成瀬 悟策
誠信書房 2007-02-09
¥ 2,940
★★★★☆
「動作法」を提唱した成瀬悟策氏による、
「動作法」の集大成というおもむきの本。
かなり盛りだくさんがまとめられている。
この「動作法」では、
肩や腰など、身体の凝りに対して、
特徴的な捉え方をしている。
人は、無意識な習慣として、
ある動作に必要ではない余計な動作
(随伴動作)を行っている。
その積み重ねで、筋肉の緊張が
ずっと居座るようになると、
凝りとなって定着してしまうというのだ。
随伴動作→その人特有、無意識、習慣化、日常化
↓
随伴緊張、居座り緊張→肩まわり、腰まわり、肩関節、股関節
↓
気持ちの不調、不安定
そしてそれらの緊張が、
心の不調という形としても現れるという。
そのからだの持ち主である主体が
肩周りに力を入れ、筋の緊張状態をつくり、
それが習慣化・恒常化して、
しかも動かさないままでいるため、
その部位の感受性が低下し、
自分で操作する感じも
分かりにくくなってしまった
というのが、その本質的な原因である。
だが、そうした動作の偏りは、
当人が自分で造り出したものだけに、
彼自身でそれを変化させる
ということはきわめて難しい。
心理臨床的な問題があれば、
それは<必ず>動作に現れる…
何らかの問題があれば、それを
からだのどこへどんな形で表現するかは、
その人その人によって個別特定的である。
この動作法のおもしろいところは、
「自分で自分をゆるめる」
という意識を持てるようになると、
精神的にも前向きになるという変化が
起きるということだ。
事あるごとに肩の緊張へ逃げ込むことで
事態を処理するような生き方を棄て、
リラックスして自由な動きと気持ちで
生活の場へ真正面から対面して
事を処理しようとするような活動へと、
生活場面および自体に対する主体の対応の仕方を
変化させるのを目的として援助したのである。
身体や健康について興味がある人なら★4つ。
興味深かったです。ありがとうございます!
成瀬 悟策
誠信書房 2007-02-09
¥ 2,940
その他の書評などはこちら。
→Socialtunes – haru