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感想メモ:ピンチをチャンスに変える51の質問

ピンチをチャンスに変える51の質問
ピンチをチャンスに変える51の質問
  • 発売元: 大和書房
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2009/07/08
  • 発売日: 2009/07/08

★★★★☆

著者は「ユダヤ人大富豪の教え」、「幸せな小金持ち」シリーズの本田健氏。

タイトル通り、51個の質問と、その質問の意味が紹介されている。

  1. ピンチを乗り切る10の質問
  2. 心を軽くする10の質問
  3. 人生に変化を起こす10の質問
  4. ライフワークを見つける10の質問
  5. 最高の自分を生きる10の質問

プロローグの最初の一問を含めると、タイトル通り51の質問になる。
どの質問も、日頃暮らしているとあまり考えないような内容ばかり。
考えることによって、自分がどんな人間なのか、
何が得意なのか、何がやりたいのか、といったことを分析するいい機会となった。

これらの質問に対して真剣に答えを考えたなら、
その過程で真剣に人生に対して考え直したなら、
人生が変わるのではないか?という気がした。

オススメ度は★4つ。良い本でした。

関連:ピンチをチャンスに変える51の質問のレビュー&クチコミ一覧


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感想メモ:自己プロデュース力

自己プロデュース力
自己プロデュース力
  • 発売元: ワニブックス
  • 価格: ¥ 880
  • 発売日: 2009/09/01

★★★★☆

島田紳助は賢い人らしい。
と聞いて、興味を持ったので読んでみた。
内容は、NSC(吉本総合芸能学院)で若手に講演をしたときのもの。

読んでみて、彼はとても戦略的な人なのだということがわかった。

勝負に勝つには、自分の強みを徹底的に活かす。
相手の土俵では勝負しない。
負ける勝負はリスクを負ってでも避ける。
自分をどう見せるといいのか。
どうやったら売れるのか。

そんなことを、ずっと考え続けている人なのだ。
そして、その目標を達成するための努力は惜しまない。
だからこそ、漫才、テレビ、ビジネスと様々な分野で
成功することができたのだろう。

そんな彼が語るのは、「X+Y」で考えろということ。
Xは自分の能力。ただ、それだけではダメ。
Y、世の中の流れを掴まなくてはいけない。
どちらかだけだと続かない。

この考え方はシンプルなだけに、いろいろな世界で通用すると思う。
ビジネスにおいても、時代に即しているかは重要なポイントだが、
時代の流れを重視しすぎて、それ自身の魅力が少ないものは
長いヒットにはならない。

  • 知っていることが一分野でも一箇所でも、人より深かったら、
    「何でも知っている」と人は勝手に思ってくれる。これがポイントなんです。
  • 「老若男女を笑わせようとするのはもう古い。
    僕たちは一部に強く支持される漫才をしよう」と。
  • 誰でもできることは誰かに頼んだらいい。
    僕たちは誰にもできないことをしないといけないんです。

ただ一生懸命やればいいというのではなく、
自分はどこで、誰に向かって、何で勝負したいのか。
そのためには何をしていくのか。
そういったことを考え続けることが重要なのだと学んだ。
自分という商品を売り込むためのマーケティングの本としても読める。

軽く読めるが学ぶ点は多かった。オススメ度は★4つ。

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感想メモ:田中義剛の足し算経営革命

田中義剛の足し算経営革命-北海道発 大ヒットの法則! (ソニー・マガジンズ新書)
田中義剛の足し算経営革命-北海道発 大ヒットの法則! (ソニー・マガジンズ新書)
  • 発売元: ソニー・マガジンズ
  • 価格: ¥ 819
  • 発売日: 2008/06/14

★★★★☆

田中義剛を見直した

 生キャラメル、ホエー豚などヒットを連発する花畑牧場。
その経営者が田中義剛だということを、スイーツと豚にうとい私は全く知らなかった。
田中義剛が牧場長をつとめる北海道・十勝【花畑牧場】

