「本」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:悪魔を出し抜け!

ナポレオン・ヒル
きこ書房 2013-11-01
¥ 1,836

★★★★☆

「思考は現実化する」の著者のナポレポン・ヒルが、
「悪魔との対話」を書き留めたもの。

そんななので、原稿自体は70年以上前のものだが、
親族が出版を差し止めていた、といういわくつき。

確かに、生前にこんな本が出版されたら、
世間の目や評判などが、気になりまくるだろう。

で、内容はどうかと言うと、
とても含蓄深い言葉が並んでいる。

この本にどう臨むかというと、
私は以下の通りだと思った。

おそらく、この対話を最も有効的に利用する方法は、
悪魔の存在を彼の主張する通りに受け入れ、
自分がこれは使えると思うメッセージがあれば、
それに素直に従うことだ。
悪魔が何者で、それが本当に実在するのかどうか
などということは、この際忘れた方がいい。(p86)

ということで、以下がメモした部分。
たくさんになった。

何かを手に入れたいのなら、まず与えることが大切だ。
窮地にある人に手を差し伸べようとする人は、
必ずそれに対して正当な報酬を得ることになる。
それは直接相手から来なくても、
いずれ必ず何らかの形でもたらされる。(p69)

欲しいものをあれこれとねだるのではなく、
すでに持っているものを
自分が無駄にしないようにと祈る。(p72)

すべての人間は、幸福で充実した人生を
自分に与えるという義務がある。
それを達成し、もはや自分の願望の実現のためには
時間もエネルギーもそれほど必要なくなったという人間だけが、
他人を助けるという義務を負うことになる。(p246)

失敗によって人間は、自分が意志の力をどれほど
持っているか試される。
さらに、失敗することがなければ
決して知ることのなかった
多くの真実も学ぶことになる。
また、失敗によって多くの人間が、
自制心の重要性を知るようになる。(p309)

人間の思考習慣は環境から受ける影響によって形成される。
よって、その影響をコントロールすることのできる者は
自分の運命を自ら支配することができる。
そうでない者は運命の方に支配される。(p338)

与えることの重要性、失敗について、思考について、
情報源がなんであれ、大事なことは大事なことなのだ。

結局のところ、とても参考になる本でした。

ナポレオン・ヒル
きこ書房 2013-11-01
¥ 1,836

感想メモ:「体の痛み」の9割は自分で治せる

★★★☆☆

固くなった筋肉が一番ゆるむ姿勢を探し、90秒キープする。
これで狙った筋肉のこりがほぐれる、というセルフケア方法。

しかし、なぜそれで筋肉がほぐれるのだろう?

