「本」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:STUDY HACKS!

STUDY HACKS!
STUDY HACKS!
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/02/28

★★★★☆

 思想としては、おおむね他のいわゆる勉強本と共通の部分が多い。ので、他のものを読んだことがある人は、個別のツールやテクニックの紹介として読むと良いだろう。私がメモしたのは以下の項目。

  • WIKIで自分辞書作り
  • はてブのタグ検索、TECHNORATIの検索結果のRSS購読
  • 手帳へのメモの仕組み
  • 環境整備の重要性
  • シータ波:知らない場所で危機感から発する→喫茶店
  • スポットライト効果、黄色い照明で集中力UP
  • スティックタイプのアロマ NEAL’S YARD REMEDIES
  • コクヨ色彩の達人
  • アフォーダンスの概念

 こういった本を読むことで、日頃から効率や集中力を高めることを意識し始めると、日常の行動も変わってくる。そういう小さな行動の積み重ねこそが、このような本を読む一番大きな意味なのだろう。

その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ: 光と物質のふしぎな理論—私の量子電磁力学

発売元: 岩波書店
価格: ¥ 1,050
発売日: 2007/06

posted with Socialtunes at 2008/06/01

 

★★★☆☆

QED(量子電磁力学)の内容を、ノーベル賞物理学者のリチャード・ファインマン教授が素人にもわかるように説明した講義の内容。こんな硬派な内容なので、量子力学に多少なりとも興味がある人以外には全くオススメできない。多少興味がある私でも、ファインマン図には興味が湧かず、途中からどうでも良くなった。

 とはいえ、へぇ〜な情報も色々と含まれていた。私の記憶に残ったのは以下の点。小学校で習うことは、近似であって正確ではなかったのだな、と。

  • 光は最短経路しか進まない、のではない!直進以外にも、考えられる全ての経路を進みうる(最短とそれに近い経路以外は互いにキャンセルされ、寄与が小さいだけ)
  • 鏡も、最短距離一点だけで反射するのではない!
  • 鏡を最短距離の部分だけを小さく残しても、反射する光は弱くなる!
    →他の部分も反射に寄与している
  • 二重スリットで「波束が収縮」する問題は、「粒子の存在確率は、最初の状態と最後の状態を正確に定義する必要がある」と考えると当たり前になる
  • 一枚目のスリットを通過した時点で測定を行えば、そこが「最初の状態」となるので、スリットを通る前に計算した存在確率とは「最初の状態」が異なるから

読み返してみると、やっぱり相当読者を選ぶようだ。

その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:偶然からモノを見つけだす能力—「セレンディピティ」の活かし方

偶然からモノを見つけだす能力—「セレンディピティ」の活かし方 (角川oneテーマ21)
偶然からモノを見つけだす能力—「セレンディピティ」の活かし方 (角川oneテーマ21)
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 680
  • 発売日: 2002/08

★★★☆☆

セレンディピティという言葉になじみがない人は、本書でどういう概念かが語源から把握できる。知っている人には、著者のセレンディピティを生み出したいときに用いる一連の手続き(決まっているわけではない)などが紹介されているので、そのあたりが参考になると思う。

 その手続き(流れは)以下のようなもの。

感動→観察→記録→ネーミング→課題の認識→連想→情報交換→ファイリング→行動範囲の拡大→仮説→検証→発見→創造

 ある課題を頭の中にインプットし、他のものを眺めている時にもひっかかるようにしておくことで、結びつけの確率を高めるということかと理解した。軽く読める本。

その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

本のレビューを書いていくことにした

Socialtunesで読書管理を始めてみたで書いた通り、読書メモをつけ始めた。
Socialtunes – haru

ただ書いていてもつまらないので、バックアップも兼ねてこちらでも上げていくことにした。
このSocialtunesというサイトはどうやら個人でされているらしいのだ。→SOLVALOU.NET。いっぱい書いたあげくデータが飛んだら泣くからな・・・。

うまい具合に、作ったもののほったらかしにしてある「本」カテゴリを発見したので、こちらに上げていく。

ちなみに「モノ系ソーシャル」ということで対象は本だけではない。そしてこれをやっている人はAmazonでの履歴が「ぺた」としてさらされる。ということは・・・

Amazonで微妙なものをチェックしていると、その履歴がでかでかとトップページにさらされたりするということだ!

Amazonで微妙グッズをチェックする習慣があるお友達は要注意だぞ!

