • 発売日: 2006/11/30

    ★★★☆☆

    今回のテーマは、「チーム・バチスタの栄光」のテーマに戻って
    エー・アイ(オートプシー・イメージング:死亡時画像診断)。
    どの程度現実に広まっているのかとふと興味を覚え、
    ちょっと調べてみた。

    最近になって、かなり動きが活発になってきているのがわかる。
    「チーム・バチスタの栄光」における問題提起が、
    全てではないにしろ、現実社会を動かす一因となっているのは間違いなさそう。
    小説というものにはこういう力もあるのだなぁ。すごいことだ。

    で、この本の内容だが、「バチスタ」の主人公田口センセはチョイ役で、
    おちこぼれ医学生、天馬大吉君が主人公。
    詳細は読んでのお楽しみだが、さすが、引き込まれ
    読むのを中断するのが惜しい本だった。

    「バチスタ」ではキャラの濃さにちょっと抵抗があったのだが、
    自分が慣れたのか、あるいは著者の描き方が変わったのか、
    その抵抗もなくすんなり読んでいけた。

    オススメ度は★3つです。
    「バチスタ」がおもしろかった人は、ぜひ。

    関連:


    その他の書評などはこちら。
    Socialtunes – haru

    感想メモ:永遠の0 (ゼロ)

    永遠の0 (ゼロ)
    永遠の0 (ゼロ)
    • 著者: 百田 尚樹
    • 発売元: 太田出版
    • 価格: ¥ 1,680
    • 発売日: 2006/08/24

    ★★★★★

    特攻で祖父を亡くした姉弟が、
    生前の祖父を知る人々を訪ね、
    それぞれの口から、祖父についての様々な話を聞く。

    彼がどのような人間だったのか、
    何を考え、どう生き、そして、
    どのような最期を迎えたのか。

    最初は「憶病者」という言葉を聞き、
    暗い気持ちになった二人だが、
    話を聞くにつれ、その裏にある強い信念、
    そして愛を知る。

    不覚にも、読んでいる最中に、
    何度も目から汗が出てしまった。
    外で読んでいたので、困った困った。

    改めて、どこに心を動かされたのか?
    と振り返ると、ここ、というシーンがあるわけではない。

    しかし、戦争という、現代の日常から遠く離れた状況で、
    文字通り自らの命を賭して戦った人たちがいたこと。
    命を落とした多くの人たちには、皆大事な人がいたであろうこと。
    そういったことを思い馳せると、今、こうして生きていること自体が
    幸せなことなのだと気づかされた。

    久しぶりに小説を読んだけど、
    今まで読んだ中でも5本の指に入る小説だった。
    とてもおもしろかった。オススメ度は★5つです!

    関連:


    その他の書評などはこちら。
    Socialtunes – haru

    感想メモ:アミ 3度めの約束―愛はすべてをこえて

    アミ 3度めの約束―愛はすべてをこえて (徳間文庫)
    アミ 3度めの約束―愛はすべてをこえて (徳間文庫)
    • 発売元: 徳間書店
    • 価格: ¥ 720
    • 発売日: 2005/09

    ★★★☆☆

    アミ小さな宇宙人もどってきたアミ―小さな宇宙人に続く、
    シリーズ最終巻である、第3巻。

    メッセージは、これまで2冊と同じ、
    「愛こそが宇宙の法」
    いうもの。なんかこれだけ読むと強烈にうさん臭いが、
    熱心に世界を良い世界にするために説いているので、
    そういう心配はいらないです。

    感想は、やはり前作前々作と同じ。
    書いてあることはすばらしいし、
    実現したらステキだと思う。

    でも、どうやったら実現するのかなぁ、とか、
    論理的な矛盾点を指摘したくなっちゃったり。
    スレちゃったのかしら。

    やはり、世界に対するロマン性が冷めきっていない、
    子供か若者の時期に読む方が、
    余計な雑念なくメッセージを受け取れるのではないかと思う。

    ちなみにタイトルは、イラストを描いている
    さくらももこの提案だそうだ。

    関連:


    その他の書評などはこちら。
    Socialtunes – haru

    感想メモ:四十九日のレシピ

    四十九日のレシピ
    四十九日のレシピ
      著者: 伊吹有喜

    • 発売元: ポプラ社
    • 価格: ¥ 1,470
    • 発売日: 2010/02/16

    ★★★★☆

    読んでいて、何度も目から汗が出そうになった。
    危険な本。

    内容については、本のソムリエさんの書評で
    簡潔にまとめてくださっているので
    (→「君と会えたから・・・」
    こちらでは、感じたことを書くに留めようと思う。