筋肉にまったく負荷がかかっていない状態を
作りだしてあげれば、守るしくみが解除されて、
本来のやわらかさに戻ります。

ということだそうだ。

他にも、体についての情報がたくさん。

神経とは、神経伝達物質を運ぶ
『コード』のようなもので、
神経そのものが痛みを感じることはない

腰痛に関連する筋肉が固くなる
→猫背になる
→肩コリ、首コリが起こる

もむ、叩く、こするなどすれば、
筋肉はより一層守ろうとして固くなります。

整体やマッサージに行くのもいいが、
自分でケアできれば、その方がカンタン。
仕組みは簡単なので、練習してみる価値はありそうだ。

体のコリが気になる人にオススメです。

感想メモ:足が速くなるこけし走り

★★★☆☆

「こけし走り」と言っても、
両手を「気をつけ」の状態にしたまま、
膝を伸ばしたままピョンピョンと
走っていくわけではない。

こ:骨盤
け:肩甲骨
し:姿勢

で「こけし」走りなのだ。

ただ、メニューがたくさん紹介されているので、
どれをすればいいのかと迷いそう。
一番大事なのは、「姿勢」。
P18の、

  • ツイスト
  • ケンケン
  • ホッピング

をやってみるだけでも、
体の使い方が変わるのではないかと思います。

子供の足を速くしたい、
体の使い方を教えてあげたい、
というお父さんお母さんにオススメです。

感想メモ:毎日が小さな修行

塩沼亮潤
致知出版社 2013-11-21
¥ 1,404

★★★★☆

人生も中盤にさしかかってくると、
なかなか思うところも増えてくる。

しかし大人になってから、
人生の知恵を教えてくれる人に、
出会うことは、あまり多くないだろう。

そんな人には、九日間も飲まず、食べず、寝ず、
という荒行をも体験された、大阿闍梨である著者からの
人生を生きる上でのヒントとなる言葉がオススメ。

一つ目は、呼吸をし、
この世に生かされていることだけで
ありがたいと「感謝する」心を持つこと。
二つ目は、自分の悪いところを見つけて、
心の底から「反省」をして、
さらに一段上の自分に生まれ変わろうとすること。
三つ目は、好き嫌い、
尊敬できるかできないかにかかわらず、
どんな人にでも「敬意」を払うこと。

その日出会った一人ひとりを喜ばせて、思いやる一日を送る。
それが人生円満、家庭円満、世界円満の基本です。
自分自身の日常を見直すことは、
すべての円満につながっていくことです。

誰かにお仕えさせていただき、
皆さんが喜んでくださったら、
自分の心が潤います。
前向きに考えれば、仕事は非常に楽しくなり、
いつの間にか次の日の分まで
終わっていたりします。
仕事を楽しみ、自分との戦いに克つと、
とても有意義な一日になります。

厳しい修行は、人格を練る(=悟る?)ことが
その目的なのですな。

多くのいい言葉に出会える本でした。

塩沼亮潤
致知出版社 2013-11-21
¥ 1,404

感想メモ:42.195kmの科学

NHKスペシャル取材班
角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-02-09
¥ 820

★★★★☆

運動好きならば観たであろう、
NHKの「ミラクルボディー」シリーズ。

そのマラソンの回の内容について、
番組では紹介できなかった取材内容やデータも含め、
紹介されている。

特に「効率の良い走り方」についての、
マラソン世界記録保持者の科学的なデータ、
専門家による分析に注目した。

マカウの肉体は、マラソンを走っている間でも
乳酸が過剰に蓄積しない。つまり、マカウは
1km三分を軽く切るペースでマラソンを走っていても、
足に疲労を感じることなくフィニッシュまで辿り着いている
可能性があるということです(p89)

なんと!マラソン走っても足が疲れない!?どういうこと?
その秘密は「ミラクルに効率の良い走り方」にあるそうだ。

そのポイントの一つは姿勢。

マカウの走りで、まず目を引いたのは、きれいに直立した姿勢である。
真横から見ると、頭から首、胴体(体幹)が一直線となり、
足も、腰(重心)の真下からやや前方に着地をしている…
肩甲骨を引き、下腹部を引き締め、腰の位置も高い。(p91)

確かに、効率が良いのは一直線だろう。

次のポイントが、着地。

マカウは足の小指から着地し、
つま先全体で地面を捉えて蹴りだしていることが確認できた。
かかと(踵骨)には、ほとんど体重が乗っていない。(p98)

つま先に近いマカウの着地の方が、
体に受ける衝撃力が、約40kg分も少なかったのである(p102)

マカウはソフトにつま先から着地をすることで
ブレーキがかかるのを防ぎ、
その結果、より少ない力でスムーズに重心を
移動することが出来ていたのである。(p107)

いわゆるフォアフット着地。
データとしても、衝撃が小さいと確認された。

ただしこれは、幼少時から裸足で過ごすことで、
その走り方に足が適応していることもあるようだ。

マカウは、足の指を曲げたり、土踏まずを支えたりする
「深部底屈筋群」(後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋)が
非常に発達していた(p123)

