「★★★」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:足が速くなるこけし走り

★★★☆☆

「こけし走り」と言っても、
両手を「気をつけ」の状態にしたまま、
膝を伸ばしたままピョンピョンと
走っていくわけではない。

こ:骨盤
け:肩甲骨
し:姿勢

で「こけし」走りなのだ。

ただ、メニューがたくさん紹介されているので、
どれをすればいいのかと迷いそう。
一番大事なのは、「姿勢」。
P18の、

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をやってみるだけでも、
体の使い方が変わるのではないかと思います。

子供の足を速くしたい、
体の使い方を教えてあげたい、
というお父さんお母さんにオススメです。

感想メモ:裸足ランニング―世界初!ベアフット・ランナーの実用書

★★★☆☆

日本の裸足ランニングの第一人者、
吉野氏の裸足ランニング指南書。

カカト着地には、重心が内側にかかる
プロネーション(回内)という動作がつきものだ。
過度のプロネーション(オーバープロネーション)は、
シンスプリント(スネの鋭い痛み)の原因になる(p18)

シューズには、このオーバープロネーションを
防ぐ工夫がされているものもある。
しかし驚いたことに、この保護機能が逆効果になっている
可能性があるというのだ。

ところがこれがさらに強いプロネーションを
生み出すことが指摘され始めた。
シューズがケガの原因を作り出し、
助長している可能性があるというのだ(p18)

こんなショッキングな話もある。

ハイチのランニングクラブでは、
シューズと裸足のランナーがほぼ同数いるという。
そこでは、ケガをするランナーは、
シューズを履いているランナーだけだというのである(p22)

シューズが悪いというのではなく、
身体に負担がかかる走り方でも、
シューズの保護機能によって走れてしまう
ということが問題の原因にありそうだ。

裸足ランニングには、この「カカト着地」を直し、
自然な身体の使い方を取り戻すエクササイズと
なりうるということだ。

走るときだけでなく、歩くときにも同じことが言えよう。
普通の人は走るよりも歩く方が圧倒的に多い。
歩き方に気をつけることが、とても大事である気がする。
しばらく研究してみようと思う。

自分の生活に取り入れるかどうかは、
本を読んで判断してください。

おもしろい本でした。

感想メモ:ビブリア古書堂の事件手帖

★★★☆☆

久しぶりにラノベなど読んでみるの巻。

古書がテーマの推理物、という硬派な感じ。

トリックのための人が死ぬようなものは、
なんとなく読めなくなってしまったのだが、
そんなこともなくスッと読めた。

やっぱりキャラ立てなんだろうなぁ、などと、
ちょっと横にズレた感想。

著者の本ラブな感じが伝わってきて好ましかった。
続きも読んでみようかな。

感想メモ:ペスタロッチ伝―その思想と事業

★★★☆☆

森信三さんの本で「読むべき」と言われていたので、
読んでみた一冊。

ペスタロッチが、自身の子供、そして孤児院、学校での
教育を通して得た知見は、普遍的で、育児に関わる上では、
知っておきたいことが多い。

知慧をもって調整された自由は、
子供の目を広くし耳を注意深くさせる。
それは彼の心に平穏、喜悦、均衡の取れた気分を弘める(p56)

彼自身が見聴き、発見し、出会い起ち直り、誤るようにせしめよ。
可能な限り言葉ではなしに行為をもってせよ!
彼が自分自身でなし得ることを、
それを彼はすればよいのである! (p57)

彼は常に何かしており、常に能動的にあるように、
そして何時が彼を束縛しない時間が
少年時代の最大部分をしめるように!(p57)

汝がよくないと考えているものを何か彼が欲する時には、
彼にその結果を告げ、彼の自由を彼に委ねよ。
併しその結果が彼を傷つけるようにしておけ。
彼に常によき道を示せ(p57)

彼は、悪が慈善によっても、立法によっても、説教によっても
克服されないことを認めていた。
教育が彼にとってはその唯一の救済法と考えられた(p116)

生涯を教育に捧げたペスタロッチ。
その人生は、本人にとっても家族にとっても、
多大なる苦難の道だった。

ということで、
教育に生涯を捧げた偉人がいた、
ということを知ることができた。

1963年出版の本で、言葉遣いが古いこともあり、かなり読みづらい。
教育関係の人にとっては、必ずや得るものがあるだろうが、
一般の人が読むのは、かなりしんどいかもしれない。
森信三さんの本、例えば「人生二度なし」「修身教授録」
が良いと思う。

感想メモ:風の帰る場所

★★★☆☆

宮崎駿の作品には、悪人が出てこないと言われる。
確かに、単純な勧善懲悪の図式には、
あてはまらないものがほとんどだ。

それはなぜなのだろうか。

自分がくだらない人間だと思ってるから(笑)、
善良な人が出てくる映画を作りたいと思うんです(p19)

だから、どんな状態になっても世界を肯定したい
っていう気持ちが自分の中にあるから、
映画を作ろうっていうふうに
なるんじゃないかと思うんです(p312)

くだらないものなんて、身の回りに溢れているのだから、
お金を払ってまで見たくないでしょう?
という言葉は、確かに、と頷いてしまった。

この宮崎駿のインタビュー本を読んでいて感じるのは、
彼の中には学生時代から続く思想があり、
その思想の変遷とともに、作られる作品も
変わっているということ。

興行的に、トトロは赤字だったとか、
紅の豚のモデルだとか、へぇーと思う知識も多かった。

宮崎駿の作品が好きな人は多いと思う。
彼の考えていることを知ると、
また味わいが変わってくるかもしれない。

感想メモ:あなたはあなたのままでいい

アラン・コーエン
イースト・プレス 2013-04-17
¥ 1,470

★★★☆☆

「こんなんじゃダメだ!」

自己否定をエネルギー源とするのは、
確かに動けるのだが、つらくて苦しい。

できなかった自分を責めた場合と、
次がんばろう、と自分を許した場合。

その後自分との約束を守りやすいのは、
なんと後者だったりするのだ。

自分を責めることは、案外欠点も
あることなのかもしれない。

心に残ったのは、以下の部分。

わかりませんと返答されたら、こう聞き返せばいい。
「仮にわかっているなら、何と答えますか」(p39)

