「本」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:ライト、ついてますか —問題発見の人間学

ライト、ついてますか—問題発見の人間学
ライト、ついてますか—問題発見の人間学
  • 発売元: 共立出版
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 1987/10

★★★★☆

 問題を解決するのは簡単ではないな、と心底思える本。

  • 問題を解決するには、まず「そもそも問題が何なのか」を理解する必要がある。
  • そしてその問題が、誰にとっての問題なのか?誰がそれを解決したがっているのか?を考える必要もある。
  • 問題を把握した、と思えたとしても、それは幻かもしれない。
  • それを子どもや外国人にも説明できなければ、問題を把握できていないのかもしれない。
  • また、問題解決を依頼する人自身が問題の原因なのかもしれない。
  • 人には問題があると、それを解決したいという欲求があるが、やっと問題を解決してから、その問題を解いて欲しかった人があまりいなかったことがわかることもある。

 
 というように、内容としては示唆に富むのだが、ちょっと読みにくい。目次が疑問文になっていることが多く、目次から内容の構成を予期できない。また、章同士にあまり関連がない場合も多く、ざっと読んでいても流れが頭に入ってこないので困った。もったいない感じ。読みにくさを考えると★3つかもしれない。

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感想メモ:ダメな議論

ダメな議論—論理思考で見抜く (ちくま新書)
ダメな議論—論理思考で見抜く (ちくま新書)
  • 発売元: 筑摩書房
  • 価格: ¥ 714
  • 発売日: 2006/11

★★★☆☆

 巷に溢れる怪しい議論を見抜くための5つのチェックポイントの紹介と、ダメな反論のしかたについての説明。後半は、ニート問題、食糧安保論、日本の財政問題などの現実の話題を例にあげ、ダメな議論のチェックをしていく。

 そのチェックポイントとは以下の5つ。

  1. 定義がおかしくないか
  2. 反証不可能/無内容でないか
  3. 根拠が例え話
  4. 理論の応用がおかしくないか
  5. 単純なデータで否定されないか

 「構造改革」「国際競争力」「夢」などは1にひっかかりやすい。「大変な事態になる」など抽象的な主張は2にひっかかる。「近年の凶悪犯罪の増加」などは5.で否定される。

 しかし、私がこの本で最も興味深かったのは、日本の財政問題に関する記述だったりする。日本国債の保有者は6割が政府系金融機関、3割が民間金融機関で、結局はほとんど家計が保持しているとのこと。対外債務は5%程度なので、「日本の借金」ではないのだ。

 全体としては、やや読みにくい。目次を見ても内容が思い出しにくかったり、今一つすっきり入ってこなかった。もっとおもしろくなれる本だと思う。もったいないので★3つ。

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感想メモ:道は開ける

道は開ける 新装版
道は開ける 新装版
  • 発売元: 創元社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 1999/10

★★★★★

 デール・カーネギーの名著。
タイトルからは「成功のための秘訣が書いてあるのか?」と思うが、
実はそうでもない。

主題は
「悩みをどうコントロールするか」
というもの。
「悩み」をストレスと言い換えて、
ストレスマネージメントについての本と言っても良いかもしれない。

 悩みは想像以上に健康に大きな悪影響を及ぼす。
ストレスと胃潰瘍の関係は言うまでもなく、
心臓病や高血圧、その他様々な形で体をむしばんでいく。

一方、笑いが免疫を強めるなど、良い影響という形でも
精神と健康の関係は示されている。本書が語ることは、

悩みの原因を分析し、悩みを断ち、
平和な精神状態を手に入れよう

ということだ。

 第7部では、疲れを予防する方法についても書かれている。
疲労の多くの部分は精神的なものが原因で、
悩み、緊張、混乱
なのだそうだ。

疲労を抑制すれば、もちろん一日の中での活動時間も延びる。
時々短時間睡眠について話題になったりするが、
私は本書に書かれていることが一番有用だと感じた。

 本書は、日々の生活の助けになるlifehack本の元祖とも言える。
1984年の本だが、精神的な疲れがたまりがちな現代にも十分通用する内容だ。

 悩みと無縁な人などいないだろうから、
万人にオススメできるすばらしい本です。
オススメ度は★5つです。

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感想メモ:短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント

短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/09/29

★★★★★

 禁煙やダイエットは体に良いとわかっているのに続かない。
成果主義が従業員のモチベーションアップに繋がらない。
これらの理由と、どうすれば解決できるかを分かりやすく教えてくれる本。

 行動科学では、「人のやる気はフィードバックで左右される」と教える。
フィードバックのやり方次第で、モチベーションを高めることができるのだ。
この方法は、他人だけではなく自分のやる気の管理にも有効だ。

 やる気を高めるフィードバックの鍵は「PST」(Positive , 即時 , 確か)
禁煙やダイエットは「Positive」な結果が「確か」に得られるが、
はるか未来のことなのでモチベーションを喚起しない。
成果主義でも仕事に対するフィードバックが「即時」ではないので、
これまたフィードバックに繋がりにくい。

 逆に「PST」が満たされていれば、
フィードバックは高価なものである必要はないそうだ。

皆の前で賞状をもらえるとか、上司が一声掛けるとかでも構わない。
子供がご褒美としてシールを喜ぶのも、PSTを満たしているからなのだろう。

 「組織を変えるマネジメント」ということだが、
それ以上に自分のモチベーションの管理にも使えるな、ということ。
今後は自分へのご褒美もPSTを意識していこうと思った。

オススメの★5つです!

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感想メモ:カリスマ 人を動かす12の方法

★★★★☆

  潜在意識に訴えかけるコールドリーディングの手法をビジネスでも活用すれば、チームマネージメントがうまく行くに違いない、という本。以下まとめ。

  1. 人を動かすカリスマ性を持つには「何ができるか」より「どういう人か」
  2. カリスマ性を持つ人になるには自信は持つこと
  3. 自信を持つには最初は「なりきる」
  4. 「はったり」も続ければ「本物」に
  5. カリスマ性を感じさせるテクニックの紹介
  6. 部下を叱るときはポイントで、褒めるときは拡大解釈で
  7. 性格分析はMeタイプとWeタイプの2つだけで十分

 5.は、人に安心感を与えるコツというようなもので、他のコールドリーディングの本でも詳しく述べられている。知識として知っておくとよいかと思う。1.〜4.については、コーチングの本(例えばアンソニー・ロビンズ)と共通する部分がある。

 テクニックを学んだからといって、すぐに信頼を得られるわけではないが、人はどういう人を信頼しやすいのかという知識は、知っておいて損はない。★4つ。

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感想メモ:誰のためのデザイン?

誰のためのデザイン?—認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
誰のためのデザイン?—認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
  • 発売元: 新曜社
  • 価格: ¥ 3,465
  • 発売日: 1990/02

★★★★☆

 身の回りには理不尽なデザインであふれている。

 押すのか引くのかわからないドア。どのツマミでどこの火がつくのかわからないコンロ。膨大な数のボタンがあるリモコン。機能が多いが使い方がわからない電話。こういったものに出会ったとき、ユーザーは自分のせいだとあきらめてしまいがちだ。

 しかしそうではない、使いにくいのはデザインが悪いのだと声を上げるべき、というのが著者の主張。実際問題、ちょっと改良すれば使い方をまちがえることがなくなった、という例も多いからだ。

 デザインは、見栄えだけでなく、ユーザーの使い勝手も規定する。しかしそこまできちんと考えられたデザインを持つ商品は、残念ながらそれほど多くない。まだまだ発掘されていないものは多く、大きな可能性が残されていると言える。

 そんな世の中を変えるにはどうしたらいいだろう?手始めに、身の回りでどうも使いにくい、というものがあったら、どうしたら使いやすくなるかを考えてみるのもいいかもしれない。

 頷かされる部分が多かった。★4つ。

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感想メモ:隷属国家 日本の岐路

隷属国家 日本の岐路—今度は中国の天領になるのか?
隷属国家 日本の岐路—今度は中国の天領になるのか?
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/09/04