Socialtunesで読書管理を始めてみた

Socialtunesというのを始めてみた。

Socialtunes – haru

つまるところ、読書管理というやつだ。
気に入った本はマインドマップを描いたりしているのだが、描くのも時間がかかるので数は限られてくる。
しかし、それほどでもない本についてもメモを残しておきたいのだ。

suVeneのあれ: 読書管理・欲しい本管理の為のウェブサービスとか
などを参考に、webサービスをいくつか見てみたのだが、最終的に上のSocialtunesに落ち着いた。
使い方はこちらのレビューを参考にしていく予定。

シゴタノ! – Socialtunes読書管理のススメ

ガツガツメモして行こうと思っている。

しかしこのSocialtnes、用語が独特だ。
「ぺた」というのが基本用語となっているのだが、初心者は「10の15乗?そんなに本読まないといけないの?」と戸惑い、尻込みしてしまう(←しまわない)。
よく読むと「ぺた」というのはAmazonでのブラウズ履歴らしい。
チェックした本が記録されているので、あとで見直すと思い出せるということなのだろう。

「もちぺた」「ほしぺた」「なうぺた」というのがあって、おそらく順番に「持っているもの」「欲しいもの」だろうが、「なうぺた」ってなんだ。ナウいのか(死語)?
どうやら「今現在読んでいるもの」みたい。おしいな。

フォトリーディングを試し始めてしばらく経つが、本の読み方が変わった。

うむらうす-annex » フォトリーディング – 精読からの解放

今までの数倍の速度で本を消費している気がする。
ので、おもしろい本を大量に求めているのだ。
オススメなどがあればコメントをもらえるとうれしい。

本って本っっっとーにいいものですね。←Σ(゚Д゚)ひどいオチ!

フォトリーディング – 精読からの解放(あなたもいままでの10倍速く本が読める)

「読む速度が10倍になる」というキャッチコピーで知られるフォトリーディングについて興味を持って、
上の本を読んだり自分で試したりしてみたので、一本書いてみる。
ただしかなり説明をはしょっているので、フォトリーディングそのものについて知りたい人は、
最後に挙げる本やサイトなどを参照して欲しい。


・フォトリーディングとは

本、雑誌、新聞、ネット、情報は無限にある一方、我々の時間は有限である。
全てを処理することなどハナからできはしないので、効率良く情報を収集できるとうれしい。

情報収集の目的は、大体の場合文章の内容の把握である。
これを素早く効率良く行うための方法がフォトリーディングで、
そのキモは、実は文章内容の把握は、文章を一文字ずつ全部読まなくても可能だというパラダイムシフトなのだと私は考えている。

やり方については、以下の勝間和代さんの記事にまとめられているので、引用させていただく。
フォトリーディング・セミナーに行ってきました その2

【フォトリーディングのやり方】

予習−本をぱらぱらーーーとながめて、興味あるキーワードや、本当にこの本を読みたいのか、探してみる。

フォトリーディング−−フォトフォーカス(マジカル3Dアイを見るような目つき)で、ページをぼんやりと全体を眺めながら、ページをめくる。目で写真を撮るイメージです。

復習−読み終わった本を、またぱらぱらと眺めて、興味ある質問やキーワードを探す

活性化−この本から質問をしたいことを考えながら、流し読み+拾い読みをして、マインド・マップをまとめる。

この「ぱらぱらと眺める」というのがポイント。

・素早い内容把握に適した読み方

フォトリーディングの文章の読み方は、上にある通り「精読ではなく何回も流し読みする」というやり方である。
パラパラめくる感じだと、当たり前だがものすごく速く読める。
300ページぐらいあっても10分〜15分くらいで読める(1ページ数秒)。
とても「読んでいる」とは言い難いが、それでもこれを何回か繰り返すと、人間大したもので、そこそこ内容が頭に残るのだ。
人間は「これは見た事がある」ということに対しては敏感で、
短い期間に何回も目にすると記憶に定着しやすいからなのだろうか。

本当はもっと詳しいやり方や背景があるので、詳細については本やサイトを参照して欲しい。

・精読の弊害を認識する

本を読んでいて納得したのが「読む本全てを精読する必要はない」ということだった。
確かにそんなことは誰も強制していないし、そんな決まりはない。
にもかかわらず、多くの人が「精読しないことに罪悪感を感じてしまう」という。

例えば以下のようなことには、思い当たる節がある人も多いだろう。
 ・本を読むときに、最初からきっちり読んでいかないと気分が落ち着かない
 ・買った本や雑誌は、全部に目を通さないともったいないと思う
 ・なので、本を読み始めるのがめんどくさい→積ん読へ

しかし現実問題として、通常の精読による読書は時間がかかるため、長い本を一度に読み終わることは難しい。
そうして何週間かかけてようやく一冊読み終わったとしても、その頃には始めの方は忘れてしまっている・・・。
他にも、長い本には読むのに気後れしてしまい心理的な負担が大きくなったりする。

つまり「内容をざっくりと把握したい」というのが目的なのであれば、精読はむしろ弊害が大きい方法なのだ。

個人的には、全ての文章に対してフォトリーディングを使う必要はないと思う。
本には、小説などもやるといいと書いてあるが、私はなんか好かない。

・本を読んでもわかりにくいこと

私は本とネットだけで自習したのだが、いくつか分かりにくいところがあった。
前出の勝間和代さんの記事の「誤解と実際」の部分にズバリ書かれていたので、引用させていただく。
フォトリーディング・セミナーに行ってきました その2

誤解1ーフォートリーディングをすれば、本の内容がすらすらーーーーと頭に入るようになると思っていた
実際ーフォトリーディングは、「滑りをよくする」、すなわちなんとなく知っている、というデジャブ感をつけるためにやるものだった。

