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感想メモ:梅干と日本刀

完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)
完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)
  • 発売元: 祥伝社
  • 価格: ¥ 900
  • 発売日: 2000/02

★★★☆☆

日本古来から伝わってきた知恵には、
もっと評価されるべきものが数多くある。
欧米カッコいい、だけではなくて日本の良いところも
きちんと見直しましょう、という本。

生活が西洋化して、廃れてきてしまっているものも多いが、
その中には良さがあるものも多い。
日本建築や土木工事の技術や、調理や保存食など、
教養として知っておくとよいと感じたことが多かった。

Amazonでなか見検索ができるので、
目次だけでもパラパラと見てみるとよいと思う。
Amazon.co.jp: 本: 完本 梅干と日本刀―日本人の知恵と独創の歴史 (祥伝社黄金文庫)

コロッケはスペインから伝わったもので、
がんもどきはコロッケをアレンジして作られたもの
というのは印象に残った小ネタだった。

オススメ度は★3つです。
時間があれば読んでおくとよいと思います。

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感想メモ:なぜ、「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?

なぜ、「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?
なぜ、「頑張っている人」ほど、うまくいかないのか?
  • 発売元: フォレスト出版
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/05/19

★★★☆☆

潜在意識が行動に与えている影響というのは、
思いの外大きいらしい。
自分をふり返ってみても、人は感情で決め、
理屈で自分を納得させる、という話は当たっていると思う。

潜在意識というのは、それまでの人生における選択、経験の
積み重ねの結果作り上げられたもの。
特に、子供の頃に刷り込まれたメッセージは、
意識はできないが自分に大きな影響を与えているものだ。

以下の部分は、読んでいてドキッとした。

子供の頃のプログラムの悲惨な点は、
自分が一番望んでいるものに対してしり込みするように
できているところです。

次の部分も、思い当たる部分はある。
いや、私は違いますよ?(目を泳がせながら)

このタイプの潜在意識のプログラマがあると、
追い込まれないとまともな仕事ができない人間に
なることがあります。ほとんど怠けて過ごし、
いよいよとなった時に猛烈に仕事をします。

それでは、長年の経験の積み重ねで形作られた潜在意識を
書き換えることはできるのだろうか?

手書き作業は直接潜在意識にうったえることができるので、
潜在意識をプログラムし直すのに最適です。
だから、人生を変えるために必要な考えを、
「書く」という作業を通して直接潜在意識に植え付けるのです。
過去にどういうプログラムをされたかは問題ではありません。
大事なことは、前へ進むためにプログラムし直したりする方法を
身につけることです。

その方法として「メンタル・バンク・コンセプト」というものが紹介されている。
変わった方法だが、行動を変える良い方法なのではないかと感じた。
が、それを習慣づけるハードルが高い。詳細は本を読んで欲しい。

潜在意識についての認識を新たにした。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:おとなの進路教室。

おとなの進路教室。
おとなの進路教室。
  • 発売元: 河出書房新社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2007/03/16

★★★☆☆

著者は「おとなの小論文」の山田ズーニーさん。
ほぼ日連載のコラム+読者とのやりとり、という体裁。
テーマは、タイトルの通り「仕事」や「人生」といった深いもの。

コラムの集合体なので、すぐ読める。
語られている内容も、なるほどねぇと思わせる部分もあった。

しかし。

なぜだろうか。読み終えたときに残ったものが少なかった。
考えた結果、自分と根本的な考え方が違うからだろうという
結論に至った。語り口のベースに悲壮感を感じるのだ。
そのテイストが自分の信念と反するところだったのだと思う。
そしてそれは何が正しいというようなものではなく、好みの問題だろう。

そんな中で、参考になると感じたのは以下の部分。

「やりたいことが見つからない」というとき、問題は、
その答えをこばんだり、いつまでもそこにうずくまったり、
それでも「俺は何がやりたいんだろう?」といたずらに問いを握りしめ、
自分をもてあそんでしまうことではないだろうか?
はっきりと意味や成果が見える目標よりも、
「なんだかあけがわからないけれど面白い」
というものに自分をひらいておけ! いや、飛び込め!というのが
個人として仕事をし始めてから、自分の鉄則のようになっている。

語られているようなテーマに、今まさに直面している人は
参考になるところは多いだろう。
オススメ度は★3つです。
私にはちょっと合わなかったです。

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感想メモ:ブラックペアン1988

ブラックペアン1988
ブラックペアン1988
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/09/21

