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感想メモ:裸でも生きる

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)
裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2007/09/22

★★★★★

著者の山口絵里子さんの半生を描いた本。
というと月並みだが、この山口さんの生き方は、
とにかく人並み外れている。

本人は「私なんか」と語るが、なんかどころではなく、
本当にすごい。尊敬する。
引き込まれるように読んでしまった。

  • 小学校でイジメにあう
  • 強くなりたいという思いから、高校は有数の強豪校の「男子」柔道部に入部。
    文字通り血を吐くような練習に耐え、全国7位に
  • その後教育を変えたいという思いから政治家を志す。偏差値40から3ヶ月で慶応へ
  • 途上国の姿が自分の目で見たいからと、
    最貧国単身バングラデシュへ。一人で2年暮らす。
  • バングラデシュの大学院へ

これで前半くらい。
とにかく、行動力が半端ではない。
ツテもないのに一人でバングラデシュに行って暮らす?
当然何度も痛い目に遭っている。
それでもやり遂げてしまう。

こういった人になるには、ある種の飢餓感が必要であるように思える。
普通に不自由なく暮らせる日本では、
こういった人はなかなかいな出てきにくい。
彼女を彼女たらしめているそ情熱を支えるものは、
一体何なのだろう?

ちょっと長いが引用。

ただ、そんな周りの声の中、私が拠り所にしたことは、
たとえば尊敬する人の言葉でも、すばらしい本でも何でもなく、
自分自身だった。

自分は一体何をしてきたんだ。
他人と比べて一番になるなんてそんなちっぽけなことに全力を注ぎ、
泣いたり笑ったり。
こんな幸福な星の下に生まれておいて、
周りを気にして自分ができることにも挑戦せず、したいことも我慢して、
色んな制約条件を自分自身の中だけでつくりだし、自分の心の声から無意識に
耳を背け、時間とともに流れていく。
バングラデシュのみんなに比べて山ほど選択肢が広がっている私の人生の中、
自分が彼らにできることはなんだろう。
それは、まず自分自身が信じる道を生きることだった。

頭では納得できても、それを行動に移せる人というのは
ほんの一握りで、だからこそその生き方は心を打つのだろう。
ぜひ読むべき。刺激を受けること請け合い。
ということでオススメの★5つ!

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感想メモ:I met a boy.父の日に、バンビ公園で。

I met a boy.父の日に、バンビ公園で。
I met a boy.父の日に、バンビ公園で。
  • 発売元: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2008/12/20

★★★★☆

仕事にもプライベートもうまくいっていない主人公が、
タイトル通り一人の少年と出会う。
それをきっかけに、主人公は生まれ変わる決心をした。

ジャンルとしては、物語形式の自己啓発ストーリー。
喜多川泰さんと似た雰囲気があると思ったら、
同じ聡明舎の人であるようだ。

200ページ弱。サラッと読めて、爽やかな読了感。
喜多川氏の本が好みの人は、気に入るかと思う。★4つ。

「もっとかっこいい自分でありたい。
だから、変わろう」

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感想メモ:「R25」のつくりかた

「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)
「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)
  • 発売元: 日本経済新聞出版社
  • 価格: ¥ 893
  • 発売日: 2009/02

★★★★☆

今でこそ存在が当たり前となっているR25。しかし。

  • ターゲットはM1層(20〜34歳男性)
  • 首都圏の主要駅の構内に置かれている
  • 発行部数100万部

というのは、企画の時点では誰もが首を振る、
恐ろしくハードルの高いことだったようだ。

そのハードルを、どうやって乗り越えたのか?
プロジェクトメンバーの藤井氏がそのストーリーを語る。

最も重要なのが、ターゲットのM1層に対する理解。
アンケートやインタビューを繰り返すというのは常道だが、
その結果には現れてこない、隠された顔があることを見出していく。
これがキモだったのではないかと思える。

そのときに「定量調査」だけでは出てこない本音が実はある、
ということを知りました。

ということは、ニュースの消化不良感を取り除く、
胃薬のような情報を提供してあげればいいのではないか。

彼らは、実は疲れているのではないか、と。
いろいろな意味で疲れている。

その理解の結果のM1層の定義がおもしろい。

「M1世代のビジネスマンは、情報に敏感で、多忙な中、時間を有効に活用
したがっている。その内面は、自分の価値に一番関心があり、
自意識過剰でカッコつけ。そこそこイケてると思っているが、確信はない。
顔には出さないが不安感もある。だから実は助言がほしい」

