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感想メモ:体温免疫力―安保徹の新理論!

★★★★☆

人間の体を病気から守ってくれているのは、精密な免疫システム。
そしてその免疫システムの働きは、体温に強く影響を受ける
体温が下がると、免疫の働きも下がってしまうのだ。

というのが「体温免疫力」というタイトルの示すこと。
冷えは、思ったよりもずっと良くないことみたいだ。

風邪などをひいているときは、
リンパ球が減って、免疫力が低下しています。
そこで体温を上げてリンパ球を増やし、
風邪などの病原体と闘おうとするのが、
発熱のメカニズムなのです。

すぐに解熱剤で熱を抑えてしまうのは良くない、
というのはこういう理由だったのだ。知らなかった!

皮膚病、アトピー、ガン、AIDSに対しても、
体温はキーになるそうだ。
免疫を司るのだから、不思議ではないのかもしれない。

他に意外だったのが以下のこと。

虫歯のほとんどがストレスをきっかけにできます。
なぜなら、唾液の分泌は、副交感神経の支配を受けているからです。

話を戻すと、体温を上げる簡単な方法は、お風呂に入ること。
体温+4℃程度のお湯で、リラックスして副交感神経優位にするといい。
お風呂が健康をつくるのですな。

オススメ度は★4つです。
読みやすく、ためになりました。

安保氏の理論については以下の本も参考になります。
「やめてみる」だけで 病気は自分で治せる


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感想メモ:整体入門

野口 晴哉
筑摩書房 2002-06
¥ 630

★★★★☆

著者の野口晴哉氏は、野口整体の創始者。
この本は野口整体のエッセンスをざっと説明した、
まさに「入門」編となっている。

その野口整体のエッセンスが、活元運動
以下の3つのステップからなる。

・邪気の吐出
両手で鳩尾を押さえて息を吐く。
老廃の気を全部吐き出すような気持ちで、
体をこごめるようにして吐く。3回。
鳩尾が弛んで欠伸が出たら終了。

・背骨ねじり
正座して、左(右)に捻って、脱力。7回。

・活元運動

1.徐々に息を吐きながら、
親指を握りしめ腕を上げ、
体をうしろへ反らしてゆく。

2.奥歯をかみしめ、
首から背骨に力をギューッと入れるようにして、
入れきって急に力を抜く。三回。

3.手を上向きに膝の上におき、
目をつぶります。
目をつぶって首を垂れる。
そして自分の背骨に息を吸い込むような、
背骨で呼吸するようなつもりでいる。
すると少しずつからだが動くような感じがして、
やがて動き出してきます。
あとはそのまま何もしない。
ポカーンとして体を自然に任せきる。

4.動き出したら、その動くままに、
動いている処に息を吸い込むようにすると、
もっと動きが大きくなってきます。
また長い時間動き続けることもありますが、
止めようとしないで、終わるまでやるのがよいです。

5.終わったら瞑目したままで、
しばらくポカンとしております。
一分でも二分でもよい。

もし途中でやめなければならない時は、
息を何回も吸い込んでこらえ、
徐々に運動が静かになって止まったら、
目を片目ずつ開ける。
目を開いたら、もう一回静かに息をお腹に吸い込み、
耐えてからゆっくり吐く。

他にも体僻、風邪の効用などの話題あり。
健康に興味がある人はぜひ。
野口晴哉氏はあの時代から潜在意識など
今も十分通じることを書いている。
本当に偉人だと思う。
オススメ度は★4つです!

野口 晴哉
筑摩書房 2002-06
¥ 630


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感想メモ:病気知らずになる免疫力の高め方

★★★☆☆

健康。誰もに関係がある重要なトピック。
だからこそ、様々な情報があふれかえっている。

その中から、聞きかじりの断片的な知識を
組み合わせて生活している、
というのが多くの人の現実ではないだろうか。

この本では、免疫学者の安保(あぼ)氏が、
病気と戦ってくれる免疫の仕組みと、
健康についての知識について書いている。

免疫システムを考えると、
「自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを取る」
ということがポイントであるようだ。

そのために生活の中でできることとして、
以下のものがポイントとして挙げられている。

  • 体を冷やさない(冷やすと免疫力が低下する)
  • 適度な有酸素運動
  • 考えすぎたり心配すぎたりしない
体温が1℃下がると免疫力は約37%、
体内酵素のはたらきは50%も低下します。
体を病気から守るためには、体を温める食事や
体を冷やさない生活が大切です。