誤解2ーフォトリーディングでは「ソフト・フォーカス」といわれる、非常に難しい目の焦点をぼかして行う、精神修行のような読み方が必要だと考えていた。
実際ー要は、うっかり字を読まなければいい、というだけで、目の焦点をぼかす方法なら、例えば極端な話、別のものを見ながらページをめくるだけでよかった。

誤解3ーフォトリーディングでは難しい精神集中やアファメーションという技法が必要だと思っていた。
実際ー精神集中やアファメーションはもちろんあったほうがいいが、それよりはフォトリーディングを繰り返し何回も見てみるとか、数をこなすことが大事だった。

誤解4ーフォトリーディングでは文章への読解力が飛躍的に上がるのかと思っていた。
実際ー読解力そのものを上げるのではなく、「本はもっとテキトーに読んでも大丈夫なんだ」という考え方を教えてくれるものだった。

誤解5ーフォトリーディングの後の熟成は絶対に必要だと思っていた。
実際ーフォトリーディングをした後、10-20分間、できれば一晩休むように、というのが本の指示です。ところが、これはあったほうがいい、くらいのもののようです。

本を読むと、フォトリーディングで「1ページ1秒の速さで」「写真を見るようにボーッとページを眺めていく」と、
あら不思議本の内容が無意識下で理解できる!というようにとらえてしまいがちだが、
そんな風に思わなくてもいいよということだ。
私はこの記事を読んで、「何回も流し読みすることで記憶を定着させることが大事だ」
という解釈がまちがっていないと確信した。

・まとめ

  • フォトリーディングは文章の内容を素早く把握する方法
  • キモは、何回も流し読みすると一回精読するよりも理解しやすいという仕組み
  • 精読は時間がかかって大変なので、心理的にも時間的にも弊害がある
  • 大量の文章に対する心理的な抵抗が減るのが大きなメリット

ということで、しばらく自分を実験台にしてみたのだが、
私はかなりよいと感じているのでしばらく続けてみるつもり。
特に、流し読みするだけでも案外内容を把握できるもんだなと思った。
ちなみに私が効果を実感したのは、本屋での立ち読みの効率が著しく上がったのに気付いたときである。


参考:

サイト
フォトリーディングで1000冊読破
フォトリーディング公式サイト
無料 フォトリーディング情報 園善博のサイト
フォトリーディング習得委員会

あなたもいままでの10倍速く本が読める
あなたもいままでの10倍速く本が読める
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2001/09/19
  • おすすめ度 4.0

感想メモ:音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと

★★★★★

 体の構造と、正しい使い方を理解する

 体というのは不思議なもので、自分が持っているイメージの中でしか動かせない。例えそれが、実際の体の構造とは違ったイメージでも、だ。

 例えば、股関節がどのあたりにあるか、指し示すことができるだろうか?実は、案外太もも後方の内側にある。

 それを、太もも外側のでっぱりを股関節と勘違いしてしまうと、そこで体重を支えようとしてしまう。すると常に太もも外側の筋肉を緊張させて体重を支えることになる。これは膝を外側に引っ張り続ける力なので、年単位で続くと立派なO脚となってしまう。

 実は上の話は私のことで、誤ったイメージを持っていたせいで体が歪んでしまったのだ。体の仕組みについて、正しい知識・イメージを持つことがいかに大事かを痛感した。

 この本はイラストが豊富で、体、特に骨格について正しいイメージを持つことを助けてくれる。いかに自分の体について知らずにいたか、驚くだろう。

 環椎後頭関節(AO関節)について意識的に生活していれば、首の凝りが減っていくだろう。
 胸鎖関節についてイメージができれば、腕の使い方が変わるだろう。
 股関節について正しい知識を持てれば、太ももの筋肉が柔らかくなるだろう。

 ということで、私としてはとても気付きが多い本だった。★5つ。


その他の書評などはこちら。
Socialtunes – haru

感想メモ:天皇の戦争責任

天皇の戦争責任
天皇の戦争責任
  • 発売元: 径書房
  • 発売日: 2000/11

★★★★☆

 かなり分厚い本なのだが、著者がいずれも賢い人たちなのでそれほど苦労せずに読めた。対談形式だけに、議論がかみ合っていなかったりして多少読みにくい部分もあったが。

 要点は以下のようなもの。

・今までのような「日本は悪かった=天皇に戦争責任がある=革新派」対「日本は正しかった=戦争責任はない=保守派」という二者択一では、そこから先に進むことはできない
・どちらの意見も極端すぎて、一般の人の感覚とは結びつかない
・戦争には仕方がない部分もあった。しかし悪い点もあった
・そういったところから一般的な共通認識を作り上げることで、日本がこれから国際社会を生き抜いていく土台が作られることになるのだろう

 今までなんとなく「考えておいたほうがいいんだろうな〜」と思いつつもそのまま過ごしてきた問題なので、こういう信頼を置ける人たちが書いているものがあるのは非常にありがたい。

 読み返す価値がある本。★4つ。