★★★★☆
日本は、失敗が許容されにくい雰囲気がある。
それは周囲や世間の目だったものが、
いつの間にか自分の中にインストールされ、
その雰囲気を担う立派な日本人の一員となる。
失敗への恐れが大きいと、挑戦ができない。
挑戦ができなければ、成長が制限される。
陸上競技という、勝ち負けがハッキリした
実力勝負の世界で戦ってきた為末氏の意見は、
明快でキレ味鋭い。
むしろ失敗を肯定し、失敗して良かったと思えることを
ひとつでも見つけるようにすることが大事だ。
それができるかどうかが人生を分ける(p22)
「間違えました」と宣言して改められる人は強い。
なぜなら、何度でもチャレンジできるから(p30)
目標設定についての意見も、陸上選手に限らず、
多くの人が頷ける内容だった。
私も、大いに頷いた。
狙っていくのではなく、結果としてそうだった、
という生き方こそ目指すべきだということだ。
狙いははっきり定める必要なんてない。
なんとなくあのあたり、くらいに定めて動いていく(p32)
何のために今まで山頂目指して頑張ってきたのか。
山頂まで来ればすべては解決すると思っていたのに、
終わらないのである(p39)
そういった様々な経験を積んだ為末氏が至った考え方は、
偶然にも私にかなり近いものがある。
実は人生は有限なのだ。
今日を、明日を、今年を大事にしないといけない。
楽しまないといけないのだ、と(p228)
人には役割があると僕は思っている。
それは、本当にさまざまなのだ。
その役割を認識することができれば、
人はもう少しラクに生きられる気がする(p230)
人生の生きづらさや、漠然とした不安感を感じている人。
そんな人にピッタリかもしれない。
そんな人には、同時に森信三氏の本をオススメしたい。