一方で、痛みや発熱などの病気に伴う症状は、
体が病気と戦っている反応なので、
薬で抑え込まない方が良いとのこと。

病気は原因を抑えずに症状だけ抑えても、
解決にはならないわけですな。

「体を冷やさない」ということが
思っていた以上に大事
みたい。
また、多少コレステロールが高くても、
ミトコンドリアにとっては良いことでもあるようだ。

血中のコレステロール値を下げるということは、
ミトコンドリアの機能を抑制するということです。
体を温かく保ち、持続力をつくるのはミトコンドリアです。

あまり数値がちょっとおかしいから、と言って悲観せず、
楽しく暮らした方がよいのかもしれない。

自律神経と免疫の仕組みについては、
同じ安保氏の以下の本で詳しく説明されているので、
興味がある人は読んでみるとよいでしょう。
「やめてみる」だけで 病気は自分で治せる

健康第一、体が資本。
体については正しい知識を持っておきたいですね。
オススメ度は★3つです。


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感想メモ:腰痛のナゼとナゾ

菊地 臣一
メディカルトリビューン 2011-08
¥ 1,365

★★★☆☆

ヘルニアが腰痛の原因。
二足歩行だから、腰痛になるのは宿命。
腰痛になったら、安静に。

40年腰痛についての医療に携わってきた著者は、
「これらは思い込み」なのだと言う。
まずショッキングなのが、以下の言葉。

実は腰痛の90%近くが原因不明なのです。

えっ?そうなの?

更に。ヘルニアだからといって
腰痛になるわけではない
そうだ。

もちろんヘルニアが原因で
腰痛を起こしている人は多数いますが、
椎間板ヘルニアがあるからといって
腰痛の原因とは直ちに断定できないのです。
腰痛がない人にもヘルニアは見られる
ヘルニアが縮小・消失する以前に症状がよくなっている

著者の意見は「ヘルニア自体ではなく、
ヘルニアで椎間板から出てくる化学物質が
痛みを引き起こしている」というもの。
ふむ。

また、先日ガッテン系のテレビでもやっていたが、
腰痛は精神的な要因で引き起こされることもあるようだ。

重いストレスを抱えたすべての人が
腰痛になるわけではありませんが、
心に過重な負担がかかると様々な症状が体に出てくる、
腰痛もそのひとつ
私には、腰痛を訴えているのではなく、
「腰痛」を使って感情表現しているようにも思えるのです。

このトピックについては、
心はなぜ腰痛を選ぶのか」も参照されたい。

で、腰痛はどうすれば治るのだろうか?

腰痛の患者さんが自分にとって快適と思われる
運動を継続することは、
心身の健康を維持するうえでも
おおいに意味があるでしょう。

人間の体は動いて暮らすようにできているので、
動かないで筋肉が衰えてしまうより、
可能な範囲で日常生活を行う方が治りが良いようです。

オススメ度は★3つです。
腰痛持ちの人は、ぜひ一読を。

菊地 臣一
メディカルトリビューン 2011-08
¥ 1,365


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感想メモ:究極の真向法

★★★☆☆

一日5分、四つの体操で股関節の柔軟性をアップ

ずっと前に運動のし過ぎで腰痛になり、この真向法を紹介された。
そのときはやらなかのだが、ここ数年の運動不足への危機感から
ストレッチが習慣付き、いろいろやってみた結果、
股関節の柔軟性が大事だ!
と思い至り、この真向法をやるようになった。

「四つの体操」というのがシンプルでいい。
少なくて覚えられるし、それでいて必要十分。
とてもよいと思ったので、紹介してみたのがこちらの記事だ。
体を柔らかくするコツ(真向法すごいよ)

真向法をやる上でのコツは以下の3つ。
・腹式呼吸、吐く息はゆっくり、吸う息は早く
・腰を立て、股関節を中心に曲げる
・上半身の力を抜き、動作を大きく

ちなみに、横隔膜にもポンプの役割があるそうだ。
ふくらはぎは知っていたが、こちらは知らなかった。

横隔膜の上下動にも、血液の循環を
促進させる働きがあるからです。

横隔膜は「第三の心臓」とも言えましょう。

ということで、まずはしばらくやってみることですな。
テレビで、「ストレッチは動脈硬化を防ぐのに
効果がある」
とも言ってたし。

脳を鍛えるには運動しかない!
にもあった通り、運動が体にも精神にも良いのは間違いなし!
オススメ度は★3つです。


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感想メモ:脳を鍛えるには運動しかない!

