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感想メモ:ラブホテル経営戦略

ラブホテル経営戦略
ラブホテル経営戦略
  • 発売元: 週刊住宅新聞社
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2009/04/25

★★★☆☆

まさにタイトル通り、ラブホテルの経営について書かれている本。

ラブホテルはビジネスホテルなどと異なり、回転数が命。
平日土日ならして、休憩2回、宿泊1回。平均2〜3回転。
ざっくり4000円8000円として×30日で
50〜60万/月・部屋 ぐらい行けば平均的とのこと。

回転率が高いため、他のホテル業種にに比べて利益率は高い。
粗利で40〜60%。管理を外注しても、利益で20〜30%となる。
在庫のない現金商売であることから、儲かりやすい仕組みといえる。

しかし競合もあるので、当然経営努力は必要となる。
他が良ければ、一瞬で乗り換えられてしまうからだ。
一方で、リピーターが7〜8割というのもおもしろいデータ。

さて、ラブホテル経営で大事なことは何なのだろう?

  1. ハード面:設備、アメニティ
    →老朽化が激しく、飽きられるのも早い。
  2. ソフト面:清掃、応対の丁寧さ
    →プライバシーに敏感な場面なので、ソフト面も非常に重要。

他におもしろいとおもったのが、経営者が勧めるラブホテルの選び方。

  • 外の看板が綺麗で、看板の中の蛍光灯とかネオン管が切れていないこと
  • 玄関・フロントの掃除が行き届いていること

従業員は、部屋の掃除は仕事として与えられているが、
それ以外は行き届かないことが多い。
つまり、そこまで行き届いているということは、経営者がきちんと
しているということ、とのこと。

結局、競争を生き抜いていくのは楽なことではない。
どの業界も、たゆまず知恵を出していく努力が必要なのだな、
と月並みな感想に落ち着いた。★3つ。

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感想メモ:非常識な成功法則

非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣
非常識な成功法則―お金と自由をもたらす8つの習慣
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2002/06

★★★★☆

「60分間・企業ダントツ化プロジェクト」「口コミ伝染病」
「あなたもいままでの10倍速く本が読める」「成功者の告白」など、
数々のベストセラーを生み出している神田昌典氏。

外務省のキャリア官僚からMBA取得、米家電メーカー、
コンサルタントを経て、ダイレクト・マーケティングの大家へ。
今や文句なしの成功者である。

彼が語る成功の秘訣とは?
それを、8つの習慣として紹介している。

「非常識な」というのは、他の成功本と違う、という意味だろう。
しかし、その差は序章では見られるものの、他の章は
あまり非常識という感じはない。
他の本で触れた内容もあったので、その分すっきり頭に入った。

私がメモしたのは以下の部分。

  • まずは「お金」に優先順位を置く。次に必死になって「心」を磨く。
    この2ステップを意識する
    →「心」→「お金」よりも早い
  • 良い目標は、その実現に向かってあなたを自動操縦する。
    悪い目標は、障害が生じ、挫折しやすい
  • やりたくないことを明確にする
    →やりたいことの中にもやりたくないことが混在する
  • 目標を紙に書き、常に持ち歩く
    →潜在意識に繰り返しインプットされる
  • 自分に都合の良い肩書きを作る
    →自分に対するラベリング
  • テープ+フォトリーディングでインプット
    →耳は空いている時間は多い
  • 殿様セールス
    →パレートで言う2割の顧客に集中する
  • お金を溺愛する
    →お金に対する悪いイメージをなくす

テープは、今なら音声ファイルだろうが、かなり強力なツールだと感じる。
頭に、本で読むのとは違った入り方をするからだ。
本を読んで気に入ったら、耳から聞いてみると、
より印象が強まり、定着しやすくなるだろう。

神田氏の本はどれも安定しておもしろい。
本書も良い本だった。★4つ。

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感想メモ:会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)
会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)
  • 発売元: 毎日コミュニケーションズ
  • 価格: ¥ 819
  • 発売日: 2009/02/21

