- 「人間力」の科学
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- 発売元: PHP研究所
- 価格: ¥ 1,260
- 発売日: 2009/03/14
★★★★★
感性のマーケティングの小阪裕司氏。
「バルバロッサな人」という連載の内容をまとめたもの。
脳科学などの学問の研究結果のビジネスへの適用を考える、
という切り口がおもしろい。
「世の中のしくみ」「脳のチカラ」
「能力の活かし方」「時代が求めているもの」
という各テーマについて、いくつも研究が紹介されている。
面白いと思ったところをいくつか抜粋してみる。
いや、失敗するからこそいいのだ。
失敗し、それを乗り越える経験を積み重ねなければ
何事もクリエイトできない。
失敗を許さないことは、実はより大きな失敗に向かっている。
第一に、新しい物事はなかなか広まらない
第二に、新しい物事に真っ先に取り組む人たちは、集団内における少数派
第三に、物事が広がっていくにはキーパーソンが必要
正しいことだからといって、すぐに広がるわけではない。
がまんして活動を続けることが大事ですよ、ということ。
人をやる気にさせようとするとき、
成果を出してから報酬を与えても効果的でない。
行動した直後に報酬をあげることが必要なのだ。
誤解しやすいのは、「ごほうび」に金銭的に価値のあるものを
設定しようとすることである。
あくまで脳に対する報酬なのだから、些細なことで構わない。
報酬については、行動科学マネジメントに詳しい。
PST(Positive、Sokuji、Tashika。2つはなぜか日本語)
と同じことを言っている。
ここで活かすべき学びは、常に「印象」という最終判断を司るものは、
細かな認知部位なのだということだ。
どれかひとつができているだけでは、全体の印象は良くならない。
どれかひとつに致命的な問題があると、全体の印象も変わってしまう。
細かいことに手を抜くと、そこもしっかり見られてますよと。
情報を整理し、組織化するには五つの基準しかないとワーマンは言う。
- カテゴリー
- 時間
- 位置
- アルファベット
- 連続順(階層)
超整理法は使用頻度だと思うが、それはどこに入るのだろう。
自己開示をすると、親密感が増す。
これはブログを読んでいると、会ったことがなくても
知り合いのように感じることからもわかる。
しかし、自己誇示的すぎても自己卑下的すぎても、好感度は低くなる。
自己誇示が60%、自己卑下が40%の割合でmixされていると、
最も好感度が高まるのだそうだ。
これはおもしろい。
支援をしてもらえる人とは?
逆説的だが、支援を求めずに利他的な行動をすることなのだろう。
個人的にはこういうの大好き!
久しぶりに読んでいてワクワクした本でした。
ということで、オススメ度は★5つ!
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