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感想メモ:日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人

日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
  • 著者: 三輪 康子
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2011/07/15

★★★★☆

その筋の人たちがたむろする、
歌舞伎町のホテルの支配人に赴任した三輪さん。
その時点では、業界全くのシロウト。

そんな立地で、そんな人たちを相手に、
正しいと信じることを貫き通す。

当然ながら、身の危険を感じたことも
一度や二度ではないそうだ。

誰しもができることではない。
妥協しても、誰もが仕方ないと思うだろう。
そんな中、なぜ三輪さんは、
自分を貫き通すことができたのだろうか?

私のおもてなしやクレーム対応にマニュアルはありません。
私が、信条としているのはたった一つ。

怒鳴られたら、やさしさをたった一つでも多く返すこと。

サラッと書いてあるが、言うは易し、行うは相当難い。
特に相手はその道のプロ達。
そんな人が日本刀を振り上げている。
そんな状況でも自分を保てるのか。

まったくできる自信がないです。

クレームをつける人にしてみれば一番の気持ちは、
「謝って欲しい」なのです。
これは、どのお客様も同じです。
お客様から遠いところにいると、まず
「解決方法」に考えがいってしまいますが、
それは順番がちがうのです。
まず、「人の心」です。

三輪さんが持っているすばらしい点として、
・怒っている人がいても、つい一歩前に出てしまうという性格
・人の心を大切にした医師であった、お父さんの教え
があるようだ。

特に、前者は普通じゃない。
日本刀を振り上げられて、一歩前に出る、とか
この人だからこそできたことであるのは間違いない。

だからといって、
「自分にはできないや、おしまい」
では、読んだ意味がない。

とりあえず、
「やさしさを返す」
と心にインプットしてみた。
例え百回に一度、千回に一度しかできなかったとしても、
いいじゃないですか。

オススメ度は★4つです。
影響を受けました。

日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人―怒鳴られたら、やさしさを一つでも多く返すんです!―
  • 著者: 三輪 康子
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,500
  • 発売日: 2011/07/15

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感想メモ:論理的思考と交渉のスキル

論理的思考と交渉のスキル (光文社新書)
論理的思考と交渉のスキル (光文社新書)
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 735
  • 発売日: 2003/01

★★★☆☆

ビジネスでものを書いたりプレゼンをしたりする場合、
主張に対して理由がないと受け入れてもらえない。
どうやったら論理的な文章を書いたりプレゼンしたりできるか。
が前半。

後半はビジネスで交渉を行う際の考え方などについて。

前半はいわゆるロジカルシンキングで、元祖は
考える技術・書く技術」とほぼ同じ。こちらを読めば良い。

後半は交渉について。
必ずBATNA(Best Alternative to Negotiated Agreement)、
つまり次善策をもって交渉に臨むべき、という点は参考になった。

他にも、実際に交渉するケースを想定して、
どのように応対すればいいかなどが紹介されている。

個人的には、ロジカルシンキングと交渉の本を
それぞれ読んだ方がよいという印象。
限られた時間になんとか知識を得る必要がある、
などの場合には適当かと思う。

オススメ度は★3つとします。

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感想メモ:3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術

3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術
3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術
  • 発売元: サンマーク出版
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2008/06/17

★★★★☆

 交渉の本質は、良い人間関係を作ること

 筆者は1万以上の豊富な経験と知識を元に、
ユダヤ人、アメリカ人、イタリア人、スペイン人、フランス人、
アラブ人など様々な人の交渉スタイルの長所(短所)を説明している。

 この本から学ぶべきは、彼が出会った最高のネゴシエーターとしている、
ユダヤ人の交渉スタイルだろう。

  • 相手のことは事前に徹底的に調べ、それでいてそうは感じさせない
  • 自然に相手の警戒を解く話術と雰囲気作り
  • 相手を思いやっていることを自然と伝え、交渉の土台となる信頼関係を築く
  • お互いに納得できる条件を目指す

 交渉というのはゼロサムゲームになりそうだが、
「相手がして欲しいことをタイミング良くするのが、スムーズな交渉のコツ」
だというのだ。

 などと言いつつ、普通の人は日常的に外国人と交渉する機会などないわけだが、
日本人が相手の交渉であっても基本は同じである。

「この人のためならなんとかしてあげたい」
「この人となら一緒に仕事をしたい」
と思ってもらえるような人こそが、理想のネゴシエーターなのだろう。

 前出のユダヤ人は、このことを
「交渉の本質というのは、良い人間関係を作ること」
と表現している。
もちろん、理想だけに簡単ではなかろうが。

 おもしろく読めた。★4つ。

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感想メモ:弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術

弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術
弁護士が教える 気弱なあなたの交渉術
  • 発売元: 日本実業出版社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2008/08/28

★★★★☆

 交渉において、言ってははいけないこと、やってはいけないこと、
言うといいこと、やるといいことなどを、弁護士である著者が
具体例を挙げて紹介している本。

 交渉は相手に合わせすぎても我を通しすぎても、
理性に頼りすぎても実地ではうまくいかない。
感情と理性のバランスをとることで初めて、
通用する交渉ができるようになったとのこと。
感情の部分について、「影響力の武器」という本が紹介されている。

 次に、交渉におけるテクニックが紹介されている。

  • まず聞くことで相手に聞く耳を持たせる
  • 限定する
  • 質問で要求
  • 「仮に」で展開をコントロール
  • 「YES BUT」ではなく「YES そして」

 他にも、相手のタイプ別の対処法や、断るときのコツなどが紹介されている。
交渉には必ず相手があるので、心理学が有効に活用できる。
その意味で、コールドリーディングの本と重なる部分が多かった。

 さすがに、本書を読んでいきなり交渉がうまくなることはないだろう。
実際の交渉にあたり「こういうやり方があったな・・・」と思い出せればそれでよしとすべき。
それには復習が大事。一読しただけでは身に付くまい。
知っていると良いことが多かったと感じたので★4つ。

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