「本」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:足の裏を見るとその人がわかる

★★★☆☆

「女性の足」という視点からの足の本。

女性の足は、ハイヒールなどの、
機能よりも見た目が重視された靴を履く機会が多く、
足にとっては過酷な環境だ。

体にいい靴とか悪い靴はないのだ。
合わない靴は、すべて体に悪いのだ。(p38)

外反母趾が起きやすいのも、
靴が大きな原因のひとつだろう。

日本人の足は、欧米人の足とは形が違う。
欧米人用に作られた靴で、
日本人に合わないものがあるのは当然だ。

足の幅は、日本人は広く、欧米人は狭い。
親指は、日本人は人指し指と離れているが、欧米人は密着している。
外国製の靴を選ぶ時には、このことをふまえて選ばなければならない。(p56)

他にも、足や靴について、色々なことが書かれていて、
「へぇ〜」という感じだった。

人間は、一日にかく汗の3分の2を、足にかく。
コップ3分の2の汗を、靴の中にぶちまけている。(p11)

だから、一日履いたら干すのだそうです。
「同じ靴は続けて履かない」の理由が、よくわかりました。

足首にもいろいろなツボが集まっている。
足首をまわすことで、体の中の大切なツボが刺激される。
大きく回すことは、体のためにいい。(p64)

足は大事。
メンテしてあげましょう。

感想メモ:足元の革命

前田 和男
新潮社 2003-08
¥ 714

★★★★☆

今では珍しくない「ウォーキングシューズ」というカテゴリー。
その歴史は意外と浅く、1980年代にアシックスから発売された、
「ペダラ」という靴が最初だったそうだ。

この本は、その「ペダラ」開発のストーリーと共に、
靴や足について、お役立ちの情報が書かれている。

中村は新しい靴に
「歩くことで人間性を回復する」という
ライフスタイルの提案を託そうと
思いついたのである。(p31)

これは1980年代の話だが、
今でもそのまま通用するコンセプトだ。

足全体にかかる体重を100とすると、
おおよそ「かかと」へは50、
「親指の付け根」へは30、
「小指の付け根」へは20
の大きさに設計されている。(p110)

3歳頃から13〜14歳、つまり
幼稚園から中学1〜2年にかけての時期に、
足をじゅうぶん鍛え、その”品質”を高めておくことが
何よりも大切であろう(p137)

つまり、歩くことで大切なのは、
直接消費したカロリー分に加えて、
このように体温をつくって
からだがより多くの脂肪を燃やして
エネルギーを使うようにすることなのである。(p144)

足については、運動をしている人であっても、
デザインとサイズと幅ぐらいで
選んでしまっている人が多いのではないか。

足は体の土台であり、とても大事なもの。
一度勉強しておくと、一生の知識になるはず。

さすがに、asicsのサイトは勉強になるので、オススメ。
ウォーキング コンシェルジュ-『靴のフィッティング』-アシックス・WALKING SQUARE

前田 和男
新潮社 2003-08
¥ 714

感想メモ:20歳の自分に受けさせたい文章講義

★★★★★

文章を書くことは、
他者を動かさんとする”力の行使”なのである。(p135)

メールやらブログやら書評やら、
色々なことを書いているが、
その全てに、確かに文章を書く目的がある。

そしてその力をうまく行使するのに必要なのは、
才能ではなく技術だ、と著者は言う。

頭の中の「ぐるぐる」を、
伝わる言葉に”翻訳”したものが文章なのである。(p31)

書こうとするな、”翻訳”せよ

文章を書くことに熟練した人でないと、
ついつい、書きたいことを書きたいように
書いてしまいがちだ。
しかしそれでは、読み手には伝わらない。

伝えるには、伝わるように書く必要がある
そこにも、技術が存在する。

書き手の側も聴覚的なリズムを気にする前に、
「視覚的リズム」を考えなければならない。(p82)

文体の妙、文章の個性、あるいは文章の面白さ。
これらを決めているのは、ひとえに構成である。
論理展開である。(p108)

読者はいつも「読まない」という最強のカードを手に、
文章と対峙しているのである。(p121)

ここ数年読んだ本の中で、
もっとも一番書き込んで読んだ本。
控えめに言っても、非常に参考になる本だった。

「文章を書く」ということをしている全ての人に、
オススメしたい本でした。★5つです!