 しかしこの本を読んで、ただタレントが知名度だけを活かして
やっている類いのものとは根本的に違うことがわかった。
15年の赤字経営を経ており、ここに至るまでの道のりは
決して平坦ではなかったそうだ。

 方針は以下のようなものである。

  • 中小企業が戦うには、価格競争に巻き込まれないよう高利益率を保つためブランドの確立を重視する
  • その際に田中義剛という名前は極力出さないようにする(タレントが片手間でやっているという印象を避けるため)

 非常にまっとうである。

 今後は疲弊した日本の農業のあり方を変える
提案をしていきたい、と田中義剛の志は高い。
農協の閉鎖性とかは微妙だと思っているので、ぜひ風穴をあけてもらいたい。

 あまり期待していなかったのだが、おもしろかった。★4つ。

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感想メモ:グーグル時代の情報整理術

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2009/12

★★★★★

著者は、グーグルの元CIO(最高情報責任者)。
と聞くと「Google万歳!IT超便利!」
みたいな本かと思ったのだが、良い方向に裏切られた。
「情報」というのは、ITに限らないもっと広いテーマだった。

というのも、著者は失読症で、幼い頃から学習や情報の整理に
非常に苦労をした経験を持っていて、その経験から学んだ内容が
本書にまとめられているからだ。

「全員に当てはまる整理術はない」とした上で、
「整理術」ではなく「原則」を紹介している。
原則に沿った上で、方法は個々人がカスタマイズすべきということだ。

ということで、その原則の紹介。

  1. 脳の負担がなるべく少なくなるように、生活を組み立てよう
  2. なるべく早く、頭の中から情報を追い出そう
  3. ”ながら作業”は、一般的に効率を低下させる
  4. 物語を使って覚えよう
  5. いつもそうしているからといって、そうしなければならないわけではない
  6. 知識は力ならず。知識の共有こそ力なり
  7. 思い込みの制約ではなく、現実的な制約をくぐり抜ける術を身に付けよう
  8. 自分を決めつけるのではなく、自分自身に心から正直になろう
  9. 制約を無視すべきケースを知ろう
  10. エンジンをかける前には、どこに向かっているのか、どうやって向かうのかを明確にしよう
  11. 目標の達成方法に幅を持たせよう
  12. 情報を整理するのではなく、検索しよう
  13. 本当に記憶の必要な物事だけを記憶しよう
  14. 大きなかたまりを、小さなかたまりに分けよう
  15. 週一回、重要な情報を見直す時間を設けよう
  16. 完璧な整理術などない
  17. あとで検索しやすいように、デジタル情報には関連キーワードを追加しよう
  18. 文脈の変化を見越して、メモを取っておこう
  19. 文脈の似た仕事をまとめて行おう
  20. 仕事とプライベートのバランスを取るのではなく、融合させよう

頷かされるものが多い。
私が特に頭に残ったのは、1,4,6,7,10,13,18,19。多いな。

1.脳の負担がなるべく少なくなるように、生活を組み立てよう
4.物語を使って覚えよう

脳の仕組みに関しては、以前にいろいろな本を紹介している。
脳科学の本まとめか、「脳」のタグを参考にしてもらいたい。

6.知識は力ならず。知識の共有こそ力なり

目的がチームとして成果を出すことであれば、そうなるはず。

7.思い込みの制約ではなく、現実的な制約をくぐり抜ける術を身に付けよう

制約が、実は自分が勝手にそう思い込んでいるだけということもある。
制約を疑うのは問題解決において、非常に重要。

エンジンをかける前には、どこに向かっているのか、どうやって向かうのかを明確にしよう

これは、人生すべてにおいて大事なことではなかろうか。

13.本当に記憶の必要な物事だけを記憶しよう

「情報のえりわけ」という言葉で説明されている。
情報をインプットする読む目的は、全部を記憶することではない。
重要なのは、自分が欲しいエッセンスを理解することだろう。