ジョン J. レイティ,エリック ヘイガーマン
日本放送出版協会 2009-03
¥ 2,205

★★★★☆

運動が体に良い、というのは誰しも知っているところ。
しかし、運動は脳にも良い
というのはどうだろうか?

運動で爽快な気分になるのは、
心臓から血液がさかんに送り出され、
脳がベストの状態になるからなのだ。
運動が脳にもたらすそのような効果は、
体への効果よりはるかに重要で、魅力的だ。

もし運動が薬の形で摂取できるのなら、
世紀の大発見として一面にでかでかと
報じられただろうに。

脳科学的にも、
運動がストレスや不安を軽減することが
確かめられている。
そりゃそうだ。スカッとするもの。

また、運動は学習にも目覚ましい影響を及ぼすそうだ。
イリノイ州で取り入れられた体育プログラムは、
なんと、生徒を世界でもトップクラスの成績に
押し上げてしまったのだ。

運動をすると、
ニューロンの数が増える、
かつニューロンの成長が促される、
ということらしい。

運動の種類としては、
有酸素系と複雑な動きをするものを
両方行うと良いとのこと。
テニスとかサッカーとか、
ずっと動くスポーツでもよさそうだ。

他にも、ストレス、不安、うつ、
注意欠陥障害、依存症、ホルモンの変化、
加齢などに対して、
運動は良い効果を示すそうだ。
万能薬ですな〜。

ブレイン・ルールでも運動が脳に良いと言っているし、
動きが心をつくる姿勢のふしぎリラクセーションでは、
体と心が一体であると言っている。

これだけ国も時代も違う人が
同じことを言っているのだから、
確かなのだろう。

運動のすごいところは、
筋肉の回復プロセスだけでなく、
ニューロンの回復プロセスのスイッチも
入れるところだ。
つまり、運動すれば、
心身ともに強く柔軟になり、
難問をうまく処理し、決断力が高まり、
うまく周囲に適応できるようになるのだ。

ふと考えると、
運動部の人が成績が良いわけではなく、
むしろ逆の傾向がある気がする。
それは、勉強の絶対時間が足りないからであって、
脳のコンディションとしては良くなっているはずだ。

私も試験勉強のときなどは、
ストレス解消のために走ったりしていたが、
こんな良い効果もあったのだなぁ。

ちなみに、当たり前のことだが、
激しい運動中は学習に向かない。
運動が終わり、脳に血が戻ってきたときが
学習のチャンス
だ、
というようなことは、覚えておいて損はないだろう。

オススメ度は★4つです。
最初の3章ぐらいで、
大体の内容は把握できるかと思います。

あとは詳しい話に入るので、ちょっと難しいかも。

ジョン J. レイティ,エリック ヘイガーマン
日本放送出版協会 2009-03
¥ 2,205


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感想メモ:弱った体がよみがえる 人体力学

井本 邦昭
高橋書店 2011-12-10
¥ 1,260

★★★☆☆

「猛暑は体を破壊するものだった」

いきなりショッキングな言葉で始まる本。他にも
「体は部分的にサビついて仮死状態になる?」
などと、かなりキャッチーな言葉が並ぶ。

一方で、著者は井本整体の井本氏だけあって、
紹介されている、体の不調に対するアプローチ方法は
納得できるもの。
キチンとやれば、効果がありそう。

しかし、この「キチンとやれば」がクセモノなのだ。

この手の本を読んでいていつも思うのだが、
何十種類も体操が紹介されていて、
一体読者はいくつを生活に取り込んで、
実行できているのだろうか?

