「★★★★」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:死ぬときに人はどうなる 10の質問

ホスピスで緩和医療医として、
死を迎える数百人の人々と接してきた著者。

死が近づくとどうなるのだろうか?
知識を持っておくのは良いことだろう。

死ぬ直前は、一般的に苦しくないと言っていいようだ。(p56)

終末期であることに直面すると人は
「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」
等の気持ちを一個以上持ちうる(p98)

死の間際の患者さんにとって一番うれしいことは何か。
それはちゃんと会いに来てくれて、そのままを
受け入れてあげることである。(p106)

お見舞いに、アドバイスは要らないようだ。
特に、自分の容体を理解している人にとっては。

一方、人生についても考えさせられる。
特に心に残ったのは、以下の部分。

愛する人の名前は死ぬ直前には呼べない。
だから、それより前にたくさん呼んで欲しい。
そして、たくさん一緒の時間を過ごしてほしい (p53)

死の恐怖に堪える方法は死から強いて眼をそむけることではなく、
日々の生活の中で小さな死の別れを繰り返して
心の準備をしておくことであるということです(p201)

結局のところ、人生の意味など問うべきではなく、
自分自身がそれを問われているのだということに気がつくべきだ。
つまり一人ひとりが、人生からその意味を問われているのであり、
自分自身の人生のすべてを引き受ける、つまり責任ある生き方を
することによってのみ、それに答えることができるのだ(p206)

生きているのは、あくまで状態である。
どう生きるのか、そこが重要なのだと思う。(p230)

多くの人は、自分の死はないことにして過ごしている。
しかし、死があるからこそ、真剣に生きることができる。

大切な人も、自分も、いつか必ず死ぬのだから。

「あした死ぬかもよ?」と共に、オススメです。

感想メモ:「世界金融危機」のカラクリ

★★★★☆

アメリカ、イギリス、フランスは、
対外純資産残高がマイナス、つまり借金が多い。
特にアメリカは世界一のマイナス。
にも関わらず、国としての所得収支はプラスなのだそうだ。

世界一借金漬けのアメリカが、
世界一のカネ貸しの日本より、
金利などをたくさん稼いでいるのです。(p40)

なぜ?

アメリカという国は、政府が国債で海外から資金を集め、
民間企業がそれを対外直接投資に回しているという感じです。
…日本は対外直接投資に消極的な国だといえます。(p55)

直接投資によって高い利益率で海外ビジネスができるからこそ、
アメリカは所得収支の黒字を維持・拡大できたのです。(p66)

アメリカの主要な稼ぎどころは、
一般的なイメージである証券投資ではなく、
海外ビジネスこそがメインエンジン、
ということであるようだ。

借金の問題で言えば、日本に関してはどうなのだろうか?

政府の借金と、対外的な借金では、
後者の方が深刻だということがベースだ。

日本は世界一の対外純資産残高を誇っています。
日本は、対外純資産残高のマイナスがひどいギリシャなどと
並べて論じられるような国ではありません。(p95)

他にも

  • ユーロ圏内でドイツが独り勝ちしている理由
  • PIIGSの問題となっているのは何か
  • ユーロ圏内でも為替レートが存在している
  • 日本が貿易収支の赤字を維持すべきである理由

など、興味深いトピックが詰まっていた。
会計の知識がないと、ちょっとつらいかもしれないが、
読めればかなりおもしろい本でした。

感想メモ:「朝30秒の正座」で腰痛が治る

金 聖一
ダイヤモンド社 2013-05-24
¥ 1,260

★★★★☆

腰痛と言っても、痛むのは結果であって、
腰だけが悪いのではない。

姿勢が悪いと、腰に負担がかかる。
足が歪んでいても、上に乗っている身体で
調整するから、腰への負担も大きい。

問題は足首にあります。
腰痛になる方のほとんどが、
足首が硬いのです。(p60)