他にも、ここまで考えてやってるんだ、
というエピソードがいろいろ詰まっていて、おもしろい。

「帰りの電車の中で読む」というコンセプト

僕はM1層の読書に対して、本当に彼らのことを考え、
本当に彼らの役に立つ、彼らのプラスになる記事を作りたいと思っていました。
そうでないと伝わらないし、支持も得られません。

僕はその(世代間)ギャップにこそ、新しいビジネスの萌芽が
あるのではないかと思っています。

多くの人が手に取ったことがあると思われるR25。
その裏にはこんな努力があったんだ、と思うとまた印象が変わったりする。
サラッと読め、おもしろかった。★4つ。

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感想メモ:ユダヤ人大富豪の教え

ユダヤ人大富豪の教え
ユダヤ人大富豪の教え
  • 発売元: 大和書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2003/06/19

★★★★★

本田健氏の初期の著作。
ペイフォワードやライフワークの視点を、
ユダヤ人大富豪から教わるレッスン形式として説明している。

他の本と重なる部分も多いのですべては紹介しないが、
共感できる部分は多かった。
メモした部分を挙げていったらとても長くなってしまった。
これはいい本の証だろう。

  1. 大多数の人間は、いまいるところでがんばれば道は開けると考えてしまう。
    そこで、無駄な戦いをやって、ボロボロになって力つきてしまうのだ。
  2. 人生で成功して金持ちになりたければ、まず、自分が魂を打ち込める何かを見つけること。
  3. 普通、人は『得意なこと』と『大好きなこと』を混同してしまう。
  4. 大好きなことに巡り合う一番の方法は、いまやっていることが何であれ、それを愛することだ。
  5. 人間性を見るためには、その人が直接、利害関係のない他人をどう扱うかを見たらすぐわかる。
  6. 思考が人生を形作り、感情が人生をコントロールしている
  7. コミュニケーションの鍵は感情だ

他にも、いろいろな原則が紹介されている。

「セールスの成功5原則」

  1. 絶対売ると決める
  2. 信頼される人柄になる
  3. イメージを描けるように話し、感情に訴える
  4. 商品・サービスに完璧な知識を持つ
  5. クロージング(契約)のテクニックを持つ

お金の5原則

  1. たくさん稼ぐ
  2. 賢く使う(節約):「必要なもの」と「ほしいもの」の違いを知る
  3. がっちり守る:Never lose money.
  4. 投資する
  5. 分かち合う

ビジネス成功5原則

  1. 好きなことを見つける
  2. そのビジネスで成功に必要なことはすべて学ぶ
  3. 小さくスタート、短期間で大きくしない
  4. 儲かるシステムをつくる
  5. 自分がいなくてもまわるシステムをつくる

なぜ、目標達成に失敗するのか

  1. すべきことを目標にしている
  2. 目標を達成するモチベーションがない
  3. 具体的なステップがない
  4. 期限がない

目標設定成功5原則

  1. ワクワクするような目標を立てる
  2. 目標は細分化し、具体的な行動ステップを考える
  3. 目標を達成したときのご褒美と、失敗したときの罰を用意する
  4. 目標が達成したところをイメージして楽しむ
  5. 行動を起こす

パートナーシップを成功させる5原則

  1. 問題があれば、できるだけその場で話をすること。その日のうちに解決すること
  2. 何かを決めるときには、二人の100%の合意で決めること
  3. お互いの存在を自分の人生での奇跡として扱い、感謝すること
  4. 自分の幸せに責任をもつこと
  5. 夫婦は運命共同体であると認識すること

自分が人生で何を大事に思っているのか。何が好きなのか。
日常に追われて生活していると、考える機会はない。
だからこそ、あらためて考えてみるのはとても良いことだと思う。
オススメ。★5つ。

ユダヤ人大富豪の教え
ユダヤ人大富豪の教え
  • 発売元: 大和書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2003/06/19

