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感想メモ:口コミ伝染病

口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム
口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2001/03

★★★★☆

 人と同じことをやっていては、人と同じ成果しか得られない。
自分の頭で思いつくことは、たいてい他の人も考えている。
となると、実際の体験に基づいた経験談・ノウハウを知ることができれば、
とても効率が良い。

 本書は神田昌典氏が顧客獲得実践会を主宰していた2001年の本で、
神田氏と実践会のメンバーの方々の「口コミ」を活用したマーケティングに関する
ノウハウが詰まっている。しかも、その内容は全く古いとは思わなかった。

 以下、メモした内容。
なるほどなと思いつつも、なかなか自分では思いつけないことが多い。
こういったノウハウを知ることができるのは、とてもありがたい。

  • お客の期待を戦略的に下げることが重要だ。お客の期待を落としておいてから、それ以上のサービスを提供する。すると……しゃべりたくなる。
  • このように口コミになるには、商品品質だけではなく、劇的な体験や、伝言ゲームをスムーズに行っていくための仕掛けが必要になる。
  • 理屈じゃ、人は動かない。感情を逆なでし、大衆を怒らせることで、初めて変化につながるのだ。
  • ○○からお友達を救ってあげよう!これが、お客をあなたの味方につける、魔法の表現のひとつだ。
  • 賄賂提供型・紹介キャンペーンよりも十字軍結成型・紹介キャンペーン
  • 使命とは、次の○○をうめることである。「私どもは、○○を断固拒否します。」
  • 「この店は、私のことを分かってくれる」このように思ったとたん、お客は共感を寄せることになる。
  • 表の欲求は、建前。裏の欲求は、本音。
  • お客をヒーローにするのである。ヒーローになったお客は、しゃべりたい。しゃべらないとガマンできない。禁断症状に陥る。
  • 行列は供給を絞ることによって、自ら作るものである。その行列に並んだお客は、苦労して得たその希少な体験を話したがる。
  • あなたが、付き合いたい客に絞って欲しいのだ。これがコミュニティーを作っていくための、最低条件だ。
  • 当然、メッセージの途中で電話を切る人は多い。しかしメッセージが流れはじめてた22秒〜25秒の範囲であれば、切断率は0%。

 マーケティングに携わっている人なら、すぐにでも役に立つヒントが
いっぱいあると思うのでぜひ読むべき。良著。★4つ。

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感想メモ:大人が変わる生活指導

大人が変わる生活指導
大人が変わる生活指導
  • 発売元: 日経BP社
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2006/05/11

★★★★★

結果を出したいなら、まず生活から見直そう

公立の松虫中陸上部において、7年間で13人の日本一を輩出した原田氏の本。
中学の教師を退いてからは、企業など大人の指導に軸足を移しているという。
そして、中学において培った指導のノウハウは、大人に対してもそのまま通用する、という。
その内容と理念を語っているのがこの本である。

陸上競技では技術やトレーニングだけでは、一定の結果で伸び悩む。
しかし、靴を揃える、お皿を洗うなど、一見関係がなさそうな生活面に取り組んだところ、
心が鍛えられことで成績も飛躍的に伸びたそうだ。
そしてこのことはそのまま、社会人にも通用したそうだ。
毎日会社の前を掃除する、身の回りを整理する、きちんと挨拶する、など。

私は本を読むときは、いい内容をメモしながら読むのだが、
この本はメモをする箇所だらけになってしまい、読むのに時間がかかった。
それだけ納得させられることばかりだったのだ。
要するに、オススメである。

