- オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える
-
- 発売元: 集英社インターナショナル
- 価格: ¥ 1,680
- 発売日: 2005/12
★★★★☆
サラエボ生まれで元ユーゴ代表監督として、ユーゴをベスト8に導いた。
また、日本代表監督時代には任期中に脳梗塞で倒れ、
後任が岡田監督となったという経緯は記憶に新しい。
しかし、サッカーにあまり興味を持っていない私は、
・オシム監督ってすごい人なの?
・オシム監督がどういうスタイルの監督なの?
ということを全く知らなかった。この本からは、こういったことが理解できる。
監督の評価は、選手や他チームの監督に聞くのが良い。
厳しい監督であっても、結果が伴うのであれば選手は監督を評価する。
逆にやさしい監督であっても、結果が伴わなければ評価しない。
選手が一流の選手であればあるほど、そうである。
そしてオシム監督の選手からの評価は、前者である。
オシム監督は「走るサッカー」を基本とするため、練習は非常に厳しい。
しかしついていくと、必ず結果が伴う。
そこで選手はやる気が出てくる。
そしてついて行けばいいのだと信頼する。
さらに彼は、一人一人を非常によく見ている。
その結果、ストイコビッチなどの超一流選手をはじめ、
ユーゴの選手、日本の選手一人ひとりの信頼も厚い。
こうした求心力を元にチームとしての方向性も定まり、
結果として、選手層が決して厚くないジェフにおいて、
3年でチームを優勝に導いている。
ユーゴ代表での結果をはじめ、実績も見事である。
その裏にあるのは、数学者であるオシム監督の
サッカー哲学ともいうべき、ものの考え方である。
この点については本の中でふんだんに語られている。
ということで、サッカーに興味がない私も彼はすごいのだなとわかった。
どうすれば人のモチベーションを上げ、成果を出すことができるのか。
そのヒントにもなる一冊。★4つ。
関連:
- 野村監督に教わったこと—僕が38歳で二冠王になれた秘密— ★★★★☆
- マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男 ★★★★☆
その他の書評などはこちら。
→Socialtunes – haru