そのためには、何が重要なのかを意識しながら
無視する情報、あとで読む情報、覚える情報というように分類する、
そのやり方はその人次第、とのこと。

18.文脈の変化を見越して、メモを取っておこう
19.文脈の似た仕事をまとめて行おう

19が興味深かったところ。
脳は文脈が変化すると情報を捨てて空きスペースを作る。
似たような仕事はまとめて、変化はなるべく小さくするべし、と。

そして変化してしまった時を見越して、
自分があとで読んでわかるようにメモるべし。

最適な紙とデジタルのバランスについても、デジタル万歳!ではなく、
入ってくる情報の量や性質によって異なるので目的によって分けるべきとしている。
・ブレストや情報の整理、記憶なが目的なら、紙の方が良い
・大量の情報整理や情報共有ならデジタルが良い

他にもライフワークバランスや、想定外の出来事が起きた時の
対処法のヒントも書かれている。
巻末のオススメITツールのコーナーも参考になる。

各章末に章毎のまとめがあるだけでなく、
巻末にも簡潔なまとめのパートがある。
そこを読むと本全体の内容が把握できるようになっている。
さすが、本としてもよく整理されている。

これだけいっぱい書くことがあったことからも、
読み返して参考にする本だと感じた。
オススメ度は★5つ!

他の方の書評もいろいろと参考にされると良いでしょう。
意外と知られていない「グーグル時代の情報整理術」のテクニック10選:マインドマップ的読書感想文
グーグル時代の情報整理術のレビュー&クチコミ一覧

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2009/12

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感想メモ:カモメになったペンギン

カモメになったペンギン
カモメになったペンギン
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2007/10/27

★★★★☆

ジョン・コッター教授と言えばリーダーシップ論で有名。
「企業変革ノート」が特に有名だと思うが、当然ながらマジメな堅い本だ。
この本は、タイトルからもわかる通り、柔らかいタッチで
そういったリーダーシップについて説明しようとしている。

主人公はペンギンたちで、暮らしている氷山が溶けて沈みそうになっていることを
1羽のペンギンが発見する。
しかし、普通に暮らしているペンギン達には、そんなことはにわかに信じがたいし、
信じたくもない。むしろ、そんなことは聞きたくないというペンギンだっている。

かといって黙っていたら、みんな暮らすところがなくなって、
子供や年老いたペンギンたちをも含め、皆死んでしまうかもしれない・・・

こんな状況下で、どうやってこの危機を乗り越えていくのか?

ストーリー形式なので、スラスラ読める。
しかしその中には、現実にプロジェクトを進める上で
立ちはだかるだろう問題と、その対策が盛り込まれている。
例えば、反対勢力による活動など・・・

このお話のエッセンスをまとめた、「変革を成功させる8つのステップ」
がまとまっていたので、紹介しておく。

    準備を整える

  1. 危機意識を高める
     周囲の人々に変革の必要性と重要性を理解させる
  2. 推進チームを作る
     リーダーシップ、信頼性、コミュニケーション、専門的知識、分析力、危機意識に優れたメンバーが望ましい
  3. すべきことを決定する

  4. 変革のビジョンと戦略を立てる
     将来がどのように変わるのか、その将来をどのように実現するのかを明確にする
  5. 行動を起こす

  6. 変革のビジョンを周知する
    ビジョンと戦略について、なるべく多くの人の理解と賛同を得るようにする
  7. 行動しやすい環境を整える
     障害はできるだけ取り除き、ビジョンを実現したい人たちが行動しやすくする
  8. 短期的な成果を生む
     できるだけ早い時期に、目に見えるはっきりとした成果を上げる
  9. さらなる変革を進める
     変革をさらに推し進め、加速させる。ビジョンが実現するまでは
     変革に次ぐ変革で、手をゆるめない
  10. 変革を根づかせる

  11. 新しいやり方を文化として根づかせる
     新しい行動様式に完全に置き換わるまでは、
     その新しいやり方を持続し、成果を上げていることを確認する

100ページほどの薄い本だが、エッセンスはぎっしりと詰まっている。
おもしろかった。オススメ度は★4つ。

カモメになったペンギン
カモメになったペンギン
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2007/10/27