★★★★☆

「マグロの鮮度保持剤の開発を進めるには、マグロのすべてを知る必要がある」
そんな理由から、1ヶ月以上マグロ船に乗ることを命じられた著者。
船酔いに苦しめられるつらい生活の中で、なぜか人生訓を学んでいた。

マグロ船というと、マッチョな海の男達が集う肉体派な空間、という印象があるが、
長期間密室に近い空間で過ごすためのその経験知は、奥深いものばかりだった。
確かにタイトル通り、一般の企業での仕事や、それ以外の仕事にも応用の効く
考え方が多いことに驚いた。

以下、印象に残った言葉を挙げる。

  • 人間はの、幸せのなかにいるときは、幸せに気づかんもんよ。
  • いいことが起きたら喜んで、嫌なことが起きたら暗くなる。それじゃあ犬と同じじゃねーか。
    人間はの、感情をコントロールできるんど。
  • マグロが捕れんときこそ、感情をコントロールしぇんと人間ダメなんど。
  • 結果にばかりこだわると、その途中にある、おもしれーもんや、役に立つことを見逃すんど。
  • つまりの、おいどーらは、おいどーらにできることをすべてやったんど。
    それから後のマグロが捕れるかどうかなんて、海が決めることど。
  • 『努力』っちゅー言葉には、どっか『結果』という見返りを期待しちょるように聞こえるの。
    でもの、努力はたいてい報われんのぞ。最初から報われる期待をして努力すると、
    『努力したのに・・・』とすぐにあきらめよる。
  • 『完璧』を目指せば目指すほど、自分にできないところが目立って落ち込む。
    結果、完璧とはより遠くなるんど。
  • それは他人にわかってもらおうとするからつれぇんよ。
    自分が自分の仕事に楽しさと誇りを持てば、あとは世話ねぇ話じゃ。
  • 『不況で商品が売れん』っちゅーとるやつは、不況を言い訳にして、
    今までのやり方を変えようとしぇん。・・・言い訳に力を使うんなら、
    先に自分のほうを変えたほうがよかろーが。
  • 『便利になれば幸せになる』、そんなん全部幻ど。むしろ、不便な方が
    みんなで助け合ったりして、心の中に幸せを感じるし、難しいこともできるようになるんど。
  • 人のアドバイスに期待しすぎるから、的がはずれたアドバイスに腹が立つんど。
    えーか、『他人からのアドバイスはたいてい的がはずれちょる』。これが普通ど。

与えられた仕事を全力でこなす。
失敗は必要。
変えられないものを変える努力より、自分を変える。
相手を評価していることも同時に伝える叱り方。
会話のコツ。
褒め方。
「努力」や「完璧」に関する考え方にも、ハッとさせられた。

ビジネス書や自己啓発書で見るような内容とほぼ重なる。
どのような道をたどっても、行き着くところは似通ってくる、
ということなのだろうか。

サラッと読めるが、奥深い言葉がちりばめられている。
どんなタイミングでも得る物があるだろう。良著。★4つ。

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感想メモ:お金と英語の非常識な関係(上)(下)

お金と英語の非常識な関係(上) 神田昌典&ウィリアム・リード、スペシャル対談CD付き
お金と英語の非常識な関係(上) 神田昌典&ウィリアム・リード、スペシャル対談CD付き
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/07/17
お金と英語の非常識な関係(下)―神田昌典の全情報ソース付き
お金と英語の非常識な関係(下)―神田昌典の全情報ソース付き
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/07/17

★★★★★

英語の勉強と盛りだくさんの+α

「口コミ伝染病」「60分間・企業ダントツ化プロジェクト」や
フォトリーディングでも有名な神田昌典氏の本。
内容を超要約すると以下のような感じ。

「本は未だ英語ができる人が少ないので、
英語をビジネスで使えるようになるととてもよい。
そして英語をビジネスで使えるようにするのは
実はそれほど難しくない。考える前に飛べ!」

他に興味深かったのは以下の点。

・意志疎通だけであれば、中学生レベルの単語で十分
日本人はマジメに「正しい英語」を話そうとするが、
それはむしろ有害だという考え方の転換。
単語は捨てる、日常会話を捨てる、などの考え方も斬新。