数が多くなればなるほど覚えきれず、
逆に一つも身につかなかったりするのではなかろうか。

その点、真向法操体法がすぐれているのは、
シンプルかつ効果が高いところだ。
真向法に至っては4つしかない。
あ、胴体力も基本は3つだ。

ということで、効果はありそうですが、
実行が難しそうだと思いました。
オススメ度は★3つです。

井本 邦昭
高橋書店 2011-12-10
¥ 1,260


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感想メモ:疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ

疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ (KAWADE夢文庫)
疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ (KAWADE夢文庫)
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 570
  • 発売日: 2011/04/16

★★★☆☆

人生の1/3(1/4?)を寝て過ごす人間にとって、
睡眠は必要不可欠なもの。
日中の疲れから回復する絶対的な主力が睡眠なのだから、
睡眠について知っておくのはとっても大事。

この本は、睡眠についての幅広い知識が紹介されている。
その分、一般的に言われていることの確認が多い。

  • 睡眠不足は体にも脳にも悪い。メタボにもなりやすい
  • 寝だめより定期的な睡眠を取ること
  • 寝る前に運動や入浴で体温を上げると良い(2h前くらい)
  • 寝る前に光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され寝にくい
  • 横になって目を閉じているだけでも、体も脳も休まる

一方、以下のようなことは知らなかった。

さまざまな研究の結果、低血圧と朝の目覚めの悪さは
直接的には関係がないことが明らかになっている。

交感神経と副交感神経のスイッチが
うまくいっていないのが原因で、血圧ではないのだそうだ。
安保徹氏によれば、低体温ということになる。

・時差ボケ対策

  • 渡航して現地の朝になったら無理にでも起きて
    できるだけ光をたっぷりと浴びるようにする
  • 現地が夜になったら、強い光を浴びないようにする
  • 朝食はけっして抜かない
  • 昼の仮眠は90~120分程度におさめる

質の良い睡眠を心がけ、幸せになりましょう。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:身のこなしのメソッド

身のこなしのメソッド―自然身法
身のこなしのメソッド―自然身法
  • 著者: 出口 衆太郎
  • 発売元: 春秋社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2010/11

★★★★☆

日常生活での身体の使い方

健康というと、スポーツやトレーニングを思い浮かべる。
しかし、スポーツもトレーニングも、
やりすぎれば体を壊してしまう。
となると、これらは本当に健康に良いのか。

そのような疑問から入り、
本当に生活の質を高めて健康に暮らすには、
日常をいかに過ごすかが一番大事だ、と説く。

二四時間、休む間もなく続く日常の動作に大切なのは、
自然に逆らわず、いかに無駄な力を入れずに、楽に過ごせるかです。
安定した姿勢、楽でバランスの良い歩き方、荷物を持つ時も
なるべく全身で抱え、特定の部位がすぐに疲労しないような
省エネの姿勢やしぐさをするということです。

そのための身体の使い方、例えば、
歩く・立つ・ものを扱う・坐る・寝る
といったことを自然に行うやり方を説明している本。

バランスをとるためには、体の重心が動く方向と
腰、膝、つま先の向きがそろっていることが
ポイントなのです。

様々な動きや、気を高める方法なども紹介されているが、
全てはとてもできないので、まずは以下のものが良さそう。

・座って(足を投げ出して)の三動作
足先の開閉ゆすり、膝の上下打ち、かかとの交互ずらし
・寝ての三動作
両膝そろえ倒し、両膝開き倒し、片膝内合わせ倒し

言葉では説明しにくいので、
詳細は本を参照して欲しい。

一週間のうち、スポーツやトレーニングを
することができる時間は限られている。
一方、日常生活がトレーニングとなれば、
一気に時間が何、何十倍にもなる。

そこを意識しながら生活するかどうかが、
5年、10年経ったときに大きな違いとなるのだろう。

自然に逆らわず、いかに無駄な力を入れずに、楽に過ごす。
心がけてみよう。
うなずける内容が多い、良い本でした。オススメ度は★4つです。

身のこなしのメソッド―自然身法
身のこなしのメソッド―自然身法
  • 著者: 出口 衆太郎
  • 発売元: 春秋社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2010/11

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感想メモ:リラクセーション

リラクセーション (ブルーバックス)
リラクセーション (ブルーバックス)
  • 著者: 成瀬 悟策
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 903
  • 発売日: 2001/06/20