以下、内容。

  • 夢を描いてそれを目標に変える。
    目標達成のための方法を考えて、達成しきる。
    被害者意識がなく心のコップがいつも上を向いている。
    心・技・体+生活のバランスが取れている。
    こうした人が私の目標とする自立型人間です。
  • あなたが人生をさらに充実したものに変えたいと願うならば、
    日々の仕事をつまらないと思ってあきらめるのは、この瞬間からやめましょう。
    どんな仕事でも本気になって取り組むことからすべてがはじまります。
  • 技を磨くだけ、体をつくるだけではそこから得られる成果に限界があることを知りました。
    著名なスポーツ選手やオリンピックの金メダリスト、またその指導者を調べた結果、
    最後に勝負を分けるのは心であるということに気づいたのです。
  • 心づくり:心を使う、心をきれいにする、心
  • を強くする、心を整理する、心を広くする
  • 仕事も人生も充実させたい。どちらも楽しみたい。ごく当たり前の願いです。
    しかし、いまの日本では、その当たり前のことが、むずかしくなってきています。
  • 小さな継続が、仕事において意外なほど大きな力をもたらしました。
  • 身の回りをきれいにすれば、その場のすさみがなくなり、そこにいる人間の心もきれいに保たれるからです。
  • 奉仕活動で心がきれいになるひとつの理由は、感謝の気持ちを実感できることです。
  • 極論するならば、この世のあらゆる仕事を成功させる秘訣は、相手の心にチャンネルを合わせることだと思います。
  • しかし、何より注目すべきは、(経営者達が)熱き思い、夢、志を持ち、
    仕事を通して社会に貢献することを真剣に考え、熱く語る多くの言葉を持っているということです。
  • 自分の長所をしっかりと意識し、それが行きすぎぬよう自分をコントロールする事ができれば、
    短所は自ずと改善できる。長所と短所が表裏一体だと考えれば、大きな欠点は大きな長所にもなりうるのです。
  • 自分を元気にしてくれた言葉、かかわり、態度などを、いつでも振り返れるようにしておくのです。
  • つまりリーダーは、部下の技能を高める以前に、
    他人に対した「やる気」を与え、「やる気」を高めることに長けていることが、
    何より大切なのです。
  • では、やる気を与えるポイントとは何でしょうか。
    特に重要なポイントは、有能感、統制感、受容感の三つ。
  • 外発的動機づけだけでは、人は心から動かない。
    まさに、成果主義の欠点でもあるのです。
  • 相手の欠点を突いて徹底的に落ち込ませるのが目的ではないはずです。
     〜(中略)〜
    檄を飛ばして、燃え上がらせることです。
    そうすれば、父性は、やる気や元気を強く注入するかかわりとなります。
  • 心のツボ
    1人との関わり
     自分に対して本気でかかわってくれたとき
    2原体験、楽しかったこと、感動したことを振り返る
    3人にプラスのストロークを与えて元気づける

いちいち頷かされる。

理念だけでなくツールの紹介などもあるが、
この本の本質は「いかに心に火をつけるか」といところなのだと思う。
それには、心が大事。リーダー自ら率先して示すこと。

中学生の指導での実績は伊達じゃない。
すばらしい。★5つ。

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感想メモ:変な人の書いたツイてる話

変な人の書いたツイてる話
変な人の書いたツイてる話
  • 発売元: 総合法令出版
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 1999/12

★★★★☆

「ツイてる」と唱え続けると人生が変わる

 銀座日本漢方研究所(マルカン)創設者にして高額納税者の常連、斎藤一人氏の本。
彼は「成功と呼べる人生を送る方法」を知っているという。その方法とは?

  • 「ツイてる」と言うことです。

 初めて聞く人には、これだけではなにがなんだか?だろう。
しかし、この「ツイてる」という言葉がどれくらい広がっているかを見ると、
その主張の奥深さが垣間見える。

  • 「ツイてる」という言葉を口に出して、自分の「ツキ」に気がつくと、
    毎日が「ツイてる」ことだらけです。
  • 右に行くか、左に行くかを、判断しなくてはならないときがあります。
    そのときは、どちらが正しいか、ということを絶対に考えないでください。
    どちらが楽しいか、を、判断基準にしてください。
  • 正しいことが何なのか魂はすでにわかっています。
    だったら、楽しい方を選ばなくては、苦労の扉を開くことになります。
    苦労の扉は開かないことです。
    ひと度、その扉を開こうものなら、山のような苦労が出てきてしまいます。
  • 仕事だって、「楽しい、楽しい」と言っていれば、楽しくなって、成功します。

 人の心は、自分が口に出す言葉にも影響を受ける。
毎日愚痴ばかりこぼしている人は、斜に構えたものの考え方になるし、
逆に毎日感謝や幸運を口にする人は、安定した心を手に入れることができる。

 口にすることにも気をつけることで、考え方を潜在意識レベルから変えていく。
ということだと理解した。★4つ。

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感想メモ:成功者の告白

成功者の告白―5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語 (講談社プラスアルファ文庫)
成功者の告白―5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語 (講談社プラスアルファ文庫)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 820
  • 発売日: 2006/09

★★★★★

 起業するとはどういうことなのだろう?
どんな生活になるのだろう?
うまくいくときは?うまくいかないときは?
陥りがちな罠は?それを回避する方法は?