踵着地よりも、足の中心着地や、
つま先着地のランナーの方が、
走力が高いというデータもあるそうだ。

それは、つま先着地により足が鍛えられる、
という側面もありそう。

足底のアーチ・サポートや
硬いソールを備えたランニングシューズが、
足や土踏まずの筋力の低下を招き易くしたした(p124)

ランナーや運動好きの人には、かなり楽しめる内容。
オススメです。

NHKスペシャル取材班
角川書店(角川グループパブリッシング) 2013-02-09
¥ 820

感想メモ:外反母趾は包帯1本で治せる

★★★★☆

外反母趾では、親指が人差し指の側に曲がってしまう。
かかる人は、女性が多い。
様々な治療法があるが、治すのは難しい。
こんな印象。

この本で紹介されている治療法は、
包帯を巻くだけという手軽さ。
そしてそれでも効果があるというのが驚き。

母趾外転筋と母趾内転筋のバランスが取れていれば、
足の第一指ははまっすぐに伸びています。
ところが、開張足でそのバランスがくずれ、
内側のほうへ引っぱる力のほうが強くなると、
足の第一指が第二指側に曲がってしまう…(p24)

簡単に言うと、

  1. 足の甲の筋肉が弱まって、足が広がる(開帳足)
  2. 親指を人差し指側に引く筋肉が、強く引っ張られる
  3. 親指を外側に引く筋肉が弱る

→親指が人差し指側に曲がる
という感じ。

1の、「足の筋肉が弱くなる」ところが元凶であるようだ。
そこで、伸びる包帯で足の甲をグルグル巻くことで、
親指が人差し指側に引っ張られないようにして、元から断つ。
対症療法ではないので、時間はかかっても効果がありそうだ。

本当は、裸足で凸凹な道を歩くのが、自然のトレーニング。
が、そうも言ってられないので、ウォーキングしたり、
お風呂で揉んだりして、筋肉のバランスを整える。
バランスが崩れてしまったら、包帯を巻いてサポート。
ということになるのだろう。

外反母趾に悩んでいる人や、
私のような体・健康マニアの人にオススメです。

感想メモ:実践 行動経済学

リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン
日経BP社 2009-07-09
¥ 2,310

経済学は、
「人間は完全に合理的な行動を取る」
と仮定している。
しかし、自分のことを考えればすぐわかるが、
そんなことはない。

さっさとやればいいと、頭ではわかっていても逃避する。
時間のムダだと思うことに没頭する。
10円の節約をして10000円の無駄遣いをしたりする。
何より「めんどくささ」にものすごく弱い。

だって人間だもの。

では、その人間らしさを考慮したらどうか。
具体的には‥

  • 選択肢を多くしすぎない
  • デフォルトの選択肢を推奨されるものとする
  • 選択肢の検討は、可能な限り簡単にする

など。

こういったことによって、
多くの人々が最大の利益を得るような、
制度設計が可能になる。

この本では、こういった工夫のことを
「ナッジ」と呼んでいる。

実例として、
資金運用プランの設計、
保険制度の設計、
などが挙げられている。

この考え方は、人々を狙い通りに動かす、
という強力な力を秘めているので、
良心を持った運用が求められる。

以下、メモ。

社会的影響力は二つのカテゴリーに大別される。
第一のカテゴリーは「情報」である…
第二のカテゴリーは「仲間からの圧力」(ピア・プレッシャー)
である…(p91)

つまり、「みんなやってるよ」効果。
「みんな悪いことやってるよ」にしてはいけない。
「みんないいことやってるよ」にするのがポイント。

社会的に望ましい行動にナッジしたいなら、
現在の自分たちの行いが社会的標準レベルよりも
良いことを絶対に知らせてはならない(p114)