感想メモ:体と心がラクになる「和」のウォーキング

★★★★☆

「ゆっくり歩く」ことで、全身のバランスを
整えることができる。そのために、

  1. ゆっくり歩くためのエクササイズ
  2. ウォーキングするための体を作るエクササイズ
  3. 手軽に自分で体をゆるめる方法

などが紹介されている。

特に、3. の「ゆるめて自由にするエクササイズ」は、
簡単に肩や腕、腰などをゆるめる方法が紹介されている。
この部分だけでも、読む価値がある。

この大腰筋、残念ながら鍛えることはできないと、
私は思っています。(中略)からだの深層にある大腰筋は、
意識することが難しいからです。
(中略)鍛えることはできないけれども、
活性化させることはできます。(p33)

日本人は小胸筋や腰方形筋が緊張しているようなのです。(p104)

スポーツをしている、体の凝りをなんとかしたい、
など、体に興味がある人にオススメです。

感想メモ:そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか

★★★★☆

シェアーズ創業者の山口さんの本。

「会社を辞めようかな」という言葉はあるものの、
どちらかというと、
自分の才能、あるいは価値を、どうお金に替えるのか
つまり、
ビジネスモデルの型を知ることができる本
として読んだ。

普通に、売り手が買い手に商品・サービスを提供して、
見返りとしてお金をもらう、という普通のビジネス以外に、
色々なパターンがあるのだと知っておくことは、
いいことだと思われる。

「仕事」とは、才能を貢献に変える”作業”(p56)

意思決定の際のポイントをまとめると、
「頭で考えて、整理し、ハートで判断する」と言えます。(p170)

優秀さとは、有能さと謙虚さの掛け算である、ということ。(p196)

独立してやっぱり食えなかった、
という人には僕はあったことはありません。(p198)

新しいビジネスを考えている人は、
様々なヒントが得られるのではないかと思う。

おもしろい本でした。

感想メモ:セラピストのための解剖生理

★★★☆☆

体のことというのは、
知っているようで案外知らないことが多い。

マッサージに行くのもいいのだが、
毎日行けるわけでもないので、
自分で自分の体をメンテできると
良いのではないかと思う。

それには、知ったおくと良いことが
いろいろあるだろう。

肩をゆるめるためには、
腕や手をゆるめて緊張をほぐしてあげよう!(p30)

心とカラダは間違いなく繋がっている……、
私はそう確信しています。(p41)

緊張している筋肉を緩めるには、
無理やりというアプローチではなく、
そっと寄り添うこと。(p44)

ストレスや緊張状態が長く続くことで
無意識のうちに肩で息をすることが増え、
斜角筋が緊張して手が冷えたりしびれたりするという関係。(p56)

舌や前頚部のストレッチにより、
頚の動きもスムーズになるはずです。(p117)

「セラピストのための」とあるが、
一般の人が読んでも、色々な気づきが
得られる本であると感じた。
「ねこ背は治る!」と似ている。

でも、やっぱり専門家のための本なので、
一般の人には難しい部分も多いかも…

感想メモ:どうしてボクはいるの?―息子とパパの哲学対話

リヒャルト・ダーフィト プレヒト
柏書房 2013-02
¥ 2,310

★★★☆☆

  • なぜわたしがいるの?
  • 人間は動物の名前をどうやって知ったの?
  • どうして悩みごとはなくならないの?
  • 人生で一番大事なことってなんだろう?