 こういったノウハウを、起業から企業を軌道に乗せるまでの5年間に
起こることが多いシナリオを物語形式で説明する、神田昌典氏の著作。

 神田昌典氏といえば、今をときめくビジネスの成功者として
知られているが、その道のりは平坦ではなかったそうだ。
「地雷」は、特にプライベートで数多く起きたという。

 本書は、神田氏の身に実際に降りかかった事件を含め、
複数の実話を元に構成されているという。
例えば、仕事と子供の重病。ポストに残された離婚届。
社員が次々とストレスから病気に。
フィクションとはいえ、その内容は重い。

 神田氏は、ビジネスと家庭とのバランスが重要と説く。
ビジネスの成功者が、家庭に問題が山積みであるケースも少なくないとも。

 久しぶりに、読み始めたら止まらない本だった。
仕事をしている人であれば、誰しも考えさせられる部分があるのではないか。
良著。★5つ。

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感想メモ:人生のすべてを決める鋭い「直感力」

人生のすべてを決める鋭い「直感力」―問題解決の“最強のツール”が身につく本!
人生のすべてを決める鋭い「直感力」―問題解決の“最強のツール”が身につく本!
  • 著者: リン・A. ロビンソン
  • 発売元: 三笠書房
  • 発売日: 2008/05

★★★★☆

直感はあなどれない

 この本では、直感を問題解決、想像力、意思決定など
様々なことに使っていくと良い、と説く。

 直感というと、不思議に当たるかも知れないけど、
根拠がないのでイマイチ信用できない、というイメージが一般的かと思う。

 しかしそもそも、人間の脳が既に十分信用できないのだ。
行動経済学の本などを読むと、脳の弱点はよくわかる。
「理性的に」判断したからといって、未来を正しく見通すことなど
できやしないのだから。

 潜在意識は過去の記憶のデータベース、と行ったのは誰だったか。
直感は、そのデータベースから合致したものが浮かんでくるというものであれば、
適当にこじつける理性よりも信頼性は高いとも言える。

 他には、直感を用いる際のヒント的な記述が多い。

  • 直感による判断は、身体感覚の変化に注意する
  • 脳をクリアに保つためにはパワーナップが有効
  • 夢(夜見る方)を活用する
  • 将来を決定する

 しかし公の場で、直感を元に判断した、と説明するのは難しい。
「根拠は?」「勘です/なんとなくです」
既に実績や地位が確立された人以外には、許されにくい感じだ。
言い訳を準備した上で、感情的に悔いのない判断を下すために、
直感を有効活用するのはいいことに思える。

 ちなみに翻訳は本田健氏。★4つ。

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感想メモ:2010年日本の経営

2010年日本の経営―ビジョナリー・エクセレンスへの地図 (未来創発2010)
2010年日本の経営―ビジョナリー・エクセレンスへの地図 (未来創発2010)
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2006/11

★★★☆☆

NRIによる2010年代に求められる企業経営像の提言

その内容は

「理念・ビジョンを、非正規社員を含む多様化する人材に浸透させ、
組織へのコミットメントを高める」

というもの。
どの企業も行おうとしているような、非常に正攻法なものである。
裏を返せば、いかにそれが形骸化し実現できていないか、
ということでもある。

本書では、この目標を実現するために、
どのようなステップを踏むとよいかを説明しているが、疑問は単純に、
「できるの?」
である。

言うは易し、行うは難し。
「いいことだとは思ってやってみたけど根付きませんでした」
というケースがいかに多いことか。

結局、「何で必要なの必要なの?」と従業員全員が納得しないと、
根付かないだろう。

他に印象に残ったこと。

Q:今の仕事にやりがいを感じている理由
管理職以外の従業員:38%
管理職のトップ:仕事内容がやりたいことに近い37%
役員のトップ:給与水準27%

…あれ?