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感想メモ:ウィニング 勝利の経営

ウィニング 勝利の経営
ウィニング 勝利の経営
  • 発売元: 日本経済新聞社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2005/09/13

★★★★☆

名経営者として名高いGE元CEOのジャック・ウェルチ。
彼が語る、経営の考え方、ノウハウなど、仕事に関する様々な経験談。

その中身は、ミッションステートメントから人材採用、
人事評価、予算策定、ライフワークバランスと幅広い。
紹介されている考え方は、オーソドックスなものが多い。
しかし、それを現実に実行できるところは極めて少ないだろう。

まず、どの会社にも決めているだろう、ミッションステートメントや価値観について。
あるにはあるものの、浸透してはいないケースが多いものだろう。

効果的なミッションステートメントは、基本的に
次の問いかけに回答を与えるものである。
「私たちはこのビジネスでどうやって勝とうとしているのか」

バリューというのは単に行動規範のことだ。
具体的で、詳細にわたって、明確に記述されており、
想像の余地のないものだ。

次に「率直さ」について。

私は常に率直であれ、言うべきことを言おうと主張してきた。
(中略)それがいかに稀なものか、見誤っていたことに気づいた。

本音で話さない方が楽だから、心に思ったそのままを話すべきでないと、
人は思うようになる。

「意を酌む」「出る杭は打たれる」文化の日本ではなおさらだろう。
アメリカでも会社内での率直さは欠けているのだな、と思ってみたり。
では、どうやって率直にモノを言う雰囲気にできるのだろう?

率直さを引き出すためには、報酬を与え、褒め、語り続けることだ。
だが、実に単純なことだ。率直であればごちゃごちゃせずにすむから、
うまくいくのだ。

つまり、信じたものがバカを見ないように、トップが執拗に繰り返し発言、
行動していくのだろう。ウェルチがやったように。

ウェルチと言えば、「20-70-10」で有名な「選別」についても触れられている。
トップ20%はスターとして報酬などを特別扱いし、モチベーションとする。
そして、パフォーマンスが下の10%の人には、辞めてもらう方が
本人の将来のためにもなる、という考え方。
人には向き不向きがあるので、考え方としては納得できる。
しかし、実行することを考えると、とても難しいことだろう(特に日本では)。

ウェルチが考える人材採用の際のチェック指標も紹介されている。

・4つのE(と1つのP)のフレームワーク
Energy、Energize、Edge、Execute(Passion)

「情熱」という言葉を見るたびにいつも思うのだが、
情熱というのは後天的に得られるものなのだろうか?

予算の決め方というのも、不思議なものの一つ。
年度末の予算消化とか、事業仕訳どころではないムダが潜んでいる気がする。
アレがなくなれば、多くの組織の予算は10%以上減らせるのではないだろうか。

「予算を消化した実績で、次の年の予算が決まる」
「予算を余らせると怒られる」
というのはいつも納得しかねる。

一方、ウェルチが作ったGEでの予算の決め方は根本的に異なる。おもしろい。

個人そして事業部に対する報酬は予算の数字とは関連付けされない。
前年の業績あるいは競合相手の業績と比較して検討され、
現実的な戦略機会と障壁を考慮に入れて考えられる。

つまり、自分たちで目標をセットするのではないのだ。
ただ、最後の「考慮して」をきちんと行うことができないと
納得感はなくなるだろう。

この方針の転換は、根付くまでに数年を要したそうだ。
しかし、できるだけ低い目標をセットしようとする努力、
その目標をできるだけ上げようとする努力をなくせるのならば、
取り組む価値はある。

会社組織で働く人ならば、読んで気づくことは多いだろう。
これから就職する人も読んでおくとよい本。
すぐにはわからなくても、いずれ「このことか!」と思う日が来るはず。

さすがウェルチ、と思わされた。
オススメ度は★4つ。良い本です。

ウィニング 勝利の経営
ウィニング 勝利の経営
  • 発売元: 日本経済新聞社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2005/09/13