こんな哲学的な問いについて、
ドイツの哲学者と息子さんの対話を元に考える。
そんな本。

「哲学」と言うと「難しい」というイメージがあるが、
元々は、生きていくことの難しさを減らすものだろう。

では、この本を読んで、生きる難しさが減るか、
と言われると、正直よくわからない。
が、何らかの気付きは得られるように思う。

私が気付いたのは、
「当たり前と思っていることにも、
思ったよりも根拠はない」

ということでした。

リヒャルト・ダーフィト プレヒト
柏書房 2013-02
¥ 2,310

感想メモ:「当事者」の時代

佐々木 俊尚
光文社 2012-03-16
¥ 998

★★★★☆

著者の佐々木俊尚氏のことは、
キュレーターという言葉を広めたとか、
twitterでフォロワーが多いというぐらいの
知識しかなかったのだが、
毎日新聞の記者だったのだそうだ。

メディアと当局(警察とか)との関係性など、
業界の人には常識かもしれないが、
部外者には知らされないさまざまな「ジョーシキ」が
語られていて、ふーん、と読んだ。

業界がよくわかっているという視点から、
メディアに必要以上に肩を持つ事もなく、
無能と断じることもなく論じていて、
いい感じのバランス。

この本のタイトルは、
「一般市民の代表」という顔をしながらも、
実はそうではなかったりするメディアに対して、
「当事者たれ」というメッセージ、ではなく
もう一段深かった。

しかしこのような人たちを、
「当事者であれ」と批判することはできない。
なぜならそのようにして他者に当事者であることを求めるという
行為自体が、すでに当事者性を帯びていないからだ。

だから私にできることは、私自身が本書で論考してきたことを実践し、
私自身が当事者であることを求めていくということしかない。

あえて注文をつけるとすれば、
さまざまなストーリーを張り巡らせすぎ、
最も読ませたいであろうメッセージにまで、
たどり着かずに脱落する読者も多かろうと感じた所。
私も危なかった。

でもたどり着けてよかった。
おもしろかったです。

佐々木 俊尚
光文社 2012-03-16
¥ 998

感想メモ:七人のトップアスリートと骨盤力

手塚 一志
キネマ旬報社 2010-03-25
¥ 1,890

★★★★☆

田中将大、錦織圭、浅田真央など、
7人のトップアスリートの動きを、
骨盤の使い方という切り口で分析。

著者は、「シンクロ打法」「ダブルスピン」「ジャイロボール」など、
日本のスポーツ理論に数々のブームを巻き起こした手塚一志氏。

この本のメッセージは、

「動きは骨盤から始まる」
そのコントロールバーが弓状線

ということ。
しかし、股関節の位置もわからない人も多い中で、
骨盤の奥にある弓状線を意識できる人は、
ほとんどいないような気がする。

  • 足は内側に入れず、外エッジを使う
  • スイングの前脚太ももは外側に捻る
  • 膝を前に出さない
  • つま先に体重をかけず、むしろ踏み込む足のつま先は立てる

など、気付きがあった。

卓球の石川佳純選手がフォアハンドで
テイクバックしている写真があるのだが、
前足である右足の靴を見ると、内側が上がっている
ということに驚いた。

彼女はサウスポーなので、左右逆になる。
例えば右利きのテニス選手が、
フォアハンドで左足の内側が上がるということ。
そうなんだ…

他にも、

テニスのフォアハンドはファーストライナーのイメージ

など、色々なヒントが得られた本だった。
スポーツはおもしろいなぁ。

手塚 一志
キネマ旬報社 2010-03-25
¥ 1,890

感想メモ:股関節のチカラ 真向法でからだ革命

ベースボール・マガジン社 2008-06-20
¥ 1,575

★★★★☆

股関節の柔軟体操である真向法の本。
非常にやっている人の平均年齢が高そうな真向法だが、
もっと評価されるべきだと思う。

特に何かしらのスポーツをやっている人、
あるいは足腰に故障を抱えているは、ぜひやるべき。

また、日頃全く運動をしないけれども健康は損ないたくない、
という人にとっても、非常に時間投資対効果が高いものなのでオススメ。

つまるところ、万人にオススメ。

2008年6月に出版されているということは、近年の股関節ブーム(来てるのか?)で
体のメンテナンスが見直されているということなのかもしれない。

<追記>
と思ったら絶版になってました…

ベースボール・マガジン社 2008-06-20
¥ 1,575