「★★★★」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:「心の時代」にモノを売る方法

★★★★☆

「所有権の移転」から、「心の充足」への消費の形の変化。
若者の車離れなども、その現れとして理解することができる。

こういったビジネスの潮流の変化を以前から提唱、
実践し、成果を出してきたのが、著者の小阪裕司氏。
以前から小阪氏の本はよく紹介している。

内容は、これまでと今後のビジネスの変化の流れ、その対処について。
活動20年となる小坂氏の主張は一貫していて、
「心の豊かさ」を提供するビジネスこそが、
消費者に求められていくものだ、というもの。

以下、興味深かった、メモした部分。

今、「心の豊かさと毎日の精神的充足感」への希求に
押し出されるように、もうひとつの経済が
主流をなそうとしているのである。(p56)

・そもそも伝えるべき相手に、伝えるべき価値を伝えていない
・自社の商品・サービスの価値を、「心の豊かさと毎日の精神的充足感」の面から
 とらえ直し、お客さんに対して発信していない
・「モノ」を「コト」として見られていない(p106)

新書で読みやすいサイズでありながら、小阪氏の兼ねてからの主張と共に、
最近の活動の成果なども盛り込まれている。興味深く読めました。


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感想メモ:奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ

リカルド・セムラー
総合法令出版 2006-01-24
¥ 1,890

★★★★☆

衝撃的な本だった。

管理は人のモチベーションを下げる。
自主性、主体性こそが最大のパフォーマンスを発揮する鍵である、
という理屈はわかっていた。

しかしそれは理屈上の話であって、
小さい組織では実現できても、
数千人規模の組織では難しいだろうと思っていた。

しかし、グループ社員数千人、
年商数億ドルという単位で、
そういった経営が既に実現していたとは!

しかも、その会社はブラジルにある。
ラテン系で、日本人よりもはるかに
自分の欲求に忠実な民族というイメージ。

ならば、異常な真面目さと勤勉さを誇る日本でも、
できるはずじゃないか!

大切な週末を、仕事に侵食されるのとはまったく逆で、
貴重な遊びの時間やプライベートな時間、家族との時間を、
平日の仕事の時間に持ち込むのです。
それをわたしは「一週間毎日が週末発想」と呼んでいます。(p13)
仕事に対して抱いている従来のイメージ
「単純な繰り返し作業、退屈、激務」を、
「仕事=心から楽しく、幸せと自由なもの」に
代えるだけのこと。(p16)
  • 組織階層がなく、公式の組織図が存在しません
  • ビジネスプランもなければ企業戦略、短期計画、長期計画といったものもありません。
  • 会社のゴールやミッションステートメント(企業理念)、長期予算がありません
    (中略)
  • 人事部がありません
  • キャリアプラン、職務記述書、雇用契約書がありません
  • 誰もレポートや経費の承認をする人はいません
  • 作業員を監視・監督していません
自分が「やりたい」という意欲が持てない仕事は、
はじめからするものではない!(p92)
「コントロール」は、学習する人の興味を奪ってしまう。(p150)
「直観」、「幸運」、「失敗」、「セレンディピティー」
これらの四つは、ビジネス上最も大切なコンセプトです。
しかしながら、ほとんどの会社では、
「コントロール」という壁が障害となり、
これら四つとかけ離れた経営をしています。(p339)

コントロールしない。
責任をもった大人として扱う。

それが、自発的な組織作りの鍵であると読んだ。

とてもおもしろかった!

リカルド・セムラー
総合法令出版 2006-01-24
¥ 1,890


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感想メモ:ずっとやりたかったことをやりなさい

ジュリア キャメロン
サンマーク出版 2001-04
¥ 1,890

★★★★☆

人は皆、クリエイティブなアーティストとして生きる、
才能の可能性がある。しかし

「自分にはそんなのムリだ。できるはずがない。」

と、自分で自分の可能性の芽を摘んでしまっている。

「どうやって創造性を取り戻すか」というワークがあるそうだ。
この本は、それを紙上で12週間のワークとして再現している。

特に気になったのは以下の2つのワーク。

・モーニングページ
朝頭に思い浮かんだことをノートに書き記す。
自己理解と潜在意識のクリーニング。

・アーティストデート
週に一度でも、好きなことをすることを自分に許す。
センサーを蘇らせる。

日本の大人は特に、
「好きなことをする」ということに対して
蓋をして生きている人が多いと感じる。

一度しかない人生なのだから、
彩り豊かに過ごしたい。
と思うのは、決して贅沢ではないはず。

そう感じている人に、読んでもらいたい本です。

ジュリア キャメロン
サンマーク出版 2001-04
¥ 1,890


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感想メモ:未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義II