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感想メモ:詐欺師のすべて

詐欺師のすべて―あなたの財産、狙われてます (文春文庫)
詐欺師のすべて―あなたの財産、狙われてます (文春文庫)
  • 発売元: 文芸春秋
  • 価格: ¥ 550
  • 発売日: 2002/07

★★★☆☆

詐欺。
あまり人生において遭遇したくない物の一つだ。
しかし自分がプロの詐欺師に目をつけられてしまったら?
対策としては、やはり相手の手口を知っておくことだろう。

普通の人は詐欺についてあまり詳しくないだろうが、種類としては
林真須美のヒ素カレー事件で有名な保険金詐欺を始め、
土地、契約書、有価証券偽造、商品のパクリ、無銭飲食・宿泊、などなど限りない。

手口としては、訪問販売、電話勧誘、マルチ商法、点検商法、
景品付き販売、当選商法、などなどこちらも限りない。

詐欺のプロは、ターゲットが他の人に相談しないように、孤立させようとする。
従って、こういった知識を持っておいて、自衛するしかない気がする。

「最後に詐欺の鉄則十五箇条」が興味深いので紹介しておく。

  1. 「自分は詐欺師ではないとの信念を抱け」
  2. 「演技力を磨け」
  3. 「権威を利用せよ」
  4. 「人の弱みをにぎって活用せよ」
  5. 「無価値のものを価値あるように見せかけよ」
  6. 「真実を核にして嘘を構築せよ」
  7. 「最初はまともな話で相手を安心させよ」
  8. 「騙すなら徹底して騙せ」
  9. 「前科のない者を表に立てよ」
  10. 「必要なら契約書をつくって安心させよ」
  11. 「相手をあわてさせ、冷静さを失わせよ」
  12. 「あらゆる手段を使って時間を稼げ」
  13. 「引き際を心得よ」
  14. 「強い返済要求には応じよ」
  15. 「騙し取った金は隠しとおすか使い切れ」

あまり読んでいて楽しくはないが、生きていくには必要な知識かも。
オススメ度は★3つ。

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感想メモ:論理的思考と交渉のスキル

論理的思考と交渉のスキル (光文社新書)
論理的思考と交渉のスキル (光文社新書)
  • 発売元: 光文社
  • 価格: ¥ 735
  • 発売日: 2003/01

★★★☆☆

ビジネスでものを書いたりプレゼンをしたりする場合、
主張に対して理由がないと受け入れてもらえない。
どうやったら論理的な文章を書いたりプレゼンしたりできるか。
が前半。

後半はビジネスで交渉を行う際の考え方などについて。

前半はいわゆるロジカルシンキングで、元祖は
考える技術・書く技術」とほぼ同じ。こちらを読めば良い。

後半は交渉について。
必ずBATNA(Best Alternative to Negotiated Agreement)、
つまり次善策をもって交渉に臨むべき、という点は参考になった。

他にも、実際に交渉するケースを想定して、
どのように応対すればいいかなどが紹介されている。

個人的には、ロジカルシンキングと交渉の本を
それぞれ読んだ方がよいという印象。
限られた時間になんとか知識を得る必要がある、
などの場合には適当かと思う。

オススメ度は★3つとします。

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感想メモ:マインドマップ会議術

マインドマップ会議術―会議の質を劇的に高める「1枚の地図」
マインドマップ会議術―会議の質を劇的に高める「1枚の地図」
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2009/09/18

★★★☆☆

日頃参加する会議の進め方には何の不満もない、
という恵まれた環境にいる人は少ないだろう。

何かしら会議のあり方について疑問を持ちつつも、
どうすればよいかわからずに過ごしている。
という人が一般的ではなかろうか。

そんな中で、会議はマインドマップを使ってやると
いいですよ、という提案がこの本。
コンサルタント、ファシリテーターである著者が
自らの体験を踏まえてその理由とやり方を説明している。

内容が「5つの教訓」という形でまとまっていたので引用する。

  1. 「質の低い会議」は、個人とチームと「今」と「未来」を蝕んでいく
  2. ファシリテーションはテクニックに走ると、「落とし穴」に落ちる
  3. ファシリテーターは、”技”だ
  4. 「技」から「道具」へ。マインドマップがファシリテーターの代わりをしてくれる
  5. マインドマップ会議なら、「質の高い会議」が誰でも実現できる。