★★★☆☆

「チーム・バチスタ」の海堂尊さんの作品。

他の作品同様、どんどん先に進みたくなる安定した力量。
同じ世界の時系列や場面をずらして描く手法もいつも通りで、
タイトル通り1988年時の登場人物の姿をかいま見ることができる。

過去が舞台なので、医学問題というよりも、
登場人物の内面にフォーカスが当てられている。
海堂作品を読んだことがある人なら、問題なく楽しめるでしょう。

オススメ度は★3つです。

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感想メモ:運動神経をよくする 親が教える体操ドリル

運動神経をよくする 親が教える体操ドリル
運動神経をよくする 親が教える体操ドリル
  • 発売元: MCプレス
  • 発売日: 2005/12

★★★☆☆

運動神経というのは、小さいうちに様々な動きやスポーツに
触れることで作られていくらしい。
そこで、親子で体を使ってできる、様々なドリルを紹介している。
特に書かれていないが、対象年齢は4,5歳以上という感じだろうか。

著者は、1983年から全国中学校体操競技選抜大会20連覇を成し遂げた、
清風中学の体操指導者の城間氏。ホームページはこちら。
シロマスポーツホームページ
教え子にはオリンピック選手の西川、冨田、米田らがいるそうだ。

スパルタでやってもきっと楽しくないので、
親子で楽しんでやれるものを選んでやると良いのではないか。
また、書かれていることだが、安全の確保を第一に考えよう。

実際に試したわけではないので効果の程はわからないが、
色々やるのはいいことなのだろう。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:医薬品クライシス

医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)
医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 735
  • 発売日: 2010/01

★★★☆☆

製薬業界が大きな市場を持つことはなんとなく知っている。
しかし、どんな問題があるのかなどは、あまり知らないものだ。
そんなあなたに一歩進んだ知識を与えてくれる本。

ペニシリンの例は行きすぎだが、昔の新薬開発に比べて
現在の新薬開発は、精度も効率もかなり上がっている。
その一方、重要な分野での薬はかなりの部分が開発済みであり、
残っているのは重要だけれども開発が難しい分野に
限られてしまっているそうだ。

このことが、一発当たると年に数兆円という規模の売上が
可能となる一方で、一生研究しても一度も新薬を創り出せずに
終わる研究者の方が多いという現状につながっている。

盛んに進められている製薬会社の合併も、
莫大な開発コストを支えるだけの体力を持つため、
という側面が大きいようだ。

行政による対応も、医薬品に対する大きなファクターとなる。
例えば南アフリカでエイズが蔓延してしまったのは、
効果が証明されているエイズ治療薬の使用を認めようとしなかった
過去の大統領によるところも大きいようだ。

彼は「西洋の会社が作った医薬などは、
全てアフリカを害するための策略である」と公言し、
ドイツのメーカーによる抗HIV約の無償供与さえ拒絶した。

他にも、タミフルの副作用に関する一連の報道と規制の話は記憶に新しい。
これも、果たして本当に薬の副作用によるものなのか、怪しいようだ。

仮にすべての異常行動がすべてタミフルのせいで起こっていたとして、
異常行動による死の危険は四千万分の二十、すなわち約二百万分の一
ということになる。これは交通事故による死亡率二万分の一、
航空機事故による死亡率五十万分の一より遥かに低い値だ。

初期にタミフルを投与することで重篤化を防ぐという方針が、
日本における新型インフルエンザの死者が少ないという結果に
つながっている、と著者はいう。

業界の概要が理解できる本でした。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:ひかりの剣

ひかりの剣
ひかりの剣
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2008/08/07

★★★☆☆

「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」などの海堂尊氏。
今回は医療ではなく、剣道を題材にした小説。
彼の作品のルールを踏襲し、同じ世界の登場人物が活躍するため、
他の作品を読んだことがある人はとっつきやすいだろう。

さすが、医療から題材が変わっても読ませる力がある。
元々作者自身が剣道に身を捧げていたというだけあって、
その描写はリアリティに溢れている。
とはいえ、格闘技なら夢枕獏だろうし、
彼を彼たらしめるホームグラウンドは医療なのだなと再確認もした。

背景の話が「ジェネラル・ルージュの伝説」に書かれているので、
興味がある方はそちらも読むとよいだろう。
ということで、オススメ度は★3つです。おもしろかったです。

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感想メモ:赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか

赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか―誕生から6歳まで (More gentle revolution)
赤ちゃんの運動能力をどう優秀にするか―誕生から6歳まで (More gentle revolution)
  • 発売元: ドーマン研究所
  • レーベル: ドーマン研究所
  • 発売日: 2000/03