ティナ・シーリグ
阪急コミュニケーションズ 2012-05-31
¥ 1,470

★★★☆☆

自分の中で無意識に設定している、
思考を制限している枠に気づき、
それを外して考えること。

成功を生み出すのは行動しかない。
トライのないところに成功はない。
失敗は成功の必要条件と捉えること。

こういったことが大事なことは、
頭で理解しているだけではダメで、
実感を伴い、腹に落ちて理解していないと、
行動には結びつかない。

この本で紹介されているのは、
まさにそういったことを身につけるために行われている、
スタンフォードでの集中講義(実習?)の内容。

クリエイティブな活動をしている時は、
通常なら新しいアイデアを退ける部位の機能が
低下すると考えられるのです。(p16)
クリエイティブな人たちは、
この機能を停止させるコツを身につけていて(p16)

元々クリエイティブなことができる人もいるが、
日本人は、教育的な背景からそういった人の割合が
少ない気がする。

この本は、クリエイティブな思考をするコツを得ることは可能だ、
という希望と考えられると思う。
ぜひこういった教育が、日本の学校でも
実施されるようになって欲しい。

ティナ・シーリグ
阪急コミュニケーションズ 2012-05-31
¥ 1,470


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感想メモ:人生教習所

垣根 涼介
中央公論新社 2011-09-30
¥ 1,785

★★★☆☆

小笠原諸島で行われる、
「新しい認知を確立させ、新しい生き方の指針となるセミナー」。
全国から参加者が集まったそのセミナーにおける、
参加者の行動や内面が描かれている。

4人のタイプが異なる中心人物がいて、
誰もが、誰かしらに共感する部分があるように
書かれていると感じた。

何も問題を抱えずに生きている人なんていない。
それならば、そんな自分をどのように認識し、
どのような姿勢で生きていくか

それこそが、その人の人生の質を
規定するものなのだろう。

そして、そんなこと言われても、すぐに
はい、そうですか、と自分の考え方を
変えられる人なんていない。

この物語を読むことで、自分のなかにある
何かに気づくヒントを得る機会となれば、
読んだ価値は十分あると言えるだろう。

私の中に刺さったのは以下の部分。

無意味な心の規制さえはずせば、
足の竦みなどなくなる。

ただし、その自由と引き換えにするもの……つまりは覚悟だ。

私がこの本を読んで連想したのは、喜多川泰氏の著作。
この本がおもしろいと思った人は、
喜多川氏の作品がヒットする確率は高いでしょう。

垣根 涼介
中央公論新社 2011-09-30
¥ 1,785


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感想メモ:頭を5cmずらせば腰痛・肩こりはすっきり治る!

★★★★☆

タイトルに惹かれて読んでみた。
もっともだ、というのが読んでみた感想。

「姿勢が悪い」といってまず思いつくのは、猫背の姿勢。
しかし実は、椅子にふんぞり返って座っている姿勢も、
背骨を垂直にすれば、同じ頭が出ている姿勢になる。
猫背もふんぞり返っているのも、実は同じ崩れた姿勢なのだ。

頭の移動5〜15cm、背中の前傾10〜30度
わずかな数字に見えるが、この程度で体のバランスは崩れ、
その結果肩こりや腰痛につながってしまうのだ。

それは、以下のような流れ。

1 多くの場合、頭の位置から姿勢は崩れる。
2 頭の位置変化から、背中が丸まって頭突き出し姿勢になり、
首から肩が硬化する
3 頭突き出し姿勢を補正するため、体全体の姿勢は崩れる

以下、おもしろかった部分。

実は、後頭部のつけねの筋肉の間には太い神経がとおっています。

後頭部のつけねの筋肉が緊張すると、この大後頭神経が刺激され、
その結果、後頭部から頭頂部にかけて頭痛がおきると考えられます。
モデルにおける「正しい」姿勢→衣装などをより美しく見せる姿勢
ダンサーにおける「正しい」姿勢→表現したい演技などが寄り際立つ姿勢
仕事における「正しい」姿勢→楽に仕事が続けられる姿勢

数分でできる姿勢矯正エクササイズも紹介されているので、
興味がある人は試してみると良いと思う。

オススメ度は★4つです。
個人的には、足や腰の歪みから頭の位置がずれる、
という流れもあるのだと思います。


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感想メモ:人生を好転させるたった2つのこと

★★★★☆

いきなりその「2つ」を書いてしまうのは
あまりにもひどいので書かないが
(と言いながらちょっと書いちゃうけど)、

「自分が情熱を持てること」を見つけて、
それに向けてがんばりましょう

ということ。
ソース」や本田健氏の本を読んだ人には
なじみのある考え方かもしれない。

以下、頷かされた部分。

「あなたがいつも報われずに苦しんでいるのは、
自分の好きなことをやっていないからなのでは
ないでしょうか」
人間は成功そのものより、その余韻に浸りたくて
がんばっているのです。
ならば、その感情を先取りして、
初めから喜んでしまいましょう。
大切なのは、自分だけでなく別の誰かにも
喜びをもたらすことです。
「自分以外の誰かのためにやる」という利他の精神がなければ、
あなたを成長させるような進展も大きな成果も決して望めません。