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感想メモ:ビジネスマンのための読書力養成講座

ビジネスマンのための「読書力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
ビジネスマンのための「読書力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
  • 発売元: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 価格: ¥ 1,050
  • 発売日: 2008/09/15

★★★★☆

「〜力養成講座」の小宮山氏が語る、本の読み方についての本。
本の読み方として5つのレベルがあるとしている。

  1. 速読
  2. 通読レベル1
  3. 通読レベル2
  4. 熟読
  5. 重読

本を読む本」とは分け方が少し異なる。「点検読書」が速読に近いか。
それぞれのやり方の意味を理解し、対象によって使い分けよう、ということ。

速読は以下のようなもの。

  • 速読は、あらかじめ自分が知りたいことが分かっている人が、
    それを手に入れるための手段。読むことではない。
  • そのためには、そのことに関して一定の知識ベースが必要。

通読は以下のようなもの。

  • 通読では、必要な知識を得ながら大枠をつかむことが目的となります。
    通読レベル2では、それに加えて、ある程度の論理的思考力が身につきます。
  • 通読レベル2では、本に線を引いたり、感じたことや思いついたことなどの
    メモを書きこんだりしながら読むことになります。
  • 変に一般向けにアレンジされたものより、
    専門家を目ざす人向けの入門テキストのようなものを読んだほうがよい

熟読とは、以下のようなもの。

  • 1.自分の専門分野や興味のある分野のものを、必要なところだけ、
    2.多くのことと関連付けながら、きっちり論理立てて読んでいく。
  • 必ずしも、本を頭から最後まで全部読まなくてもいいから、
    重要なところや興味があるところについては、参考文献も用意して、じっくり読む。

重読とは、以下のようなもの。

  • いい本を繰り返し読む
  • 重読は「意味」を得るだけの読書ではなく、
    「意識」を高めるための読書なのです。

ちなみに著者が百回以上読んだ本は、「菜根譚」と「論語の活学」だそうだ。

速読はキーポイントを高速に把握するため拾い読みをするもの。
従って、キーとなるところを見抜く知識が必要。理解を深めるものではない。
というのが著者の考えだ。

しかしそれは速読の一つの方向であって、
私は別の方向もあると考える。
それは通読2の速度を高めること。速読2とでも呼ぼうか。
内容はフォトリーディングの記事を参照されたい。
フォトリーディング – 精読からの解放

経営や経済、マーケティングなどの分野について、
オススメの本が紹介されているのでそれを読むもよいだろう。
本好きの人もそうでない人も読むとよいと思う。
良い本。★4つ。

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感想メモ:断る力

断る力 (文春新書)
断る力 (文春新書)
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 945
  • 発売日: 2009/02/19

★★★★☆

今を時めく勝間和代さんが語る処世術。

タイトルから、内容は
「なんでもかんでも言われたことをOKしてると、
便利にこき使われてすり減って自分の時間がなくなって
成長もしないし良くないYO!」
という感じだと予想した。だいたい合ってた。

彼女自身、マッキンゼー時代の30代半ばまでは、
断ることを知らない超優等生だったが、
激務でかなり精神的にヤバいところまで行っていたらしい。

しかし断ることを覚え、自分の武器を磨くことに力を注ぐことなしに
今の状態はないだろう、とのこと。

  • ある意味、私は「断る力」を身につけるまで、
    「コモディティ」すなわち、他人でも十分に代替がきく
    汎用的な人員だったと思います。
  • 自分に時間を使わないと、頭も使えませんから、
    頭を相手に任せて、自分は手足として「動く」ことになります。

  • いずれにしても、ふだん私たちが生活し、
    能力を発揮していく中で、
    「すべての人に好かれる必要」
    はないのです。あるいは、そのこと自体、不可能なのです。
  • 「不得意」なものは放っておく割り切りと強さが必要

当然、なんでも断る人はただワガママなだけなので、
自分の強みを活かせる仕事に集中して成果を出すことが必要。
そして弱みを克服するより強みを伸ばす方が簡単かつ効率がよいので、
まず自分の強みを知りましょう、と。

以下個人的な見解。
自分の信念に従って行動した結果、嫌われるのは納得できる。
しかし、人に合わせるために行動した結果、嫌われるのはやり切れない。
従って、自分が信じるところを行動した方がよいと思う。
それには、まず自分が信じるところがないといけない。
自分にとって何が一番大事か。考えておきたいものだ。

内容にはとても共感できた。
全員に好かれることはできないので、
誰かしらからは嫌われることを覚悟しておくべし。
良い本。★4つ。

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感想メモ:サービスの底力!