結果として参加、理解、納得、行動につながるとのこと。

本の後半では実際にどのように会議を進めていくのか、
どのようにマインドマップを作っていくのかなどが説明されている。

マインドマップは個人で作るものかと思っていたが、
こういう使い方もあると学んだ。

実際に使ってみて、その効果を体感してみたいのだが、
気になった点がいくつかある。
・本を読んだだけの素人がうまく会議を回せる?
・マインドマップを知らない年配の人が多い会議で、
いきなりカラフルなマインドマップが受け入れられる?

おそらく、受け入れる素地がない組織で定着させるには、
インストラクターかコンサルタントという形で専門家に
入ってもらうことが必要な気がする。
とりあえず若い人でやるミーティングで試してみるのが良いかな。
本のオススメ度は★3つとします。

マインドマップ会議術―会議の質を劇的に高める「1枚の地図」
マインドマップ会議術―会議の質を劇的に高める「1枚の地図」
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2009/09/18

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感想メモ:全脳思考

全脳思考
全脳思考
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2009/06/12
  • 発売日: 2009/06/12

★★★★☆

ビジネスにおけるオーソドックスな戦略とは、過去の事例の分析から
近い将来を予測し、その前提における最善の手法を取る、というものだ。

この方法は確かに有効で、根拠の説明も
ロジカルに行えることから、関係者の理解も得やすい。

しかしこの方法では、今まで存在しない、過去の延長線上にない
新しいモノを生み出すことは難しい。

それではどうすれば、過去の制約に囚われないような
クリエイティブな発想ができるのだろうか?

その答えの一つとなるであろう手法が、
神田昌典氏の提唱するこの「全脳思考モデル」である。

簡単にまとめると、その商品・サービスを利用する
具体的な顧客を思い浮かべ、その人が120%満足する姿を思い浮かべる。
そこから逆算して、何が起きたのかを想像していく、
といったプロセスをたどるものだ。

こうすることで、過去の事例の制約を外れ、
より広い視点に立ったクリエイティブな発想が得られる。

具体的な顧客を想定するという点においては、
ペルソナに似ているとも言える。
(想定と実際の人という違いはある)

また、スピーチの手法も紹介されている。

  1. オープニング
  2. テーマ
  3. プレミス(前提)
  4. バックグラウンド
  5. プルーフ1,2,3
  6. コンクルージョン

長さは、プルーフをどれだけ掘り下げるかで調節できる。
プルーフの説明は、ピラミッドストラクチャーを取る。
(参考:考える技術・書く技術
こういった型を覚えていると、とても使い勝手が良い。

こちらも本筋とは外れるが、紹介されていた
プレゼンの準備の手法もおもしろかった。

  • 寝る前に、プレゼンに使うプロジェクターを思い浮かべ、
    そこにプレゼンのスライドを投影する
  • クライアントが頷いて満足しているイメージを思い浮かべながら眠る
  • 目覚めた時にスライドに何が書かれていたかを考えて、
    思いついたことを書き出す

他にも、U理論についての説明も盛り込まれていたりと、
450ページを超えるため内容的には数冊分のボリュームがある。
個人的には、ちょっと詰め込みすぎな印象を持った。
むしろ数冊に分かれていて、一つ一つの内容についてもう少し
説明してもらった方が理解が深まるのではないかと感じた。

YouTubeに神田氏自身がこの「全脳思考」について
説明している動画がいくつか上がっている。
本を読む前に見るとよくわからないかもしれないが、
見てみるとよいかもしれない。

動画には、特設サイトからアクセスできる。
『全脳思考』特設サイト【より理解するための無料コンテンツ】

ということで、いろいろなヒントが得られる良い本。
ただ、上に書いた点が悩ましかったので、★4つ。

全脳思考
全脳思考
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2009/06/12
  • 発売日: 2009/06/12

関連:


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Socialtunes – haru