この本でいう「正座」は、踵を合わせるのが特徴。
やってみると、確かに足首が痛い…
そして、確かに私は腰痛経験者だったりする。

「朝30秒の正座」という簡単な方法で、
多くの腰痛患者に対して実績があるそうだ。
歪んでしまった足の矯正法として、
効果的なのかもしれない。

この正座のやり方は、
図付きで説明されているので、見てほしい。
他にも、体の歪みを軽減するネタを
メモしたりした。

オフィスなどで座っているときに
すぐに腰痛が出るという場合は、
タオルを折りたたみ、軸足側のお尻の下に敷いてみてください。

左右の血流のバランスが整えば、
足を組む頻度は少なくなり、
腰痛が軽減されます。(p86)

この「朝の30秒正座」は、
何より簡単なのところがすばらしい

簡単でないと続かず、
続かなければ、意味がないのだから。

金 聖一
ダイヤモンド社 2013-05-24
¥ 1,260

感想メモ:いま伝えたい 生きることの真実

竹田 和平
生活文化出版 2007-03
¥ 1,575

★★★★☆

日本一の個人投資家である、
竹田和平氏の人生哲学。

読んでみて驚くのが、
語っている内容が、
齋藤一人氏に近いこと。

道を極めていくと、
同じところにたどり着くのか?

何かを与えようと思ったときには、
与えることで相手の自由を奪わないか、
自分のエネルギーは不足しないか、
愛と感謝を与えようとしているか。
そういったことを考えなきゃいかんのだね。(p27)

成功するのは、わくわくすることだけなのよ。
嫌なことで成功しようと思っても無理。(p37)

なぜ、自由でいることが大切かといえば、
不自由なときは「今、予定があるから」って、
無意識のうちに断ってしまうからなんだ。(p51)

「ありがとう」を連続して口に出して唱えてごらんなさい。
必ず、運がよくなっていくから。(p70)

1つめは、自然に親しみ、自然の命に接すること。
2つめは、美しいことを思い、美しいものに接すること。
3つめに、…美しい言葉を書くこと。
(p84)

人間はお寺の鐘のようなものだから、
否定の心でば撞けば否定が返ってくるし、
肯定で撞けば肯定が返ってくる。 (p101)

タイミングは計算では計れんけど、
心が綺麗ならタイミングをとるのは簡単なんだよね。
タイミングは一瞬のひらめきみたいなところがあって、
「直感、真理なり」ということを身をもって知っておかにゃいかん。(p137)

引用が多いのは良い本である証なのだが、
惜しいのが、つかみである本の最初に、
抽象的で難しい話が来てしまっていること。

もったいないな〜。

竹田 和平
生活文化出版 2007-03
¥ 1,575

感想メモ:30代にしておきたい17のこと

★★★★☆

30代では、様々な経験も積み、
20代に比べてできることも増えてくる。

一方で、様々な「制限」が
現れてくる時期でもある。

それは結婚かもしれないし、
出産かもしれないし、
マイホームと住宅ローンかもしれない。

人生のかなりの割合を決定づけるのが、
30代の過ごし方といってもいいかもしれない。

学生時代のようなバカもしなくなり、
オトナサイドに立っている自分を、
点検しておくのもよいかもしれない。

人生訓はを教えてくれる人というのは、
なかなかいないもの。

本は、実際に会うのが難しい人の言葉にも、
お手軽に触れることができる。便利なものだ。

「応援されやすい人になる」ことが
運をつくり出すのです。(p114)

大好きなことを仕事にしている人は、
嫌いなことをしている人よりも、
はるかに成功する可能性が高いのです。(p150)

目の前の選択肢の中から、いつもワクワクすること、
怖いけど楽しそうなものを選ぶだけでいいのです。(p156)

この本をオススメするのは、もちろん30代の人。
しかし、20代後半の人も、いいかもしれないです。

感想メモ:稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?