サービスの底力!―「顧客満足度日本一」ホンダクリオ新神奈川が実践していること
サービスの底力!―「顧客満足度日本一」ホンダクリオ新神奈川が実践していること
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2005/02

★★★★☆

カルロス・ゴーンも視察したという、
ホンダの販売店ホンダクリオ新神奈川。

8年連続顧客満足度No.1という記録を持つこのお店は、
他のお店とどんな違いがあるのだろうか?
社長の相澤氏が語る秘密とは?

読んでみると、特に奇をてらったことをしているのではない。
基本に忠実に、しかし徹底して行っている。
その結果が、他に追随をゆるさない結果に繋がっているのだろう。

相澤氏は、とにかく「厳しいオヤジ」という感じ。
気になるところはとにかく厳しく言う。
その結果、出て行く社員も多い。

しかしその大半が戻ってくるという。これは珍しい。
社長の言葉は、嫌がらせなどではなく心から出ているからなのだろう。

  • だから私が、「顧客満足はお客様のためではない」ってことを言うと、
    皆さん何を馬鹿なことを、と思われるようですね。
    じゃあ誰のためにそんなことをやっているんだ、っていいますと、
    これ、「自分のため」なんです。
  • お客さまは神様ではなく弱者
  • こっちも意地になって、十回、二十回と行ってダメで、
    もう次ダメだったら諦めようと思った三十回目でOK
  • 3Sではなく30S

サービス業に関わる人は、読むと得るところがあると思う。
自分の周りを見るだけでなく、他社、他業界をヒントにするのがよさそう。

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感想メモ:私に売れないモノはない!

私に売れないモノはない!
私に売れないモノはない!
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2004/05/19

★★★★☆

一日24時間で18台、一月で174台、年間1425台の車の販売という
ギネス記録を持っているジョー・ジラード氏。
彼がセールスについて語っている。

彼は1928年生まれで、引退したのは1978年。
当然、インターネットや携帯などという物はない。

しかし。
彼のセールスの秘訣は口コミなのだ。

店を訪れる新客は取らなかった。
当時の私の顧客は、私を指名してくる人だけだった。一人残らずである。
そして車を買ってくれた10人のうちおよそ6人は、前にも一度は
買ってくれたことのある人だった。

リピート率が非常に高いため、一度膨らんだ顧客リストが
常にセールスを産み続けていたのだ。
その秘訣として著者が言うのが、「ジラードの250の法則」である。

人は誰でも、結婚式や葬式に招待するくらい大事な知り合いが
250人いる。250人もだ!
(中略)
週に50人の人と会い、そのうち2人だけが私の接客に不満を持ったとする。
たった二人でも、その二人の影響を受ける人は、
一年後には5000人くらいにはなるだろう。

一人の客に嫌われることは、あと250人の客に嫌われること。
つまり、たった一人にでも背を向けさせたら、少なくとも250人には
悪いウワサが伝わるリスクがあると考えろということだ。

他には、とにかく多くの潜在顧客の目に自分の名前を触れさせている。
こんなことまでやっている人はそういないだろう。

私はスポーツ観戦中に、盛り上がる場面で名刺をばらまくことでも知られている。

インターネットがないので、ダイレクトメールも当然最大の武器だ。

配達されたかどうかではない。ジャンクメールの山に埋もれずに、
開封され、読まれ、自分の名前が話題に上り、記憶されることが肝心なのだ。

これはe-mail時代になってもまさに同じだ。
以下、メモ。

  • 約束は守る。それが愛されるコツ。
  • 真実を言っておけば間違いない。
    ただし、相手を喜ばせるための多少の脚色は必要だ。
  • 客をよく見、よく聞いて、自分を語らせるようにすることだ。
    そうすればクロージングに向けて心を開いてくれる。
  • セールスに出会い、セールスというものがわかるようになって
    初めて本当に好きで、やめたくないものを見つけることができた。
  • 常に新しいことを試し、今のやり方を評価する新しい方法を
    探し求めるべきだ。
  • 肝心なのは、どんな店に勤めるかやどんな商品を扱うかではなく、
    顧客にどう接するかだからだ。