主張そのものには賛成なのだが、ケースバイケースであることが
多いのではないかと思う。★3つ。

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感想メモ:仕事がどんどんうまくいくスピード整理術

仕事がどんどんうまくいくスピード整理術 (JBシリーズ)
仕事がどんどんうまくいくスピード整理術 (JBシリーズ)
  • 発売元: 実業之日本社
  • 発売日: 2005/08/06

★★★☆☆

ビジネスのlifehack本

 机の整理の仕方、ビジネスファッション、手帳の使い方、スケジュールの組み方など、
ビジネス上のコツを集めたlifehack本。

 こういった本は結構出ているので、いくつか読んだことがあれば、
かなり重なる部分が出てきてしまうもの。

というわけで、私がメモしたぶ部分は以下の所だけだった。

・靴は柔らかいもの(アシックスのワラジ)
・社内主義より社外主義

 ビジネスlifehack本を読んだことがなければ、という感じ。★3つ。

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感想メモ:即戦力の人心術

即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ
即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ
  • 発売元: 三笠書房
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/09

★★★★★

 理想のマネージメントとはこういうものなのだろう。

 著者は米海軍で最高と謳われた戦艦ベンフォルドの艦長である。
しかし彼が艦長に就任する前は、平凡な一戦艦だったという。
しかし彼が就任して半年で、米海軍随一の実力を持つ戦艦となったという。
その後1年半、メンバーは更に実力に磨きをかけ、
米海軍で最も信頼の高い戦艦として活躍したそうだ。

 本書には、その際に著者が心がけた行動指針や哲学、
そしてその結果何が起きたかという実例が示されている。

 この夢のような躍進の秘訣はなんだろう?と、誰もが気になるところだろう。
しかしその内容は、奇策を弄しているのではなく、至ってオーソドックスである。

  • 部下を信頼する
  • 行動で示す
  • 良いアイデアは即座に採用する
  • 風通しの良い関係を持つ
  • 300人近い部下の顔と名前を全て一致させる
  • 無意味な規則を捨てる勇気を持つ
  • 楽しむことを奨励する

 一つ一つは不可能とは思えないことばかりだが、それが積み重なることで、
部下の能力を100%引き出すことが可能な強靭な組織となったのだ。

 ほとんどの組織が、メンバー全員の力を100%活かすことはできていない。
しかしそれに近づくことができるとすれば、本書に書かれているやり方に近いものであるはずだ。
これを実行に移すことが簡単ではないのは、なぜなのだろう。

 タイトルの「術」という文字からは、テクニックに近いイメージを受けたが、
いい方向に予想を裏切ってくれた。読むべき。★5つ。

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感想メモ:客家大富豪 18の金言

客家大富豪 18の金言
客家大富豪 18の金言
  • 発売元: 講談社
  • 発売日: 2007/10/25

★★★★☆

 主人公が客家の大富豪と出会い、その秘伝を伝授されるというストーリー。
形式としては『「福」に憑かれた男』「お金持ち脳になる10の習慣」や
「マスターの教え」と同じだが、こちらは変えている部分はあるものの、
事実に即しているとのこと。

 「金言」の中身については、こちらで詳しく紹介されている。
客家(ハッカ)大富豪 18の金言-1
客家(ハッカ)大富豪 18の金言-2
客家(ハッカ)大富豪 18の金言-3

 この「金言」は基本的に「ビジネスの秘訣」としての言葉なのだが、
上に挙げた本にあるような、「心の持ちよう」といった面についても触れられている。
たとえば「「ありがとう」は必ず声に出すべし」や「笑顔はコストゼロの最良戦略」といったものである。
ただしこれらも、目的がビジネスにあると強く意識されている。

 個人的な好みとしては『「福」に憑かれた男』の方がしっくりくるのだが、
ビジネスに適用しやすい知識を求めている人にはこちらの方が良いかもしれない。
良い本。★4つ。

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感想メモ:マネジメント改革の工程表

マネジメント改革の工程表
マネジメント改革の工程表
  • 発売元: 中経出版
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2006/09/29

★★★★☆

プロジェクトマネージメントの指南書

 内容は以下の書評とサイトに詳しく書かれているので、詳しくは触れない。
マネジメント改革の工程表 – 無知・・・
TOC-CCPM【クリティカルチェーン】

 クリティカルチェーンとTOC(制約理論)という考え方自体は珍しくはないが、
ここまで具体的に書かれていると、実際に使ってみやすいと思われる。
特に、日数のバッファーを一元管理するという手法は、誰にとってもシンプルで、
皆で助けあう雰囲気になりやすいのだと思う。

 また、実際に国の公共事業において本書の内容を試し、
大きな成果を上げたという点も説得力を増す。

 やらされるのではなく、コミュニケーションを取って自発的な動きを促すことで、
モチベーションのアップにも繋がるという点も興味深かった。
プロジェクトに関わっている人には実用的な知識だろうし、
個人として自分の仕事のやり方の見直しにも使えそう。

 おもしろかった。★4つ。

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