・洋書をフォトリーディングする
「あなたもいままでの10倍速く本が読める」の神田氏なので、
洋書をフォトリーディングで読む方法についても書かれている。
確かに、洋書こそフォトリーディングに向いていると思う。
和訳が出ていない本でも読んでみようかしら。

英語の学習以外にも、夢の実現のための考え方や、
巻末の海外からの情報収集の方法などの情報が盛りだくさん。
神田氏とウイリアム・リード氏との英語での対談CDもついている。
どれもとても有益なコンテンツだと感じた。
オススメできる。★5つ。

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感想メモ:なぜ会社は変われないのか

なぜ会社は変われないのか―危機突破の企業風土改革 (ビジネス戦略ストーリー)
なぜ会社は変われないのか―危機突破の企業風土改革 (ビジネス戦略ストーリー)
  • 発売元: 日本経済新聞社
  • 発売日: 1998/01

★★★★☆

言ってもムダ。言い出しっぺが損をする。
これは、変化する力が失われた組織を包む雰囲気である。

基本的に、人は変化を恐れるものだ。
これは、人の集合体である組織も同じだ。
しかし、変化できない組織は、外部環境の変化に対応できない。
対応できなければ、生き残れない。生物と同じである。

変化を起こすには、安定、不活性な雰囲気を、
あえて不安定、活性な雰囲気にすることである。
これが、企業風土を変える、ということになる。

しかし、言うは易し、行うは難し、である。
企業風土というのは、人の思考パターンの集合体と言える。
従って、企業風土の変革というのは、多くの人の思考パターンを変えることを意味する。
一人の人の考え方を変えるのも難しい。
多くの人を変えるともなれば、なおさらである。

よくあるやり方としては、こんな感じだろうか。
コンサルタントが入って、経営陣を含んだプロジェクトグループを結成。
企業の歴史や風土、強みなどの意見を集約、分析し、
ミッションステートメント的な文言をがんばって作成。
組織や制度をいじって、それが各部署へトップダウンとして降ってくる。
現場は降ってきたから「またか」的な雰囲気でとりあえず対応・・・
こんな方法で、人の考え方が変わるだろうか?

本書のストーリーから浮かび上がってくる方法は、
上のようなものとはかなり異なる。
簡単に言うと、トップダウンの重要性は認識しつつ、
「やらされている」感をなくすボトムアップを重視するという感じだ。

以下、メモした部分。

  • マジメなことを言いあえる関係、場(オフサイトミーティング)を作る
  • ミーティングと会議の役割を分ける
     議論⇔情報の伝達、少人数⇔多くても可、長くかかる⇔できるだけ短く
  • 変革には、マネージメント層が重要
  • 二割の社員が変わればいい

風土の話は、企業だけではなく、人が集まる組織であれば
多かれ少なかれ共通している話だ。
多くの人が何かしらの組織に所属しているだろうから、
組織をよくしたいと思う人にはどこかしら参考になる部分があるだろう。

ちょっと読みにくい部分もあったが、おもしろかった。★4つ。

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感想メモ:ラストホープ 福島孝徳

ラストホープ 福島孝徳 「神の手」と呼ばれる世界TOPの脳外科医
ラストホープ 福島孝徳 「神の手」と呼ばれる世界TOPの脳外科医
  • 発売元: 徳間書店
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/03/20

★★★★★

ゴッドハンドと呼ばれる、脳外科医福島孝徳氏。

彼一人が年間にこなす手術数は、他の日本人全体の手術数を上回る。
更に、手術の成功率も抜群。
一体どうしたら、彼のような人ができるのだろうか。

才能、というのは必要条件だろう。
福島氏の場合、天性の手先の器用さというのはまずある。
そして尽きることのないエネルギー。これも天性のものだろう。

しかし、才能だけではこれだけの実績は残せないと感じる。
イチローにしても高橋尚子にしても、才能+たゆまぬ努力があってこそ、
天才と言われる実績にたどり着くのだろう。