30年以上前の本だが、セールスという仕事の本質は
今をもって全く変わっていないことがよくわかる。
また、どの世界でもトップの人というのは、
仕事にかける情熱が人並みはずれているということも変わらない。

彼が今の時代にいたとしても、やはりトップクラスのセールスマンに
なっているのだろう。
おもしろかった。★4つ。

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感想メモ:影響力の武器 実践編

影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣
影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣
  • 発売元: 誠信書房
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2009/06/09

★★★★★

「影響力の武器」の続編。
具体的な研究事例をベースに、「影響力の武器」で紹介された
原理がどのように働いているかを紹介している。

聖幸さん同様、メモを取っていたらメモだらけになってしまった。
これは良著の証。

  • 社会的証明とは、みんなやってますよ、というお墨付き
    日本人は特にこれに弱いかもしれない
  • 社会的証明は、例が自分の状況に近い人であるほど効果が高い
  • ネガティブな社会的証明は危険
    『赤信号みんなで渡れば』になり、悪事を助長してしまう
    →良い振る舞いを伝える
  • 平均よりも良い行いをしている人も、平均値に近づく力が働いてしまう。
    →良い行いには肯定的なメッセージを伝える
  • 特典を無料にすると、価値がないものだからと思われてしまう
    →実際の価値を合わせて示すと、ありがたみが増す
  • 上位商品の役割は、下のラインナップのお買い得度が増して見えること
    →数が出ないからといって最上位商品を外すと、
    その下のラインが最上位となってドミノ倒しになる危険性!
  • 恐怖による説得には、具体的な解決方法を同時に伝える必要がある
  • 返報性の原理には強い持続力があり、好き嫌いにも勝る
  • 「誰かを助けておけばいいだろう」と考える方がはるかに生産的
  • アンケートに、一言手書きの付箋を貼るだけで回収率が高まり、
    反応の早さも内容の詳しさも向上する
    何かを依頼するときには、その方法に親しみや心配りが表れていればいるほど、
    相手が承諾してくれる可能性が高まる
  • インセンティブと返報性とは異なるので注意が必要
    →誰かが「あなたが私に先に何かをしてくれたら」という条件つきで
    「◯◯してあげる」という見返りを提案してきた場合、
    あなたがそれに協力する義理はほとんどないということです。
  • 同僚、顧客、生徒、知り合いなど誰かに協力を促すためには、
    まずこちらが本当に完全に無条件で手助けを申し出なくてはいけない
  • 返報性は時間でどう変化する?
    恩恵を受けた側の人:受けた直後は恩恵の価値を高く見ていたが、
    時間が経つにつれて、恩恵の価値を低く見るようになる
    恩恵を与えた側の人:与えた直後は恩恵の価値を低く見ていたが、
    時間が経つにつれて、してあげたことの価値を高く見るようになる
  • ラベリングは、相手にそのラベルのとおりに振る舞うように求める
    →「いつもご協力頂きありがとうございます」というタイプ
  • 一貫性、コミットメントは人の行動を強く縛る
    例)質問で協力を引き出す
    (Yesと言ってくれそうな)社会的に好ましい行動をするかどうか尋ねる
    Yesならその理由を尋ねる
    自発的、積極的、公言されたコミットメントは強い効果
  • 「キャンセルなさるときはお電話いただけますか?」
    →自分で理由を書いてもらう
  • 目標を紙に書くのも、自分に対するコミットメント
  • 加齢と共に一貫性に対する志向は強まる=歳を取るとがんこになる
    →習慣との一貫性を伝えるとプラス
     ただし、以前の判断は「その時点では」正しかったと伝える
  • あまりよく思われていない人に頼みごとをする
    恩を施してくれた人は好意を持ってくれる
  • 「1ペニーでも助かります」
    募金してくれる人の数が増え、平均額は変わらなかった
    「少しで構わないので」と伝えるのがよい
    →「小さな一歩」効果
  • 自己宣伝は反感を呼び起こす
    他人に自分の知識や業績を紹介してもらう 資格や免状、証書でもいい
  • 集団における意思決定では、 結局意思決定をしているのはリーダー一人
    →リーダーは反対意見を求めるように意識する必要
    悪魔の代弁者でもいないよりマシだが、効果は小さくなる
  • 小さな欠点には先に知らせると、誠実さと写り好感度が増す
    ただし欠点は小さい必要。欠点と関連のある長所を示すと更によい
  • 人は自分の名前に似ている人やものに親しみを感じる。職業ですら!
    →相手のセリフを全く同じに繰り返すだけで好感度が増す
  • ニューコークは損失回避と希少性で理解できる
    →なじみのものを失う恐れ
  • 人にものを頼むときは、必ず強力な根拠を示すといい
    当たり前の根拠でも、受け入れてもらえる確率が上がる
  • 読みやすさ、理解しやすさ、発音しやすさを内容の説得力と関連付けてしまう
    発音しやすい、韻を踏んでいる、わかりやすい名前にすると良い
  • 8個ためると特典がもらえるポイントより、10個でもらえて既に2つあるポイント
    →途中まで来ていると感じることで、進みやすくなる
  • 鏡を置いておくだけで不正行為は減る。目のマークでも!
    →自分の目でも、他人の目でも効果あり。
  • 感情の高まり、睡眠不足は判断に影響を与える。しかもそれは自覚しにくい
  • 個人主義(米、英など欧米諸国)と集団主義(日本などアジア諸国)の国では
    判断基準が異なる
    →一貫性に訴えるか、社会的証明に訴えるかを変える必要