    身近であればあるほど、感謝すべきであっても
    そのありがたみを「当たり前」と捉えてしまいがち。
    そして、失って初めて後悔する。

    日頃から、全てに対して感謝の心を持って暮らすのが
    あるべき姿なのだろうが、俗世にまみれた人間としては、
    なかなかそうはいかない。

    しかし、こういった本を読むことで、
    その曇った目が開くのが開眼したりする。
    ただしその効果も期間限定なので、
    また元に戻ってしまう。

    どうすれば、自分を変えられるのか。
    結局、いかに感謝の気持ちを持つことを、
    習慣化にできるかなのだろう。

    という思考をするのも初めてではないのだが、
    それもまた無駄ではなく、少しずつでも
    前進しているのだと信じて生きていこうか。

    オススメ度は★4つです。
    グイグイ読み進めてしまう、良い本でした。
    同じテーマの本として、喜多川泰さんの「君と会えたから・・・」も
    強くオススメします。

    関連:


    その他の書評などはこちら。
    Socialtunes – haru

    感想メモ:ロスト・シンボル 上・下

    ロスト・シンボル 上
    ロスト・シンボル 上
      著者: ダン・ブラウン

    • 発売元: 角川書店
    • 価格: ¥ 1,890
    • 発売日: 2010/03/03
    • 発売日: 2010/03/03
    ロスト・シンボル 下
    ロスト・シンボル 下
      著者: ダン・ブラウン

    • 発売元: 角川書店
    • 価格: ¥ 1,890
    • 発売日: 2010/03/03

    ★★★☆☆

    ダ・ヴィンチ・コード」のダン・ブラウンの作品。
    今度の舞台はワシントンDCで、お題はフリー・メイソン。
    主人公は「ダ・ヴィンチ・コード」と同じラングドン教授。

    小説なので内容に触れるとネタバレになるので説明しないが、
    さすがの力量で、どんどん読み進めてしまう本になっている。

    生粋の日本人であるところの私としては、
    フリー・メイソンとか言われてもピンと来ず、
    ウンチクを十分楽しめない部分があるのが残念。

    読み進めていると、
    「これってどれくらい現実なの?」
    という疑問が湧いてくると思いますが、
    まぁ、よくわかりません。
    ネットで調べると、陰謀説とか色々楽しい情報が
    出てくると思います。Let’s dive!

    腕の確かな著者による娯楽小説として、
    気楽に楽しむとよろしいのではないかと思います。
    オススメ度は★3つです。
    映画映えしそうな感じでございました。

    関連:


    その他の書評などはこちら。
    Socialtunes – haru

    感想メモ:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

    もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
    もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
    • 発売元: ダイヤモンド社
    • 価格: ¥ 1,680
    • 発売日: 2009/12/04

    ★★★★☆

    ストーリーを持つ物語というのは、記憶に定着しやすい。
    身近な例を用いて語られると、内容についても身近に感じる。
    「マンガでわかる」シリーズや「萌え」シリーズ、
    「あさきゆめみし」も同じ系列だと捉えている。

    さて、ダイヤモンド社発のミリオンセラーとなった「もしドラ」は、
    この両者を兼ね備えている。
    ドラッガーさんは、これだけ有名なのだから、
    きっといいことを言っているに違いない。
    いつかは読んではみたい。けど、敷板が高い・・・
    と思っている人が、それだけ多かったということだろう。

    内容については、ドラッガーさんが言っている通りなので特に触れない。
    高校野球を場面に語られているので、高校野球に詳しい人(体験者)は
    そちらのリアリティが気になってしまうだろう。というか、なってしまった。
    それは本としては些末な部分なのだけど。

    はじめてのドラッガー、という位置づけて読んでみると良いのでは。
    あるいは、ドラッガーを題材にしたエンターテイメント小説として。
    (→ドラッカー先生は聞く耳を持たない 高校野球の女子マネージャーが体得したマネジメントの神髄

    ドラッガーさんはいいこと言ってる。オススメ度は★4つです。
    ちなみに著者の岩崎夏海さんはハックルベリーに会いに行くの管理人さん。
    ぼくの名前 – ハックルベリーに会いに行く

    関連:


    その他の書評などはこちら。
    Socialtunes – haru