「人生の舵を自分が握っているか?」
と聞かれるとドキッとする人も多いだろう。
オススメ度は★4つです。

最後に、なでしこジャパンの宮間選手の言葉。

「朝、目が覚めた時、もしその日一番やりたいことが
サッカーじゃなかったら、私はその日に引退する」

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感想メモ:運の管理学 人生に「結果」をもたらす幸せの方程式

★★★★☆

「運はマネージメントできる」
何とも刺激的な話。

著者はその内容を、
「ラックマネージメント」という運の管理学として、
その確立したそうだ。

その根幹をなす5要素は以下の通り。

  • 「身の程」を知ること
  • 「天の時」を活かすこと
  • 「地の利」を活かす個と
  • 「人の和」を高めること
  • 「実力」を高めること
  • 人は環境に反応する。
    だから、環境を整えることが、
    無意識に入ってくる情報を変え、
    結果として行動が変わり、運が良くなる。

    「風水は環境脳科学である」
    これが著者による風水の考え方なのだ。

    「片付けが人生を切り拓く」
    「トイレ掃除をすると億万長者になる」
    というのも、同じことを違う形で
    表現しているのだろうと感じた。

    「運命を変えたければ、つきあう人を変えなさい」

    湿気った心に点火してくれる、燃えている人です。

    オススメ度は★4つです。
    「風水」というものに対する考えが変わった一冊でした。
    とりあえず見ぬ振りしている部屋の片付けをしよう。


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    感想メモ:体が硬い人のためのヨガ

    ★★★★☆

    ヨガの先生というと、
    体がグニャグニャにやわらかくて、
    謎のポーズを涼しい顔して決める、
    みたいなイメージがあるのではなかろうか。

    しかし、著者は
    「私の体も、ほとんど変わらず硬いままです」
    と書いている。
    それを額面通り受け取るのもためらわれるが。

    体が柔らかければいいってものではない。
    逆に、柔らかくならないからといって焦らず、
    体との対話を積み重ねていくことが大事

    というメッセージだと受け取った。

    1章がイメージや呼吸を使うなど、
    ヨガを行う上でのコツ。
    2章がイラストでのヨガのポーズの紹介。
    3章4章が、動きのコツと瞑想について。

    どこからどうみても女性向けの本だが、
    私のようにストレッチマニアの人は、
    色々な気付きがあるでしょう。
    オススメ度は★4つです。
    勉強になりました。


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    感想メモ:愉しい非電化

    ★★★☆☆

    電化製品、家電製品は、もはや私たちの生活の一部。
    なくなると相当の不便さを感じるだろう。

    一方で、それが本当に適切な設計になっているのだろうか?
    というところまで一般人が考えることはまずない。
    壮大なブラックボックスに囲まれて暮らしている、ともいえる。
    まぁ、便利だからいいか。みたいな。

    今まではそれでも良かったかもしれない。
    しかし原発事故以降、エネルギーの問題は
    一気に身近なものになった。

    使わない電源プラグを抜く、省エネ型の家電を買う。
    というところから、一歩も二歩も進んだ知識が、
    数多く載っている。

    例えば携帯の充電器、洗濯機。

    充電装置の充電効率は13%。
    待機電力をも合わせた全消費電力で割り算してみると、1.6%。(p35)
    電気洗濯機の「洗い」と「すすぎ」
    標準モード電力の場合…
    電力の6割、水の7割が「すすぎ」に
    使われていることがわかりました。(p55)

    えええそうだったの!?

    そしてここからが本番だが、
    電気を使わない「非電化製品」の数々を発明し、
    実際に作られているのだ。

    手押しでドラムが回ることで、ゴミを集める掃除機
    消費エネルギーは、桁が2つは違う。
    考えたこともなかったけど、
    確かに、ものを吸い込んで集めるのってすごく非効率。

    他にも、
    昼夜の温度差と対流で動作し、電気が要らない冷蔵庫
    など、おもしろい発明の数々が。

    もちろん最新の家電製品に性能は及ばない。
    しかし、世の中にはこれらの非電化製品を
    必要としているところがある。

    そう。電気が来ていない地域だ。

    モンゴルでは、著者が協力する
    「非電化製品プロジェクト」が進んでいるそうだ。
    電気を使わない冷蔵庫があれば、
    夏に肉が腐らずに済むので大助かりなのだ。
    モンゴル非電化プロジェクト

    ナイジェリアでも、電気を使わない、
    非常に安価なオレンジジュースの殺菌装置の開発が、
    州政府からの要請で進められているそうだ。

    まさに世界のためになる発明の数々。
    すばらしい。

    私もまずは、携帯の充電器をアダプターを
    コンセントから抜くところから…
    オススメ度は★4つです。


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