どれも身に覚えがあることで、日常生活にも応用が利きそうなことばかり。
なんだかずらずらと並べて読みにくくなってしまったが、
メモを取ってしまったのだからしょうがないじゃない!

ということで、影響力の武器に続いて、これまたとても興味深く読めた。
文句なしの★5つ!

ちなみに影響力の武器本編同様、マインドマップ的読書感想文での
書評を読んだのがきっかけ。ありがとうございます。
【スゴ本】「影響力の武器 実践編」がやっぱりスゴかった件:マインドマップ的読書感想文

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感想メモ:影響力の武器

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
  • 発売元: 誠信書房
  • 価格: ¥ 2,940
  • 発売日: 2007/09/14

★★★★★

なんだか知らないうちに「うん」と言わされてしまった。
この人に頼まれるとなぜだか断れない。
こんなことはないだろうか?

この本では、人が思わずYesと言ってしまいがちな
6つのパターンを紹介している。

  1. 返報性
     何かしてもらうと、同じような形でお返ししたくなる
  2. コミットメントと一貫性
     前の言動と一致した行動を取りたくなる
  3. 社会的証明
     他の人がそうしているから
  4. 好意
     好意を持っている人の言うことは聞いてあげたくなる
  5. 権威
     専門家の言っていることは正しいだろうという思考停止
  6. 希少性
     数量限定、期間限定、レア物、など

読んでいて、どれも頷かされるものばかり。
確かにどれも効果があると、経験を通じて実感できる。
効果と共に、防御策が書かれているところも○。

「他人にYesと言ってもらいたい」という場面は、
どんな人も日常的に経験しているはず。
ビジネスをやっている人ならばなおさらのこと。
例えば、営業の人だけでなく、上司をYesと言わせたい場合、
同僚、部下に頼みごとをしたい場合。
どんなときにも応用が利く。

ただし、強力なだけに、悪用することも可能だ。
しかし人をだましてYesと言わせることは、
長期的には良い関係を築けないのでやめた方が良い、
というのが著者の言葉。私もそう思う。

ということで、これはぜひ読むべき本。
オススメの★5つ!

ちなみにこの本にたどり着いたのは、マインドマップ的読書感想文
激賞されていたのがきっかけだった気がする。
【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!:マインドマップ的読書感想文

他にも、勝間和代さんも推奨。
確かに、それだけすばらしい本です。
ちなみに続編の「影響力の武器 実践編」も★5つ。

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