いつも自分に問いかけよう。
「私が本当に欲しいものは何か々と。
そのうえで、自由、愛情、安全、その他あなたが望む
あらゆる経験を、今の自分の立ち位置から追及しよう(p270)

あなたが大切に思う愛や健康や幸福に満ちた人生が、
あなたの今いるところからいつでも始まろうとしている。
こうした善きものは自由に授かるのだ。
授かるために必要な条件は、人生がそうであったように
あなたが自分自身に寛大になること(p285)

自分は自分でしかなく、他人にはなれない。
他人と比較をしても、違うのだからしょうがない。

いかに自分とうまく付き合うか。
それが人生を決めるのだろう。

なんとなく気分が晴れない、という人にピッタリの本。

アラン・コーエン
イースト・プレス 2013-04-17
¥ 1,470

感想メモ:極北クレイマー、極北ラプソディ

海堂 尊
朝日新聞出版 2009-04-07
¥ 1,680
海堂 尊
朝日新聞出版 2011-12-07
¥ 1,680

★★★★☆

海堂尊氏の「チーム・バチスタ」シリーズの本を、
二冊まとめて紹介。

舞台は極北という北海道の都市の病院。
クレイマー、ラプソディと二作続くが、
一作目最後から、前作(スリジエセンター1991)から
消息が気になっていた世良君が現れ、スッキリした。
小説なので、これ以上の筋は書かないことにする。

これまで、地方の医療の問題については、
文字でしか考えられていなかった。
しかし、感情を持つキャラクターが動く世界によって、
イメージを持って把握できた。啓蒙小説だ。

著者の、メディアと官僚機構に対する不信は深い。
世良君がそのような例として描かれているが、
戦う人は敵も多く作ってしまう。

社会としては必要な人だが、
本人とその周りの人にとっては、
厳しい状況に違いない。

そんな志ある人を支える、
良識のある一般人の存在こそが、
社会を変える後押しになるのだろう。

何の感想だかわからなくなってしまった。

海堂 尊
朝日新聞出版 2009-04-07
¥ 1,680
海堂 尊
朝日新聞出版 2011-12-07
¥ 1,680

感想メモ:価格の心理学

★★★☆☆

「影響力の武器」のような心理学的な話が、
価格設定においてどのような影響があるか。
また、それにはどのようなパターンがあるか。
といった話を19章にトピックとしてまとめられている。

「チョコレートポット」という架空の商品を考え、
その価格設定の場面を通して考えている。

売り手側は、できるだけ高価な商品と
類似しているように仕向けて、
想定価格を操作できる(p22)

競争相手の選択と、それに合わせたポジショニング次第では、
まったく違う価格設定ができる(p24)

高額予算の顧客の支払額を増やすには、
商品を差別化し、そのような顧客が魅力を感じる
高額品を提供すればよい(p60)

無料サービスを提供すれば顧客が購入を急ぐのは、
何かを無料で手に入れられるチャンスを
逃したくないと思うからである(p199)

「行動経済学」の本で読んだことがある話もあるが、
より現実の場面を意識した、実践的な話である印象。

価格設定というのは、とても繊細で難しい作業。
価格設定に携わる人は、こういったノウハウは
知っていて損はないはずだし、
消費者としても裏側が見えておもしろく読める。

感想メモ:生きている意味

★★★☆☆

タイトルからは、「生きている意味」を問う、
哲学的な本なのかという印象を受ける。

しかしどちらかというと、サブタイトルの
「老年期の空白はこう埋める」
の方が、内容をよく表しているように思える。

人生を10年単位というスパンで考えたときに、
いつ頃に、何を準備する必要があるのか。
そういった内容について、邱永漢氏が書いたコラムを
まとめたもの。

豊かな社会になればなるほど、
人はお金に執着するが、その半面、
生きがいのほうがお金よりもさらに重視
されるようになる(p41)

別途収入として考えられるのは、
(一)不動産賃貸による家賃収入、
(ニ)株式からの配当金、(三)預金、債券の金利、
(四)株式の売買益、(五)アルバイトによる副収入、
(六)講演料、その他雑収入、といったところ(p44)

仕事が面白いか、面白くないかは、
それにかけた時間を短く感じたか、それとも長く感じたか、
によって測定することができる(p53)

退職後の人生設計など、
読んでみてなるほどなぁと思った。
読み終わって驚いたのだが、出版が1992年。
10年どころじゃなくて20年前!

株価や地価、為替レートといった数字は違うものの、
大まかな部分は違和感なし。
さすが、邱永漢氏…

感想メモ:眠れないほど面白い『古事記』

★★★☆☆

「古事記」って言ってみたいお年ごろなので、読んでみた。

天照大神って女だったんだー。
月読って男だったんだー。
逆かと思ってたー。

スサノオってこの二人の弟だったんだー。
大国主ってスサノオの子孫だったんだー。

と、全然知らない人には発見がいっぱいだろう。
(当たり前)

「眠れないほどおもしろい」かと言われると、
健やかに眠れてしまうわけだが、
この本の特徴はそこにはない。
むしろ、初心者が理解しやすいように、
かみくだいてくれているところだろう。

ということで、眠れないほどのおもしろさよりも、
「初めてでも安心」というところを期待して
読まれると良いです。気軽に教養が付く感じ。