え?がんばりすぎた?もっと手を抜こう。
となるから。

制度設計に関わる人には、
ぜひ一読をオススメしたい。
ただ、ページ数多いので注意。

リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン
日経BP社 2009-07-09
¥ 2,310

感想メモ:裸足ランニング―世界初!ベアフット・ランナーの実用書

★★★☆☆

日本の裸足ランニングの第一人者、
吉野氏の裸足ランニング指南書。

カカト着地には、重心が内側にかかる
プロネーション(回内)という動作がつきものだ。
過度のプロネーション(オーバープロネーション)は、
シンスプリント(スネの鋭い痛み)の原因になる(p18)

シューズには、このオーバープロネーションを
防ぐ工夫がされているものもある。
しかし驚いたことに、この保護機能が逆効果になっている
可能性があるというのだ。

ところがこれがさらに強いプロネーションを
生み出すことが指摘され始めた。
シューズがケガの原因を作り出し、
助長している可能性があるというのだ(p18)

こんなショッキングな話もある。

ハイチのランニングクラブでは、
シューズと裸足のランナーがほぼ同数いるという。
そこでは、ケガをするランナーは、
シューズを履いているランナーだけだというのである(p22)

シューズが悪いというのではなく、
身体に負担がかかる走り方でも、
シューズの保護機能によって走れてしまう
ということが問題の原因にありそうだ。

裸足ランニングには、この「カカト着地」を直し、
自然な身体の使い方を取り戻すエクササイズと
なりうるということだ。

走るときだけでなく、歩くときにも同じことが言えよう。
普通の人は走るよりも歩く方が圧倒的に多い。
歩き方に気をつけることが、とても大事である気がする。
しばらく研究してみようと思う。

自分の生活に取り入れるかどうかは、
本を読んで判断してください。

おもしろい本でした。

感想メモ:ビブリア古書堂の事件手帖

★★★☆☆

久しぶりにラノベなど読んでみるの巻。

古書がテーマの推理物、という硬派な感じ。

トリックのための人が死ぬようなものは、
なんとなく読めなくなってしまったのだが、
そんなこともなくスッと読めた。

やっぱりキャラ立てなんだろうなぁ、などと、
ちょっと横にズレた感想。

著者の本ラブな感じが伝わってきて好ましかった。
続きも読んでみようかな。

感想メモ:ペスタロッチ伝―その思想と事業

★★★☆☆

森信三さんの本で「読むべき」と言われていたので、
読んでみた一冊。

ペスタロッチが、自身の子供、そして孤児院、学校での
教育を通して得た知見は、普遍的で、育児に関わる上では、
知っておきたいことが多い。

知慧をもって調整された自由は、
子供の目を広くし耳を注意深くさせる。
それは彼の心に平穏、喜悦、均衡の取れた気分を弘める(p56)

彼自身が見聴き、発見し、出会い起ち直り、誤るようにせしめよ。
可能な限り言葉ではなしに行為をもってせよ!
彼が自分自身でなし得ることを、
それを彼はすればよいのである! (p57)

彼は常に何かしており、常に能動的にあるように、
そして何時が彼を束縛しない時間が
少年時代の最大部分をしめるように!(p57)

汝がよくないと考えているものを何か彼が欲する時には、
彼にその結果を告げ、彼の自由を彼に委ねよ。
併しその結果が彼を傷つけるようにしておけ。
彼に常によき道を示せ(p57)

彼は、悪が慈善によっても、立法によっても、説教によっても
克服されないことを認めていた。
教育が彼にとってはその唯一の救済法と考えられた(p116)

生涯を教育に捧げたペスタロッチ。
その人生は、本人にとっても家族にとっても、
多大なる苦難の道だった。

ということで、
教育に生涯を捧げた偉人がいた、
ということを知ることができた。

1963年出版の本で、言葉遣いが古いこともあり、かなり読みづらい。
教育関係の人にとっては、必ずや得るものがあるだろうが、
一般の人が読むのは、かなりしんどいかもしれない。
森信三さんの本、例えば「人生二度なし」「修身教授録」
が良いと思う。