亀田 潤一郎
サンマーク出版 2010-12-02
¥ 1,300

★★★★☆

日本人の「お金」に対するイメージは、あまりよくない。

それは、「お金持ちの人は、イヤミでケチ」
といった誤ったイメージがあるからではなかろうか。

お金は、ないよりも、あった方がいいに決まっている。

お金を貯める目的は何でもいいと思いますが、
私がこの問いを投げかけられたら
「人生の選択肢を増やすため」と答えます。

選択肢がないというのは、自由がないということ。(p116)

お金に対するイメージというのは、
両親からそのまま受け継いでいることが多い。
そして、そのことを自覚できる人は少ない。

人を軽んじる人は人に軽んじられるように、
お金を軽んじる人は、やっぱりお金からも軽んじられる。(p44)

財布には、その人のお金に対する態度が現れる、と著者は言う。

財布にはその人の生き方が反映されている、
とりわけ、お金に対する態度が表れていはものだから。(p18)

財布に気を使うということは、
そのお金に対するイメージを健全なものに変える効果が
あるのだろう、と読んだ。

「年収200倍の法則」。「財布の購入価格×200」の数字が、
ちょうど持ち主の年収(経営者の場合は可処分所得)を
表してしまうというものです。(p21)

確かに、お金持ちの人は、財布がかっこいい傾向にあるのは、
周りの人を見ていてもそう思う。

ちょうど財布がくたびれてきたところ。
考えてみようかな…

亀田 潤一郎
サンマーク出版 2010-12-02
¥ 1,300

感想メモ:ダンナ様はFBI

田中 ミエ
幻冬舎 2008-12
¥ 1,470

★★★★☆

FBIの現場で働いていた人と結婚した人が、
ダンナ様の異常な(日本人から見ると)危機管理能力を発揮した
ステキな日常生活について語っている。

それだけでもおもしろそうなのだが、
更におもしろかったのが、このダンナ様からの
日本人の奥さんの仕事に関するアドバイス。

FBIでの経験を元に語られているそのアドバイスは、
lifehack的なことではなく、人間の深層心理を
突いたものであることが多い。

なぜ、生活感の漂う人間に仕事を頼みたくないかわかるかい?
それは精神的にゆとりがないと判断され、すでにその人の能力が
限界まで使われていることが分かるからだ。(p125)

ビジネスのスキンシップのコツはスピードだと言った。
瞬時に、すばやく、短く、さっと触る、軽く叩く。
握手は、素早く手を差し出し、深く強く握り、ぐっと力を込めて
相手の手を確認して話す。ためらいなくやること。(p163)

知っている人にだけ挨拶するな、とも言った。
エレベーターで、ビルの入り口で、隣り合ったりすれ違ったりしたら、
見知らぬ人でも笑顔を向けよ。挨拶は、トレーニングで磨かれるから…(p165)

ということで、おもしろいだけでなく、ためになる。
という一冊で二度おいしい本でした。

流派は違うが、元ドイツ情報局員が明かす心に入り込む技術
共通する部分も感じられた。
特に、ターゲットとのファーストコンタクトから、
信頼関係を築いていくまでの、計算された演出に驚かされた。

どちらの本もオススメです!

田中 ミエ
幻冬舎 2008-12
¥ 1,470

感想メモ:日本の景気は賃金が決める

★★★★☆

アベノミクスという言葉はほとんどの人が知っているだろうが、
その内容と意味を説明してみて、と言われると、
ぐぬぬ、となる人がほとんどだろう。

本書はそんな人がターゲット。
かなりの割合の人が当てはまろう。

以下の点は、あまり知らなかったので、
なるほど〜、と思いながら読んだ。

日本の不況の根本原因は、単純に「消費不足」であり、
これを貯蓄の面からみて「貯蓄過剰」などということもあります。(p173)

国民所得の約七割は労働者に賃金所得として分配されるのですから、
「賃金所得が民間消費に使われる」部分を活性化せずに、
本当の意味での景気回復など起きないことがわかります。(p175)