★★★★★

 著者はメルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」の著者北野氏。ニュースを追っているだけではわかりにくい国際問題について、考え方を与えてくれる本。

 日本の財政、外交、食料、エネルギーなどの各トピックについて、現状の問題点の指摘だけでなく、今後取るべき方策の提言まで踏み込んで行っている。その現実性についても、過去の他国の実例を引いているため、説得力がある。

 メルマガの方では、時事問題のに見方をリアルタイムで知ることができる。イラク戦争やグルジア問題などについて様々な予言をしていたが、かなり的中していた。こちらも合わせてオススメ。

 本もメルマガもかなり読みやすく書かれているため、お手軽に楽しんで国際感覚を養うことができる。しかし決して内容的が薄いということはない。多くの人に読んでもらって損はない、と思える数少ない本。★5つ。

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感想メモ:理科系の作文技術

理科系の作文技術 (中公新書 (624))
理科系の作文技術 (中公新書 (624))
  • 発売元: 中央公論新社
  • 価格: ¥ 735
  • 発売日: 1981/01

★★★☆☆

 理系の文章は、内容を間違いなく読み手に伝えることが目的である。そのためには、どのような点に気をつけて文章を書くかということを、例を挙げて詳細に説明している本。

 「起承転結」といった日本的な文章は、理系の、特に英語の学術論文では通用しない。1つの文章で1つの主題、文章は簡潔に、読み手を考えて、といった要点は理系以外の文章にも共通する事柄だろう。仕事で作る資料にも、まさにあてはまる。

 何気なくダラダラと文章を書くと、ほぼ確実にぜい肉が付いている。しかし、書いた文章を徹底的に添削してもらう機会というのもなかなか多くはないので、何が無駄なのか自分では気付きにくいもの。自分が書く文章の質について意識的になるきっかけとするにはいいかもしれないが、やっぱり理系の人向けの本。万人向けではないので★3つ。理系の学生なら★4つか。

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感想メモ:上司は思いつきでものを言う

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)
上司は思いつきでものを言う (集英社新書)
  • 発売元: 集英社
  • 価格: ¥ 693
  • 発売日: 2004/04

★★★☆☆

 ここで言う「上司が思いつきでものを言う」のは、「景気が悪いときに」「部下が建設的な提案をした」ケース、とされている。

 景気が良いときは、そのまま方針維持でやっていれば特に問題ない。しかし景気が悪くなると、やり方を変える必要が出てくる。その時に部下から建設的な提案が出てくると、上司はそれを今までのやり方の否定と受け取る。

 現場に戻れない上司が、今の現場をよく理解している部下への嫉妬をするという要素もある。そして、自分の優位性が脅かされた上司は、イチャモンをつけずにいられなくなる。と書かれていると読んだ。

 が、正直わかりにくかった。タイトルがキャッチーで、要素要素にはおもしろい考え方も書かれている。しかし話があっちこっちに行ったり来たりして、さっと目を通しただけでは筋道が追いにくい。ので★3つ。

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感想メモ:マッキンゼー流図解の技術

マッキンゼー流図解の技術
マッキンゼー流図解の技術
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 2,310
  • 発売日: 2004/08/20

★★★★★

 プレゼンでチャートを作ることがある全ての人にとって、
読んでおいて損はない本。

 チャートは理解を助けるための強力なツールだが、
使用法を誤るとその効果が得られず、更には見る側の理解を
妨げることになってしまう。

 この本では、効果的な図を作るための3つのステップが説明されている。
その3つのステップとは以下の3つ。

  1. 伝えるメッセージを決める
  2. 比較方法を見極める
  3. チャートフォームを選択する

 データの比較方法は大まかに5つしかなく、
それぞれのケースでどのチャートを使うとよいかが説明されている。

 こう書くとややこしそうだが、読んでみると図を用いて
シンプルに説明されており、とてもわかりやすい。
演習問題や実例も多く載っているので、適切なチャートを作る力もつくだろう。

 チャートはExcelからなんとなく作ってしまいがちだが、
その作業をあらためて見直す良い機会になった。
プレゼンをする全ての人にオススメ。★5つ。

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