★★★☆☆

子供が0歳から6歳までの各段階で、どんな能力を獲得していくのか。
その際にどんな運動をするとその助けになるのか、プログラムとしてまとめて紹介している。

日常ではあまりやらない動きが多いが、これらを行うことで、
より早く運動能力を得られるようになるとのこと。

何ヶ月で何ができるようになった、
という数字自体には意味があるわけではないだろう。
しかし、周りの子供たちと比べて、
早く物事ができるようになるということは、
自信がつくという点では意味があるように思う。

例えば、プロスポーツ選手には4月生まれが多い。
これは、成長が早いということもあるだろうが、
それによって与えられる機会が増えるということもまた、
大きな要因であるようなのだ。
(参考:「天才! 成功する人々の法則」)

洋書なので、対象は日本人の子供ではない。
まぁ、外人の子供と日本人の子供がどの程度作りが違うのかは
今ひとつわからないが、結構違う気はする。
おもしろかった。オススメ度は★3つです。

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感想メモ:いのちの輝き

いのちの輝き―フルフォード博士が語る自然治癒力
いのちの輝き―フルフォード博士が語る自然治癒力
  • 発売元: 翔泳社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 1997/02

★★★☆☆

西洋医学は科学なので、心や気など、定義のあいまいなものは対象となりにくい。
しかし心と体が影響し合っているという理解は、東洋医学では珍しくない。
そして西洋医学にも、主流ではないものの心の影響を重視する流派もあることは、
心はなぜ腰痛を選ぶのかでも紹介した通り。

からだとこころは確実にひとつのものであり、
どちらかがよくなれば、もうひとつのほうが自然に楽になっている。

科学的アプローチとは異なる西洋医学の例が、
この本で説明されているオステオパシーというもの。
考え方としては、体に流れるエネルギーがブロックされていることが、
からだやこころの異常につながるので、それを取り除く手助けをする、
というもの。

そのブロックや圧迫が長くつづくか、
または短時間でも深刻なものであれば、
不快や痛み、病気の症状となってあらわれることになる。

体の自然治癒力を助けるというのが基本スタンスなので、
抗生物質に頼るのは、耐性菌も出てきてしまうし
よろしくないというスタンス。

抗生物質はできるかぎり避けるにこしたことはない。
熱が三九・五度以下なら、どんなくすりものまないほうがいい。

子供の頃のケガやトラウマが大人になってからの体の歪みに
影響を及ぼしている、というところまではわかるが、
出産時の影響が強いとまで言われると、
データを見てみないとなんとも、と思ってしまう。

ただ、いわゆる西洋医学では対処できない症状に対しても、
効果を上げているという実績は確か。
例えば中耳炎に対しても、
このあたり、心はなぜ腰痛を選ぶのかで書かれていたTMSと共通点は多い。

悲嘆にくれることがなぜそれほど有害なのか?
なぜなら、そうした心理パターンが神経系のなかに
特定の想念の回路をつくりあげ、
それが全身の複雑な生理作用に影響するからだ。
わたしの経験では、運動のなかで一番いいのはストレッチである。
からだのバランスを左右する三大要因は、
気圧・感情の高ぶり・食生活である。

なんとなく整体に近い印象を持った。
(バキバキやるもののではなく、
体全体のバランスを重視する野口整体的な意味合い)

日本人の私はさほど違和感なく読めたのだが、
西洋の人には異端なのかもしれない。
オススメ度は★3つです。

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感想メモ:地頭を鍛えるフェルミ推定ノート

★★★☆☆

コンサル会社の就職面接などで出てくるという、フェルミ推定。
「地頭力を鍛える」で一躍有名になった。
そのフェルミ推定が三度の飯より好きな(言いすぎ)、
フェルミ推定マニアの東大生が、
解法をパターン化して説明しているのがこの本。

復習がてらまとめておく。
○ストック問題
→所有アプローチ
 →個人・世帯ベース
 →法人ベース
→存在アプローチ
 →面積ベース
 →ユニットベース

○フロー問題
→マクロ売上推定(需要サイドから)≒市場規模推定
→ミクロ売上推定(供給サイドから)≒店舗売上推定

説明はしないが、なんとなくわかるかな。
こういう解法の紹介と、例題と練習問題を解くことで、
パターン認識できるようになりましょう、という本。

さて。
正解なき問題に対しても、論理性を持って推測することで、
その人の知性を問うというのがフェルミ推定問題だ。
しかし果たして、パターン化して解法をマスターすることで、
比例して知性が上がるのだろうか?

まぁ、紹介されている解法はフレームワークのようなもので、
知ってる方が賢くなるだろうからいいか。
オススメ度は★3つです。

関連:


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