  • 1男女の賃金格差
  • 2企業規模の大小による賃金格差
  • 3正規・非正規などの雇用形態による賃金格差
  • 4勤続年数の長短による賃金格差

が、消費不況などの問題の根底にあり、これらは
属性による賃金格差といえます。(p198)

日本での「属性による賃金格差」は、国際的にみて
“異常に大きな賃金格差”です。(p218)

パートタイム労働者の賃金はフルタイム労働者の6割弱
女性の賃金は男性より約3割低い
30人未満の企業は大企業の約5割の賃金しかもらえない

イギリスとスウェーデンでは、社員1000人以上の大企業よりも
中規模の企業の方が、平均的に高い賃金を支払っています。(p215)

つまり、賃金が下がることが原因で、消費が足りていないこと。
属性による賃金格差が大きすぎること。
が、不景気の大きな要員としている。

それに対し、アベノミクスの意味合いを議論した上で、
「都市部への人口集中」と「都市部の不動産価格の継続した上昇」を、
景気対策として提案している。
その意図するところは、本書を参照してほしい。

親書だから内容が薄いのは仕方ないかな、
などと思いながら読んだのだが、
しっかりデータに当たっての分析が盛り込まれている、
ものすごく濃い本だったのはよい驚きでした。

感想メモ:ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由

★★★★☆

BODY SHOP、スターバックスジャパンと、
二つの会社のCEOを務めた岩田氏。

どちらの会社も、魅力的な創業者が会社の理念(ミッション)を掲げ、
そのミッションによって束ねられた人たちによって、運営されている。

「想定外」のときにむしろ重要なのは、原理原則である。(p176)

ミッションというのは、立ち返る土台、そもそもの動機とも
言うべきものなのだろう。

皆が、働くことに納得し、働くことを喜んでいるような会社。
働くことで、相手も自分たちも幸せになるから。
それができている会社は、強い。

いいものに対しては、然るべき対価を気持ちよく払うことを厭わないし、
そもそも他に代わるものがないので、価格そのものが気にならなくなる。
私は、これこそが第五次産業の姿だと思います。(p166)

そして、ミッションが必要なのは、会社だけではない。
個人としても、立ち返る原理原則である「ミッション」を持とう。
これが岩田氏のメッセージだった。

さぁ、ノートに書いてみよう。
書くと思いの他叶うもの。

感想メモ:選択の科学

シーナ・アイエンガー
文藝春秋 2010-11-12
¥ 1,700

★★★★☆

「人生は選択の連続」だ。

では、選択とはなんだろう?

わたしたちが「選択」と呼んでいるものは、
自分自身や、自分の置かれた環境を、
自分の力で変える能力のことだ。 (p23)

選択するためには、まず
「自分の力で変えられる」という認識
持たなくてはならない。(p23)

「自分の人生は、自分で変えられる」という認識。
雇用流動性の少ない日本では、この認識は、
あまり高くないように思う。

仕事の自己決定権は、健康にも影響するというのだから、
笑いごとではすまされない。

仕事上の裁量の度合いが小さければ小さいほど、
勤務中の血圧は高かった。(p34)

人々の健康に最も大きな影響を与えた要因は、
人々が実際に持っていた自己決定権の大きさではなく、
その認識にあった。(p35)

最初にも出てきたように、
「認識」というところがポイントであり、救いだ。
そういった「認識」を持つには、
小さな成功体験を持つことが大事であるようだ。

他にも、個人主義と集団主義における
「選択の自由度」に対する認識の違いや、
ヒューリスティックスのような
「人間の選択のクセ」についても触れられている。

著者は、子供の頃に視力を失ったそうだ。
そして現在は、コロンビア大学のビジネススクールで、
教鞭を取っているとのこと。

彼女はどんな選択をしてきたのだろうか。

シーナ・アイエンガー
文藝春秋 2010-11-12
¥ 1,700