その努力を支えるのはなんだろう。
そのヒントは福島氏の以下のセリフにある。

・Passion(情熱)
私の人生そのものがパッション。全身脳外科人生です。

・Love(愛)
天職としての脳外科を愛しています。もちろん妻や子を愛していますが、妻には「あなたは脳外科と結婚したひとよ」と言われたりします(苦笑)。

・Happiness(幸福)
自分がやりたいと思うことを続けてきて、こんなにもうまくいっている。そのことに幸せを感じるし、日々神様に感謝しています。

・成功(Success)
手術をして
最高の結果が出ること。それが私にとって唯一のサクセスです。

・Growth(成長)
一日一日、少しでもいいから進歩したい。どうやったら自分の手術がもっと良くなるかをいつも考えてます。それをやめたら私の成長は止まってしまう。

情熱。

これこそが、福島氏の努力を支えているものの正体だ。
自分がやりたいことを、愛していることをやり、その上で結果を残している。
おそらく彼は、人生幸せだと感じていることだろう。

「成功者の話を聞いても、自分の成功とは関係ない」
という意見もある。しかし私は反対の立場だ。

なぜなら、成功者の話には共通点が見られるということは、
進むべき方向はわかるということだからだ。
到達することは難しくても、近づくことはできる。
実行が難しいのと、不可能であるのとは全く別の話だ。

福島氏の言うように、
「一日一日、少しでもいいから進歩したい」
この気持ちを持ちながら生きていくことが大事なのだろうと感じた。
自分は、今日、少しでも進歩したか?
こう問いかけるだけでも意味がありそうだ。

他にも、医療制度に関する話もおもしろい。
私は、以下のように考えていた。
医療現場の労働環境が過酷なのは医者不足が原因なのだから、医者を増やせばいい。
でもそれは、医療業界側が絞ってきたという側面もある、と。

しかし福島氏の意見はこうだ。
日本は医学部に入った人のうち100%に近い人が医者になる(ドイツやフランスは10%程度)。
従って、数は足りている。ただ、カリキュラムに問題があり、
臨床の経験が不足している医者が大量に生まれている。
医者が足りないと感じられるのは、一部の限られた病院に医者が集中しているから。

氏の提案は以下の通り。
医学部は数を減らし、質を向上させる。
カリキュラムを刷新し、臨床経験を多く積ませる。
具体的には、一般教育と基礎医学過程を4年から2年に縮め、臨床を2年から4年にする。

ということで、いろいろとためになる良い本だった。★5つ。

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感想メモ:あなたの話はなぜ「通じない」のか

あなたの話はなぜ「通じない」のか
あなたの話はなぜ「通じない」のか
  • 発売元: 筑摩書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2003/10

★★★★☆

話が通じない。

といっても様々なレベルがある。
理屈が通っていないというケースもあれば、
そもそも信用されていないというケースもある。

そんな中、自分のいいたいことを、
反感を買うことなく相手に受け入れてもらうにはどうすればいいだろうか?

そんな問いに、ベネッセコーポレーションで進研ゼミの小論文を担当し、
後に独立した山田ズーニー氏が自身の経験談を踏まえて語る。

  • 自分のメディア力を上げる
    「あの人が言うことなら確かだろう」と信頼されるメディアになる、ということ。
    それにはまず、自分がどう見られているかを意識する必要がある。
  • 相手にとっての意味を考える
    ダメ出しに感情で反発するのではなく、相手と共通する思いを探し、
    そこを土台にする。
    共通する思いがゼロ、というケースはまずない。
  • 論理
    基本は
    テーマ→問い→意見→理由
    の流れ。
    人の話を聞くときもこの流れでシンプルに考えると整理しやすい。
  • 問いの立て方
    適切な問いが思考を広げ、また目的を具体化する。
    問いを立てる力が非常に大事。
  • 問いを助けるツール
    ・5W1H。WHYは本質を問う。ここぞというときに。
    ・100本ノック
    テーマについて問いを100個考えてみる
    ・時間、空間、人の3軸
    過去現在未来、他社他業種他地方他国、自分相手先輩後輩など。

他にも、なぜ正論は受け入れられないのか?
もつれて感情的になりそうな相手に共感する/してもらうには?
など、誰しもが悩む問題に対して、
経験談を交えて実用的な答えを示している。