★★★☆☆

緊張は自分が作っている

規律を重んじる日本社会は、
サービスの質も高く、恩恵も大きいけれど、
受けるプレッシャーも強い。
ストレスフルな社会と言い換えてもいいかもしれない。

そんな中で働いたり、暮らしていくには、
ストレスの対処法を知っておくのはとても大事なこと。

こうしたストレスに耐え、やり過ごすために
私たちは自分のからだへ働きかけ、
あちこちの筋群を緊張させます。

こころは自分が緊張させた自分のからだの緊張を
感じているだけなのです。

つまり体の緊張は、ストレスに耐えるために
自分でつくっているもの
なのだ。

そしてその緊張状態が続くと、心も不安定になり、
心身共に問題になってしまう。

本書のリラクセーションは、
巷間行われている筋の生理的な弛みを目的とするものではありません。
自分のからだの「緊張を自分で弛める」という
本人自身の心理的な努力活動を目指しているのです。

この本は、
「からだに働きかけて、ストレスに対処する」
方法を教えてくれるのだ。
著者は「姿勢のふしぎ」の成瀬氏。

それは「自分で自分を弛める」ということに他ならない。
しかし、これが難しい。
自覚している緊張と、体に起きている緊張は
必ずしも一致しないからだ。

こうした緊張の感じはすべて当人の主観的な感じ、内的な体験ですから、
たとえ生理的な緊張がそこにあるのは間違いないにしても、
感じているとおりに筋緊張がそのにあるとは限りません。
本人が努力してすっかり脱力し、
自分の筋群を意識的には十分に弛めたと感じていても、
なかなか抜ききれていないということです。

それで、自分で筋肉の緊張を弛める方法は?というと。

リラクセーションのもっとも基本的な方法といえば、
入れた力を抜いて筋の緊張をを弛める
ということに尽きるのでしょう。

「ジェイコブソンの漸進弛緩法」というものもある。

  • 弛めたい筋肉を決める
  • その筋肉の感じに注意しながら、じっくりと収縮させ、その緊張感を味わう
  • 力を徐々に脱いていく。緊張の低下を弛緩感としてじっくり味わう

完全な弛緩感は得られにくいが、
局部的なリラックスが得られやすいそうだ。

  • 余計な緊張に気付く
  • 無意識のうちに、力を入れ続けていることに気付く
  • 動かしながら緊張を弛める

ストレッチを効果的に行うコツも触れられている。
自分が「この筋肉を伸ばそう」と意識することだ。

自分のその筋が引き伸ばされることを納得し、
引き伸ばそうとする外的な力に逆らうような力は入れず、
自ら脱力し、伸びるために必要な程度にその筋群を弛め、
外力に応じて筋が伸びやすくなるように
協力する気持ちになることです。

心をリラックスに向けるには、イメージを使うのが良い。

「からだが重たい」、「背中が温かい」、「日向ぼっこをしている」、
「お風呂につかっている」、「気持ちが落ち着いている」、
「暖炉の前で暖をとっている」、「リラックスしている気分」、
「身も心もリラックスしている」、「全身が脱力している」
などがあります。

次は、四十肩など、痛みが出る動作での緊張を弛める方法。

1. 必要最低限の微弱緊張で、動作を行っていく
2. 筋肉が引っ張られ、痛みが出始めたところで停止
3. しばらくじっとしていると、痛みが変質する
4. 無痛になったら動きを再開
5. 2~4を繰り返す

四十肩なら、 気を付けの姿勢から、

1. 必要最低限の微弱緊張で少しずつ腕を上げていき
2. 痛みが出たところで停止
3. 痛みが変質して無痛になったら
4. 腕上げを再開し
5. 手が上がりきるところまで繰り返す

ということになる。2~4がポイント。

肩、腰、肘の緊張などの詳細な弛め方は
本に掲載されているので、参照されたい。


まとめ

  • 体の緊張は心の緊張
  • ストレスに対し、体の緊張で防御している
  • まず、緊張を自分が作り出していることに気付く
  • 微弱緊張からの弛緩により、筋肉の緊張を弛められる

このリラクセーション法は、痛みを確認して弛める。
体に意識を向けるという練習としてよい。
自分的には★4つですが、他の人へのオススメ度は★3つです。

操体法」は、痛みのない方向に動くことで、
体全体を整えるもの。
こちらも、いくつかの体操を知っておくだけで、
自分の体を自分で整えることができる。
健康に興味がある人には非常にオススメ。

リラクセーション (ブルーバックス)
リラクセーション (ブルーバックス)
  • 著者: 成瀬 悟策
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 903
  • 発売日: 2001/06/20

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