いくら自分が正いこと/良いことをしていると思っても、
そのことを周りの人に理解してもらっていないと不幸なことになる。
相手のことを考えましょう。
良い本。★4つ。

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感想メモ:コンサルタントの「質問力」

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)
コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 840
  • 発売日: 2008/03/19

★★★☆☆

 気の利いた質問をするというのは、なかなか難しい。

 普通に話を聞くと、はぁそうですか、で質問もなしに
終わってしまうことが多いのは、誰しも心当たりがあるだろう。

 コンサルタントというのは質問をするのが商売なわけで、
良い質問をするにはどういうことが重要なのかを説明している。

 その答えが

  • 「仮説力」
  • 「本質力」
  • 「シナリオ力」

という言葉でまとめられている。

それぞれ、

  • 仮説を持って話を聞いて質問する
  • 本質を捉えた質問をする
  • 質問をすることでどう話をまとめようか、とシナリオを考え、
    そのように話が進むように質問する

ということだそうだ。

 確かに内容はその通りだと思う。
それらの力がつけば、良い質問ができるだろう。
それでは、どうすればその力が付くのか。

 コンサルタントの人が使っている考え方のツールは紹介されている。
「頷く、聞く姿勢を持つ」というような姿勢や心構えは紹介されている。
しかし、使えるようになるかは一段別の話だ。

 ということで私の読んだ感触では、既に考え方ができている人向け。
つまり、私は読んでもあまり身に付かないと思った。☆3つ。

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感想メモ:編集者という病い

編集者という病い (集英社文庫)
編集者という病い (集英社文庫)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 650
  • 発売日: 2009/03/19

★★★★☆

 見城徹という鬼才

 鬼才なんて言葉めったに使うことはないのだが、この言葉がふさわしいと感じた。
編集者という職業は、作家に比べて表に出て来ることが少ない分、
どういうことをしているのか、わかりにくい。
しかし、これが編集者というものか!と認識を新たにした。

 尾崎豊、坂本龍一、宮本輝、村上龍、石原慎太郎、五木寛之。
様々な分野で活躍する人々と濃密に、それもハンパなく濃密な付き合いをしている著者。
表現者という、ある種心に歪みを抱えた人々の心に深く切り込み、
この人になら任せられると思わせること。
そういう関係をいかに築くことができるかが、編集者のキモなのだと著者は言う。

 しかし一方で、これは異常だと感じる。
こんな人付き合いを100人単位の人間と持っているなど、普通精神が持たない。
と思ったら、著者は筋金入りの不眠症で、耳鳴りも止まらず、心臓も悪いらしい。
そして当然、全ての編集者が彼のようなやり方ができるはずもない。
まさに「編集者という病い」。いいタイトルだ。

 様々な媒体で書かれた記事の再録も多く、エピソードの解説の重複も多々見られる。
しかしなお、一読の価値がある。★4つ。

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感想メモ:一瞬で心をつかむできる人の文章術

一瞬で心をつかむできる人の文章術―1日たった15分10日間で上達!
一瞬で心をつかむできる人の文章術―1日たった15分10日間で上達!
  • 発売元: コスモトゥーワン
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2007/11

★★★☆☆

 文章をうまく書きたいけど、どう書けばいいかわからない。
文章を書くのがなんとなく苦手・・・

 そんな人のために、文章スクール主宰の著者が
うまく文章を書くためのコツやアイデアを書いている本。

 ストーリー仕立てで書く、5W1Hで書く、会話や心のつぶやきを入れるなど、
テクニックも色々と書いてある。
また、結論から先に書く、じらす、など構成についてもヒントが書かれている。

 しかし、である。

 結局文章がうまくなるには書くしかないのだ。
書くことを習慣にし、書くことが自然になるまで書くしかない。
1回の授業より100回書くことである。

 従って、一冊本を読んだところで即文章がうまく書けるようになるわけではなく、
文章を書くという習慣をいかに付けるか、というところが肝心である。
本書ではそこにあまりページは割かれてはいないが、長さは気にせず日記を書くことが勧められている。

 読後の感想は、タイトルはキャッチーだったなということだった。
期待しすぎたか。★3つ。

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